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リファレンスブックを作りたい3〜この一年間に
取り上げたテッポのリファレンス写真を集めてみた

Reference3

リファレンスブックを作りたい3〜この一年間に取り上げたテッポのリファレンス写真を集めてみた

前回のリファレンス写真集を作った回からちょうど一年が経って、今年一年もいろいろ写真を撮ったのでまたリファレンス写真集第三弾を組んでみることにした。
参照
リファレンスブックを作りたい2〜撮りためた写真が結構な数になってきたのでまとめてみた

実銃写真と並べて手持ちのモデルガン、エアガンなどの写真を同ポジで比較しているが、これで言えることは最近のモデルガン・エアガンは本当にスタイルが良くなったということかな。

昔は見るからにオモチャくさいモデルガンってあったけど、今はもう写真からでは本物と区別がつかないものもある。

もっとも実銃の方がポリマー化したりして見た目がオモチャくさくなっているという事情も多少ある。

一時期モデルガン規制が話題になった当時、実銃のポリマー化が進んだらそのうち金属モデルガンだけでなくABSのモデルガンも銃刀法で規制されるようになるんじゃないかと危惧する人々がいた。

ABSが規制されたら、次のモデルガンの素材は何?ソフビあたりが危ないかな…なんて話が浮上していた。

ソフビのモデルガン…おもちゃ屋の店頭にウルトラマンやカネゴンと一緒にブリスターパックに入れられたソフビのテッポが1挺500円で売られる日も近いかもしれない…エアソフトガンは水鉄砲と同じ素材の塩ビになるとか…


今のところそういう地獄は来ていないのはめでたいかぎりだ。


【BERETTA】

イタリアを代表する銃器製造メーカーの大手にして老舗。

なんせ16世紀のベネチアの税務署の書類だかにBerettaという工房から銃身が納品されたという記録が残っているくらいだから、おそらく銃が発明された当時ぐらいから営業しているメーカーだ。

ベレッタといえば今や世界的にも2〜3社しか残っていない水平二連散弾銃の猟銃を製造しているメーカーで500年の伝統を守っているが、伝統だけでは食べていけないので短機関銃や自動小銃、ポリマーフレームの自動拳銃など新しいものもチャレンジしている。

そのポリマーフレームの自動拳銃がこれPX4

新しいものにチャレンジしたが、フレームにポリマーを採用したという以外はロータリーロッキングバレルが目新しいぐらいで、トリガーメカやセーフティはM92以来のコンベンショナルなメカを踏襲している。

そういう意味では危なげがない失敗もない設計だが、米軍の制式拳銃トライアルを意識した大小口径や小型拳銃に組み替えられるモジュール化にチャレンジしてはいる。
名前のPX4も4形態に組み替えられるという意味だが、小型拳銃に組み替える時にほぼすべてのメカの差し替えになってしまうのが中途半端な対応になってしまった。

そのせいか米軍トライアルでもM9のメーカーという実績にもかかわらずさして話題にもならず、トライアルはSIGとグロックの一騎打ちみたいな流れになってしまった。





(上)実銃のBeretta PX4Storm Full Sizeと(下)東京マルイのPX4
スタイリングやスライドがABSであるにもかかわらず質感もリアル
だが例の商標問題が未だに尾を引いてマルイの刻印は
正一稲荷の印形のようなマークなのが情けない




PX4の最大の特徴はバレルが上下に動かないで回転して解錠するショートリコイルロッキング
このメカのおかげで銃身は常に射線からずれないので命中精度は良好とのこと




米軍トライアルではあまり目立たなかったPX4だがクリストファー・ノーランの
快作「インセプション」では目立つ使い方をされていたのでその印象が強い
マルイのPX4をサイレンサー装着用の延長バレルに換装した状態
この銃を見て渡辺謙がコマを回して記憶を呼び覚ますシーンの再現




ガスガンの銃身に重いサプレッサーをつけると大体作動不良になるが
マルイのこの組み合わせはバレルが回転式なのもあって快調に動く
むしろ動くほうが珍しいのでその貴重な組み合わせ




アンダーマウントにライトとレーザーモジュールをつけた実銃PX4(上)とライトをつけたマルイPX4(下)




(左)実銃のBeretta PX4フィールドストリッピングの様子と(右)東京マルイPX4の通常分解
外観がリアルなだけでなく分解した時の部品構成や雰囲気もかなり近い




マルイのエアガンって昔はオモチャくさいテッポの
代表格だったんだけど今ではこの質感だからなぁ
それでもディテールのメカくささは未だにMGCのような
雰囲気がないのはなぜだろう
モデルガンメーカーから出発したカルチャーと
オモチャ専業メーカーのカルチャーには深い溝がある気がする




SOCOMピストル用のサウンドサプレッサーを装着したマルイのPX4
ガスガンではほぼ唯一の実用的な組み合わせだと思う
エアガンにサプレッサーが必要かという問題は抜きにして
映画のテッポと同じ構成で撃ち合いはできる




同じくBerettaのM93R実銃(上)とKSCのガスガンM93R(下)
イタリア内務省のリクエストで機関銃にもなるハンドガンとして開発された
機関拳銃は世界的にも政府機関以外は所持禁止でアメリカでも欧州でも市販されていない
KSCはMGCの流れをくむメーカーでMGCの3点バーストのメカを継承した
アメリカでは所持できないが日本では(ガスガンだけど)所持できる珍しい銃

【Glock】

かつては「うまくいきっこない」と思われていたストライカー方式+ポリマーフレームの自動拳銃を無名なナイフメーカーが実用化してしまい、ハンドガンの流れを変えてしまったのがグロックのG17。

フレームに固定されていないシアというアイデアで、落下すると暴発するストライカー方式の欠点を解消し、ついでにセーフティも自動があればマニュアルはいらないという思いきった発想でリボルバー並の「引き金を引くだけでいい」という操作を実現してしまった。

今では世界中のメーカーがグロックの真似をしている。





(上)実銃のGlockのG17 Gen2と(下)タナカのG17モデルガン




発火式モデルガンはショートリコイルロッキングが本当にロックすると発火できないため
チェンバーがスライド面より落ち込んでいるという欠点があったが発火機能を殺して
ダミーカートモデルにすれば実銃と同じロッキングで問題ないのでエジェクションポートもリアルになった
(左)がモデルガンで(右)が実銃だが区別するポイントはチェンバーのニトロマークぐらいしかない




(上)実銃Glock G17と(下)タナカのG17
本当はちょっと細身のスタイルといいプラ表面のテカテカ具合といい
マルイのエアコッキングガンのG17の方が実銃のスタイルや質感に近かったりする
タナカは少し太めで重々しい質感だがプラペカペカの方がリアルという皮肉




チェンバーのロッキングを修正しスライドも磨きなおしてリアルになったタナカのG17

【Smith & Wesson】

世界初の貫通型回転弾倉のリボルバーを実用化したSmith & Wessonは20世紀中庸までは先進的なメカ技術を持ったメーカーだった。

けれどリボルバーにしてもオートにしてもやたらバリエーションを増やすだけで根本的な新しいメカを打ち出せなくなって、そこに来たグロックショックで司法機関の圧倒的シェアも失ってしまい、グロック丸コピーのSIGMAを販売して知財裁判にも負け、ついに海外資本に身売りするまでに落ちぶれたSmith & Wesson。

起死回生のM&P9がなんとか売れているようなので、一息ついたというところ。

そのM&P9がS&Wの黄金期を築いたMilitary And Policeと同じ名前なのが狙い通りなのか皮肉なのか…





(上)実銃のSmith & Wesson M66 -2 4インチモデルと(下)コクサイのM66 4インチガスガン
M66はM10Military and Policeにアジャスティングサイト、エジェクターシュラウド、
ブルバレルを取り付けて357マグナムにも対応したS&W黄金期のリボルバー
70年代から80年代にかけてのアメリカの制服警官は圧倒的にM66の4インチが多かった




(上)Smith & Wesson M66 2.5インチ実銃と(下)コクサイのM66 2.5インチガスガン
コクサイのリボルバーは昔はオモチャくさい造形だったが少しずつ金型を修正して
末期にはかなりリアルな形状になったがそれでもディテールに気になるところがある
フロントサイトのレッドランプやグリップ、金属部品のパーティングラインなどを手直しした




(左)実銃M66の2.5インチバレルと(右)コクサイの2.5インチバレル
実銃はかなりバフだれしているのに対してコクサイの造形はくっきりしている
だれている方が本物っぽいイメージ




コクサイは「リボルバーの」という冠詞がつく割にはリボルバーのスタイルはリアルじゃなかった
フレーム上部が分厚い問題は末期にかなり改善されたがハンマースパーの形状や
平行四辺形のレッドランプなどついに廃業するまで治らなかった
そこらに手を入れて少しでもリアルに近づけてみた




(上)Smith & WessonのM10 Military and Police実銃と(下)コクサイのM10 4インチ
このM10こそがS&Wのダブルアクションリボルバーの源流になり
19世紀末の設計にもかかわらず21世紀まで生き残るメカになったが
その完成度ゆえに後に続く革新的アイデアがしぼんでしまったのかもしれない




(左)Smith & Wesson M10実銃と(右)コクサイのM10モデルガン
もっとも金型が改善されたのはこのM10で当初は
オモチャくさかったミリポリは相当リアルになった




コクサイはついに最後まで刻印マークはK&Sだったが
このシリーズだけサイドパネルにS&Wのマークが刻印された




リボルバーの好きなアングル
毀誉褒貶があったコクサイのリボルバーだが廃業する直前に
晩秋のモズのひと鳴きのように素晴らしいミリポリを残して消えてしまった




(上)Smith & Wesson M10 4インチ実銃と(下)コクサイのM10




(上)Smith & Wesson M10 4インチ実銃と(下)コクサイのM10
コクサイの最高傑作と言いながらハンマースパーやフロントサイトの形がやはり気になる
なかなか完璧というものはない




(上)Smith & Wesson M59実銃と(下)MGCのM59
アメリカ軍の制式拳銃トライアルに参加するために8発装弾のM39を14発装弾に改修したモデル
M39はなかなかバランスの良い銃だったがそのままダブルカラムに改修するのは無理があった
グリップのアングルや太さなどに不評が集中して重い動作も相まってトライアルの結果は散々だった
コンシューマーの評判も同様だったがそのせいかこのフレームにもブルーがかかったオールブラックモデルは
今では逆に希少になりオークションでも信じられない高値がつくんだそうだ




(上)Smith & Wesson M59実銃と(下)MGCのM59
MGCのM59は紙火薬を使うオープンデトネーター時代の設計なので
さすがにメカはリアルとは言い難いがスタイルを実銃と比べるとなかなかリアル
当時手に持ってすごくバランスが悪いと感じたがそれも実銃通りだったことがわかる
MGCは神田沙也加のお父さんモデルがヒットしたおかげで
日本のオークションで比較的安値で手に入る




(上)Smith & Wesson M59実銃と(下)MGC M59神田沙也加お父さんモデル
MGCはフレームにだけニッケルメッキをかけたこのモデルをドラマとタイアップで
発売してこれが結構ヒットしたが実銃にはこのフレームメッキモデルが存在しない
上の実銃はどうやらオーナーがアルミアーロイフレームの黒染めを
自分でサンディングして落としてしまったもののようだ
当時はこういうハーフシルバーのカスタマイズが日本でもアメリカでも流行っていた




(上)Smith & Wesson M&P9実銃と(下)東京マルイM&P9ガスガン
M10から始まる2桁モデルからM439などの3桁モデルを経てM4069などの4桁モデルに至り
ディーラーですら混乱するモデル番号管理と低迷する販売でついに会社も
売却という憂き目にあって起死回生の期待を背負って登場したM&P9
なんのことはない知財裁判で負けたSIGMAを特許権、意匠権の時効に合わせて
焼き直しただけの内容だったがそれでもこのM&P9はそれなりにヒットした
おそらくセーフティも廃止するようなグロックのトガリっぷりに保守的なアメリカの
司法関係者が反発して「安心のS&W」を選択したということかな




(上)Smith & Wesson M&P9 VTACサイトモデル実銃と(下)東京マルイM&P9 VカスタムFDEガスガン
東京マルイはおそらくこのS&Wのパフォーマンスセンターカスタムをモデルにしていると思われるが
このモデルは分割式のS&Wオリジナルのトリガーではなくグロック式の
レバーセーフティがついたトリガーが標準になっている
S&Wの中折れ式のトリガーを嫌う人が多いからこうなったということらしい
マルイはあくまでマルイオリジナルのVカスタムと自称しているからどっちでも良いのかもしれないが

【Colt】

銃器メーカーとして知名度ナンバーワンのコルト。

日活映画の「俺のコルトが火を噴くぜ」という台詞なんかから銃に興味がない人でも多分知っている。

しかしこのメーカー名は実はコルトさんという人名から来ていて、そのコルトさんは純粋な技術者でもあり内戦に揺れる祖国への思いもだし難く粉骨砕身働いて、その儲けで自前でライフル隊を集めて北軍に編入し、しかしその過程で過労死してしまったという悲劇の人物だというのはあまり知られていない。

よくある誤解でコルトさんがリボルバーを発明したという解説を見かけるが、リボルバーという銃器のスタイルは実は17世紀には存在していた。

コルトが銃器製造のビジネスを起こした当初、ペッパーボックスタイプの旧式リボルバーのシェアをなかなか切り崩せなくて一度は倒産、休業に追い込まれている。

コルトさんが発明したのはリボルバーではなく、船の巻上げ機のストッパーの形状からヒントを得たシリンダーを自動的に発射位置まで回転させるシングルアクションだった。





(上)Colt M1861 Navyの初期バージョンと思われる実銃と(下)フランクリンミントの「カスター将軍の銃」
Coltは最初期のパターソンモデルからシングルアクションを徐々に洗練させその集大成がこの1861ネービィモデル
コルト大佐の晩年の作品でパーカッション式リボルバーの最後の大輪の花がこの1861ということになる
そしてこの銃は南北戦争でも使用されカスター将軍のような南北戦争の英雄のシンボルになった




(上)ワイルドビル・ヒコックが使用したとされるM1861 Navy実銃と(下)フランクリンミントの「カスター将軍の銃」
フランクリンミントのコレクション第二弾の「カスター将軍の銃」は実はマルシン製で
かっちりした作りでエングレービングもキレイだしメッキも分厚いが
販売対象の問題なのかオークションに出てくるものは大抵コンディションが悪い
この個体もかなり傷んでいたが磨きまくりヤスリまくりでなんとか再生した




象牙グリップ(風のABSグリップ)も目立てヤスリでキレイにしてシリンダーには
キャストブレットを詰めたリアルな姿に変身したネービィ
日本人には想像しにくいがアメリカのガンコレクターにはこの銃は本当に人気がある
おそらく奴隷解放と合衆国憲法を守った正義の戦いを勝ち抜いた銃として
小学校からリンカーンの奴隷開放宣言を暗唱させられるアメリカ人には特別の感慨があるんだと思う




実銃のコルトM1873キャバルリー(上)とCMCのM1896キャバルリーのモデルガン(下)
創業者が過労で亡くなってしまった後のコルト特許銃器製造会社には大きな課題があった
ライバル社のS&WがNo.1、No.2リボルバーで実用化した金属薬莢を使う貫通型シリンダーが
いずれは大きな脅威になることは明らかだったため特許権が切れたと同時に開発したのが
このシングルアクションアーミィだった




実銃のコルトM1873キャバルリー(上)とCMCのM1896キャバルリーのモデルガン(下)
CMCのモデルガンは金属モデルガンの規制が始まる前の金型なのでかなり古いが
当時としてはかなりSAAの雰囲気を正確に再現している
すっかり錆びついていたが磨き上げ銀磨きをかけてこれも再生した




実銃のM1896シビリアン(上)とCMCのアーティラリーのモデルガン(下)
黒色火薬モデルの1873と無煙火薬対応の1896はシリンダーシャフトを固定するラグの有無で識別できる
銃身長が4.75インチがシビリアン(市民モデル)5.5インチがアーティラリー(砲兵モデル)、
7.5インチをキャバルリー(騎兵モデル)と呼ぶ
わたしらの世代に馴染み深いフロンティアは44口径モデルの名称で全部ひっくるめて
アメリカ人にはシングルアクションアーミィ、またはシックスシューターという呼び方が馴染みのようだ




西部劇ではずっとSAAばかりがスクリーンに登場するハリウッドだが実際には
コルトSAAは西部開拓時代の末期に登場ししかも最初は陸軍に独占納入されたので
西部のガンマンがこれを腰に吊っていたのは本当に末期の末期、
日本で言えば明治20年代とかそんな時代になる
でも映画の力は偉大でアメリカ人がノスタルジーを感じるのはこの銃だ




(上)Colt 1903 Hammerless実銃と(下)MGCの32オート
創業者の創意でリボルバーの一時代を築いたコルトだが
20世紀に入って時代はやはりオートの時代になる
創業者のサミュエル・コルトに匹敵するアイデアを持った技術者…
それがコルトにとってのジョン・ブローニングだった




(上)Colt 1903 Hammerless実銃と(下)MGCの32オート
MGCの32オートはグリップセーフティを省略したり分解法も
実銃と全く違うなどメカのアレンジはMGC流だが外観はかなりリアル




チェンバーにアルミ板をかぶせたり全体に銀磨きをかけABSのグリップパネルに
木工風の加工をするなどしてリアル化したMGCの32オートモデルガン

【Tokarev】

帝政ロシア時代にS&Wやベルギーのナガン拳銃を取り入れたロシアは革命でソ連になった。

ソ連になったら当面の正面の敵はナチスドイツだった。

大至急軍装や兵器を近代化する必要に迫られたソ連軍。とりあえずは各国の銃を参考にいいところを取り入れて近代銃をでっちあげる必要が出てきた。

拳銃の開発でまず参考にしたのはブローニングで、このトカレフはサイズからデザインからコルト1903にかなり似ている。
モーゼルの7.63mmカートリッジをコルトの32オートに組み合わせたと言っても言い過ぎではない。





TOKAREV TT30/33実銃(上)とハドソンのトカレフTT33モデルガン(下)
トカレフは1930年に制式化され1951年に退役しているので知名度の割には寿命は短かった
そのため上の写真のような旧ソ連時代に製造されたトカレフは現代では非常に珍しい
トカレフというとヤクザの銃というイメージがあるがそれは大抵中国製のトカレフで
こういう本物のソ連製トカレフは博物館にしか残っていない




TOKAREV TT30/33実銃(上)とハドソンのトカレフTT33モデルガン(下)
ハドソンのトカレフはこのソ連製のディテールをかなり正確に再現している
モデルガンはジャムが多いという定評だったがエジェクションポートを
少し削るだけで快調に装填排莢が可能になる




鉄色に磨き上げれば歴戦のソ連軍将校の得物に見えてくる




各国の銃のいいとこ取りをしたトカレフだが独自の工夫も多くある
(上)実銃のハンマーシアユニットと(下)ハドソンのハンマーシアユニット
このようにハンマーとメインスプリング、シアを一つのモジュールにして
いざとなったらまるごと交換してあっという間に修繕ができる
ハドソンはこのトカレフの最大の特徴を正確に再現している

【H&K】

グロックのフォロワーの中で最も保守的だったのはベレッタでもワルサーでもない、このH&Kだったろうと思う。

フレームがポリマーであるという点を除けば、ハンマー方式だしデコッキングレバーとコックアンドロックも残すなどまるで20世紀中庸のテクノロジーそのものだ。

ベレッタやワルサーなんかよりもさらに保守的だったが、この古い方にガン振りしたのが逆に良かったのか、ドイツ軍にP8として採用され、ドイツ連邦警察にも採用されアメリカの司法機関でも一部採用され、これの発展型が自衛隊の次期制式拳銃になる。

中途半端はダメ、思いっきりトンガるかうんと保守的に手堅くやるかのどちらかに成功の道があるという教訓か…





(上)エヴァンゲリオンテレビシリーズに登場した「ミサトさんの銃」と(下)タナカのP8ガスガン
意外な作品の意外なシーンに意外な銃が使われていた
ミサトさんの使用銃がごついH&KのUSPというのはちょっとちぐはぐで面白い
女性が15発の9mmパラ弾をがっつり装填したUSPを上着の下に隠し持つって
いざ銃撃戦になったらしっかり相手を圧倒して制圧する気満々のチョイスだと思う




タナカのP8はスタイルもメカも面白い
最近全面改修されたモデルガンはメカも刻印もさらにリアルになっている

【Česká zbrojovka】

昔はセスカ・ズブロジョフカと表記していたが今はチェスカ・ズブロヨブカと表記するのかな。

チェコ語はよくわからんからどっちが正確な発音に近いのかようわからん。

Cz75のメーカーだと言った方がピンと来る人が多いかな。

MGCがCPブローバックのガバとM16を発売した当時「次回作はCz75」と大々的に発表してそのまま会社ごと消えてしまって以来Cz75は割と鬼門筋。

マルシンのモデルガンはガスブローバックモデルガンというオモチャくさい変態的なメカニズムだったし、MGCやKSCのガスガンのCzはスタイルは悪くなかったがテカプラだったりつや消し黒だったり、動きも「パスッ、パスッ」という感じだったし、どれもこれもお気に入りにはならなかった。

これだけファンが多いテッポなのに決定版が一つもないという不思議なテッポだった。





(上)ラッカー仕上げのCz75第2世代の末期と思われる実銃と(下)KSCのCz75ガスガン
KSCはスタイルは抜群だが動きが悪いしつや消し黒の仕上げもリアルじゃない
最近のシステム7になってブローバックはテキパキ動くようになったがスライドが破損するらしい
実銃も共産主義政権崩壊後は上の写真のようにラッカー塗装の手抜き仕上げが
標準になったそうだからベタ黒を塗装した方がかえってリアルかもしれない




(左)Cz75第1世代の実銃と(右)ポリッシュしたKSCのCz75
Czというとやはりこういうグロスブルーに仕上げられた共産主義政権時代の仕上げがつとに有名
この頃のイメージが目に焼き付いて離れないのでKSCを徹底的に磨いて銀磨きをかけた

【IMI】

イスラエルの若き中尉が設計した短機関銃。

ドイツ生まれのユダヤ人にしてイスラエル軍の将校だったウジール・ガル中尉が砂漠でも軽快に動くコンパクトな短機関銃として発案したブルパップタイプマシンガン。

とにかくナチスドイツ軍の標準兵装のシュマイザーやイギリスのSTEN、アメリカのトミーガンなんかと比べて小さいことが最大の特徴。

小型化するためと砂埃が入って動かなくなるのを防ぐL型ボルトに最大の特徴があった。





(上)実銃のUZI折りたたみストックタイプと(下)マルシンの電動UZI
電動ガンというとフィールドではマルイの独壇場だったが
マルシンのUZIは唯一マルイに対抗できる性能だった
にもかかわらず人気が出なかったのかBB弾にロスが出るチェンバー構造に
問題があったのかすぐに消えてしまった




知らない間にレアアイテムになってしまったこのマルシンのUZIを砂漠の歴戦の勇士風にウエザリングした
実銃はパーカライジングなのでここまでザクザクに剥げないがこれも雰囲気ねらい

【Steyr】

30年前に購入したマルゼンのAPS2がまともに撃てないガラクタになっていたが、シアメカ一式をごっそり入れ替えて撃てるようにした。

デフォルトよりも軽めのスプリングに交換して命中精度は上がった気がするが、なんせ腕が錆びついているのであくまで「気がする」だけ。





マルゼンのAPS2(下)とモデルになったステアーSSG69狙撃銃の実銃(上)
実銃は世界中の軍・警察で採用された優秀な狙撃銃
古い銃だが人間工学的に考え抜かれたデザインで
ポリマーのストックと相まって古さを感じさせない現代的な銃
APSは軽快に撃てるようになったのでガンガン
練習するようになったかというとそうでもない

【SIG/Sauer】

長い間PPKの独壇場だった中型オートの世界で、やっとPPKを凌駕した銃がSIG/Sauer P230。

最大の特徴はセーフティレバーがないこと。

オートマチックセーフティのおかげでトリガーを引き切ったとき以外は絶対に弾が出ない。

そしてデコッキングレバーを使えば安全にハンマーを落としておける…ならばセーフティは要らないではないか…

ハンマーダウンでワンインチェンバーにしておけば、もしもの緊急時には引き金を引くだけで即応できるし、割り切った合理性だと思う。

しかし日本警察がP230JPとしてこれを採用したときに、セーフティレバーを追加した。

これではSIGの良さを殺してしまっている。

日本警察はやはり相当保守的だと思う。





(上)SIG/Sauer P230実銃と(下)KSCのP230ガスガン
中型拳銃として常識的なスタイルをしているがセーフティがあるべき場所がのっぺらぼう
その代わりグリップ付け根にデコッキングレバーがあり安全にハンマーを落とせる
これもリボルバーのようにあまり考えずに扱えるというメリットなのだが
「安全装置がないのは危険ではないか」という保守層には受け入れにくい




(上)SIG/Sauer P230実銃と(下)KSCのP230ガスガン
KSCのガスガンは軽快に動く
スタイルもいいので塗装で質感を出せば万全




実はスライドストップの部品を紛失していたのだがKSCの
サポートにWebでコンタクトして部品を取り寄せた
迅速な対応で部品が来たので簡単な調整でスライドストップも完璧になった

【水平二連散弾銃】

昔はミロクやSKBなど日本のメーカーも水平二連散弾銃を製造していたが、今は製造を中止しているところが多く世界でも2〜3社しか作っていないそうだ。

水平二連散弾銃は、かつてはロンドンのギルドがストックの仕上げだけで1年かけて作るような高級な猟銃だったが、今ではスポーツ射撃もカモなどの実猟も上下二連や自動銃を使う人が多いので、手間をかけて作っても売れないそうだ。





(上)ミロクの水平二連散弾銃の実銃と(下)ハドソンのストックを組み合わせた崋山のガスガン
水平二連散弾銃の良さは何と言っても軽さだと思う
山を歩き回る猟の場合はメリットがあるが、バレルが熱を持ちやすい、構造が華奢、
装弾は2発だけというデメリットから最近では人気がないらしい




(上)ミロクの水平二連散弾銃の実銃と(下)ハドソンのストックを組み合わせた崋山のガスガン
崋山+ハドソンのガスガンはバレルを延長するために崋山を2挺使っている
まだ仕上げの途中でバレルの塗装と最終的には木製ストックも再仕上げしたい




(上)ミロクの水平二連散弾銃の実銃と(下)ハドソンのストックを組み合わせた崋山のガスガン
ミロクのレシーバーは綺麗な炭素焼きで仕上げられている
崋山のレシーバーは亜鉛合金製だがブルーイングをかけてケースハードゥン風に仕上げている




ミロクの炭素焼きは虹色に光ってとてもキレイ
この雰囲気に近づけるべく崋山のブルーイングをかけた




見る角度によって微妙に色が変わるのが炭素焼きの特徴
ケースハードゥン風に仕上げた崋山のレシーバーも色が変わる
ケースハードゥン・炭素焼きは実用性よりも美術的な意味の方が大きいかもしれない

【Remington】

水平二連散弾銃が人気がなくなったのなら代わりに何が人気があるかというと、上下二連と自動銃だとのこと。

自動散弾銃もBerettaなど高級猟銃がいろいろあるが、庶民的な猟銃として普及しているのはRemingtonのM1100。

M1100はマルゼンがガスブローバックで製品化しているが、マルゼンの構成はどちらかというと猟銃というよりも警察用の暴徒鎮圧銃のようなスタイルだったので、これを猟銃スタイルに改造している途中だ。





(上)Remington M1100実銃と(下)マルゼンのM1100ガスブローバック散弾銃
ボルトカバーをシルバーに磨き上げレシーバーをグロスブルー仕上げに塗装した
グリップエンドに飾りのインレイを入れた




(上)Remington M1100実銃と(下)マルゼンのM1100ガスブローバック散弾銃
リコイルパッドとグリップエンドに白インレイの飾りを入れて実銃の雰囲気に近づけた




(上)Remington M1100実銃と(下)マルゼンのM1100ガスブローバック散弾銃
ベンチレイテッドリブを取り付けてグロスブルーに塗装したバレル
チューブラーマガジンは短くして装弾数は3発に制限
フロントサイトは集光サイトにするなどリアル化が進んでいる




(上)オープンドットサイトを装着した実銃と(下)RMRを装着したマルゼンのM1100
最近はこういうサイトを使うのが流行なんだそうだ

【Enfield】

中折れ拳銃として19世紀半ばに原型が設計されたエンフィールドNo.2 Mk.I

以前動かなくなっていたメカを修繕したエントリーもあげたが、これの金属部品のパーティングラインを消してピカピカに磨いたらなかなかの古式銃の雰囲気になってきた。





(上)Enfield No.2 Mk.I実銃と(下)マルシンのエンフィールドNo.2 Mk.Iモデルガン
実銃は重くてデカかったウエブリーアンドスコットの後継拳銃として英軍制式に採用された
軽くなったがフレームが華奢になって装薬も弱装弾になったので豆鉄砲という気がしないでもない
ただどこの国の軍も拳銃にはあまり期待をかけていないような気がするのでこれでいいのかも




(上)Enfield No.2 Mk.I実銃と(下)マルシンのエンフィールドNo.2 Mk.Iモデルガン
トリガーやハンマー、バレルゲートレバーなどのパーティングラインを消したら
それだけでとてもリアルになった気がした
傷だらけの表面に銀磨きをかけたらブルーイングが傷んだ実銃の雰囲気に近づいた
実銃のエンフィールドは大体コンディションが悪いものが多いのでこの方がリアル




(上)Royal Ordnance L85A1実銃と(下)LSのL85A1エアコッキングガンのプラモデル
エンフィールドの流れをくむロイヤルオードナンスで開発された実銃のL85は
開発中のゴタタゴタが尾を引いて性能的には問題がある銃になってしまった
LSのL85はその外観を正確に捉えており往年の名作プラモデルメーカーらしい仕上がり
すっかり錆びついていたのを磨いて再生した



この一年取り上げたのは大体こんな感じかな。



2020年12月3日
















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