もうみんな忘れた頃だろうと思ったのであのテキトウ・不敵・勝手企画が復活〜皆さんのお困りごとに一方的にお答えしましょう9
もう表題のとおりである。
このサイトのアクセス解析に基づき、皆さんがどんな検索ワードでこのサイトに辿り着いてきているのかを抽出して、その検索ワードを元に皆さんの抱いていた疑問を勝手に想像して、勝手に答えて、それが当たっているのか・役に立っているのかどうかなんて知ったこっちゃないテキトー無双のエスパー企画が帰ってきた。
前回からおよそ2年ぶりとなる今回も、皆さんの質問を勝手に思い込みと独断で想像して勝手にしかもテキトーに答えるぞ!ww
検索ワードランキング1位の「検索ワード不明」 さんは今回もスルーさせていただくw
検索ワードランキング2位以下を独占しているMacKeeper さんも、いい加減飽きたのでスルーさせていただく。
さて、一気に下がって検索ワードランキング10位は…(ふらむ)
「ウィンドーズ マイドキュメント Macは」
このほか同様の検索ワードは沢山ある。
「mac cドライブ」
「mac マイコンピュータ」
「マック マイコンピュータ」
「マック ドライブ とは」
「MAC デスクトップ マイコンピューター」
「mac まいこんぴゅーた」
「mac マイネットワーク」
「ドライブレター mac 無い」
「Macでエクスプローラは何処にあるの」
つまり皆さんWindowsからのスイッチャーで、WindowsでいうところのCドライブはMacではどこにあるの?
Windowsのマイドキュメントはどこにあたるの?
MacにはなぜCドライブが無いの?
マイネットワークはどこ?…
というようなことが聞きたいんだろうと思う。
それに対する答えは
「そんなものは無い!」 …ではあまりにもそっけないのでこちらで、その解説を試みた。
WindowsからMacにスイッチ(乗り換え)する時の疑問番外編 〜マイコンピュータ、マイドキュメントはどこにあるの?
そっち見ろ…でも愛想が無いので少し補足する。
Macにも実はマイコンピュータが存在する。
もちろんマイコンピュータという名前ではない。
Finder の環境設定でデバイスを有効にすると最初のセットアップの時に決めたMacの名前のデバイス名が見える。
この中にデフォルトなら「Macintosh HD」という名称のボリュームが見えているはずだ。
これがマイコンピュータとCドライブに当たる。
Finder がアクティブな時にFinderのメニューから環境設定に入る
サイドバーの表示のデバイスのところにチェックを入れる
ハードディスクにもチェックを入れると起動ボリュームも見えるようになる
デバイス名は最初にMacを起動した時に設定したログイン名になっているはずだ
これがマイコンピュータにあたる
その中に私の場合名称を変更しているがデフォルトならMacintosh HDというボリュームが見えているはずだ
これがCドライブ、その隣にネットワークと見えているのがマイネットワークといえばいえないこともない
この疑問の中で「「MAC デスクトップ マイコンピューター」というのがあるが、おそらくWindowsのExplorerではデスクトップの中にマイコンピュータがあってその中にCドライブがあるという構造になっているが、デスクトップは一体どこにあるんだという疑問だと思う。
デスクトップは…今あなたが見ている画面だ。
Macの場合は共通のデスクトップというものが存在しないので、デスクトップにボリュームをマウントするという考え方ではない。
デスクトップはあくまで各ユーザの作業スペースなのでその場所はユーザフォルダの中の
~/Desktop
になる。ユーザごとにこのフォルダは用意され、共用デスクトップは存在しない。
そしてそのフォルダの中身がまさに今あなたが見ているアイコンが並んでいるスクリーンだ。
ドライブレターという考え方もWindows以外のOSにはない。
だいたいなぜrootボリュームがAではなくCドライブなのかという点がむしろほかのOSユーザから見ると不思議な点だ。
フロッピー起動していたDOS時代の盲腸みたいなもんというふうに見えてしまう。
ExplorerはMacではどこにあるんだというのもWindowsユーザの多くが持つ疑問。
スタートメニューのマイコンピュータを開くかWindowsキー+Eキー でWindowsの場合Explorerが開くが、Macの場合ドックの一番左に顔マークのアイコンが見えているはずだ。
ドックの一番左にあるのがFinder アイコン
ここでファイルブラウザを開く
Windowsの場合Windowsキー+Eキー を叩くとExplorerのファイルブラウザが開くのがスマートだが
Macはさらにメニューの移動から主要なディレクトリに直接入った状態でファイルブラウザを開ける
それぞれショートカットキーが割り当てられているので例えばコマンド+Shift+Aキー で
アプリケーションフォルダとかコマンド+Shift+Uキー でユーティリティフォルダとか
直接ディレクトリに入った状態でファイルブラウザを開くことができる
これを覚えておくと作業時間が大幅に短縮できる
先ほどのネットワークフォルダが「マイネットワークと言えば言えないこともない」
という微妙な言い方をしたのは厳密にはMacのネットワークフォルダと
Windowsのマイネットワークは違うものだからだ
Windowsのマイネットワークにはブラウズしたネットワークドライブ
だけでなく接続履歴のあるドライブも見えている
Macでは履歴は見えない、見えるのは今現在マウント
されているボリュームと接続可能なホストだけだ
それでは履歴はどうやってみるのだというとFinder で
コマンド+Kキー を叩くと「サーバへ接続」 メニュータグが開く
ここに過去に接続した時に登録したドライブの情報が見えるので
ここからネットワークドライブにアクセスできる
マイネットワークとネットワークは実は微妙に役割と機能が違う例を紹介したが、同じようにWindowsのマイドキュメントはMacのドキュメントに当たる…とか解説しても
「ええ?違うだろう?Macのドキュメントフォルダの中にはなんでマイピクチャーやマイミュージックフォルダが無いんだ?AppDataフォルダはどこにあるんだ?…」
とか細かいツッコミが入り始めると
「やかましい!名前が似てるから似たようなものがあると紹介しただけだ!誰が同じだと言った?」
と喧嘩になるだけだ。
このようにMacとWindowsではそれぞれの意味・機能が微妙に違うので「Windowsの◯◯はMacの何に当たるの?」という質問は本質的には意味が無い。
MacとWindowsと違うのは許せない、どうしても一緒にしたいという人向けのTips
まず最初にMacを起動するときのMacの名前の設定のときに
普通は自分の名前や機体のニックネームをつけたいところだが
そこをぐっと我慢してマイコンピュータというログイン名を設定する
するとデバイス名がマイコンピュータという名前になる
その中のMacintosh HDも名前が変更できるのでCドライブという名前に変えるとWindowsそっくりだ
ただしこれはコラでつ
その場合ログインユーザ名もマイコンピュータという名前になってしまってカッコ悪いので
これとは別の「Administrator」 という名前のユーザをシステム環境設定 の
「ユーザとグループ」 のユーザリストに追加すればいい
そして「Administrator」 というユーザでログインすれば自分の名前も「Administrator」 に変わる
本当はWindowsの世界でも「Administrator」 を剥き出しで使うのは
推奨されていないのだが使っている人多いでしょ?
こうして作成した「Administrator」 ユーザフォルダの直下に日本語で起動している場合は
「書類」 というフォルダができているがこれは本当は~/Documents というフォルダで
ローカライズ表示で見た目だけ日本語で表示されているので書き換えないほうがいい
どうしても書き換えたい場合は.localファイルの書き換えで「マイドキュメント」表示ができなくもないが…
その中にピクチャーフォルダやミュージックフォルダのエイリアスを作成する
さらに~/Application Supportフォルダのエイリアスを作ってAppDataと名前を変更すれば完璧だ
こうして作成したマイコンピュータ、Cドライブ、マイミュージック、マイピクチャー、
マイドキュメントフォルダをFinder の左のナビゲーターにドロップすれば
登録できるのでますますWindowsのExplorerと見た目がそっくりになるはずだ
こんなことに手間をかけるならMacの表示の作法に慣れたほうが早い気はするが…
ということでここまでのスクリーンキャプチャはコラでつ
私はこんなTipsは推奨しませんからな( ゚Д゚)y─┛~~
ちょっと長くなったが、これで合計10個の疑問に同時に答えたことになる…ああ効率的!
ということで一つ目完了!
さて二つ目のキーワードは栄えある11位…(ふらむ)
「mac 不便」
これはそのものズバリ
「Macは不便か?」 という質問だと解釈した。
はい、Macは不便です。
Macに乗り換えを検討しているならやめたほうがいいです。
Windowsが使えているならWindowsでいいぢゃないですか?
どこかで見かけたMac使いが何か楽しそうなことをしているように見えてもそれわ気のせいです!
不便です。
MacなんてメールができてWebが見れてツイッターやフェイスブックなどのSNSができて、音楽が聴けて音楽や映画をダウンロードできてAppleTVで再生できたり、iPhoneやiPadと音楽、動画が同期できてスケジュール管理やアドレス帳管理や無線同期ができて、音楽や映像の編集ができて、Officeの閲覧や編集ができて、グラフィックを編集したり絵を描いたりゲームしたりリモート取ったり取られたり、サーバー代わりになったり…そんなことができる程度の機械です。
大したことありません。
乗り換えを検討しているならやめなさい。今すぐやめなさい。ぜひやめなさい。とにかくやめなさい。
こんな答えを聞ければ満足でしょうか?
さて次の疑問は12位!…(ふらむ…ってもうええっちゅうねん)
「Mac 用 システムユーティリティ 口コミ」
これは
「Macで評判のいいシステムメンテナンス用のユーティリティソフトはないでしょうか?」 という質問であると決めた。
あります。
あなたのMacのドックの一番左にある顔マークのアイコンをクリックしてください。
アプリケーションというフォルダを探してその中にユーティリティというフォルダがあるのを探してください。
その中にディスクユーティリティ というアプリがあるのを探してください。
それを起動してください。
OSが10.10Yosemite以下ならディスクのアクセス権修復とボリュームの修復というメニューがあるからこれを実施してください。
もし10.11El Capitanならディスクユーティリティ のFirstAid というボタンをクリックしてください。
同じくユーティリティフォルダの中にターミナル というアプリがあるはずです。
それを起動して以下のコマンドをコピペしてEnterキーを叩いてみてください。
パスワードを要求されるはずです。
sudo diskutil repairPermissions /
sudo find / -name ".DS_Store" -delete
Yosemite以下のMacならディスクユーティリティ のFirst Aid のタブに
ディスクを修復と検証 というボタンがあるはず
デバイスを選択しているとこちらが操作できるようになっているはずだ
これを実行してカタログメニュー、パーティションマップなどの検証・修復ができる
中の詳細結果で赤い文字が出たら問題を抱えている
緑の文字で「問題ないようです」 と出れば修復と検証は完了だ
左ペインでボリュームを選択したらボリュームのアクセス権の修復が可能だ
同じく赤文字が出れば問題あり、緑文字が出れば問題なしという結果になる
El Capitanの場合はディスクユーティリティ がずいぶん様変わりしてしまった
基本的にボリュームの構造の検証だけになりアクセス権の修復はできなくなった
日常的にやっているということなのか例の厳しいアクセス権制限で
システムのアクセス権が書き換えられることがなくなったので
もう必要ないということなのかは不明だがAppleが触るなと言っているらしい
First Aid ボタンをクリックして実行をクリックするだけになった
それだけ?それだけじゃ物足りない…という向きにはターミナル をお勧めする
(メンテナンスなんてもの足りるか足りないかの問題ではないが)
ここにファイルシステムの振る舞いを記録する.DS_Storeという不可視ファイルを
システム全域にわたって削除するコマンドをペースとして実行する
コマンドはsudo find / -name ".DS_Store" -delete
数ヶ月ごとにこれを実行することでアイコンが
白抜けしたりFinder がやたら重くなったりの不具合を防げる
El Capitanでは排除されてしまったアクセス権の修復だがターミナル からも実行できる
sudo diskutil repairPermissions / でルートボリューム全域のアクセス権修復ができるし
ユーザ領域だけでいいならsudo diskutil repairPermissions ~/ でよい
これも神経質に実行する必要はないがたまにやっておけばいい
以上メンテナンスユーティリティは完了である。
「え〜、これだけ?これだけでMacが調子良く動くはずがナイッ。もうちょっとなんかあるでしょう?」
いやこれだけだといったらこれだけ。
「え〜〜、これはないんじゃない?なんかあるでしょ?オンラインウエアのレビューサイトとか自称してるんだったら?」
なんだと、このやろ、俺がないと言ってるんだからないんだよ。
「え〜〜〜、もう少しサァ、ポイのってあるじゃない?」
ポイの意味がわかりません。
「ポイってさぁ、なんとかリペアーとかなんとかメンテナンスとかそういうダウンロードしたらもうそれだけでMacが生き返るみたいな…」
はい、わかりました。
ポイのね。
そういう不信心ものはこちらの記事を見よ!
求めよ!さらば与えられん!
【大公開!】Yosemiteを快調に動かし続けるために私がやっている年末大メンテナンス手順
ということで今やっているシステムメンテナンスの手順のまとめだが、ほとんどMainMenu に負んぶに抱っこなんだなぁ…これがまた…
さて一気に下がって18位
面白いIT用語
「面白いIT用語辞典ってあります?」 という質問だと決めた。
面白いIT用語辞典はこちらにあります
多分何の役にも立たないIT用語辞典
なにを隠そう私のサイトの中では一番不人気なページである。
が、面白いので一度読んでみてください。
ただし、もうここ数年更新していないため多少情報が古いです。
例えばこちらの記事 は
タブレットPCが全滅しかけていた2004年に書いた記事なので、今日のタブレットPC隆盛の時代から見れば隔世の感がある。
Microsoftはこの時代にはWindowsXPタブレットPC版というなにが違うのかよくわからないおざなりOSしか回答を出せなかったが、iPhone、iPadを徹底研究した結果Windows8、そして今日のWindows10で一気に汚名を挽回しようとしている。
そして当時一番有りえなさそうだったAppleのタブレットが市場を席巻するなんて、当時は夢想するだけで、しかもこれは
「これだからApple信者は…」
と一笑に付されて終わるような妄想だった。
こっからどうなるんでしょうねぇ?
とか思いながら読み返してみるのも一興である。
さてさらに一気に21位まで下がって…
黒島亀人
これは最近
「特攻隊 発案者 」
「特攻 発案者」
「特攻の生みの親」
「黒島亀人 戦後 」
などのキーワードで検索してくる人が多く見かけられるようになったので、その疑問は
「特攻隊って誰が考え出したの?」 という疑問であると決めつけた。
これについてはこちらに書いたので、これが検索にかかるのだろう。
「特攻の生みの親」黒島参謀のこと
特攻の発案者については諸説ある。
諸説あるが、一般的には海軍の航空の大家の大西瀧治郎中将が現場の航空隊員と相談して自発的に決定したということになっている。
ということになっているが、この説は私にはあまりにも不自然に感じる。
これは何かを隠すために後から付けられた理屈なのか、誰かが嘘をついているのかそんな匂いがする。
リンク先の記事に書ききれなかったことをちょっと補足する。
まずはこの大西瀧治郎中将という人物像について。
真珠湾攻撃のことの起こりからその結末までを、ほとんど模型やグラフィックを使わずに実物の航空機と艦船を使用して撮影した今では信じられない「トラ・トラ・トラ」という二十世紀フォックス映画の序盤で、艦隊に赴任したばかりの山本五十六が
「もし日米戦がどうしても避けられない場合は、緒戦ですべてを決するぐらいの大打撃をアメリカの艦隊に与えておきたい。
そのために航空戦力だけで真珠湾を攻撃することは可能だろうか?」
と相談する相手が、当時の海軍一の飛行機通だった大西瀧治郎中将だった。
大西瀧治郎中将の答えは
「それは無茶です」
というものだった。
この話には多少の背景説明が必要だ。
日本はこの30年ほど前に世界最大の超大国、ロシアのバルト海方面艦隊と東洋艦隊2セットの大海軍を相手に海戦を繰り広げ、当時世界中がアジアの小国日本の惨敗を予想した。
「日本は完膚なきまでにロシアに叩きのめされ、最悪ロシアの植民地になってしまうだろう。
そうなるとアジアのパワーバランスが崩れてしまうので非常に好ましくない状況である」
と当時同盟国のイギリスでさえそういう観測をしていた。
ところがフタを開けると日本は連合艦隊というたった1セットの艦隊だけでロシアの2セットの大艦隊をほぼ全滅状態に追い込んでしまった。
このことに世界が驚愕したが、一番驚いたのが当事者の日本人だったに違いない。
この時に一つの神話が生まれた。
日本は巨大な主砲を擁した大鑑を日本海、太平洋に並べてその大口径の主砲で打ち摧けば、世界一の大国でも粉砕できるという神話。
これが後々まで尾を引いて当時の日本の海軍にも大鑑巨砲主義という思想が染み付いていた。
ところがここに「航空主兵」というそれとは全く違う思想がある。
飛行機こそ近代兵器の最先端であり、航空攻撃の前にはいかなる大鑑であろうが巨砲であろうが何の意味も持たない…だから海軍も航空戦力を主力にするべきだという考え方だ。
日米戦がもし起これば、その様相はまさに日露戦争の時と同じになるに違いない。
アメリカは英国ほどではないにしても世界最大級の大艦隊を太平洋と大西洋、インド洋にまで展開しておりこれと戦うのはロシアと戦った時と同じように困難を極めるから日本海海戦の時と同じように大鑑巨砲を太平洋に並べるべしという思想と、航空戦力と機動力で圧倒するべきという考え方が相克する。
人間というのは成功体験からなかなか抜けられないものだ。
一度ラッキーヒットで大金を手にすると、次もラッキーヒットを期待してどんどん博打でスってしまうのと同じで、当時も日本海海戦と同じことをやっておけば間違いないという考え方の方が説得力があった。
この時代に航空戦力だけで、世界最大級の大国の一艦隊を壊滅させようというアイディアがどこから出たかが問題だ。
映画では山本五十六が発案したことになっている。
そうかもしれない。
航空の素人だった山本五十六が発案して、航空の専門家だった大西瀧治郎に相談したが彼はこれを「無茶だ」と言ったという。
もしそうだとしたら、山本の決死作戦に対して大西は「損害のわりに効果がない」という判断をしたのかもしれない。
そういう人物がなけなしの航空戦力を石つぶてのように浪費してしまう特攻作戦を発想するだろうか?
(実際、当初この真珠湾作戦の効果について疑問が多かったことはリンク先で紹介している「真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝」という本にも書かれている。これを克服したエピソードは面白いのだが、詳細は本を参照あれ)
このくだりには異説があって、実は山本ではなく真珠湾作戦の着想は大西瀧治郎の方だという説。
山本はそのバックグラウンドからやはり戦艦中心主義だったはずだから、奇兵として航空を重視していたとしても主力とまでは考えていなかったかもしれない。
そこに大西が
「飛行機だけでやりましょう、戦艦は足手まといだから置いていきましょう」
というプランを出したとする。
映画でも描かれていた通り当時戦艦中心主義者からの偏見、圧力は大変なものだったらしい。
それもはねのけて結果的に真珠湾で、日本海海戦にも匹敵する大戦果を挙げた。
そういう人物が南方戦で敗れて戦力の過半数を失ったからといって、
「体当たりで挽回しよう」
なんてことを考えるだろうか?
体当たりなんかすれば多少は戦果はあるかもしれないが、一気に消耗するのは難しい計算をしなくても誰でもわかる。
挽回したいなら、「航空戦力を一箇所に集めてもう一度真珠湾のような大作戦をやろう」という発想にならないだろうか?
いずれにしても、大西が特攻隊を思いついて現場の隊員とともにこれを提案して軍上層部は
「いたしかたなし」
としぶしぶこれを承認したということになっている…という史観はどうしても納得がいかない。
大西瀧治郎はこの非人道的かつ戦術の根本常識をわきまえない非効率作戦を正当化するためのスケープゴートにされたのではないかという思いが長年あった。
そこにこのリンク先の記事のようにNHKの番組で
「第二部長がある日執務室に来て『爆弾を抱えて体当たりする必死必中の攻撃というのはどうだろうか?』と自分のアイデアを話していった」
と当時の軍令部第一部長が証言したというエピソードが紹介された。
これは本人の話の録音なので伝聞ではない。
また兵器開発担当者もこの第二部長が現場に来て
「特攻兵器の安全性の低さ、効率の悪さを訴えると『そのような了見で戦争遂行ができるか、この国賊』と怒鳴られた」
という証言をしていた。
「この人物は真珠湾作戦の作戦立案者だったから、神格化されていて誰も反論できなかった」
と言っていたのでまさに黒島のことだとするとすべてが符合する。
このエピソードは大西瀧治郎が突然特攻隊を思いついた時期の2年前か3年前か…
そうでなくてなんで5000人も突入するほどの段取りが組めるのかということにもなると思う。
この時期特攻専用の飛行機まで実用化していたのに、そんなことが思いついて何週間かでできるわけがない。
この大西発案という説にはやはり矛盾が多すぎる。
そこでこの矛盾に関して石原慎太郎の原作・脚本の「俺は、君のためにこそ死ににいく」という映画では新しい説明が試みられている。
映画の冒頭で大西瀧治郎が
「この戦争は負ける。しかし負けるなら少しでも講和条約を有利にするために日本人が勇猛果敢で命も顧みないことを敵に見せつけておくことが必要だ。
無駄でもこの作戦はやり遂げないといけない」
と力説するシーンがある。
「負ける喧嘩でも負け方が大事なんだ」
という理屈だ。
うわー、それはないわぁと観ていて思った。
なんとなく辻褄が合っているようにも見えるが、さすがにこれはないんじゃないだろうか?
リンク先記事でも紹介している「真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝」という真珠湾を作戦の指揮官の自叙伝を見ると、航空関係の軍人は勇ましいだけの猪武者ではなく冷静で緻密な技術者だったことがよくわかる。
おそらく砲兵学校を卒業後すぐに航空戦隊の創設に携わった大西もそうだったに違いない。
要するに飛行機は根性では飛ばんのだよ、十分な性能の飛行機があって十分なガソリンと十分な技能を持った搭乗員が揃わないと航空機というものは1ミリも飛ばない…という冷厳な物理法則をよくわきまえていた人だったと思われる。
最近このキーワードで弊サイトに来られる方が頓に増えている。
多分これまでは特攻礼賛は軍国主義者とか、逆に特攻批判は隊員の家族の心情を踏みにじる…みたいな両論とも多くのタブーがあって、特攻についてはあまりちゃんと語られることもなく、語られても
「多くの未来ある若者が死んでいった悲惨な戦争エピソード」
「だから戦争反対」
というようなステロタイプ、教条主義的な語られ方ばかりがされてきてその真実がおざなりにされていたことの反動ではないかという気がする。
いろいろくびきが外れてきて、真実を知りたいと思っている人が多くこの検索ワードをネットに投げているのかもしれない。
私の持説が正しいか間違っているかよりも、この事実に興味を感じる。
黒島亀人の戦後についてのキーワードもあったので、ついでに。
こちらのWikipedia に記述がある。
本人が極東軍事裁判に先立って証拠隠滅を図ったとか、当時の重要書類を紛失したとか、晩年は宗教研究に凝ったとか、日本海海戦の秋山参謀に自分をなぞらえていたのかは不明だしどれくらい事実なのかはわからないがいろいろ臭みのあるエピソードが多い晩年だったらしい。
思うところをセーブしないで書いていたら、思わぬ長さになってしまった。
このエスパー企画、後半も後日続ける(かもしれない)
とりあえず、せっかく用意したので第620位…
「Mac mini虹色マーク」
Mac miniが虹色ボールを表示して動きが重い」 という疑問だと透視した。
これはメモリ増やしなはれ…で終わってしまうのだが、最近のMac miniはメモリを増やすにも限界があるのかもね。
起動ディスクの空き容量が不足してSwapの読み書きに時間がかかっているのかもしれない。
その場合には空き容量を増やす、SSDを導入するなどの方法で改善するかもしれない。
しかし多くの場合、ハードのスペック不足でしょうなぁ。
買い替えどきでは?
こいつである
これをわざと表示するジョークソフトもあったがそんなもの入れたら
軽い殺意を感じるのでMacユーザ相手にそういうジョークは慎んだ方がいい
2016年1月17日