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2007 年 5 月 8 日





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Caveman's Calculator
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

アナログの計算用具 (Point Line)というエントリで知ったデジタル計算尺アプリ(意味不明)

私の父親は機械工学出身だったので、子供の頃父親の引き出しから計算尺が出てきたことを思い出した。
これは竹の尺の表面に牛骨が貼られ、その表面には彫り込みに墨を入れて細かい数字や目盛りを刻み込んだ非常に精妙な計算機だった。

この竹と牛骨という組み合わせは「最も温度や湿度で狂いが出ない組み合わせ」ということだった。
この組み合わせはマージャン牌とも同じだという話も聞いた。そしてこういう材を使う性質上、計算尺の最高級品は日本製なのだということも聞いた。

「Point Line」さんは映画「アポロ13」でNASAの軌道計算をする技術官がみんな計算尺を使っていたシーンが印象に残ったと書いておられた。
このシーンは私の印象にも焼き付いた。
この時代はコマンドでオブジェクトを操作するタイプのコンピュータOSがすでに実用化しており、もうUNIXの原型も実現している。それでも技術者たちは、最後の切羽詰まった場面ではやはり昔ながらのアナログな計算尺を使っていた。

その計算尺は父親の引き出しにあったのと同じ、日本製の竹を使った計算尺であったに違いない。

そう考えると面白いのだが、この計算尺ももうすっかり絶滅してしまった。
それどころかコンピュータの普及のおかげで製図版やT型定規ももうどこにも売っていない。
以前ここでMacで動かせる算盤ソフトを紹介した。
これは残念ながらクラシック環境のソフトで、OSXネイティブになっていないが、この計算尺アプリのCaveman's CalculatorはOSXネイティブだ。
すばらしい。
しかし私もこの使い方はあまり詳しく知らないのだ。
ましてやリアルな計算尺を見たことがない若い人には見当もつかないに違いない。

ただ私は昔の本物の質感を知っている。知っている立場から言わせてもらえばスキンのデザインはメタルだけでなく、牛骨の白いフェイスも用意して欲しかった気がする。
どのみち私には使いこなせないのだが。






Caveman's Calculatorはデジタル「アナログ計算尺」アプリ
何のこっちゃだが実物の計算尺と同じように精妙な計算ができるようだ
何よりも湿度や温度で絶対に狂わないという意味では本物以上の精度を実現している
あたりまえか?(^_^;)






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ウイルスマップサイトで汚染を実感

F-Secure World Mapというサイトを見つけた。
これは面白い。
今世界でどこでどれほどのウイルスが流行しているかをほぼリアルタイムに知ることができるサイト。
どういう種類のウイルスがどこで流行っているかを見るのは興味深いかもしれない。
こういうのを見ているとアメリカの勢いはやはりすごいが、アジアのウイルス流行ぶりもなかなか負けていないものがある。
それに対して無菌状態に近いのはやはりアフリカということになる。

勿論これはMac向けのウイルスではなくWindowsも何もかもということだし、実際にはほとんどすべてがWindowsウイルスだし、そういうものをもらえないMacユーザは蚊帳の外なわけだ。
やはり一台Windows実機を買おうかな・・・とこのマップを見ていると思わず思案している自分がいる。
面白がっているんぢゃないのか?>オレ・・・(-_-;)






地域を選んでその地域で流行しているウイルスの種類と比率を見る・・・
それだけのサイトなのだが私のようなオモシロ半分の奴以外でどこの誰が
どういう目的で利用するサイトなのだろうか?






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pzizz
(Shareware)
OS10.4Tiger対応 Windows2000~XP対応

個人の生命をリフレッシュするコーチングサウンドをジェネレイトするアプリ

最近コーチングという奇妙な言葉がビジネス界まわりで大流行だ。

コーチングというのは速い話が昔の研修屋のやっていたことと同じだ・・・と書いたらその筋の権威の人達からお叱りを受けるのだろうか。
要は、個人のビジネススキル、生きるスキルを養成する目的で単に技術を教え込むのではなく人間の本質や生き方と照らしてその方法論を教え込む・・・というのがコーチングの意味だそうだ。
なんだやっぱり研修屋ではないかと思う私はきっと頭が固いのだろう。

最近ではBootCampはBootCampでも元海兵隊員の黒人のインストラクターが「一週間で割れた腹筋を実現してみせます」なんていうインストラクションビデオが通販で飛ぶように売れたり、アメリカ式の何でも簡単に身につけるマニュアル教材で、金の儲け方から腹筋の鍛え方、人生の生き方まで全てお手軽に手に入れるのが流行している。
まことにご同慶の至りである。

このアプリもお手軽にリラグゼーションを手に入れるコーチングアプリとのことだ。
インストールしたらあとはサウンドのモジュールをクリックしてサウンドをジェネレイトしてひたすら聴くだけだ。
デモ版ではスリープ用とエネルギー再生用とふたつのモジュールがバンドルされている。
ジェアウエア登録すればもっとたくさんのサウンドモジュールを、取り込むことができるようだ。最近は何でもかんでも「癒し」とか言う形容詞がついて、そういうものが受けるようなのでこれでお手軽に癒しを手に入れるコーチングを受けてはどうだろうか。
ただしコーチングは全て英語なので、英語が解らない人にとってはただのサウンドでしかないのだが。

ダウンロードに際しては名前と有効なメールアドレスの登録が必要だ。






pzizzはいきなりインストーラという姿で現れる
ユーティリティでもないこういう単機能アプリがインストーラを使う時点でかなりげんなりだが
インストールは簡単だしそんなにあちこちにファイルをばら撒いたりしないので問題ない
ていうかだったらインストーラにするなよという文句は言いたくなるが





そして立ち上がったスキンはこんな感じの美しさ
この怪しい光を見ながら癒しサウンドとコーチングに耳を傾けて欲しい





デモ版はこのふたつのサウンドモジュールしかないが
レジストすればもっと増やすことができる





サウンドが終了したらMacを終了させたりスリープさせたりの設定も可
またコーティングの英語が鬱陶しい場合は音楽だけというセッティングもできる





またフェイスのライト色を選択できる
それぞれ癒し系のどぎつい色が用意されていてなかなかキレイ!





またサウンドをiTunesに登録することもできる
その意味するところはよくわからないが使い方はわかりやすいアプリだ


2007 年 5 月 9 日





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CharacterPal
(Freeware, Widgets for Dashboard)
OS10.4Tiger対応

キーボードで普段使わないエクストラな文字(キャラクター)をタイプするWidget。

どういう文字を打てるかは、キャプチャーを参照いただきたい。
ギリシャ文字やラテン文字、装飾キーの記号、シンボルなどwebでは通用しないが、テキストでは使えると便利な記号がほとんどカバーされている。
これは勿論ことえりなどのIMの文字パレットでも呼び出せるものばかりだが、頻繁に使う人の場合はこういうもののパレットをデスクトップに常駐させると便利かもしれない。
そのための設定もある。

iボタンをクリックして裏返すと「デスクトップに表示」というチェックがあるので、これにチェックを入れてドラッグ、そして「Dashboardを再起動」をクリックするとCharacterPalだけがデスクトップにフローティングで表示されるようになる。
閉じる時にはoptionキーを押すとクロージングボタンが表示されるのでそこをクリックすればいい。






CharacterPalはエクストラキャラクターをタイプするWidget
これは各種記号のパレットでテキストには打てるがwebでは使えないし
テキストファイルをWindowsに渡すと文字化けするものばかりが並んでいる





こちらはフランス語などで使うラテン文字





これは数学で使う文字や記号





コマンドキーやoptionキーcontrolキーなどの
装飾キーのシンボルも一通り揃っている





これはシンボル(記号)





裏の「デスクトップに表示」チェックを入れドラッグして「ダッシュボードを再起動」をクリック
するとパレットはデスクトップにフローティングで表示されるようになる






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「こんな言葉の意味なんか間違えるわけないじゃん」という言葉の理解が怪しいという話

  

 遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん
 遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動がるれ

 

これは「梁塵秘抄 巻第二 四句神歌 雑」に収められた歌だそうだ。

「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)は平安時代末期に編まれた歌謡集。今様歌謡集。
編者は後白河法皇。治承年間(1180年前後)の作」ということだ。
今様というのは古歌のように几帳面に57577の定型を守らずに自由な形式で歌われた、当時の流行歌ということらしい。

永らくこの歌が気になっていて、きちんと出所を調べようといつも思いながらMacの前に座るといつも他のことで忙しくて、永らくほったらかしになっていたのだがやっと調べることができた。

ところで問題はこれの意味なのだ。
私がこれを初めて聞いたのは18の時で、これを授業で教えてくれた予備校の破天荒教師は
「これは遊女が子供の遊ぶ声を聞いて、おのが身の上を思って動揺する様を歌った歌だ」
という説明をしていた。
だからずっとそういう歌なのだと思っていた。

しかしこれは一般には「子供の可愛らしい声を聞いて感動で我が身も揺らいでしまう」という意味だということになっているらしい。
「遊女が自らの身を悔いる歌という異聞の解釈もある」
ということになっているらしいが、私はそのマイノリティな解釈がこの歌の意味だと思っていた。
どう考えてもこの文脈はそう解釈した方がドラマチックというか深みがあると思うのだが、確かにこの文字面だけからはそういう解釈は飛躍し過ぎということになるのかもしれない。

このように最初にどういうふうに言葉と出会ったかで、本来と違う意味を覚え込んでしまうという例は実際にはたくさんある。
例えば「檄を飛ばす」という言葉。

「受験シーズンに入り、予備校の講師たちが最後の追い込みをかけるように受験生に檄を飛ばしていた」

というような使い方をする。
実際そういう文章に出会うし、テレビのナレーションなどでもそういう使い方をしている。
しかしこれは間違いだ。

この場合「檄を飛ばす」というのは「喝を入れる」というくらいの意味で使っている。
しかし「檄を飛ばす」という言葉には「喝を入れる」という意味はない。
この言葉の本当の意味は「ある行動を起こそうとする者が同志を募る趣意文を送る」という意味なのだ。
だから「檄文」というのは「叱咤激励をする文章」という意味ではなく「同志を糾合する呼びかけの文書」という意味なのだ。

これはかなり多くの人が間違えて憶えていると思う。
だから「受験生に檄を飛ばす」というのは完全に間違った使い方だ。
講師の先生も一緒に受験して「同じ大学に同時に入学しよう」と呼び掛けているなら間違いではないのだが。

こういう意味を間違えやすい言葉間違えやすい日本語などのサイトをいくつか見つけた。
これをよく見てみて欲しい。
皆さんは「意思表示」と「意志薄弱」の「思」と「志」をちゃんと使い分けているだろうか?
「やおら」と「押っ取り刀で」をそれぞれ逆の意味で使っていないだろうか?

「刺客」「礼賛」「相殺」を「しきゃく」「れいさん」「そうさつ」と読んでいるアナウンサーもかなり多いのも気になるし。


モラルハザード Moral Hazard―言葉は正しく使いましょう-というページを見て、確かにこれもかなり誤用されているなと思った。
というか私もそういう意味だと思っていた。

要約すると、「モラル」という言葉も「ハザード」という言葉も日本人には馴染みのある言葉だ。
だから「モラルハザード」という言葉は「倫理観の欠如により不正が常態化している様」を表している言葉のように見える。
実際そのような意味で使っているエコノミストの話も聞いたことがある。
しかし本当の意味は「保険関係の用語」で
「危険回避のための手段や仕組みを整備することにより、かえって人々の注意が散漫になり、危険や事故の発生確率が高ま」まるリスクということだ。

つまりシマンテックをインストールしていることで、「どうせ大丈夫だ」と思いこんでかえって油断してAntinnyなどのウイルスやトロイの木馬にだだ漏れに感染しているWindowsユーザのような状態を指して言う。
これはちょっと例えが悪い?
要は「悪意があって不正を犯すモーラル(道徳心)の欠如」を言うのではなく、「安心感のために危険回避のインセンティブ(モラール)が欠如して、そのために過失を犯してしまう」ようなケースをモラールハザードというのだそうだ。

これは気をつけないといけない。
しかしカタカナ英語は時に正しく使われていないということが多いことも感じる。
いつも思うことだが、カタカナ英語はどうしてもニュアンス上必要な場合以外はできるだけ使わないことだ。
この場合のように、本当の意味を知っている人が聞いたら誤用はかなり恥ずかしいということもある。
それに案外こういう言葉の捉え方がお互い違っているために、こちらの意図が正しく相手に伝わっていないということも多い。

そういう時に言葉尻をとらえて不毛な議論をするのは、時間と労力のムダだ。言葉が通じていない時には本論に入る前に双方の意図を明確にする質問を繰り返すべきだ。
これは先日の「質問に質問で返す理由」という記事でも書いた話とも通じる。
これからも言葉の正しい意味を勉強していかないといけない。
この年になってもこういう「モラルハザード」とか「檄を飛ばす」とか普通に使っている言葉の意味を間違えて覚えていたりするからだ。
でも完璧は死ぬまであり得ないだろうから結局質問を繰り返すしかない。

これから私に話しかける人が私と話しにくいなと感じることがあったら、こういう理由だと思って容赦願いたい。







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iTunesやiPodで曲のお尻がキレてしまうのはこんなところに落とし穴が・・・

「iTunes が音飛び」という「J.S. Mach」さんのエントリで知ったTips。

最近iPodなどで音楽を聴いていると曲のお尻が突然切れていきなり次の曲に行ってしまったりする。mp3ファイルが壊れたのかと思ってオリジナルを確認すると特に問題ない様子。
先代のiPodも壊れる直前にこういう症状が出まくっていたから、このiPodも終焉が近づいているのかなぁとなんとなく憂鬱になっていた。

この「J.S. Mach」さんのエントリによるとiTunesでトラックの曲情報を開く(ショートカットはコマンド+iキー)で「オプション」を開くと曲再生の「停止時間」の設定がおかしくなっているケースがあるとのことだ。
実際それが原因で音楽がiTunesやiPodで正しく再生されないのか今検証中だが、とりあえずこういうところの設定が壊れることもあるという情報としてメモっておく。






iTunesで問題のトラックを選択「情報を見る」でオプションに入る
その中の「停止時間」のチェックが勝手に入っていたり
曲と合っていない数字が入ってたりすることもあるとか
チェックするべきポイントだ


2007 年 5 月 10 日





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iGTD
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

プロジェクト管理までを視野に入れたスケジュール管理ソフトというところか。

GTDは実はコンピュータの用語ではなく、「Getting Things Done」という仕事を進めるメソードのことで数年前から盛り上がっている。

私はあまりよく知らないというか、スケジュール管理のメソードはシンプルであるべきだと思っているからいまいち勉強不足なのだが、観念的なプロジェクト管理だと現実には遅延や保留、他のタスクを優先したりとかいろいろ複雑な事情が起きてきた時に対応できないので、直線的なスケジュール管理をするのではなく、実際の事情に合わせた立体的なスケジュール管理をすると、忙しいさなかに数時間の待ち時間で時間をムダにしなくてすむというような、タスク管理の考え方だったように理解している。

その考え方の善し悪しはともかく、そういう考え方に基づいてタスクを管理できるように考え出されたのがこういうアプリだ。考えたらこういうやりくり調整はコンピュータのもっとも得意とするところなのだが、多分この手の機能は人間とのインターフェイスの部分に一番問題が発生する。

速い話このソフトは多機能な、便利なソフトになったが誰でも見ただけですぐに使えるというフェイスにはなっていない。
使いこなせればそれなりに便利そうな機能はいろいろ持っている。
しかし日記を三日以上つけたことがない私のような人間にはどうだろうか。
そういう人間にはiCalですら複雑過ぎると思っているのに。
しかし、そういう私のようなどうしようもない人間以外にはお勧めできる。
何よりもそのiCalQuickSilveriBackUpと連携するプラグインが付属していることで、単なるスタンドアローンなスケジュール帳にはない便利さが実現したからだ。






iGTDの操作画面はこんな感じ
コンテンツやプロジェクトにやらなくてはいけないこと、
やりたいことをとにかく思いつくままにどんどん書き込む
そしてそれぞれに優先度、期限などを設定していく
十年後の目標でも良いし明日の朝までになんとかせなあかんというようなことでもいい
それを実現するための関連事項をまた思いつくままに書いてその期限を設定する
また保留になったり他のプロジェクトの後回しになった時もそれを設定できる
保留にしたまま忘れてしまうということもなくなるだろう





このようにエントリはiCalのToDo項目にもシンクできる
iCalの目も項目も有効に利用できるようになるに違いない






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最近あちこち巡回して気になった記事やエントリをあれこれとつれづれに

まずは『「ブログは信頼できない」が3割強、インターネットの信頼度は新聞の2/3・ネット上の情報の信頼性に関する意識調査結果』というGarbagenews.comの記事のこと

「すごい!ブログは信頼できないと答えた人が3割しかいないんだ」ということの方にむしろ新鮮な驚き。つまり逆を言えば7割の人はブログの情報は正確で信頼できると思い込んでいるということだろうか?
それともあとの7割の人達は、玉石混淆のソースから正確な情報を引き出せるリテラシーがあるということなのだろうか。

しかしこの記事のデータによると「信頼できるブログとは?」という質問に「企業が運営しているプロモーションブログ」と答えていて一位。「信頼できるブログは無い」と答えている人はもっと多い。
リテラシーの問題ではないことがわかる。
ブログは全て実際に見たこと、体験したこと、その人が実証したことが書いてあるブログを信頼すべきで、その人が思ったことや伝聞ニュースは2次情報に過ぎない。2次情報に価値がないとはいわないが、2次情報はそれを扱う方法というかルールを自分で決めるべきだ。
例えば裏を取らない情報は鵜呑みにしないとか簡単なことなのだが、情報に関する免疫がない人が大量にネットに流れ込んでいるためにそこいらで逆にアレルギーが起こっているような気がする。
そのために「ブログは信頼できない」と裏切られたような気持ちになったり、「新聞はその1.5倍も信頼感がある」といってみたり素っ頓狂な答えばかりなのが実に楽しい。






Q:信頼できるblog(ブログ)とはどのようなものだと思いますか。複数選択可。
Japan.Internet.com作表)



「忘却防止。 - NHK クローズアップ現代『“カリスマ”続々登場!ブログ新時代』 を観ました」という記事
これをはじめ先日のNHKのクローズアップ現代でアルファブロガーが取り上げられたという記事がブログ界(なんて界があるのかどうか知らないが)でいっせいに話題になって、この言葉が一躍「時の言葉」(?)になっている。
先日のさんまの番組でも茂木健一郎がこの言葉を紹介し、その界隈の事情を割と的確な言葉で説明していたので、そのこともあってにわかにこの言葉が話題になっているようだ。

このリンク先のサイトでもクローズアップ現代のまとめと簡単な感想が書かれている。
問題はこのNHKのブログ界隈を取り上げるスタンスなんだなぁ。
相変わらず企業のヤラセブログを「バイラルマーケティングだ」なんて素っ頓狂な捉え方をしている。
ていうか、こういう番組の構成を立てる人は「マーケティング」って何なのかちゃんと勉強してから番組のアイデアを立てた方が良いと思う。
このやらせブログ=バイラルマーケティングだなんて、変な捉え方をしているNHKの番組がトチ狂っているという感想をここに4年前にも書いたような記憶があるが、NHKがブログを取り上げる時にはそういう捉え方しかできないらしい。

というかヤラセでも何でも実体経済の商売の世界に貢献しているというところを見せないと、「経済にまで影響を持ち始めたアルファブロガー」という見出しが使えないという制作者側のご都合が見えて大変不快だ。
ヤラセが事実か事実でないかなんてことはどうでもよろしい。
それよりも、そういう物がないとブログの価値を評価できないという「公共放送」のコチコチ頭が信じられない。

ブログは商売になんかならないだろうし、実体経済にも強い影響なんか持ち得ないだろう。中にはごく例外でブログで月100万稼ぐ人もいるだろう。
しかしそれはデイトレーディングで億稼ぐ人が日本にも数十人はいてるというのとほとんど同じくらいの意味しかない。
ブログの価値と存在意義はそういうことではないのだが・・・


その茂木健一郎についてふれた「科学者に衝撃を与えた「ロマンティックでない」グーグル」という梅田望夫氏の記事もおもしろい。

ちょっと長くなるが引用すると
『十年以上前、当該分野の研究者たちは、「人間の知能」と比べ遥かに単純なことしかできない「コンピュータの人工知能」の研究の先に「人間の知能」が生まれるようなことはなかろうと、そういう研究方向に見切りをつけた。でもグーグルは「とにかくやれることは全部やる」という姿勢で、人間の脳とはぜんぜん違うシンプルな原理に基づきながら、安価になったコンピュータ資源を無尽蔵に並べ、「世界中の情報をすべて整理し尽くす」というゴールを掲げ、既にあれだけのものを作り上げてしまった。
 我々科学者の「ロマンティックな研究態度」が脅(おびや)かされているんだ、いやもう敗れてしまったのではないか。「トンボのように飛ぶ」にはどうしたらいいかを科学者は未だに解明できないが、遥か昔に飛行機を発明し、人類は飛行機会を得た。それと同じことが今「知性の研究」の分野で起きつつあるんだ。お前たち、ロマンティックな研究をいくらやっていても「グーグル的なもの」に負けるぞ、時代はもう変わったんじゃないのか。茂木は若い研究者・学生たちをこうアジった。「ロマンティックな研究態度」とは、物事の原理を理論的に美しく解明したいと考える立場のことである。』

ということなのだそうだ。

これは人間以外の生物が社会性を持ちうるかと霊長類の研究をしている動物学者がボノボやチンパンジーにも実現不可能な社会性をハチやアリのような単純な生物が実現しているのを見て愕然としているようなものかもしれない。

コンピュータが、少なくとも今と同じような構造のコンピュータが人間と比較できるような人工知能に発展しうる可能性はほぼゼロに近いことは、このサイトでもあちこちに書いている。
映画の批評のページにも書いた。
人工知能を研究している人たちにとってはこれはもう既定の事実に近い共通認識なのだが、単体のコンピュータはいくら高性能化してもその限界の中にいるだろうが、もしこれが数百万とか数千万とかタンデムになってネットワークを作ったらどうなるかというのは誰にも想像できなかった。

この可能性を予見したのは面白いことに、科学者でもコンピュータ技術者でもないコミック作家の士郎正宗だったように思う。「攻殻機動隊」というコミックでこの人間の脳が直接ネットワークに接続する電脳世界の可能性についてふれている。

そうすると人間に取って代わるような賢いコンピュータはついに実現しなかったが、この電脳ネットワークの海が「ソラリスの海」のように一種の知性を擬したような性格を持ちはじめるかもしれないという予見は、このGoogleの海で実現しかかっているような気がする。
そのことに気がついて衝撃を受けているのが、MBAを持ったビジネスマンでも、ITウォッチャーの技術者でもなく脳科学者だというのも面白い。

しかし問題は、人間の脳自体の構造や機能はいくら便利なテクノロジーが出てきて社会に変革が起こっても大して変わらない気がするという点だ。
速い話がグーテンベルグの時には人間の脳は何らかの進化をしたかというと何も進化していないはずだ。
そしてwebによって社会が急激に撹拌されている現代でも、人間の脳は別に進化しているわけでもない。

ほんの数年前にwebは静的なhtmlから動的なブログの世界に移行し、さらに動的でアクティブ(パッシブの反対語という意味で)なmixiのようなSNSが席巻し、ベンチャー企業の企業内ベンチャーだったmixiが上場するや記録的な高値になったかと思えば、あっという間にスパム業者の巣窟になって、webに集う人達の興味の矛先はタギーやブクマサイト、ツイッターや「増田」などとどんどん変化していく。
この世界は急激に変化のスピードを速めているが、問題は人間の脳はそんなに全般的についていけているわけではない。

「FPN-役に立ちそうなWebツールが多すぎる…」というこちらの記事も大変共感したのだが、私も

 ・ブログ
 ・ソーシャルブックマーク(はてな、del.icio.usなど)
 ・RSSリーダー
 ・グループウェア
 ・mixi
 ・GREE
 ・Flickr
 ・Twitter
 ・Skype(フォン)
 ・IM(各種)
 ・スタートページ(Google、Netvibesなど)」

 
これらの並べられたものをほとんど試している。
ほとんど試しているが、今でもずっと愛用しているのはRSSリーダーぐらいなものだ。
あとは皆ちょっとの間試していたが、今では打ち捨てられている。
これらのものは今のwebの中心的なアイテムなのだが、正直私も訊きたいのだが、これらのものを全て便利に使いこなして、毎日使っているという人が一体どれほどいるのだろうか。
少なくとも私はそのうちの一人ではない。

これらの道具の将来性がないとか機能性に問題があるといっているのではない。
将来性も機能性もあると思う。問題は人間の脳はそんなに一度に全てに順応できるほど急速に発展しないということだ。
環境に合わせて脳が進化するのではない。脳に合わせて一部の環境を取り込むことができるだけだ。
これはグーテンベルグの時代も現代もさして変わらないと思う。

何が言いたかったかというとこういうことだ。
webはそれ自体が自律的な生命のような進化を始めている。するとどうなるか。
人間がプレイヤーなはずなのに、人間は全体を全て知っている人が少なくなっていく。
個人はますますタコツボ化し、狭い世界で協和的になっていき、広い世界は訳が分からないうねりが出始める。人間の脳はそれについていけない。
つまりますます個別化が進むということを言いたかったのだ。

ここいらもっと熟成してからそれぞれ文章にするつもりだったのだが、こういうブックマークやweblocがやたら増えてしまい、自分でも何が書きたかったのか忘れてしまいそうなので、ちょっと早漏気味だがとりあえず備忘録的に書いておく。
そのうちちゃんと考える。



2007 年 5 月 11 日





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Folder Player
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

mp3などの音楽ファイルを素早くプレビュー視聴できるアプリ。

ということならFinderでも可能なのだが、これはもうちょっと音楽プレイヤーに近い性格のアプリになる。
つまりフォルダごと登録して、そこに入っている曲を連続再生できる。
iTunesのライブラリはアーテォスト名でひとまとめ、その中のアルバム単位でひとまとめのフォルダに入っているというディレクトリ構造になっているので、あるアーティストの曲だけ、あるいはあるアルバムの曲だけを聴きたい時にはiTunesよりもお手軽かもしれない。






Folder Playerはフォルダを登録するとその中のmp3を連続再生する
アルバムごとに入れ替えて最初から最後まで聴くLPのような
聴き方をしたい時にはiTunesよりお手軽かも


2007 年 5 月 12 日





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Magnetosphere
(Freeware)
OS10.4Tiger対応 Windows2000~XP対応

音楽に合わせて光が飛び交うiTunesビジュアルプラグイン。

Macの手書き説明書さんの「magnetosphere」経由

Magnetosphereという耳慣れない言葉の意味は こちらのサイトを参照していただければわかると思う。

このビジュアルプラグインはiTunesのデフォルトのビジュアライザーを初めて見た時の衝撃を思い出させてくれるようなインパクトがある。
OS9を初めて入れた時だったと思うが、OS8以前の素っ気ないフェイスのミュージックプレイヤー(もう名前も忘れたが)を見慣れていたのでこのiTunesのビジュアライザーの画像の動きは強烈だった。しかも当時Macは動画には弱いという思い込みが私の中では固定化され始めていたので、OS9なんていう不安定なOSの上でiTunesのビジュアライザーがコマ落ちもせずに軽快に動いているのが驚きだった。

今のOSXでは動画がちゃんと動くのは当たり前になってきた。それで驚きもすっかりなくなってしまったが、このMagnetosphereを見たらちょっとその時を思い出した。
ただこれは結構重いグラフィックだ。
iBookG4、ATI Mobility Radeon 9550、VRAM32Mという私のグラフィック環境ではちょっとコマが落ちる。
もうこれはintelMacに最適化されたということだろうか。






Magnetosphereは光の渦が強烈なスピードで音楽に合わせて動く





そのビジュアルは曲ごとに切り替わるし切り替わらないように操作もできる





詳しい操作法は「?」キーを叩いてみよう
光の大きさや量も変えることができる






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「勝手にオンラインウエア情報サイト共闘内検索」が新しいお仲間も迎えて「mac onlineware search」にリニューアル

新・Macオンラインウエア情報検索プラグイン という「うむらうす」さんのエントリで、再び「新・Macオンラインウエア情報検索」という話題でプチ盛り上がっている。
しかも知らない間に「mac onlineware search」という名称に変わっている。まあ「勝手にオンラインウエア情報サイト共闘内検索」なんてダサダサな名前よりはブログパーツとして貼るにはカッコいいんじゃないだろうか。

また新規加入いただいた「わかばマークのMacの備忘録」さんのこちらの記事SafariStandAcidSearchでこの検索を利用する方法が書かれているのも興味深く拝見した。
これは面白い。
引用すると

『また、SafariStand のクイックサーチに「Mac onlineware search」を登録する場合は、次のURLを、エンコード「UTF-8」で登録して使えます。

http://www.google.com/cse?cx=012261539793648953536:amxtz7vcqso&cof=FORID:0&q=@key

AcidSearch に登録するときは、同じくエンコード「UTF-8」で、次のURLを登録して使えます。

http://www.google.com/cse?cx=012261539793648953536:amxtz7vcqso&cof=FORID:0&q=

ということだ。






SafariStandに登録するとこの通り
Safariでアプリの名前を見かけたら
右クリックで即共闘サイトでアプリの評判を検索できる
興味はあるが評判を知りたい、使い方がわからないという時に威力を発揮する



ところで余談だが「うむらうす」さんのところでは「mac onlineware search」なんて小文字になっているが、マックのことを「mac」と書くのは私だけだと思っていた。
ことえりでは「Mac」と変換される。
昔ある掲示板でコンサバなOS9ユーザと喧嘩した時に、私が「mac」と書いているのをめざとく見とがめて
「本物のマックユーザはMacと書くのに、お前はmacと書いているのが変。お前はマックユーザになりすまして煽っているドザにケテーイ」
と決めつけられたことがある。私はドザなんだそうだ。
なるほどマカというのはそうやって敵味方を識別しているんだなと感心して、それ以来わざと「mac」と書いていた。
このサイトのタイトルが
「muta's mac scribbling」
と全部小文字になっているのはそういう理由からだ。
最近ではどうでもよくなったのでことえり変換そのままにMacと書くようになったが、以前はずっとこだわってそれで通していた。
「MAC」とか書く人もたま~に見かけるけど、「mac」と書く人はあまりいないんじゃないだろうか。

どうでもいい話だが、オンラインサーチのタイトルが小文字になっていたのでつい・・・



2007 年 5 月 14 日





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VoodooPad Lite
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

テキストノートパッドのVoodooPad(Shareware)のフリーウエア版。

こちらを使って気に入ったらシェアウエアのフル機能版に乗り換えて欲しいということらしい。
とりあえず気になったことをどんどん書き込んだりコピペしたりのコンセプトノートとして最適なアプリ。
そういう趣旨のアプリはMacJournalをはじめたくさんあるが、これの面白いところはページ間でどんどんリンクを作れるところだろう。

何か思いついた時に書き留めたアイデアをふくらましていく時に、アイデアというのは必ずしも直線的に発展していくわけではない。というよりも大抵の場合は四方八方にバラバラに発展していく。そのバラバラな発展の中から「ものになりそうな有為のアイデア」を選択していくというのが思考の方向性だと思うが、その選択は2つしかないところからするよりも何十個もある中から選択した方が、いいアイデアが得られる確率が高いことはいうまでもない。
しかし何十個もバラバラに自由に発想を発展させていくには、人の脳の記憶力には限界があるし、混乱を整理していく力には限界がある。

つまり「何か面白いことを思いついた気がするんだけどなんだったっけかなぁ」と思う時というのがこれに当たっているわけだ。

そうした混乱を避けるために人は思考を自ら規制し、All or nothing、二者択一という硬直した思考に陥ってしまうわけだが、こういう時のためにアイデアの価値判断をとりあえず保留して、どんどん書き足せるノートがあれば便利だ。
ただ同じページにどんどん書いていくととりとめもない長文が残って、自分でも読む気がしないというのではやはりアイデアは腐ってしまう。
そこで「index」ページにはコアになるテーマとアイデアを書いて、そこの関連語句からどんどんリンクを飛ばして他のページに関連アイデアを思いつくままに書き足していけば、閲覧もしやすいしアイデアを取りこぼすことも少なくなる。

このVoodooPad Liteはまさしくそういう使い方ができるようにページ間でどんどんリンクを作ることができる。
何か気になる語句があったらそれを選択して、そこにリンクを設定して新しいページに気になることをどんどん書き込んでいけばいい。
それで思考は発展する。
このアプリのサイトのトップにも「あなたの脳をこのパッドに写せる」というコピーが書かれている。
このパッドはまさしくそういう使い方がいいだろう。

単なるアイデア帳ではあるが、書き出しはテキスト以外にWordやリッチテキストも選択できる。
シェアウエア登録すればhtmlやxmlにも書き出せるようなので、用途はさらに広がるだろう。
簡易なホームページ作成ソフトとしても使える。






VoodooPad Liteはノートパッドとしては際立った機能がある
何か語句を選択してリンクボタンをクリックしてみよう





するとその選択した語句からリンクを張った新しいページを作成できる
ここにどんどん関連イデアを書き込んでいけば思考は広がるに違いない
このようにテーブルも設定できるので、メモはフラットなテキストでなくてもいい





ページボタンをクリックすればどんなページが作成されているか一覧できる
タイトルはリンクを張った語句なので理解しやすいのはなかなかのアイデア





それぞれのページの詳細情報も見ることができる
シェアウエア版ではエイリアス機能もあって便利そうだ





ページはテキストの他にリッチテキスト、Word文書として書き出せる





さらにシェアウエア登録するとhtmlとしても書き出せるようだ
このアプリだけでサイトが作れてしまうのではないだろうか





ちなみにプロジェクト一セットはこういう独自ファイル形式で保存される






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ダメ文系サイト運営者

改訂版 駄目文系ブロガー10の特徴

<あうっ、( ゚Д゚)・∵. グハッ!! 全部オレのことじゃん・・・ 











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