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最近のweb界隈のもろもろについて

Some kind of inpressive


最近のweb界隈のもろもろについて

最近webで見かけたいくつかの気になるエントリについて。

タイム・コンサルタントの日誌から - Excelで工程表を書いてはいけない

最近たまたまアメリカのビジネス事情を扱った番組を日本語訳する仕事を受けて、その作業をしていた。
その過程でアメリカでは「Basecamp」のようなGTDのwebアプリケーションがビジネスマンの間でからなり普及しているという話があった。
番組のナビゲータやナレーションがそういっているだけだったらあまり信用しないのだが、前AIG会長のご老人が
「ビジネスマンはビデオコンファレンスやBasecampのようなものを是非実際に使ってみるべきだ。メールなどとは全く次元が違うコミュニケーションツールだとすぐに気がつく筈だ」
と言っているのを聞いて、もうそういう人にも普及しているということを思い知った。

GTDについてはいろいろなところで解説されているが、このGTDの考え方を取り入れた工程表共有webアプリのBasecampなどは私理解が違っていなければこういうものだ。
(私自身使っていないので理解が間違っているかもしれない)


『これは例えば従来のOutlookやFilemakerなどのテキストベースのスケジュールを 共有するような直線的なスケジュール管理とはかなり考え方が違います。
もっと立体的にというか柔軟にプロジェクトの進行を管理するアプリです。

簡単に説明するとこういうことです。

ここに A君、B君、C君、D君の4人で進めるプロジェクトがあったとします。

A君はaというプロセスを担当し、aプロセスが80%進行したらその結果を見てB 君がbというプロセスを開始します。
bプロセスが80%完了したらその結果を見てC君がcというプロセスを開始して 、全体では納期に間に合うという計画を立てたとします。

ここに並行してこのプロジェクトのdというプロセスを進めているD君という人が いますが、彼が急に他の仕事を優先しないといけなくなったとか、あるいはヨメ さんが足を骨折して仕事にかかれなくなったとか(^_^;)
そういう何か予想外のことが起きて、dプロセスを急遽代わりにA君が先にやらな いといけなくなったとします。

A君は先にdプロセスの仕事をかたづけて、次にaプロセスの仕事をやっても、次 のB君のbプロセスは納期に間に合うと判断してそっちにかかってしまったらどうなる でしょう?

そのA君はbプロセスが80%完成しないとC君がcプロセスにと取りかかれないと いうことを知らず、そのまま遅れを受け渡したらプロジェクト全体が納期に間に 合わないという事実も知らなかったらどうなるでしょうか?

「そういうときのためにプロジェクト管理の会議をするべきなのだ」
というのは日本企業の発想で、向こうは
「そういうものこそコンピュータの得意分野なのだからwebアプリケーションに やらせればいい」
という発想になるようです。

このwebアプリは単なるスケジュール表ではなく、こうしたルールを組み込んだ ASPサービスで、A君が当初の計画より納期を遅らせたら計画全体がどういう影響 を受けて、それがそれぞれの個人の仕事のプロセスにどう影響するかを全員に知 らせるというそういう機能を持っています。
ここがきちんと誰かがスケジュール表を管理しないと役に立たないOutlookや Filemakerとは全然違います。』


これはこの時のスタッフのやり取りのコピペなのだが、こういう工程管理ということがかなり向こうでは普及した考え方になっているように思う。
ところが日本企業は相変わらず、工程表をExcelで書いて、その情報が上手く共有されない、あるいはスタッフ間のディスコミュニケーションが原因で、結局工程表が機能しないということが起きて、その度に
「工程表についての意識を共有するためにもっとスタッフ会議を頻繁に行って徹底すべきだ」
という日本的な解決法になって、何のためにLANで全員をつないでいるのか意味が分からないという非能率が普通に行われている。
かくいう私の勤め先もまさにこのままこれが当てはまる。


このエントリは私の読み違いかもしれないが、そういう話と同じことを書いているのではないかという気がした。
「Excelで工程表を書いてはいけない、Excelの工程表はただの絵だ」
というのはそういうことだと思う。
そしてこういうところにもアメリカ企業と日本企業のIT活用のレベル差がある気がする。
なんせアメリカではAIG前会長の70歳代の老人が
「使ってみるべきだ」
とか言っているのだ。
日本の企業の中枢を占めている「団塊の世代」なんていう「若者」よりもずっと頭が柔らかい気がする。


不用意にブログパーツを貼り付けることの危険性 - TERRAZINE

こちらはブログパーツをいろいろ貼っていると、知らない間にそのサービスプロバイダのドメインが失効して、そのドメインを引き継いだ悪徳業者がフィッシングサイトへの誘導リンクを配信するようになるかもしれず、ちゃんと管理していないと気がつかないうちに自分のブログが、フィッシングサイトへの誘導ページにされている可能性があるという話だ。

廃止URLを知らない間にいかがわしい業者に使われていたという例は
これはひどい!〜SEO屋の仕業か廃URLに勝手に便乗する手口
という記事で実例に触れた。
トマフィーさんの場合は実害はないが、これがリンク先にあるようなthatsping.comのようなブログパーツを提供するサービスプロバイダだったら「実害がない」とも言っていられない。
thatsping.comは
「ドメイン失効の後、順調にドメインを乗っ取られ、ブログパーツを貼付けているブログは強制的に別サイトに飛ばされる」
ということになってしまったようだ。

ここにウイルスを強制ダウンロードするサイトを置くことも可能だし、「振り込め詐欺サイト」を置くことも可能だ。
ブログパーツをやたら貼付けるならその現状をしっかり監視した方がよいということだ。


グーグル恐怖症を克服した人だけが…野口悠紀雄 Gメールに全個人情報:ZAKZAK

こちらはGMailの活用法について「超整理法」の著者の野口悠紀雄が触れたインタビュー記事。
内容は野口さんらしいオプティミスティックなIT活用論者の論調で、GMailも活用法で非常に役に立つツールになるということが語られている。
「グーグル恐怖症」
という刺激的なタイトルを敢えて使ったのは最近のGoogleMapのストリートビュー等に関連した「反グーグル」的な流れを意識したのだろう。

本当はどちらが正しいか、どちらが勝つかというような性質の話でなく
「GMailは役に立つよ」
というだけの話なのだが、そこはそれ話題の多いグーグルのことだから刺激的に書いた方が注目も高まるというマスコミ的な本能でこの記事は書かれている。

それはいいのだが、このいつの間にか醸し出されて来た「反グーグル」的な空気というか「グーグル恐怖症」とかって何が原因なのだろうか。

マイクロソフトがクライアントPCのOSのシェアを90%以上もとって、文書規格やオーディオ、ビデオなどの規格をほしいままに歪めて、しかもその一部しか競合他社に利用させないという横暴を重ねてオフィスの文書規格をめちゃくちゃにして結果的にIT化の進行を阻害している、あるいはwebのマルティメディア化を頓挫させているという現状を見ているせいかもしれない。
グーグルも検索であれだけのシェアを獲ってしまったら、きっとマイクロソフトと同じことをするに違いないという恐怖心はあるのかもしれない。

現にストリートビューは野心的なサービスだが、その運用に関してはマイクロソフト的な横暴さをネットでは指摘されている。
私個人はシュミット会長の話を聞いて以来、非常に進取の気性を持った面白い企業だと思っているだけにイメージ戦略を誤らないで乗り切ってもらいたい気がする。
マイクロソフトは結局Linuxなどの他のプラットフォームを叩きつぶした手口が汚すぎて、今になって
「皆様に愛されるマイクロソフトになりたい」
とかいっても取り返しがつかないくらい企業イメージが悪くなっている。
そういう「先人の失敗」の轍は踏まないようだといいのだが。




2008年12月13日
















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