オペレーションシステムいろいろ〜デスクトップキャプチャーをコレクションしてみた
先日MacBook Pro導入をきっかけに、移行ファイルや外付けハードディスクの中身の総ざらえをやっていたところ懐かしい画像が出てきた。
OS10.0から一つ飛ばしでOS10.2Jaguarを導入した当時のデスクトップキャプチャーがいろいろ出てきて、今見返すとかなり頻繁にデスクトップのレイアウトやテクスチャーを変えたりしていた。
今はそういうことにはほとんど関心がなくなったが、当時はどうすれば使い勝手がよくなるか試行錯誤していたのを思い出した。
一つにはOS Xの使い勝手に戸惑いを感じていて、OS9風の使い勝手をどうやったら再現できるかという試行錯誤をやっていたからだ。
OS9からOS Xにスイッチしてきた当時というのは、ちょうど今WindowsからMacにスイッチしてきた人と同じような当惑を感じていた。
だから、今のWindowsユーザがしているのと同じような質問をしていた。
「OS9でやるあれはOS Xではどうやるんですか?」
「OS9のアプリケーションスイッチはOS Xではなくなったのですか?」
今ではOS9の使用感を再現したいとも思っていないし、そんなことを考えていたこともすっかり忘れていた。
Windowsユーザの上記のような質問に
「なんでそんなことを疑問に思うの?」
と逆に首を傾げたくなるくらい、OSXのユーザビリティがもう普通になってしまった。
でも昔のキャプチャーを見ていたら、私もかなり試行錯誤していたのを思い出した。
今では全く残っていないのだが、もっとOS9、OS8時代のスクリーンキャプチャを撮っておけばよかったと思う。
きっとオモシロい思い出話が一杯できたと思う。
Windowsと出会った当時や、WindowsXPと格闘した時期とか、その他のOSとか。
こうして見ると私ってOSフェチだったのかもしれない。
そんなフェチがあんのか?というツッコミはさておくとして。
「私が愛したOS達」をいろいろ並べてみたくなった。
ちょこっとどうでもいいOS談義等。
MacOSの歴史については、こちらの資料がとても役に立った。
こういう買えば結構なお値段の本が、web上でPDFで公開されているのもすごいことだ。
A Technical History of Apple's Operating Systems- Introduction
ころは2002年の夏だった
発売されたばかりのOS10.2Jaguarを愛用のiBook DualUSBに
インストールしたばかりの頃のデスクトップのキャプチャー
ウインドウをデスクトップ下にタブとして格納できるアプリを試すためにドックは右に
OS9のような使い勝手にまだこだわっていたあの頃、君は若かった
その後ドックの使い勝手にどうしても馴染むことができなくてアプリを
スイッチタブで切り替えるOS9風のアプリを試していた頃のキャプチャー
デスクトップからゴミ箱が消えてしまったのも大きなストレスとなっていて
この時ゴミ箱アプリをいろいろ試していた
やはりOS Xはドックを使いこなさないと話にならないとようやく観念した頃
デスクトップのアイコンをいろいろ変えてみたり気象図アプリを常駐させてみたり
日常手が伸びるところの使い勝手を工夫し始めた
やがてWindowsShadeを導入してウインドウを折り畳むUIを復元したり
ゴミ箱をデスクトプに常駐させたりアプリケーションメニュー風のアプリを入れたり
結局OS9風の使い勝手にこだわっているのが分かる
この頃時計をデスクトップに表示することに凝っていた
一時期時計アプリが3つも並んでいたこともあるがやがて無用だと気づく
音楽聴く時にはiTunesを最小化してジャケットアート表示アプリを別に立ち上げていた
今はビジュアライザプラグインでiTunes上でジャケットも歌詞も表示している
ちなみにこちらが現在のOS10.6SnowLeopardのデスクトップ
いろいろ細かいところはいじっているのだが見た目を大きく変えるアピアランス系の
アプリ、プラグインはほぼ使っていない
OS9風というよりもOS X独自の使い勝手を追求してこの形になった
ということで、このキャプチャーを撮った頃はOS9からOS Xに「スイッチ」して、OS10.0Cheetahの使えなさに辟易して、OS10.2Jaguarが発売されて数日もしない間に飛びついてやっとOS Xが使える環境になり始めたという時期だった。
使えない環境の時にはどうやったらシステムが安定するかということに手をとられていたが、やっとシステムを安定させることから使い勝手を向上させることに思いが至る余裕が出てきたという時期だった。
と書くと、やや大げさに見えるかもしれないが、実際Jaguarに至るまでの数年間は、
「使えないOSをいかに使えるようにするか」
というのがテーマだった。
こんなにOS9風の使い勝手にこだわっているのは、OS9が好きだったからではなく、OS9を使えるようにすることに信じられないくらい精力を傾けたからだ。
OS Xを使い始めてもうすぐ10年になるがOS9はトータルで2年ほどしか使っていない。
しかし再インストールの回数はOS9はOS Xの10倍では利かない。
クラッシュ、爆弾の回数も比較にならない。(OS Xでは爆弾は廃止されたとかそういう話ではなく・・・)
OS9はたった2年のつきあいだったが、人生の過半の精力をつぎ込んだと言っていい。(いや、おおげさではなく)
だからOS9の操作がアタマに叩き込まれたから、OS Xでかなり変わってしまったことに戸惑った。
それでOS XのOP9風のカスタムにこだわっていたのだ。
OS9時代の数少ないキャプチャーは機能拡張フォルダの中身の様子
「古いMacユーザなら知っているかも」なテクニックだが機能拡張にラベルで色を着けておき
後からインストールされた機能拡張ファイルをすぐに識別できるようにしている
機能拡張のコンフリクトが起きた時に何がコンフリクトの原因になっているのかを
すぐに突き止められるようにこういうことを昔のベテランはよくやっていた
こういうアドホックなというか、手作りなテクニックを駆使しないと
OS9というOSはなかなか使いこなせないシステムだった
アプリケーションフォルダはバンドルとインストールしたものを
分けておくというのも一つのテクニックだった
問題が起きればごっそり削除して一つずつバックアップから戻すということもできる
今では考えられないような荒っぽい技でこのじゃじゃ馬を乗りこなしていた
そのOS9のスクリーンキャプチャが残っていないか探してみたが、撮っていたが捨ててしまったのか、元々撮っていなかった憶えていない。
当時はスクリーンキャプチャを撮ってwebで人に公開するなんて思いもよらなかった。
撮っていればいろいろ面白い話を書けたと思う。
Kaleidoscopeを使ってアピアランスを変えたり、OS X風のスキンプラグインを入れたりして劇的にカスタマイズしたりしていたし、そのKaleidoscopeのおかげでシステムクラッシュを食らって再インストールを余儀なくされていた。
MacOS9はベーシックなソフトほどトラブルの原因になっていた。
WinCDRの移植ソフトだったCDRライティングソフトのMacCDRとか、Nortonディスクユーティリティとか、MSOffice98とか、Internet Explorerとか、Outlook Expressとか、ひどいのになるとシステムにバンドルされていたFaxSTFがデフォルトの状態でコンフリクトを起こしていたり。
結構散々なOSだった。
そのデスクトップキャプチャーを一枚も撮っていなかったというのはつくづく惜しいことをした。
無いものはないので、OS9については最近クリアインストールしたiBook DualUSBのOS9の画面を撮ってみた。
殆どカスタマイズされていないが、もうOS9は10年近く触っていないので。
それでももうウチではOS9で起動できるマシンはこのiBook DualUSBだけになってしまった。
以下OS小史、OS談義も交えて
1984年の初登場の時にMacに搭載されたSystem1のデスクトップ(英文Wikipediaより)
私がMacを始めて見たのはこの3年後だったからSystem2だったかもしれない
使っていたわけではない(むしろアパシーだった)ので
System1〜6のどこがどう違うのかは知らない
これでも東大の坂村教授が絶賛する視覚的なインターフェイスだった
こちらはSystem7のデスクトップ(英文Wikipediaより)
カラー化されアイコンの描画もやや立体的になった
日本では半年遅れくらいで日本語化され「漢字Talk7」という名称で販売された
このバージョンのどこかから「MacOS7」という呼び方に変わったのを記憶している
この漢字Talk7が入ったMacを会社の健保組合が組合費積立金で購入したので、これをいじっていた。
これがMacとのつきあいのスタートだったかもしれない。
といってもこの当時Macは非常に高価だったので、自分で買おうという気は起きなかった。
使い道はハイパカのスタックゲームがメインだったか。
何らかのワープロソフトを使っていた気がするが、当時の私はシャープの「書院」の愛用者で
「ワープロの方がはるかに安定しているのに、どういう酔狂でワープロをパソコンでやらないといけないのか」
という考え方だった。
実際ワープロ専用機の方が仕事の能率が上がった。
Macは完全におもちゃだったような気がする。
ちなみに
「ハードディスクを内蔵しているので、絶対に筐体を持ち上げたりするな」
という注意を受けていたような気がする。
後にハードディスク内蔵のiPodを腰につけてバク転したりして踊るようなカルチャーが巻き起こるなんてこの頃は全く想像できなかった。
その会社機もいつの間にかシステムはOS8に上がっていた。
MacOS8になってアピアランスはだんだん今風になってくる(英文Wikipediaより)
デスクトップの色彩表現も豊かになりアイコンも塗り絵風の描画から変化した
この時代のMacを懐古する古いユーザが意外に多い
専門用語でいうところの「マカ」がこの時期に当たるかもしれない
その時代のWindowsも劇的な進歩を始めていた
これはWindows3.1のデスクトップ(英文Wikipediaより)
マイクロソフトもMS-DOSのCUI世界からMac的グラフィックに踏み出したが
ウインドウが重なって表示されるUIが「Appleの特許権を侵害している」と訴訟の原因になった
当時の「マカ」はWindows3.*をかなり馬鹿にしていたという記憶がある
このビハインドを取り戻すべくマイクロソフトが1995年に投入したのがこのOS
はっきりいってWindows3.*の延長線上のシステムなのだが
PC-DOSで初めてTCP/IPをデフォルトでサポートし
3Dグラフィックをサポートしたという2点で爆発的に売れた
こいつの「不正な操作が行われたために終了する〜保存されていないファイルは全て失われる」
というアラートのおかげでどれだけ徹夜作業が水泡に帰したか分からない
「こんなモノを使わなくてはいけないくらいだったらパソコンなんか速く絶滅してしまえ!」
と当時の私は本気で思っていた
ところがWindowsを毛嫌いしてスイッチしたMacOS9だが
残念ながら信頼性ではWindows95/98を上回っていたとは到底いえない
こいつと激闘した2年間は他のどのシステムとつきあった期間よりも濃密な2年間だった
とにかくインストールしたなりのデフォルトで既に
コンフリクトが起きているという信じられないOSだった
こちらの記事でも書いたが本当は「Copland」というコード名のシステムが
OS9になる筈だったのだがこれは開発に失敗し当時のMacユーザ間では
「BeOS」が次期MacOS として採用されるのではという観測が根強かった
結果はスティーブ・ジョブズの「NeXTSTEP」が採用されるのだが
今触ってみるとBeOSにMacユーザが期待した意味はよくわかる
MacOSの雰囲気を引き継ぎながら次世代の条件も満たしているのはこのBeOSだった
このキャプチャーはBeOS互換のHAIKU OSのデスクトップ
MacもWindowsも安定性に非常に問題があるシステムだったが
WindowsはNTカーネルを採用したあたりから一応一日は落ちないシステムが実現した
ここらから本当にMacとWindowsの差が開き始めたように思う
MacOS9は今から見れば残念ながら無意味な延命だったとしか言いようがないが
経営危機を乗り切るためには在庫資源も使い切るという意味では仕方がなかったかもしれない
これはWindowsXPの起動画面
マイクロカーネルを利用したプリエンプティブなマルチタスク、
マルチアカウントを実現するファイル管理などCoplandが目指したものは
全てWindows2000/XPに先を越されてしまった
OSXのバージョンがそれなりに進んでiPod、iPhoneとの
連携が実現するまでこのビハインドは取り戻せなかった
WindowsXPは私にはやはり細かいところでUIが整理されていない「使いにくいシステム」なのだが
「使いやすさよりも自由度」を求めるユーザには一番の選択肢かもしれない
しかしこのXPの簡便で軽いシステムが逆に今日のWindowsVista、Windows7の
普及の障害になっていることは皮肉な結果だ
ユーザはもうかつてのスペック競争には興味を失っているのかしれない
デスクトップPCの第三極として期待していたLinuxは
時々Lindowsのような変な脇道に反れながらも着実に進歩している
特にコマンドを全く打たないで一通りのことができるgnomeのGUIの進歩には目を見張るものがある
昔VineLinuxなどを試していた私の眼からすれば今のLinuxは本当に扱いやすくなった
これはRedHatのサポートなしフリーバージョンのFedoraのデスクトップ
同じくこちらもRedHatの大元のハワイ大学オープンソース版のLinuxのUbuntuのデスクトップ
Linuxは他にも緊急レスキューシステムのKnoppixとか様々なディストリビューションに分かれている
私が試した感想では初心者が一番扱いやすいのはこのUbuntuだと思う
という感じで一部英文Wikipediaの力を借りながらも結構なデスクトップOSのバリエーションを語れてしまう私はやはりOSフェチなのかも。
多分Windows95/98、MacOSの間を行ったり来たりしたあの時期の苦労が身にしみて、逆にそういう性癖になってしまったのかも。
ところで今回この書き物をするためにちょっと調べていたらこんな面白いサイトを見つけてしまった。
Windows95Flash - Windows95再現フラッシュ
Windows95の起動画面、起動音、各種アプリの起動等の画面を忠実に再現したFlashだ。
上記の記事を見て
「そうそう、Windows95って本当に困ったシステムだったよなぁ」
という共感をお持ちの方はこのページを見るときっとのけぞって当時の記憶が鮮明に浮かんでくるに違いない。
今見ると
「よくこんなシステムを仕事に使おうなんて考えたもんだ」
と感心してしまうが、当時はこれで仕事の流れの多くが変わったのも事実だ。
全く知らないということは恐ろしいことだ。
そういう感慨をもたらしてくれる秀作Flashだし、今のPCの世界はもう変わり様が無いように思っている人もこのFlashを見れば
「案外今の状況は近いうちに大きく変わるかもしれない」
と思えるかもしれない。
面白いことだ。
2010年4月19日
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