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なんちゃってなIT用語辞典15

多分何の役にも立たないIT用語辞典
How that IT term sounds funny



エージェントソフト


agent application

「マトリクス」という映画を非常に興味深く見ていた。

といっても私が感心したのはこの映画のアクションシーンやCGではない。

この映画はコンピュータのことを非常に良く知っている、あるいはコンピュータオタクという人がシナリオを作ったんだろうと感じている。

それくらいこの映画はコンピュータの世界をいろいろ表現した暗喩表現が出てくる。

主人公は現実生活になぜか現実感を感じられずに不眠症になっているコンピュータプログラマ。
そして彼はなぜ現実感が感じられないのかということに疑問を持ち、毎晩「その答えを探している」。
この姿はGnutellaクライアントで毎日ネットで探し物をしているネットジャンキーに似ている。

ある日現れた「エージェント」と名乗る男たちによって主人公に仕込まれる虫のような「ワーム」。
この「ワーム」は文字通りワームと呼ばれるプログラムそのものだ。

そして彼が出会うのが有名なハッカーたち。
しかしこのハッカーは実は単なるコンピュータに侵入して悦に入っている愉快犯ではなく、「覚醒した者たち」だった。
彼等の手助けを受けて「覚醒」した主人公はバーチャルリアリティの「トレーニングプログラム」で戦う術を教えられる。
その会話が比喩的だ。
「このスパーリングプログラムはマトリクスと同じように重力などの物理法則を再現している。
しかしそれは『原則』に過ぎない。
当然破ることもできる。」
というハッカーらしい論理でルールが説明される。

スパーリングで破れた主人公にこの「忠良なる」ハッカーはこう指導する。
「なぜ負けたのか考えてみろ」
「あなたの動きが速すぎるからだ」
「この世界ではスピードは筋肉の力によると思っているのか?
お前が吸っているのは本当に空気か?」

そしてこの「マトリクス」と呼ばれる仮想世界は、実はメインフレームにある「アーキテクチャー」と呼ばれるプログラムに支配されており、その「アーキテクチャー」というプログラムに付属する
「エージェント」と呼ばれるプログラムによって管理されている。
この構造は例えばUNIXなどのサブシステム、サブルーティンの構造とそっくりだ。

その「エージェント」は「マトリクス」の中にいる人間なら誰でも、その体も乗っ取って成り変わることができる。
これはコンピュータ世界でのUNIXのsuコマンドにそっくりだ。ルートの権限を持つユーザ、またはプログラムは誰の権限も乗っ取ってそのユーザに成り変わることができる。

「エージェント」はなぜか主人公を「アノニマス」(匿名)と呼ぶ。
アノニマス(anonymous)はネットワーク用語で固有のIPアドレスを付与されていないクライアントがネットワークやftpサーバなどに名前を明かさずに特例として接続しているような状態を指す。

このように「マトリクス」という映画の世界観は実際には緻密に組み立てられた、コンピュータ(特にUNIXの)内部の世界観そのものだということが解る。
それを小難しい理屈や説明を並べずにスピード感溢れるストーリィ展開で観客を引っ張っていってしまい、「これってコンピュータの世界でよく交わされる会話だよね」とあとで気づかされるという実に面白い構成になっている。

(余談だが、映画に出てくるOracleは「予言者」と字幕では訳されているが、これは「神官」か「賢人」と訳すのが正しい。微妙な違いだが
「当たり外れは問題ではない、『予言者』は充分知っている」
という謎掛けのような会話から、作者はこの違いを使い分けていることが解る。
このOracleもLinuxサーバのオラクルと符合させて観るのは深読みし過ぎかもしれない。)


この映画は「エージェント」というキャラクターが魅力的だから成功したと思っている。

この「エージェント」という発想が面白いから、ストーリィの膨らみが出てきているのだ。
2作目の「リローデッド」以降では、このボスキャラの「エージェントスミス」は「アーキテクチャー」のコントロールを離れてしまい勝手に動き始める。
これもソフトウエアの暴走を連想させて面白い。

ところでこの「エージェント」と呼ばれるプログラムだが、実は私たちも今既に日常的に目にしている。

「代表的」ということでいつも引き合いに出されるのが、あのWindows版のWordを起動すると出てくる青いイルカだ。
あの青いイルカはハッキリいって役に立たないし、邪魔だということで出てこないように設定している人が多いのだが、あれも確かに「エージェント」といえばそうだ。
あれが「エージェント」なんだったら、
「エージェントって結構つまらないものなんじゃないか?」
と思う人もいるかもしれないが、もっと重要なエージェントソフトを我々は毎日使っている。

メールソフトだ。


メールは毎日使う。アドレス帳にはもう数百人のアドレスが入っているという人も多いだろう。
インターネットのクライアントユーザのほぼ全員がメールアドレスを持っている。そしてそのほぼ全員が数十から数百のアドレス帳を持っている。
そういう人たちが毎日アトランダムにどんどんメールを送る。

誰が配達しているんだろうかと疑問に思ったことはないだろうか?


メールソフトというとOutlookExpressとか、Beckyとかそういうメールクライアントが日常目にするインターフェイスだが、メールという仕組みはこういうクライントアプリで動いているわけではない。
これらのメールクライアントはメールというテキスト文書を作成したり、それをメールサーバにあげたり、あるいは着信したメールをメールサーバからダウンロードしてくるというだけの働きをする、まさにクライアント(サーバの提供するサービスを利用する子機、端末、アプリを総じてクライアントという)なアプリケーションな訳だ。

では実際にメールのサービスはどこで動いているのかというとメールサーバの「エージェント」がそれを動かしているわけだ。


ユーザがあげてきたメールはメールサーバの中に一旦保存される。
このメールには宛先が書き込まれているヘッダという部分がある。
サーバはこのヘッダを読み込んで、その宛先のアドレスがある方向に近いサーバに次々とバケツリレーのように渡していくわけだ。
こうして時には遠回りしながらも、各サーバにある「エージェント」がルートを探して伝送していって最後には目的のサーバにこのメールが届けられるわけだ。
目的のサーバに届いたら、そのサーバと契約している受取り人のユーザがOLEやBeckyのようなメールクライアントアプリを使ってそれをダウンロードしてメールを読む。

おおまかにいうとこれがメールというインフラの仕組みだ。
そしてメールサーバに仕込まれた「エージェント」ソフトを、
MTA(Message Transfer Agent)
と呼ぶ。

またユーザが使っているOLEやBeckyのようなメーラを
MUA(Mail User Agent)
と呼ぶ。

いずれもagentと呼ばれているは、このアプリケーションが自律的に判断をして動作するアプリという意味からだ。


「エージェント」と普通のアプリがどう違うのかという境界線は実際にはあまりハッキリしていない。
なんせWordに付属しているあの役立たずの青いイルカも「エージェント」だからだ。
ただ一応基準というか、概念はあってPhotoshopのように大掛かりな処理をする巨大なアプリだろうが、こういうアプリは自律的に何かを判断するということはなくて、命じられた通りの作業を決められたプログラムに則して進めるものであるのに対して、特定のアドレスにメールを送るにはどのサーバを経由するとそこに近いかという判断は、ケースバイケースの判断を要求されるので、そういう知能を伴うような機能を持つ物を「エージェント」と呼ぶことになっている。

しかし実際にはMTAは常に最短距離を選んでいるわけでもないし、一見アトランダムなルートを選んでいるように見える。

また例の青いイルカがどういう知能的な判断をしているかが全く解らないので(イルカのアドバイスが役に立ったためしがないし、邪魔でしかないのでどう見ても知能を伴う判断をしているようには見えないからだ)この言葉も何となく意味が解りにくくなり始めているように思う。


ちなみにメールサーバで働いている「エージェント」は現在のインターネットではほとんど
sendmail
というUNIXソフトで動いている。
(MacOSXの不可視のシステムファイルの中にもこのsendmailというアプリケーションは入っている。つまりその気になればOSXもメールサーバになるということだ。GUI化されていないので、実際にやるのは面倒だろうけど)

Windowsファンのオジサン達のなかにはWindowsとMSOfficeが世界を動かしているように錯覚している人が多いが、

メールというインフラはほとんどこのUNIXソフトで運営されている。


(メールがUNIXで運用されている証拠に、宛先不明のメールが返ってくる時の差出し人の名前は「mail daemon」になっていることがよくあるはずだ。「daemon」はUNIXの常駐ソフトのことだ)

こういう世界ではWindowsというクライアントは全くの異物でしかなく、また時々意味不明のローカルルールをrfcルール(インターネットの仕様を変更したい時にはオープンな専門家のフォーラムで仕様変更を提案して皆のコメントを求めるrequest for commentという民主的で水平なインターネットの慣習的ルール)を全く無視していきなり入れてくるMicrosoft製品は、混乱と余計な作業を生み出しているだけに過ぎない。
ただ乗りしているくせにルールを守らないというのがこの会社の社風なのだ。

メールは届いたり届かなかったり、凍ったりしていては使い物にならないのでこの分野がWindowsに置き換わるということは現状ではほぼあり得ない。
いやそういう不便なメールでも良いというなら話は別だけれど。


エージェントというトピックスを取り上げたいと思ったのは、エージェントソフトからこれから新しいものが生まれてくるかもしれないと思ったからだ。

最近の新聞記事によると、webからユーザが興味がありそうな記事を自動的に拾ってきて収集するエージェントアプリが開発されているという。


いまweb検索というとGoogleとかyahoo!とか、そういう検索ポータルサイトでキーワード検索をするというのが一般的な利用法だと思うが、そういうGoogleの検索ロボットを利用するより各ユーザのクライアントPCにひとつづつ検索ロボットが装備され、それが自分のカスタマイズで動くというふうに考えたらいいかもしれない。

インターネット検索の精度は飛躍的に上がるだろう。
また使い込めば使い込むほど、自分の興味がよく分かった検索エンジンになるはずだ。

インターネットは膨大な情報が埋め込まれているので、そのどこからどうやって自分に必要な情報を得るかが問題になってくるだろう。

検索の精度が上がれば2ちゃんねるのようなところで貴重な手間と時間を浪費しなくても有効な情報が得られる。
そういうところから、また大きな変化が出てくるような気がする。




注釈:
「ハッカー」という言葉は厳密にいうとネットなどで侵入してくる愉快犯のような連中を指す言葉としては間違っている。正しくは「クラッカー」というべきだ。「ハッカー」というのは「システムをハックする人」という意味で、合法的、非合法的いずれに拘らずシステムの正規の使用法以外の使用や改造を試みる人のことで、違法行為をする人のことを指すわけではない。
ただ「クラッカー」という言葉がまだ一般的でないことと、今では「ハッカー」がそういう違法行為をする人のことというふうに一般的には広まってしまっていることからあえて「ハッカー」という言葉を使うことにした。
「出ずっぱり」という言葉は本当は「全く出てこない」という意味なのに誤用されて「ずっと出ている」という意味で使われているのと同じように、「ハッカー」も本当は誤用なのは承知の上で、もう一般名詞化しているので、最近ではあえて使うようにしている。
言葉は用法の正確さが重要なのではなく、通じることが重要なのだと思っているからだ。




パケット


packet


最近「おそひる」という番組が気に入っていて毎週見ている。

「おそく起きた昼下がりは」というのが番組の正式タイトルらしいが、日曜日の午後に松居直美と磯野貴理子、森尾由美のとりとめもないおしゃべりを流しているだけの番組なのだが、この段取り主義が当たり前なテレビ業界のお約束を全部ぶち破っている超成り行き番組の豪快さ、開き直り方が結構好きで、「こういうのもあり?」なんて思いながら結構楽しんでしまう。
(制作スタッフは視聴者からのハガキを選ぶ以外に何か仕事をしているんだろうか?)
地上波の日曜の編成は砂漠のように不毛だが、この番組だけがオアシスのように「楽しみ」な番組なわけだ。


この番組の中で先日面白い話が出ていた。
番組で紹介した視聴者からのハガキのなかでこういう物があったが、

「年を感じるのは知らない言葉が普通に使われているのを知った時です。 パケットってよく聞きますが、どういう意味ですか?」


という内容で、この話で大いに盛り上がってしまったわけだが
磯野貴理子が
「そういえば知らないことが多いよね、OKってどういう意味?」
なんてことで身近でよく使っているけど実際にはどういう意味なのかよく知らない言葉が結構あるという話になってきた。
皆さんはご存じだろうか?

OKというのはアメリカのジャクソン第7代大統領が、書類に承認という意味のサインを書く時に必ず
「O.K.」
と書いたという話だ。
この意味は全て承認済みという「All Corrected」ということだが、しかしそれだったら省略は
「A.C.」
でなくてはいけないはずだ。
この大統領は発音通りにOとKを書いてしまったということだが、私が子供時代に読んだ話では
「それくらい細かいことにはとらわれない英雄だった」
という説明がついていた。

OKの語源は諸説あるとのことだが、私が子供の頃読んだ説明もこれだったし、実際一番ありそうな話なのでこの説をとりたい。
このOKは1950年代に流行語になったはずだ。その当時は「A.O.K.」(オールOK)という形で流行して、日本にも入ってきたはずだ。


さぁてひとつ解決したところでもうひとつの疑問、パケット...
だがこのパケットについてはもうここに書いてしまった。

パケット理論をまとめたのは世界最初のインターネットの通信実験を実施したクラインロック教授だ。
パケットというのはデジタル通信で送るファイルを最初から決められた大きさに分割して送るスタイルのことで「小包」という意味だ。

小包といわれる所以は、分割したファイルにひとつづつ宛先などの情報を書き込んだヘッダというものをつけるからだ。
イメージ的には本当に小包だ。


なぜファイルを分割するのかというと、大きなものを送るとその時間は回線を占拠してしまうし、通信が連続的でないと途中でファイルが壊れてしまうなどの障害が起きやすくなるからだ。

TCP/IPという通信規格はファイルが到着したら必ず相手がちゃんと受け取ったという確認を返す規格になっているが、それでもしょっちゅう送信に失敗して送り直しになっていたら結局通信時間もかかるし、通信失敗も頻繁になるに違いない。

パケットを細かくして、回線が明いている時にまとめて送るということにしておけば、回線がいつも確保できていなくても問題がないし、送信中に障害が起きた時に送り直す単位も小さいのでやり直しにかかる時間も短い。


今はインターネットでは普通パケットひとつの大きさは1500Bというふうに決まっている。
だから小包ひとつの大きさを1500Bで設定するのが一番合理的なはずだ。これがTCP/IPの世界でRFC(Request For Comment、つまり皆で提案しあい皆で検討して決めた規格という意味)で決められた標準だ。
パソコンでMTU(Maximum Transmission Unit)を設定するというのはこのパケットの大きさを決めるということだ。

一時期ADSLに乗り換えたのに思ったほどのスピードが出ないという人たちの間で、このMTUを変更するソフトというのが話題になって爆発的に売れた時期があった。
夢のような高速が実現しましたという体験談が雑誌広告に載ったので、それにつられて買ってしまった人が多いようだ。

しかしこういうのは女性雑誌の裏表紙広告に載っている「恋愛運を開くペンダント」の広告に似てるということに気付いた人はあまりいなかったのだろうか?


本当に効果がオーソライズされたソフトなら「夢のような高速通信が実現しました」なんていうユーザの体験談なんか広告に載せる必要はないはずだ。
効果がないからそういう騙しみたいなことをするんじゃないだろうか。
実際このソフト今では全く話題にも上らなくなった。
買った人の大部分は「そういえばスピードが上がったような上がってないような...」と首を傾げているうちにこのソフトを使わなくなってしまったのだと思う。
世の中にはメジャーなコンピュータ雑誌に堂々と広告を載せているが、こういう詐欺みたいなソフトが沢山あるから気をつけなければいけない。

こういうソフトがはびこった原因のひとつが某プロバイダの規格無視だと思っている。
この某プロバイダのADSLの場合、パケットの単位は規格通り1500Bだったが、そこにさらに規格外のローカルなヘッダをつけたので、実質のパケットの大きさは1456だかそれくらいの大きさになってしまった。
そこに標準設定のPCをつなぐといきなりパケット数は倍になるわけだから通信の効率は確かに悪かった。

そういうケースではMTUを1456以下にすれば高速になるということがあった。

これが噂になって広まり
「MTUを変更するとADSLが高速になる」
というデマに繋がった。しかし実際にはこれで効果があるのはこの某プロバイダのケースだけだ。

このMTUをワンタッチで簡単に変更できるソフトというのが先の「高速化ソフト」だったが、これは大部分のプロバイダーの場合無意味だった。

ルールを守らない某プロバイダのおかげでそういう混乱が残っただけでこの騒ぎは悪質なソフトメーカーを儲けさせただけだった。

もっともそういうソフトに騙されたと怒る前に、不勉強を恥じるべきだとも思う。
ちゃんと理解していればそういう手合いのソフトは無意味だということもちゃんと解るはずだ。



ところでパケットとは何かという解説をしたが、最近携帯電話に絡んでパケットという言葉をよく聞くようになったのは少し意味合いが違う。

パケットは技術として紹介されているのではなく、ケータイの料金体系に絡んで人口に膾炙するようになったのだ。

(1969年に最初のインターネットが産声を上げた時からインターネットはパケット通信だった。パケット通信自体は目新しい技術でもなんでもない。)

90年代末にNTTドコモがiモードを始めた時に、いくつか売りがあったがそのうちのひとつが安い料金だった。
それ以前のデジタルケータイにもライトメールはあったが、これらは全て接続している時間で課金されていた。

ところがiモードはパケット料金という制度を始めたのでこれがヒットの要因に繋がったわけだ。


どういうことかというと、この料金体系では通信したパケットの数で課金するので接続自体は無料ということになる。
もしパケットを送らなければ何時間接続していても料金はかからないわけだ。
ということはメールなどは一気に落として、後はそれをじっくり読むということをしなくても良いし、メールを打つ時もまとめて打ってドバッとなんて気の使い方をしなくて良い。
接続をその度にいちいち確立しなくてもいいから、気軽に使えるメールになった。

従来の料金体系は回線に課金したが、この新しい料金体系はパケット従量制といわれる。

文字どおりパケットをいくつ送ったかで課金される方式だ。
40〜50文字程度のメールを送るのに1円もかからないので一見従来の電話の料金体系に比べれば安いように見える。
だからiモードはヒットした。
しかし安いからってどんどんメールを打ってどんどんwebも見て、どんどんダウンロードもしているとすぐに恐ろしい金額が月末に来ることがわかってきた。
PCを電話につないでインターネットに接続している人も同じことだ。

そこで今パケット定額制という料金体系を各キャリアがスタートしてこれが新しい流れになるかが注目されている。

パケット定額制というのは電話をいわゆる本来の「もしもしはいはい」に使っている時だけが回線課金制で、それ以外のメールとかインターネットとかにはいくら使おうが関係なく決まった額しか請求されないという定額制だ。

これはすごいことだ。
本来ならセンセーショナルな扱いをされるべきすごいことなのだが、実際にはあまり注目されていないし、騒がれてもいない。

この理由は簡単でドコモにしろKDDIにしろ料金設定が高すぎるからだ。
これではインパクトがない。

yahoo!BBはなぜ2000年の春にADSLの流れを変えるような大きなインパクトを打ち出せたかというと、別に常時接続だったからでもなんでもなく、

単に料金が従来の半分以下という安さだったからだ。

yahoo!BBのADSLはあまりに安かったのでダイアルアップは勿論、ISDNも全く太刀打ちできないという意味でインパクトがあったのだ。

だからデジタル回線を解約してわざわざアナログに戻して、ADSLに契約し直した人が続出したのだ。

KDDIもドコモももう一皮剥けてくれれば、yahoo!のADSLなんか解約して皆モバイルに乗り換えるなんていう面白い状況ができたかもしれないのに。
なんだか残念だなという気がしている。

KDDIはそういうことをやってくれそうな気がしていたが、いざふたを開けると結構無難なところでおさまっている。
NTTドコモはかつてのiモードを生み出したような斬新な企画部門が今硬直化しているので、そういう思いきったことができない。

こういう時こそNo.2のKDDI/auはチャンスだと思うんだが、そういう時ってえてして冒険をできないのが日本の会社組織なんだろうなと思ってしまう。

多分、ドコモと過当競争になって通信料が値崩れすることを恐れているんだろうと想像するが、

実はドコモやauの食うべきパイはお互い同士ではなく、yahoo!BBやニフティなどの固定線インターネットプロバイダなのだということに気がついてくれると面白いことになるのだけどなぁ。


そうこうしているうちにNTTドコモが盛りかえしてくる。それで結局業界には大きな再編は起きないということになるのかもしれない。


それはともかく、パケットという言葉をよく聞くようになったのは、そういう料金体系の表現にパケットという言葉が使われているからだというだけであまり意味がない。

本来はデータ通信定額制というべきところなんだろうけど、それって堅苦しそうで小難しい感じがするが、パケット定額制といえば何となく可愛い感じがするので、多少意味不明であってもこの方が消費者には受けがいいだろうということで使われているに過ぎない。

用語解説をするならそういうことだ。



2004年5月26日













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