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映画の登場するプロップガン〜SIG Sauer P230
登場するフィルム・ドラマ2…ありそうで意外になかった…

SIG 230

映画の登場するプロップガン〜SIG Sauer P230登場するフィルム・ドラマ2…ありそうで意外になかった…

SIG Sauer P230のモデルガンに手を入れてリアル化したらすっかりいい気分になってP230が登場する映像について話したくなった。

といってもP230が登場する映画というお題で前にも取り上げている。
詳しくはこちら参照。
修復したSIG Sauer P230見てたら実銃のことや映画の登場シーンを調べたくなった…やはり女性が持つとサマになる銃なのかな…

同じSIGでも220とか226を持っているのって大抵髭面のおっさんか自衛隊員という感じで「エレガント」という雰囲気とは程遠いのだが、なぜかP230は女性が持つと映える銃というイメージが定着している。

なぜだろう?コンパクトだから?

でも9mmShortのカートリッジを使う銃にしては意外にごつい銃で、よく見るとプロフィールもゴツゴツと角ばっていて結構頑丈な銃という感じがするんだけど。





先日仕上げたKSCモデルガンのP230
アップの写真が少なかったのでスライド部分アップで
遠目の印象とは違ってなかなかゴツゴツしていて
これこそ髭面のおっさんに似合いそうな無骨さがあるのだが
フィルム上は女性が持つと映える銃ということになっている




モデルガンなのでバレルにはインサートが入っている
さらにウエイトを稼ぐために鉛を仕込んで銃身は完全閉塞している




ホワイトインレイが入ったサイト
SIGはモダンな銃なので大きめのホワイトが入ったサイトで狙いやすいと思う




そしてハンマーが叩いているのは6角レンチネジではなく
ちゃんとファイアリングピンのお尻というのがグッとくる
やっぱりエアソフトガンよりモデルガンの方が好き…



ソルト

SIG Sauer P230が登場する映画ということになると、やはり美女が持っている230のシーンがいくつか思い浮かぶ。

「インセプション」のマリオン・コティヤールとかこの「ソルト」のアンジェリーナ・ジョリーとか…

よく見ると結構いかついテッポだと思うのだが、スクリーンの力というのは偉大だな。

なんとなくP230は女性持ちのテッポというイメージになっている。


アメリカに市民として潜伏している旧ソ連のスパイ、しかも普通に結婚しCIAのエージェントとして周囲の信用も得ている「アメリカ人」が時が来ればアメリカ社会を崩壊させる「草の者」として埋められている…

ある日CIAの偽装企業を訪ねてきたロシア人がこんな告白を始める。

「そのスパイの名はイブリン・ソルト」
とこのロシア人は告げる。

「イブリン・ソルトは私の名前だけど?」
と聴取していた女性エージェントは当惑する。

ソルトは旧ソ連のスパイなのか、そうならなぜロシア人がその身分を暴露しにきたのか、やがてロシア人の目的はロシア大統領の暗殺と判明するがなぜロシア人がロシアの大統領を暗殺するのか、ソルトはこの暗殺計画を阻止できるのか…

超アップテンポのスパイアクションで状況がどんどん変化するローラーコースタームービーとでもいえそうなアクション映画だった。





大統領にP230を向けるソルト
アンジェリーナ・ジョリーやマリオン・コティヤール、ジェニファー・ロペスらのおかげで
P230は美女に似合うテッポ…という位置付けになってしまった
確かに軽いしリボルバー並みの簡単な操作法は女性向けといえるのかもしれない



連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~

吉田羊主演の神奈川県警捜査一課の迷宮入り事件担当班の物語。

時効完成直前の事件、あるいは被疑者海外出国、共犯者の公判開始などで時効停止になっている古い事件のファイルを地下の資料室で掘り起こし再捜査するのがコールドケース班の役目。

事件から10年、20年あるいは事件によっては戦後すぐの事件のため数十年が経ち事件関係者も多くが亡くなっているなどの困難な条件の中、真実に迫る…というアメリカで人気を博した「コールドケース」の日本翻案ドラマ。

このドラマでも吉田羊らがSIGを使っていたよね…と思い込んでいたが見直してみたら使っているのはほとんどM37だった。

神奈川県警ってそうなのかな。

詳しいことは知らないけど、銃器に関しては割と徹底しているドラマだった。





少年たちから事情聴取をしている近くのデスクで外出から
帰ってきた捜査員がベルトから拳銃を外して机に置く…




少年が騒ぎを起こすのに周りが気を取られている間に別の少年がこのデスクの拳銃を奪う
現実には拳銃携行命令を受けた私服警官は戻ったらまず拳銃保管庫に
行かないといけないはずだがこういうことってあるんだろうか?
これは内規違反で拳銃を奪われた捜査員は懲戒免職もありうる失態のように思うが…




その奪われた拳銃も他のシーンで登場する拳銃もみんなM37で
ニューナンブやM360SAKURAは登場しない
P230も結局出てこなかった…吉田羊が持っていた気がしたが
人の記憶はいい加減なものだ…



SPEC 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿

警視庁公安部に「未詳」と呼ばれる謎の部署がある…何故か警視庁別館の倉庫の2階の物置みたいなところに開設され、他の部署では対応できない未知の現象を伴う事件を扱う特殊部署…

「要するにヨソで相手にされない頭のおかしいクレーマーみたいな問い合わせに対応する部署でしょ?」
と誤射事件の責任を取らされてここに左遷されてきた加瀬亮。

ここになかば住んでいるぶっ飛んだ京大理学部卒女性刑事・戸田恵梨香と二人で、謎の能力を持ちSPECと呼ばれる「新人類」の事件を解明する…

このドラマで戸田恵梨香、加瀬亮らが使用する拳銃がP230だった…と記憶していたがこれも改めて観なおしてみたらなんとワルサーPPKベースのスクラッチビルドのプロップだった。





戸田恵梨香の発砲シーン
銃のシルエットは明らかにSIG SauerのP230に見える
この当時警察はP230JP導入を決定し導入も開始されているから
銃器の選択は不自然ではない




P230の特徴はなだらかで凹凸のない直線的なダストカバーのシルエット
コックしたハンマーをカバーする大きな後部スロープのスライド
なかなか遠目でも見間違えない特徴的な姿をしている




やはり美女にはP230なのか…と思ったがこれもアップをよく見ると
形はP230に似せてあるがPPKベースのフルスクラッチプロップだった
デコッキングレバーがあるべきところにマガジンキャッチボタンがある
グリップパネルの隙間から銀色のシアレバーが見えている
スリングスイベルまでつけてP230JPに似せているがセーフティがついていない




SPECのテレビシリーズは2010年の秋に始まったからKSCのモデルガンが
発売された頃だったがプロップが間に合わなかったということなんだろう
P230が登場する映画・ドラマなんていくらでもあると思っていたが
こうして観るとなかなかないことがわかってきた



TENET テネット

P230の登場する映画もっとなかったかなぁ…と思って例のデータベースサイトで調べてみた。

そしたらクリストファー・ノーラン監督の「テネット」の重要なシーンで使われているという情報が…

CIAのエージェントだった「名もなき男」がプルトニウムの奪取作戦で目撃した「逆行する弾丸」

作戦は失敗しプルトニウムは当局に押さえられ、作戦に参加したエージェントは捕らえられ全滅した…と思ったがこの作戦自体が「名もなき男」の適性を量るテストだったと明かされる。

そして真の作戦の目的は「未来から仕掛けられた世界の崩壊につながる戦争を未然に防ぐ」と明かされる。

その作戦の指示者もCIAなどの一国の組織ではないもっと大きな存在だとだんだんわかってくる…

全ての謎のカギになる「時間を逆行する銃弾」が存在する理由…

ノーランらしい重層的な構造の映画だ。





黒幕の武器商人セイターの妻キャット(エリザベス・デビッキ)が手にするP230
言われてみれば確かにこのシーンで使っていたのは230だった




サプレッサー付きのP230で「ケリをつける」キャット
このシーンが全ての分岐点になっていてここに至るまでの
過程とこの行為の結果が重層的につながっていく
「これは過去と未来からの挟撃作戦だ」と真の目的を明かされるラストにつながる


エリザベス・デビッキはちょっとロシアっぽい雰囲気があるが、オーストラリア人の女優さんなんだそうだ。

ノーランは割とステロタイプな設定から常識を裏切ってくる達人の監督だが、「美女が持つ銃は230」というあたりではセオリーに忠実…なのかな。

P230は画面にちょこっと写り込んでいるという作品はたくさんあるのはあるのだが、印象的なシーンで使われている作品って意外に少ないのかもしれない。

そしてやはり大抵は「美女が持つ銃」という扱いだった。





専用ホルスターに収納したエアガンとモデルガンのP230のツーショット




やっぱりダミーカートモデルが好き…


2021年12月13日
















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