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WE-TECHのL85にBFAを自作してつけてみた〜実物パーツ輸入できないなら
作ってしまえ…ということで空砲弾アダプター自作

Blank L85

WE-TECHのL85にBFAを自作してつけてみた〜実物パーツ輸入できないなら作ってしまえ…ということで空砲弾アダプター自作

WEのL85のマガジンを空砲弾専用のブランクカートリッジマガジンに外装カスタマイズした話を前回書いたが、こうなるとどうしても欲しくなってくるのがこれと組み合わせるBFA…ブランクファイアリングアダプター。

英軍はL85専用の黄色いアダプターを標準で使用している。

ここでBFAについておさらい。

各国とも最近では空砲弾を使った実戦的な訓練を重視しているという話は前回書いた。

実戦的…という中には30発で弾切れになった時に、敵の射線上にいる場合どう対応するかとか戦闘中にジャムを起こして銃から弾が出なくなった時にどう対応するか…とかそういうことも含まれる。

だからやはり昔の自衛隊のように口鉄砲では訓練にならない。

かといって訓練に実弾を使って撃ちあいをするわけにはいかないから空砲弾を使う。

ところが空砲弾を自動小銃で撃つと、火も出て音も出るが自動排莢しないため1発撃つごとにボルトアクションのようにいちいちボルトを引いて手動排莢、手動装填しないといけない。

ハリウッドのステージガンのように銃口を塞げば自動排莢するが、映画と違って軍がステージガンを調達するのは予算面からも安全面からも現実的ではない。

ならば簡易的に銃口を塞いで空砲でも自動銃が動くようにすればいい…幸いなことに軍では「見栄えなんかどうでもいい」というハリウッドよりも有利な条件もある。


各国とも制式採用している小銃に合わせたユニークなブランクアダプターを採用している。

その中でも英軍がL85/SA80向けに採用しているBFAは万力というかクランプみたいなユニークなデザインをしている。

WEのL85を手に入れてからこの英軍のBFAをなんとか輸入できないか当たっていた。

ヨーロッパのeBayなんかでは普通に英軍放出品の実物が売っているが、どうもセカイモンにしても他のルートにしても通関のトラブルを避けたいのかこういうものを扱いたがらない。

「実銃部品に当たるので審査が難しい」という説明も聞いたが、BFAをエアガンにつけたら実弾が撃てるようになるわけでもない、ただの飾りなんだけどどうもそう単純ではないようだ。

いろいろ思案した結果…自分で作ることにした。





英軍が採用しているL85/SA80向けブランクファイアリングアダプター
左はドライバーで締め込むタイプで右は工具無しでグリップを回して装着できる現用タイプ
とりあえず第一段階で左のグリップがないタイプをモデルにすることにした




この英軍式のBFAは他の国のそれよりも複雑な形状をしている
特にこの両サイドのスチールプレスのカーブの再現が最大の難関
ヒートガンで4mmABS板を曲げて作るために塑像粘土で押し型を作った
結論から言えば手抜きしないでちゃんと木型を作ればよかった…




サイドのカーブの形を作ってヒートガンで粘土を乾燥させ型を作ったが…




はい、乾燥したら粘土がもろくなって割れてしまいましたw…
雄型と雌型を木で作ってABSをプレスするのが工程としては正解だったのだが
なんとなく粘土で簡単にできるんじゃないかな…と手抜きしたのが苦労の始まり…
UVレジンで粘土を固めてこれ以上崩壊しないようにして作業を始める…




いろいろ紆余曲折あったけどこの型に4mmABS板を
ヒートガンでかたどって左右合わせでなんとか形ができてきた
簡単に書いているがなかなかの悪戦苦闘だった…これを最初の目論見では
4mmアルミ板を曲げて作ろうか…とか考えていたんだから知らないということは恐ろしい




なんとか形ができてきたところで英軍の黄色を塗装
いつものガッシュはなかなか高価なので(なんせタミヤカラーの数倍の値段)
最初タミヤスプレーのイエローで塗装したが柚肌になって完全に失敗
この季節は1年で一番塗装に向かない季節だったことを思い出した
仕方なくいつも通りガッシュのパーマネントイエローで塗装して
タミヤのクリアを吹き付けてラッカーっぽい雰囲気に仕上げ直した




ガッシュのジェットブラックを薄めてこびりついたカーボンやサビの感じを塗装




装着してみると銃身と上端が平行になっていないとか
左右の突起の形状が微妙に違うとか
気に入らないところが出てきたのでまたもや削り直し




再度塗装でさらにカーボンと錆を盛り付け




こうしてでき上がったBFAをWEのL85に装着
一時はどうなるかと思ったができ上がってみるとなかなか雰囲気は出てると思う




銃口に装着した様子
かなり使い込まれてこびりついたカーボンと錆だらけ…
という設定だがこれがABSだなんて信じられる?
蝶形の指かけは実物にはないけども回しやすいのでそのままにしてる
グリップ型の再現もそのうち検討する




ブランクカートリッジマガジンとBFAそろって英軍の訓練風景の再現
あとはSASなど英軍の軍装を揃えればジョンブルコスプレも可能…
軍装趣味はないんだけど…




こちらは英軍の空挺?詳しいことは知らないけど
L85A2の後期型ハンドガードにグリップなしのBFAをつけている訓練風景
サイトはSUSATをつけている




こちらはダニエルディフェンスのハンドガードに換装したL85A2
空砲弾専用マガジンにBFAの組み合わせ




(上)実銃のL85訓練風景と(下)WEのL85ガスガン
この兵士の組み合わせは模擬射撃訓練用のジーメンスのレーザー射撃デバイスをつけている
サイトは4倍固定のELCANに換装しているなど今回のモデルにした組み合わせ




(上)実銃のL85訓練風景と(下)WEのL85ガスガン
こちらの兵士のL85は同じ空砲弾マガジンにBFAの組み合わせ
ダニエルデイフェンスのハンドガードはサンドカラーでバーティカルグリップもつけている
BFAは上下逆につけているがなぜかどの兵士もBFAは水平につける
垂直につけている写真を見た事がないのでなにか内規があるのか
それともみんななんとなく水平にしなきゃいけないと思っているだけなのか…




(上)実銃のL85訓練風景と(下)WEのL85ガスガン
この兵士はバーティカルグリップをトリガーガードぎりぎりのところにつけている




よく見かける通常の装着状態




上下逆に装着している状態
このスタイルの装着法の写真も時々見かけるが
垂直につけている写真を見た事がないので何か決まりがあるのかもしれない




(左)実物L85用BFAと(右)ABS製自作BFA
カーボンと錆で黒く変色したBFA…という設定なんだけど結構派手に
ウエザリングをやったと思ったが写真を撮ってみるとそれほど古びた感じでもない
汚しを塗装で表現するときにやりすぎると
単に汚い塗装失敗しただけの作品になってしまうが足りないと汚しが活きない
なかなか加減が難しい…




あと苦労したのがこのサイドプレートの複雑な形状かな
米軍のBFAなんて簡易に板金プレスで正方形の箱作ってるだけなのに
イギリスはなぜL85用にこんな複雑な形状のBFAを作ったのだろう?
意味はわからないけどなんとなくかっこいいので再現したくなる形状




エアガンにつけるBFAは単にかっこだけでなくBB弾誤発射を防ぐセーフティキャップを兼ねている
マルイの実用的だけど味気無い赤いキャップよりは実銃の雰囲気を味わえるという趣向
なのでそれぞれ銃口にがっちり固定できるように作るのが私のポリシー




(左上)オーストリアのAUGのBFA赤タイプと(左下)青 タイプ
(右上)FNCのBFAと(右下)L85のBFA
ここらは全部自作している…すでにお気づきと思うが私はBFAマニア…
BFAフェチと呼んでくれても構わない




(左上)SCARの米軍タイプのBFAレプリカと(左下)SCARにつけているがMINIMIタイプレプリカ
ベルギー軍のBFAがなんとなくこれに似ているのでSCARにつけている
(右上)FAL/LARのBFAと(右下)89式のBFA
この二つは自作でFALのBFAはどうやらFNCと共通らしい




(上)M16A1につけた米軍仕様BFA実物と(下)ドイツ軍のG36用BFA実物




英軍のBFAを自作した事で欲しいと思っていたパーツはほぼ揃った








もともとは赤いセーフティキャップがダサくて嫌いだったけど
もっとスマートに安全アピールできてしかも実銃気分も味わえる…ということでBFAに凝りだしたのが始まり
今ではゲームにはいかないがBFAの各国モデルを揃えたいという積年の思いが高じてこうなってしまった
メーカーさんが赤キャップの替わりにこういうものを商品として発売してくれたらいいんだけど…
売れないかな?



永年の思いが叶って英軍のBFAも手に入ってしまったので、残る課題は数年来の…というかライフワークに近い水平二連散弾銃の仕上げが最大の課題として残るだけとなった。

あれさえできればもう死んでもいい…いやベークライトグリップのマカロフもなんとかせんといかんな。

HWSのレミントンアーミーもまだ組み立てもしないまま押し入れに眠っているし…

まだ当分死ねないが、ひとつずつクリアしていくかな…



2024年6月18日
















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