Previous  Index  Next


2009 年 6 月 11 日




anchor

Safari4
(Freeware)
OS10.4Tiger対応 OS10.5Leopard対応 Windows2000~Vista対応

Safariが4になって世界最速という呼び声とともに進化したという。

ならば試してみないわけにはいかないと、ブラウザフェチの私はさっそくアップデートした。
Macならソフトウエアアップデートから4にアップデートできる。

Windowsユーザの場合はMacのサイトから入手してほしい。

それで実際使ってみたところ確かに高速化している。
世界一のスピードかはまだ何とも言えないが、トップクラスのスピードだということは間違いない。
プレインなテキストのサイトなら俊速で表示するし、CSSやJavaScriptを使いまくっているサイトでもそれなりの速度で表示する。

そのjavaScriptなのだが、Safari3では最初のころかなりのサイトのJSが表示できなかった。
それがバージョンのマイナーアップとともにやっと概ね見えるようになってきたと思っていたら、またSafari4になって見えないサイトが続出している。
こういうのは仕方がないのかもしれないが、なんとなくげんなりする。
当サイトに貼っているブログパーツのいくつかやアクセス解析サイトの結果表示がまた見えなくなっているのはがっかりだ。

しかし良いこともある。
ブラウザを起動して最初に出てくる「Top Sites」を見ればわかるように過去のアクセスが多いページが自動的にキャッシュされて表示されるGoogleChromeに似たような機能が、Apple独特のグラフィックで表示されるようになったことだ。
これでいちいちBookマークや履歴を辿らなくてもいつも行っているサイトにはすぐに行けるので便利にはなるだろう。

さらにそのブクマークはiTunesのCoverflowのような表示になって派手になった。

ツールバーのボタンの組み合わせも微妙に変わったしタブのデザインや最終タブが最後のページを表示するようになって、表示外のページをオペレーションするのがちょっと便利になったりとか、あちこち細かい改修も加えられている。
久しぶりのメジャーバージョンアップで、JSにさえこれから対応してくれたら、またFirefoxから戻ってきたいブラウザにはなりそうだ。






Safari4を起動すると過去にアクセスの多い「Top Sites」が並ぶ
Google Chromeを彷彿とさせるスタイルだ





この「Top Sites」の表示は「編集」ボタンをクリックすると数を変えたり入れ替えたりできる
また押しピンマークは常に「Top Sites」に表示したい場合に固定するボタンだ





この「Top Sites」画面を呼び出したい時には「履歴」からのプルダウンメニューと
コマンド+Shift+1というショートカットキーも用意されている





さらに「ツールバーのカスタマイズ」から入ってツールバーに
こういうボタンアイコンを貼付けると
このアイコンをクリックするだけでこの「Top Sites」画面を呼び出すことができる
このインターフェイスによほど自信がお有りのようだ





ちょっと残念なのは当サイトのトップページにも貼付けているグラフィックが表示できないこと
こういう一部サイトのJavaScriptと思われるパーツがかなりの割合で表示できなくて
Safari3の初期の頃にまた戻ってしまった感じだ
この問題は3ではかなり解決していただけに残念だ





私はキャッシュをかなり制限しているので上記キャプチャーは
表示できていないページがあるが設定を変えればちゃんと表示できる
大きめのサムネイルにするとこの通り6画面分割





そして小さいサムネイルにすると24分割だ
これは各人の好みで選んでほしい





ところでページのリロードボタンと更新中止ボタンが
無くなってしまったではないかと探していたらこんなところにあった
RSSアイコンの隣りにこじんまりとリロードアイコンが収まっている
ロード中のプロセスバーの表示法も変わった





さらに変わったのが「すべてのブクマークを表示」「すべての履歴を表示」で
出てくるウインドウはiTunesのCoverflowそのもののデザインだという点
これは派手だ





微妙な改良だが拍手をしたいのがタブのデザイン
前よりも見やすくなったし最後のタブが最終タブを表示しているのが微妙に使いやすい
ここが最終タブを表示してくれていたらマウスで最終タブに飛ぶのが速くなるのに
といつも不満に感じていたところなのでこの改良には膝を打った

anchor

Safari4についての追記〜ブログパーツが表示できない問題を解決

Safari4で一部のブログパーツが見えなくなってしまったということを書いたところBBSに「はま」さんから
SafariStandのバージョン不一致では?」
という指摘をいただいた。

SafariStandなどの一部のプラグインは確かにSafariのバージョンが上がるごとに問題を起こしていて、ただしSafariStandなんかは作者さんの対応がいつも素早いので、メジャーバージョンアップの度にすぐ新バージョンが出るのでちゃんとアップデートを確認しておかないといけない。
今回私はそれを怠っていたので(忘れていました)、確かに思い当たる節がある。

それでさっそく「はま」さんのアドバイスにしたがって、SafariStandを最新バージョンに差し替えてみた。
今の時点での最新バージョンは4.0L166だ。

それでSafariを再起動してみたのだが、やはり変わりがない。

この「見えなくなっている画像はFlashでは?」という「はま」さんのアドバイスがヒントになってFlash Playerを再インストールしてみた。
Safariのアップデートの時にプラグインがはじき出された可能性があるからだ。
しかしこれも結論からいうと、何も変化が無かった。

ちょっとがっかりしたのだがSafariStandのメニューコマンドを見ていたら
「Load Prug-in Manually」
という項目があることに気がついた。
このチェックを外してみたところ、問題のパーツがちゃんと表示されるようになった。

今まではこの設定で、表示したいパーツだけクリックすると表示するようにしてページレンダリングを高速化していたが、なぜかSafari4ではこの
「クリックして表示」
という機能が無効になってしまっている。

クリックしようが何しようが表示できないし、そもそもクリックができなくなってしまった。
それはともかくこのチェックを外したらちゃんと表示ができるようになったので、とりあえずご報告まで。
「はま」さん情報ありがとうございました。






SafariStandを最新バージョンに上げるとかFlash Player
再インストールするとかの方法をとってみたが結局表示は復活しなかった





ふとSafariStandにこういうメニューコマンドがあることに気がつく
これでプラグインの画像などを弾いて表示を高速化するというもので
マニュアルで表示できるのだがSafari4ではなぜかマニュアル表示もできなくなってしまった
それでこのチェックを外すとうまく表示されるようになった


2009 年 6 月 15 日




anchor

遅ればせながら先週のWindowsUpdateについて

先週の火曜日に定例のWindowsUpdateが出ていて、その内容はいくつかセキュリティパッチが含まれていたのでさっそくかけたわけだが、その中にはActiveXの脆弱性の修正なんかも含まれている。
Windowsを利用する理由の3分の1はActiveXの必要性みたいなものだから、ここの脆弱性は困る問題だ。
アクティブにしている人はこのパッチをすぐにかけた方が良いと思う。






もう先週のことになるが火曜日の定例パッチでセキュリティに関する修正がいくつかあった



ところでどこで見たのか忘れたが、今回のAutorun、Virut、Genoなどの今年の春から大流行しているウイルスは、なぜか個人ユーザの被害者よりも企業の被害が大きかったという話を最近読んだ。

その理由は個人はセキュリティ意識が高くなってきて、自宅で使うPCはほとんど自動アップデート、シマンテックなども自動更新するなどで比較的被害が少なかったが、逆に企業はミドルウエアの対応などの問題で
「Updateを勝手にかけないでください」
という仕様が多くなってきて、こういうところが大きな被害を出しているのだという。

この話はスゴく身につまされる。今まさにそういう問題に悩まされているからだ。

企業のシステムは大掛かりになってきて複雑になってきている。
ベンダーが全体を一括構成するのだが、なぜかベンダーは
「そこにはウイルスは入らない」
という前提でそういうものを構築する。

ところがユーザはそういうものは一般のデスクとデータのやり取りができないと意味がないといって勝手にUSBメモリなどでファイルのやり取りをしたりする。
その結果感染事故が起きるのだが、こうしたベンダーが設計するシステムは
「ウイルスなんか入るわけがない」
という前提でウイルス対策ソフトも入っていないし、ネットとも切っているのでWindowsUpdateもかからない。
だいたい
「ミドルウエアが動かなくなるからアップデートを勝手にかけないでください」
と来る。
しかもファイアウォールも
「スペックに影響するからかけないでください」
とのことだ。
要求仕様の擦り合わせが最初からちゃんとできていなかったとしか言いようがない。

その結果感染事故は主に企業で起きる。

しかもAutorunのようなウイルスは極初期の頃にフロッピーなどの弱点を狙われたウイルスと基本的に同じ仕組みで、
「まさか同じ手でまた来るとは思わなかった」
という調子でやられているのだ。
日本を代表するベンダーがこのていたらくだ。

これがこの種の他愛もないウイルスに、企業が手もなくやられている実際の理由なのだろうという気がする。
今自分が直面しているのもまさにこの問題だからだ。



2009 年 6 月 16 日




anchor

Mac Shutdown X
(Shareware)
OS10.4Tiger対応 OS10.5Leopard対応

設定した特定のスケジュールに従ってMacを自動的に終了するアプリ。

可能な設定は
特定のあるいは不特定のwebページで特定のキーワードを表示した時、
毎日の、あるいは特定の曜日の、あるいは平日の特定の時間に、
あるいは特定の日の特定の時間に、
あるいは特定の動作が完了した時
という感じで、Macを終了できる。

何か時間がかかる作業を頻繁にやらせているが、電源を入れっぱなしで離れるのが嫌だという時とか、毎日自動作業をやらせているが終わったら終了したいとか、そういう用途の時に便利だろう。






Mac Shutdown Xを初回起動した時の表示
アップデートを自動でチェックするか聞いてくる





設定としてはこんな感じだ
これは毎日9時28分に自動終了させる設定
特定の曜日だけとか平日だけとか土日だけという設定も可能





特定の日だけ動作させるということもできる
カレンダーで日付を選んで時計の針を掴んでぐりぐり時間を設定するのが面白い





ある種の動作を完了したら終了することもできる
これはSafariのダウンロードを完了したら終了する設定
また特定のファイルが削除された時に自動終了する設定も可能
監視したいテンポラリファイルをウインドウにドロップする





このMac Shutdown Xを起動したら自動的に終了するという設定も可能





シャットダウンする前にアラートを出す設定と特定のファイルを監視する設定
ファイル監視の間隔は10秒より短くしない方が良いと書かれている


2009 年 6 月 17 日




anchor

Mac Restart X
(Shareware)
OS10.4Tiger対応 OS10.5Leopard対応

前出のMac Shutdown Xのシリーズのアプリで、こちらは設定した特定のスケジュールに従ってMacを自動的に再起動するアプリ。

違いは再起動か終了だけで他の機能はほぼいっしょ。
ただ再起動ができるということは、自動ログインする設定にしておいてログインしたらログイン項目である種のアプリやプロセスを自動実行できるような設定にしておけば、その場にいなくても、あるいは操作しなくても自動化した作業を実行できる。

目覚ましとかが直接な利用法だが、もっと工夫すれば面白い利用法がある気がする。

機能としては特定の曜日の特定の時間、あるいはカレンダーで指定した特定の日時、あるいはこのアプリを起動した時、webサイトで特定の文字列を見つけたときという設定があるが、特定のイベントでという機能だけはない。






Mac Restart Xの起動画面は今どういう設定になってるかを表示している
これも前出のMac Shutdown Xと同じ





スケジュールは特定の曜日の特定の時間で再起動ができる





特定の日を設定することもできる
再起動ができるということはログイン項目の設定次第で
自動プロセス実行も可能だということだ
それで何ができるか考えてみよう

anchor

MacOSXのJavaの深刻な脆弱性を修正するパッチは飛ばさずに当てること

CVE-2008-5353というMacOSXのJavaの脆弱性のアラートが実は昨年末に出ていて、攻撃に対する脆弱性の情報が公開されていた。

公開されていたということは、この脆弱性を利用したトラップのようなサイトを作ってMacユーザを陥れることがこの半年間可能だったということだ。

このセキュリティホールについて警告していたLandon Fullerによると
「この脆弱性を利用するとアクセスしているユーザ権限のままで任意の悪意のあるコードを実行できる。
これはどういうことかというと悪意のあるサイトに行っただけでそこに置かれたアプレットに自由にコードを実行されいいように利用されてしまうということ」
らしい。

この半年間にいくつかパッチが出ていたし、OS10.5.7というややメジャーなバージョンアップもあったのだが、その間この問題は解決されないでいた。
先日Update 06-15-2009というアップデートで「Java for MacOSX 10.5アップデート 4」というパッチが当たったがこれがこの脆弱性の修正だったようだ。

このパッチが当たっているかをまず確認してもらいたい。
Safariの設定に入ってJavaを有効にして こちらのページにアクセスしてもらいたい。

sayが起動して何かしゃべり始めたらこの脆弱性が残っているということで、正常にパッチが当たっているとしたら何も起こらない。

この情報はこちらを参考にした。
Landon Fuller

こちらのブログ主さんによるとSafariの「ダウンロード後”安全な”ファイルを開く」という設定は引き続きオフにする方が良いとのこと。
この設定についてはこちらでもたびたび取り上げているが、こういうバカな設定をつけてデフォルトでオンにするというのはいい加減修正してもらいたい。
この設定は百害あって一利なしで、Macをインストールした時に一番最初にやらないといけない設定変更がこれだというくらい、全てのユーザはこの問題に注意してもらいたいと思っている。






6月15日に出たパッチがこれ
Java for MacOSX 10.5アップデート 4が当たっているかを
システム環境設定のソフトウエアアップデートで確認する
当たっていなければ今すぐソフト上アップデートを





Javaのパッチはソフトウエアアップデートから当てられる





安全対策のためにすでにSafariなどのJavaの設定を
オフにしている場合はこれをオンにしてみる
その上で上記のサイトにアクセスして脆弱性のテストをしてみよう





件のサイトにアクセスするとこういうJavaアプレットの読み込み画面に続いて・・・





こういう画面が出てSafariが英語をしゃべり始めたらまだ脆弱性は残っている
すぐにソフトウエアアップデートを起動してパッチを当てる必要がある





こういう画面が出たりすることもあるが・・・





もし脆弱性が解消されていたら最終的にはこういう画面になりSafariは何もしゃべらない





Safariの「ダウンロード後”安全な”ファイルを開く」の設定は
パッチを当てた後も引き続きチェックを外しておくこと
このバカな設定はセキュリティ的には百害あって一利なし
こんなものをデフォルトでオンにしているAppleの見識を疑う


2009 年 6 月 18 日




anchor

盛況御礼

RSSの購読者数が一時期伸び悩んでいたのだが、最近盛り返すように一気に伸び始めて、今週は2700台のピークをつけて3000に届きそうだ。

RSSの配信を始めた時にはとりあえず5人の読者を確保しようと思っていた。
その経緯は以下の過去記事を参照いただければと思う。
2008 年 2 月 8 日
RSS全文配信のススメ〜RSSに関する疑念はほぼ解消された

2007 年 11 月 14 日
いまさら人に聞けないRSSの基礎知識を知ることができて良かった(追記あり)

要するにこのサイトを始めた最初のころは順調にサイトのアクセス数もページビューも伸びていたのだが、折しもブログの流行期の最初にかかっていたためにhtmlのスタティックなサイトである当サイトは押され気味になってきてビューも伸びないし、しかもはてなに捕捉された一瞬だけビューが激増して、その2日後には以前と全く同じに戻ってしまうのを見て、
「カウンターだけは結構回っているのだが、本当に当サイトは見られているのだろうか?
カウンターを回しているのはサーチボットとスパム業者だけではないのか?」
という疑問を感じ始めていた。

そこに上記リンク先の
「RSSで定期購読者を集めれば、RSSの定期購読者はそういうものではなくある一定の比率でちゃんとサイトを読んでくれている読者だということが言えるので、まずRSSの読者を5人集めることが肝心だ」
という話を読んで、我が意を得たと思った。

一日に1000人の人が素通りしているという情報よりも、5人の読者がきちんと記事を読んでくれるという情報の方が書き手としてははるかに意欲に繋がる。
そういうことが気になるくらいこの当時は自信を失いかけていたのだが。

それでスタート当初の目標は
「5人の読者を獲得する」
ということだった。
その購読者数はまもなく3000に届きそうな感じで伸びている。
ありがたいことだ。
今後とも当サイトをよろしくお願いいたします。






iWorksNumbersを使用して作図
Googleに移行してからのFeedBurnerのRSS購読者数の推移
ありがとうございます、順調に伸びております


2009 年 6 月 19 日




anchor

SafariTabMemento
(Freeware)
OS10.4Tiger対応 OS10.5Leopard対応

Safari4に対応したということらしい。
Safari4の新規タブを開く時に「Top Sitesを開く」設定のために、このタブ復元の機能のパフォーマンスが落ちていた問題を解決したとのこと。
私はこの「Top Sites」はオフにする設定にしているのであまり気にならないが。

前回試した時にはSafariTabMementoの設定がSafariの設定とは別になっていたのだが、今回このSafariTabMementoの設定もSafariの設定の中に繰り込まれた。
ますます違和感なく使えるだろう。

なお、SIMBLプラグインなので使用にあたっては当然SIMBLのインストールが必要だ。

(後日註:作者さんによるとSafariが落ちた時には履歴の復元は不可能なのだそうだ。だからこれが有効なのはうっかりタブを閉じてしまったときだということだ。ここらちょっと誤解を生みそうなので訂正)






SafariTabMementoの設定が知らない間にSafariの設定に繰り込まれていた
私は常に大量のタブを開いて使うのでこのプラグインはゼヒモノだ



anchor

平日夕方のジニアスバーは人間ドラマ満載だ

ことの起こりは会社で私が管理している機材のひとつのMacBook Proのバッテリーが破裂したことだった。

破裂といっても一時期のバッテリーと違って火を噴いたわけではないのだが、完全に電池のカバーが撓んで中味の電池本体が外から見える状態で、リチウムの気密が破れたら実際に発火しかねないような危険な状態だった。

それで調べたところ2006年の9月にリース契約を開始しているこのMacBook Proはこちらのバッテリ交換プログラムの対象品だということがわかった。
MacBook および MacBook Pro のバッテリーアップデート 1.2

こちらのサイトに「5月31日終了」と書いてあるのがちょっと気になったのだが、とりあえず銀座のAppleに行ってみることにした。


銀座Appleは実は2003年のオープンの時にプレスプレビューで一度来て店員と話したくらいで、そのあと2〜3回覗いたことはあったが利用したことはなかった。
正直、
「MacはWindowsとは全然違うアートなカルチャーでしょ?」
という雰囲気を建物全体、店内の様子で醸し出していて長年のMacユーザでも気後れするような感じで私には取っ付きにくい場所だったからだ。
正直、秋葉原のDOSパソの売り場にいた方が落ち着く。

2003年のプレビューの時に何に気後れしたかといえば、あのエレベーターに「行き先階のボタン」がなかったことだ。
建物は4階しかない。
エレベーターは各界に全部停まるピストン運転だ。
だから「行き先階ボタン」は必要ない。
いかにもMacをデザインしたAppleらしいエレベータデザインだ。
Macのコンセプトというのはまさにこれだからだ。
「目的階に行ければそれで良いのであって、エレベーターの操縦をユーザにさせる必要はない」
Appleがデザインするとエレベーターもこうなってしまう。
確かにその通りなのだが、エレベーターに「行き先階ボタン」がないビルは日本ではここだけだったと思う。
名古屋や大阪や博多のAppleビルもきっとそうだろうと思うが、今でも日本でそんなエレベーターを運用しているビルはこの4カ所だけに違いない。


それでジニアスバーを覗いてみると、夕方6時であるにも関わらず
「本日の予約受付は終了しました」
という表示。
破裂が判明した時にすぐに銀座に行けば良かったのだが、いろいろ時間が迫った仕事が立て込んでいて身動きができなかった。

銀座Apple自体は9時までは開いている筈だからと思っていたら、なんと予約はどんどん入っていて9時まで一杯らしい。
しかたなく1階の手の空いてそうな店員にバッテリーを見せたが、
「こういう件は2階のジニアスバーにお越し下さい」
の一点張り。
何だかAppleの杓子定規な雰囲気にはまってしまったのではないかという悪い予感がした。

店員の説明によると故障の対応は
「技術の資格を持った店員でないと対応できないと厳しく規定されている」
とのこと。
「故障の対応といったって、この場合は修理は不可能だから交換対応以外にないのではないか?」
と食い下がってみたが、
「交換も技術の対応になるので私には対応できない、2階のジニアスバーにお越し下さい」
の一点張り。


しかたなく2階のジニアスバーに行ってみると、そこで一悶着起きていた。

私と同じような事情の人らしく、何人も順番を待っている人の列の前でジニアスバーのスタッフに喰ってかかっている人がいた。

「アンタ達の対応は問題だよ!
我々は6時まで仕事をしているんだよ。
電話で予約してくださいといわれたって、私用の電話もできないんだよ。
それで6時にここに来たら受付終了しましたってどういうことだよ!(#゚Д゚) 凸
そういう対応は仕事をしている人間を全く無視しているよ!
そういうことじゃもうApple製品は使えないよ?」

脇で聞き耳を立てるでもなく、デカイ声で怒鳴っているので聞こえてしまうのだが、大体そういう趣旨のことで怒っておられるようだ。

このスタッフは他のお客さんを待たせながらこういうクレーマーに呼び止められて、彼自身も困っているようだったが、どういう対応をするか興味がわいたので見ていた。

「おお、もっともだ。もっと言え」
と内心思って聞いていたのだが、このスタッフの対応は実に辛抱強かった。
自分の待たせているお客さんに声をかけて「少しお待ちください」といったあと、別のスタッフに耳打ちをして、自分が待たせている客の対応を任せて、このクレーマーのオジサンのところに戻って辛抱強く彼の繰り言のような説教を聞いている。

それで落ち着きかけたかと見るや、部屋の隅の相談商品のあるところにつれていって、結局彼の壊れたiPhoneをチェックして、問題を解決したようだ。
このオジサンは最初は非常な剣幕だったが、最後にはほぼ上機嫌になって帰っていった。

さらにこのスタッフに担当のお客の対応を頼まれた別のスタッフも、彼のサポートをしながら聞き耳を立てていた私に気がついたようで
「どうしましたか?」
と聞いてきたので、私もすかさず鞄から例の破裂したバッテリーを見せたところ、予約がないにも関わらず
「了解しました。交換プログラム該当品かどうか調べたいので、シリアルナンバーを教えてください」
とすぐに対応してくれそうな雰囲気。

ヤルじゃない、Apple! (*゚∀゚)

Appleって「杓子定規」というイメージがあって、
「予約受付終了といったら終了なのだ。明日また来たまえ」
とか言い出しかねないイメージを持っていたのだが、最近のサポートの対応は柔軟ということらしい。
随分雰囲気が変わったんだね。
カスタマーサポートの顧客満足度が、全ベンダー中1位というのは、なんとなくうなづけた。
こういうことなら、これからも利用したいね、ジニアスバー。
でももうちょっとスタッフを増やした方が良いと思うよ。
Apple製品が最近売れてるということは、故障件数も当然増えているということだから、サポートは当然忙しくなる筈だ。
だから、ここのスタッフは雰囲気でも手一杯という感じが看て取れる。


バッテリ交換を待つ間も、隅っこでおとなしく待っていたら、正面にはやはりサラリーマン風のオジサンがiPhoneを見せて
「これはメモリリークではないか?
アップデートもできないのだが・・・」
なんて結構な剣幕で詰め寄っている。
この方はWindowsユーザのようで、Windows版のiTunesでiPhoneの管理をしているのだが、アップデートのトラブルらしい。
スタッフが
「ただいま手許のWindows機が塞がっているので検証できません」
と説明してBootCamp機の手配をするために席を外したら、この剣幕のオジサンが
「案外親切だな」
と独り言でつぶやいていた。

こちらのオジサンは「メモリリーク」とか「ファームウエア」とか
「コンピュータのことは知っているんだぞ」
風の用語がたくさん出てくる。
「Appleのソフトウエア開発の力量には疑問を感じる」
なんてスタッフに毒づいていたのに、スタッフが席を外すと上記の通りその丁寧な対応に感心したようで、結局こういうハードウエアメーカーも、こういうサポートサービスのようなソフトウエア的なことでイメージが随分変わってしまうのだなと改めて感じた。

そういう意味ではwintel陣営のベンダーのようにサポートをどんどん切って経費節減して、安売りネットブック機で価格で勝負するという行き方はやっぱり間違っているという気がする。
最近では韓国や台湾のベンダーだけでなくDellあたりでも完全にこの方向だし。
日本のベンダーはよくよくこの方向を後追いして連れ込み沈下しないようにしてもらいたいものだと思う。
どうでもいいのだが。

それと会社帰りのOLさんが本当に多いなと感心した。
OLさん達の相談は圧倒的にiPod、iPhoneのサポートだ。
Mr.マリックのような黒装束の夫婦とおぼしき男女も来ていた。
相変わらずMacユーザという人達は、正体不明な人達の比率は多い。
人のことは言えないかもしれないが。


結局バッテリーの交換プログラムは最初の悪い予感の通り、プログラムが先月末に終了していたために有償交換になってしまった。
しめて1万980円ということになった。
あと3週間早く故障してくれれば無償ですんだ筈なのだが、Apple相手に
「たった3週間なんだから大目に見てよ」
というような融通を期待する理屈は通用しなかった。

それでも「今日はムリか」と一瞬あきらめかけていたのに迅速に対応してくれて、結果的には有償になってしまったけれども新しいバッテリーが手に入ったし、小一時間ほど待たされたのだが、その間上記のように全く退屈しないような人間模様をたくさん眺められたし、気分は悪くなかった。
Apple Storeに行くなら土日ではなく、平日の夕方に行くことをお奨めする。
いろいろ面白いものを見られるよ。







Previous  Index  Next



site statistics
あわせて読みたい