2010 年 7 月 29 日anchor 先日のメールのやり取りで復帰させたMacだがどうやら機種の問題らしい先日の記事「久しぶりにメールサポートでトラブル相談に応じたぞ、エッヘン!〜でも結果は一勝一敗一分けというところ〜システム全域のアクセス権がおかしくなったトラブルの対処だが、一応Macの復帰に成功したといっても結局原因が分からないまま対処したのがやや心残りだった。 最初の勘でシステムアップデート由来のアクセス権DB壊れた件か、ユーザ認証がおかしくなったか辺りが原因と踏んでいたが、ここいらは外れた。 ところが記事をアップしてすぐにメールで情報をいただいた。 早速調べてみたが、このPowerMac G4 MDD(ミラードドライブドアー)は結構故障が多い機種だということが分かった。 このトランス関係が弱いのはPower Macに限ったことではなくこの当時の機種の全般にいえることで、最初期型のiMacのGLODなんてのがあまりにも有名。 今回の問題は電源ではないが、情報をいただいた方によるとOS9とOS Xのデュアルブートにしていると、たとえOSを別ドライブに分けていても調子が悪くなり、OS Xが起動できなくなるということだった。 結局調べてみても確信はないのだが、これが情報としてはビンゴのような気がする。 このG4MDDあたりのPower MacをOS9とOS Xでデュアルブートにして使っているというのはDTP屋さんあたりでは結構ありがちなパターンらしい。 にしてもそれでもHDDをOS9とOS Xで別ドライブに分けると影響はない筈なんだがなぁ。 Y.K.さんいかがでしょうか? 今回の不具合の原因としてご指摘があったG4MDD(Mactrackerより) ポリタンクPower Macがそれまでの青白タイプから飛躍的に性能向上した時期のPower Macで OS9で起動できるMacが完全終了した時にこの世代のPower Macは DTP屋さんやデザイン屋さんが買い漁っていたのか中古品が高騰した この世代機が今トラブルの中心になっている気がする OS9、OS Xデュアルブートが別ドライブであっても不具合が出るということだ <追記> 2010 年 7 月 27 日anchor 久しぶりにメールサポートでトラブル相談に応じたぞ、エッヘン!〜でも結果は一勝一敗一分けというところ〜システム全域のアクセス権がおかしくなったトラブルの対処サイトの読者という方からメールをいただいた。 その内容を見ると、システムのアクセス権が全般におかしくなっていて、大変困っておられている様子。 やり取りは以下の通り。 nmuta様 初めまして。 YKと申します。 いつも貴殿のHPを拝読させて戴いており、 大変役に立たせて戴いております。 お忙しいところ大変恐縮なのですが、 Leopardのアクセス権についてお聞きしたい事があり、 やむなく貴殿にメールをさせて戴きました次第です。 実は、数週間前にアプリケーションフォルダのアクセス権が変わってしまい、 どうにもならなくて、その時はタイムマシンでシステム全体を復旧させ、 なんとか回復したのですが、(この時のアクセス権は「自分」が「不明」の表示 になっており、カギマークを開いても薄い色の表示でクリック出来ない状態でした。) 昨日Macを立ち上げた時点から、今度はLeopardのフォルダ自体(アプリケーショ ンや、ライブラリ、ユーザ、システムなどのフォルダが入っている)のアクセス権が 変わってしまい、デスクトップのファイルをそのフォルダに入れようとすると アクセス権の認証を求めるウィンドウが出てしまいます。 「MacOSX10.5Leopardは変更できないので、項目○○は移動できませんでした。」 また、逆にそのフォルダの中のファイルをデスクトップに移動すると、コピーに なってしまいます。 このLeopardのHDアイコンをダブルクリックして開いたウィンドウの左下のペン のマークのところに スラッシュが入っていて書き込み不可の表示になっており、 情報を見るで確認すると、 共有アクセス権 読み出しのみができます。 ○システム 読み/書き ○○wheel 読み/書き ○○○everyone 読み出しのみ ちなみにアプリケーション、ライブラリ、ユーザのフォルダを見ると 共有アクセス権 読み出し/書き込みができます。 ○システム 読み/書き ○○admin 読み/書き ○○○everyone 読み出しのみ システムフォルダのアクセス権は 共有アクセス権 読み出しのみができます。 ○システム 読み/書き ○○wheel 読み出しのみ ○○○everyone 読み出しのみ となっております。 バックアップDVDから立ち上げ、アクセス権の修復を試みるもダメ、 Maintenanceや、Onyxのソフトで修復もダメ、 またタイムマシンで? とも思いましたが、本当はあまりやりたくありません。 ネットで色々検索して、正しくないアクセス権を探すスクリプトなども試してみ ましたがダメでした。 当方の環境は、デスクトップ型G4MMDで、メインのHD(Leopard)意外に 内蔵でタイムマシンバックアップ用のHD、データバックアップ用のHD、 OS9のHDを接続しております。 デザイン関係の仕事をしており、毎日Macを使用していますので、なんとか修復 したいのですが、 ターミナルや、ましてやroot権限などは、殆ど知識もなくとうとうお手上げ状態 です。 もしお時間がありましたら、是非とも助けて戴きたく心よりお願い申し上げます。 お忙しいとは思いますが、何卒宜しくお願い致します。 Y.K. 追記 タイムマシンで遡って見たところ、Leopardフォルダの左下の書き込み不可の マークは以前からそうなっておりました。 ただ、これが正しい状態かどうかは、恥ずかしながら判りません。 それから、自分のHomeのadminからデスクトップのフォルダを選択し、 情報を見たところ、 共有とアクセス権 カスタムアクセス権が割り当てられています ○admin(自分) 読み/書き ○○○everyone 読み/書き となっており、adminとデスクトップとの間のデータのやりとりは 問題なく出来ております。 先程、書き忘れましたが、Leopardのバージョンは、最新の10.58です。 他にLeopardの環境が無く、もうひとつのマシンでTigerはありますが、 アクセス権の様子が違いますので、比べる事ができず 最初にいただいたメールはこういう内容だった。 トラブルシューティングの相談の時の押さえるべきポイントをこの方はよく押さえておられたので、問題解決のプロセスに入りやすかった。 ましてやMacの機種やOSのバージョン等の環境についてすら書いてこない人も結構多い。 そういうことが分からないと、私はエスパーではないので答えようがない。 それで問題はアクセス権のトラブルだということはすぐに推測できるのだが、よくある「アクセス権が壊れた」というのとはちょっと違う。 そうであるならディスクユーティリティで起動ボリュームのアクセス権の修復をすればすぐに治る筈なのだが、それは既にトライしているという。 また問題を起こしているアプリケーションフォルダの「情報を見る」タグを見てみると Y.K.さんが書き送ってこられたアクセス権の組み合わせは正常だった ここに追加をする時に右下の南京錠アイコンをクリックするがY.K.さんの場合は この認証に失敗するらしい 南京錠アイコンをクリックするとアクセス権を設定できるはず 下の+ボタンでアカウントも追加できる筈だが何故か自分が 「不明なユーザ」という表示になっていたらしい 以上のことから考えられるのが 一つずつ可能性をつぶすためにまずはパスワードが壊れてしまっているか、管理者ユーザの認証情報が壊れてしまっている可能性を試す。 システムからは自分のアカウントが mutaさんは書きました: 文面を読む感じではアクセス権のデータベースが壊れて、あなたのアカウントが 正しい管理者と認められてない感じですね。 正直そういう時にMaintenanceやOnyxは多少危険という気がします。 システムディスクから起動して、メニューから「パスワードのリセット」をやっ てみてください。 それで管理アカウント名とパスワードをもう一度設定しなおしてください。 それで何か変化が出るでしょうか。 それからアクセス権の修復はディスクユーティリティから、やってください。 別ディスクから起動するとカタログデータの修復だけでアクセス権の修復になら ないと思いますので、修復は外システムから起動して一回、中のシステムで起動 してもう一回、「アクセス権の修復」をトライしてみてください。 それで治るといいんですけど。 muta nmuta様 メールを戴きましてから、すぐにご指示戴いた方法でやってみましたが、 何も変わらず問題解決に至りませんでした。 パスワードのリセットで、管理者アカウント名もパスワードも変更しましたが、 ここで質問ですが、管理者アカウント名とユーザ名というのは、 前者がセットアップする時に作成する名前で、ホームフォルダの名前と同じ、 後者はMacを立ち上げた時(ログイン時)、パスワード入力ウィンドウに表示さ れる名前、ですよね? パスワードのリセットで変更出来るのは後者の方で、そうするとログインする時の 名前が○○で、ホームフォルダの名前が△△となります。 appleのHPでは、ホームフォルダの名前(管理者アカウント名)は通常変更不可 とあり、どうしても変更したい場合は・・・というのもありますが、基本的には 同じ名前である必要がある云々と記載されております。 が、一方でユーザ名を変更しても、ログイン時に表示される名前の見え方が単に 変わっただけという記事もあります。 どちらにしても、デスクトップからLeopardのHDにデータを移動するのに 認証が必要のままです。 Y.K. mutaさんは書きました: >> パスワードのリセットで、管理者アカウント名もパスワードも変更しましたが、 違います、管理者の名前を変更することが目的ではなく、rootのパスワードの再 設定が目的です。 ですから別にパスワードリセットで前と同じアカウント名とパスワードを入力す るということで問題ありません。 変更しても問題ないですが、主アカウント名とログイン名が変わるので混乱する だけです。 以前でしたらNetInfo Managerでroot設定を確認するという方法がありました が、最近のMacはGUIから確認できなくなりましたので、敢えてこういう方法で rootパスワードを確認するわけです。 rootにログインして、あるいはsudoでrepairPermissions等のコマンドを実行し てみるというのも手です。 ところで、システム環境設定の「アカウント」に入ってここであなたのログイン アカウント以外の別アカウントが何か見えていますか? またあなたのアカウントは「管理者」になっているでしょうか? 「通常」に変わっていたりしませんか? あるいは /Users/ の中にあなたのアカウント名以外のユーザのフォルダが見えていますか? それをまず確認ください。 muta muta様 取り敢ず現時点でのご報告ですが、 まず、ログイン名は、元のホームフォルダと同じ名前に戻しました。 それから、確認しましたが、システム環境設定のアカウントには、 私の名前(管理者) それと、その他のアカウントとしてゲストアカウント(無効) の二つだけです。 ユーザフォルダの中には、私の名前のホームフォルダと、共有フォルダの二つが あり、 ホームフォルダには、「パブリック」や「デスクトップ」「ライブラリ」などの フォルダ、 共有フォルダの中には、「ATOK」と「GarageBand Demo Songs」の二つだけで、 他のアカウントフォルダは見当たりません。 ひとつ気になったのが、 Leopard/システム/ライブラリ/の中の、「User Template」というフォルダだけに、 小さく赤い進入禁止マークがついております。 情報を見るでは、 共有とアクセス権 アクセスできません ○システム 読み/書き ○○○everyone アクセス不可 となっておりますが、これはおかしいのでしょうか? >rootにログインして、あるいはsudoでrepairPermissions等のコマンドを実行し >てみるというのも手です。 これはrootにログインは判りますが、sudoでrepairPermissions等のコマンドと いうのは 実際の方法は私にはよく解りません。 勉強不足で申し訳ないのですが。 こちらでもまた何か判りましたらご連絡させて戴きます。 Y.K. >Leopard/システム/ライブラリ/の中の、「User Template」というフォルダだけに、 > 小さく赤い進入禁止マークがついております。 >情報を見るでは、 >共有とアクセス権 > アクセスできません > ○システム 読み/書き > ○○○everyone アクセス不可 >となっておりますが、これはおかしいのでしょうか? いえそれは普通です。 ただルートボリューム書き込みにいちいち認証を要求されるというのは、本来の アクセス権が認められていないということで、アクセス権データベースの破損の 疑いが残っていると思います。 あるいはあなたのアカウントが「everyone」になってしまっているという疑いも あります。 「アカウント」でテスト用の新規アカウントを「管理者権限」で作成してくださ い。 そこから操作しても同じような問題が起きるか、確認してください。 なおターミナルからのアクセス権修復は sudo diskutil repairPermissions / でパスワードを要求されます。 こういうコマンドを実行するためにもrootのパスワードは確実である必要がある ので、パスワードリセットをお願いしました。 これも様子を見てください。 先のメールで送ったアクセス権データベースの破損がOS10.5.8のアップデートの 時に起きるという例もかなり報告されていますので、それも参考にしてみてくだ さい。 その場合ディスクユーティリティなどでアクセス権修復をかけると ....should be ?--------- , they are ---------- というような異常なアクセス権表示を出しますのですぐに分かると思います。 チェックしてみてください。 muta muta様 お忙しい中、本当に色々と有難うございます。 アクセス権修復の異常表示ですが、ズラズラと出てきた記憶がありますが、 appleのHPで無視して良い異常表示があり、いくつかはそれと同じだったので、 あまり気にしなかったのですが、もう一度ひとつひとつ確認してみます。 アクセス権データベースの破損はほぼ間違い無いと思いますが、 アップデートが原因ならば、もっと前からアクセス認証が出ていたはず? 実際にアクセス認証のウィンドウが出始めたのは昨日の起動からで、 さっぱり???という感じですが、もう一度最初から出来る限りチェックを してみます。 テスト用アカウントの作成、アップデートの見直しと、ターミナルからの修復等、 これからやってみます。 取り敢ずは明日と明後日に提出する2件の仕事を片付けてからになりますが、 また、結果をご報告させて戴きます。 Y.K. 結果をお待ちしてます。 OS10.5.8のコンボアップデートで出た不具合によるアクセス権DBの破損は 「....should be ?--------- , they are ---------- 」 という特徴的なアクセス権表示が出るのですぐに区別がつきます。 これは論理的にあり得ないアクセス権設定なので、この表示が出ること自体が変 です。 なんせシステムにもrootにもアクセスを禁止するアクセス権なんて意味がありま せん。 またこれは「無視して良い程度の異常」とは思えません。 当時いくつかの障害は結構致命的でした。 なんせ二度と起動できなくなった人もいたのですから。 ただし障害の出方は人それぞれだったように思います。 また一昨日まで障害が出ていなかったが、突然障害が出てきたから原因に疑問と いうことですが、そうとも限りません。 元々壊れていたものがOnyx等の作用で影響が変わったとも考えられます。 ちなみにOnyxは自分のサイトでも紹介しておきながら、こんなこというのもなん ですが、危険なので使わない方がいいと思います。Onyx使っていろいろ事故も起 きているようですし。 その辺り私のサイトでも警告を載せているのですが、もっと目立つ書き方した方 が良いかもしれないと最近思い始めています。 muta muta様 大変お世話になっております。 現段階での結果をお知らせ致します。 まず、ディスクユーティリティでのアクセス権修復については、 「....should be ?--------- , they are ---------- 」のようなものは無く、 修復も無理でした。 ターミナルからの修復についても同様でした。 (念の為、それぞれのログをテキストに書き出したものを添付しておきます。) とりあえず少し寝てから、明日仕事の合間にまた色々調べてみます。 Y.K. > 了解しました。 アップデートのアクセス権データベース破損の疑いは無くなったということです ね。 次にテスト用のアカウントを新たに作ってそこにログインして同じ症状が起きる か確認ください。 アカウントから、名前は何でも良いです。パッスワードは同じ方がいいかも。か ならず「管理者ユーザ」で登録してください。 それでどうなりますでしょうか? muta 二つ目の可能性の「アクセス権データベースの破損」の検証をしているのがこのくだり。 それまでオンラインでアップデートするとトラブルが多いということを経験則で学んでいた比較的上級者のユーザが、この罠にはまっていたのが印象的だった。 このトラブルの特徴は、メールにも書いているようにディスクユーティリティで起動ボリュームのアクセス権の修復をかけると、その結果表示に 今ではこの問題はAppleの方で修正されていると思うが、Y.K.さんがどういう状況でアップデートをかけたかで影響が出ている可能性もある。 それでこの確認をしてもらったわけだが、どうやらこの可能性は無いようだった。 muta様 お世話になっております。 テスト用のアカウントでのログインをやってみましたが、 全く同じ症状でした。 トホホ・・・ですね。 Y.K. 気落ちする事はありません。ちゃんと事態は進んでいますよ。 テスト用のアカウントでも同じ問題が発生するという事は、問題の原因はユーザ アカウントの中にはないという事です。 それは何を意味するかというと、最近突っ込んだアプリやプラグインなどが原因 ではないという事を示します。 原因はシステムフォルダの中か、ライブラリフォルダの中か、あるいは不可視領 域の/bin等の中に限定されてきています。 それでちょっと思い出して欲しいのですが最近何かの大物ソフトか、daemonを常 駐させるようなアプリをインストールしませんでしたか? ここがクリアしたら、「上書きインストール」をお勧めしようと思っています。 ただし以前の設定を引き継がない「アーカイブ化インストール」を選択して手動 で旧アカウントのファイルを戻していくという手順を考えています。 muta このトラブルがそもそもどこで起きているか、領域を特定する手順を試してもらった。 結果はテスト用の新規ユーザでも全く同じ問題が起きるということなので後者、つまりユーザフォルダ以外の領域のファイル、プラグイン、daemon(常駐プロセス)あるいは設定変更、ライブラリ依存などの問題に絞り込まれたということになる。 自分のマシンなら徹底的に原因究明するとか言ってられるが、直接見ることもできない遠隔操作でしかも仕事に使う業務機ということなので、ここらで原因究明は諦めてシステムを新規インストールする手順に入ろうと考えた。 muta様 お世話になっております。 最近のインストールアプリについて調べてみました。 ここ数ヶ月にインストールおよびアップデート等したものです。 アプリ本体以外のフォルダで、書き込み不可になっているものも記しておきます。 (あまり関係無いかも知れませんが。) Leopard/ライブラリ/Application [フリーソフト] ○HP Photosmart Studio.app Leopard/ライブラリ/Application Support/Hewlett-Packardフォルダ Leopard/ライブラリ/Application Support/ArcSoftフォルダ ウィンドウ左 下書き込み不可マーク有 Leopard/ライブラリ/LaunchAgentsフォルダ ウィンドウ左下書き込み不可 マーク有 ○iSquint.app ○Kodak EasyShare.app Application Support/Kodak EasyShareフォルダ ウィンドウ左下書き込み 不可マーク有 Application Support/Kodakフォルダ ウィンドウ左下書き込み不可マーク有 ○Temperature Monitor.app ○RealPlayer Converter.app ○MacZip4Win.app ○DropUnZip.app ○LogicielMac Update.app ○Psst.app ○ffmpeg_SVN-r8638u Unix実行ファイル ○ArcSoft PhotoBase Pro.app 体験版 Leopard/ライブラリ/Application/ArcSoft Connect Suiteフォルダ ウィン ドウ左下書き込み不可マーク有 ○NeoOffice.app OpenOfficeからこれに変更 [Firefox アドオン] ○Video DownloadHelper [製品版] ○EPSON Scan.app [アップデート] ○Firefox.app 3.6.6にアップデート ○Thunderbird.app 2.0.0.24 3.0.4をインストール後、不具合によりバージョンを下げる。 ○iTunes.app 9.2にアップデート [システム環境設定]ここのインストールは昨年後半。 ○iStat Leopard/ライブラリ/Application Support/iStat localフォルダ ウィンド ウ左下書き込み不可マーク有 Leopard/ライブラリ/LaunchDaemonsフォルダ ウィンドウ左下書き込み不可 マーク有 (この中には、com.bjango.istatlocaldaemon.plist) ○Application Enhancer 2.6 ○Growl ○WindowShade X 4.3 Demo Version Leopard/ユーザ/admin/ライブラリ の中にも上記関連のファイル等がありますが、 書き込み不可のフォルダ等は見当たりませんでした。 上記以外でフリーソフトを2、3インストールしましたが、 すぐにAppCleanerで削除したものもあります。 それから最近気づいた事ですが、 デスクトップにテキストファイルを裸のままで置いておくと、 翌日立ち上げたときに 「テキストエンコーディング 日本語(MacOS)には対応していません」 というアラートが出て、開けなくなります。 デスクトップ上のフォルダに入れておけば問題なく開く事が出来ますが。 これ以外で調べるところがありましたらご教示の程宜しくお願い致します。 Y.K. 見たところリストにはアクセス権に影響を及ぼすような怪しいものは見当たりま せんね。 ただ、気になるのが >Leopard/ライブラリ/LaunchDaemonsフォルダ ウィンドウ左下書き込み不可 >マーク有 > (この中には、com.bjango.istatlocaldaemon.plist) iStatを使っていますか? これをアンインストールしてみてください。 さらに以下の関連ファイルも削除してみてください Leopard/ライブラリ/Application Support/iStat /Library/LaunchAgents/com.bjango.istatlocal.plist /Library/LaunchDaemons/com.bjango.istatlocaldaemon.plist しかしやはりアクセス権異常の直接の原因ではないかもしれませんね。 システムのアーカイブ化インストールを準備してください。 旧ユーザフォルダを残して上書きインストールするやり方ですが、設定を引き継 がない方法です。 これでインストールが完了したら、旧ユーザフォルダからファイルを取り出して 引き継ぎます。 一度に全域やるとまた同じ問題が起きるかもしれませんので一つずつやります。 できれば今の状態でTime-Machineかなにかでバックアップを取ってから取りかか るといいと思います。 最後の手段ですが、おそらくこれで解決します。 muta muta様 お世話になっております。 少し仕事が立て込んでおり、ご連絡遅くなりました。 iStatのアンインストール、およびその関連ファイルを削除しました。 やはり変化は見られませんでした。 Time Machineでのバックアップ完了しました。 システムのアーカイブ化インストールというのは、 今までやった事がありませんので、少し不安ですね。 明日は夜まで出かけておりますので、インストール作業は明日の夜もしくは 明後日になります。 仕事との兼ね合いもありますので、丸一日空けるのがベストであれば 土曜日からであれば大丈夫だと思います。 お忙しいところ大変申し訳ありませんが、 ご教示の程宜しくお願い致します。 Y.K. 指示通り最近インストールしたものをリストアップしていただいたが、残念ながらこの中にこういう種類のトラブルを起こしそうなアプリは見当たらない。 システムの再インストールに関しては旧環境の設定をそのまま引き継ぐことも可能だが、旧環境のどこにトラブルの原因があるのか特定できていないので、新規上書きインストールにして、旧環境はアーカイブ化(旧起動システムを無効化して別フォルダに閉じ込める)するインストールをトライしてもらうことにした。 またディスクをフォーマットしてしまい新規インストールでTime Machineからユーザ領域を復元する方法をとらなかったのも、バックアップを二つ持っておきたいということから。 アーカイブ化インストールというのはTigerのころの用語だったので、Leopardで どうなっているかは私も自信がありません。 なんせLeopard以降はシステム再インストールの必要を感じたことがありません ので。 インストールを始める前によく調べて欲しいのですが 1)旧アカウントをアーカイブ化(無効化して別フォルダに閉じ込める)して新 規システムを上書きインストールする 2)その場合旧システムの設定などを一切引き継がないで、新規設定にする これが条件です。 こうして新規でインストールしたシステムの新規アカウントに旧アカウントの必 要なファイルをどんどん引っ越しさせるというのがインストールの手順になりま す インストールには実際は2〜3時間もあれば足りますが、それでももしも失敗し た時にリカバリする時間の余裕は常に見ておいた方がいいと思います。 なのでおっしゃる通り1日くらいは自由になる時間をとって、じっくりやるとい うのが結局は失敗ない作業につながると思います。 うまくいってもきっとあちこちちゃんと動いているかテストする時間も欲しくな りますしね。 muta muta様 お世話になっております。 アーカイブ化インストールを無事完了致しました。 念の為、ログイン名(home名)は変更しました。 パスワードは同じです。 旧データは、「Previous Systems」フォルダに格納され、 その中には、「private」「アプリケーション」「システム」 「ユーザ」「ライブラリ」の五つのフォルダがあります。 ここから必要な物を引っ越しさせるのですが、 まず「Private」の中に、「etc」「tftpboot」「var」の 三つのフォルダがあります。 これは無視していいのでしょうか? 「ユーザ」フォルダには、「admin」「test」「共有」 これは全て削除ですね。 「システム」フォルダ(この中には「ライブラリ」フォルダがひとつ)も 削除ですね。 残るは、「アプリケーション」と「ライブラリ」の二つのフォルダですが、 これは、フォルダの中身をドラッグ&ドロップで持って来て良いのでしょうか? それから、Leopardやその他のシステムアプリのアップデートは、 移行する前に行ってバージョンを合わせておいた方が 良いのでしょうか? お忙しい中恐れ入りますが、ご教示の程 宜しくお願い致します。 Y.K. 一つずつ解決していきましょう。 > 旧データは、「Previous Systems」フォルダに格納され、 > その中には、「private」「アプリケーション」「システム」 >「ユーザ」「ライブラリ」の五つのフォルダがあります。 この中で用があるのは「ユーザ」と「アプリケーション」だけです。 あとはいじらないでください。 ただ全部が終わるまで削除もしないでください。 念のためです。 ユーザとアプリケーションを一気に持ってくるのではなく、必要最小限のファイ ル、アプリ本体を持ってくるだけに留めてください。 Libraryフォルダの中身をごっそりやるとまたトラブルもそのまま引き継ぐ可能 性があります。 インストーラを使うアプリケーションに関しては基本イチからインストールやり直してください。 特にAdobeのPhotoshop等ライセンス関係を支援ファイルで管理しているソフト は、そのまま引き継ぐのは困難だし(機器のユニークID等をライブラリファイル に読み込んでいることがあるので)トラブルのもと(ライセンス書類といっしょ にトラブルの原因の設定ファイルもコピーしてしまう可能性がある)です。 > 「ユーザ」フォルダには、「admin」「test」「共有」 > これは全て削除ですね。 >「システム」フォルダ(この中には「ライブラリ」フォルダがひとつ)も > 削除ですね。 まあ要らないといえば要らないですが、何があるか分からないので完全解決する まで何も削除しないという方法を私ならとります。 システムフォルダもできれば事後、トラブルの原因究明をしたいので、私なら残 すでしょうがそんな必要ないというなら要らないでしょうし。 > それから、Leopardやその他のシステムアプリのアップデートは、 > 移行する前に行ってバージョンを合わせておいた方が > 良いのでしょうか? アップデートは必ず最初にやってください。 それでアップデートが完了した時点で、アクセス権など問題が起きていないか確 認してからファイルの移行を始めてください。 とにかくワンステップずつ「ちゃんと動いているか、前と同じトラブルが再現し ていないか」を確認しながら進めてください。 そうしないともし同じ症状が再現した時に、また一からやり直しになってしまい ます。 どこのステップまでは問題がなかったかを確認しながら進めれば、原因の究明に もなりますし、復元も容易です。 muta muta様 アクセス権の検証が終わりました。 private/var/spool/cups/cache/rss 上のアクセス権が 一致しません。本来 drwxr-xr-x であるはずが、 実際には drwxrwxr-x になっています。 というのが一件出ただけです。 これは旧データの方ですので問題無しですね。 これからシステムアプリのアップデートを行っていきます。 Y.K. そうではなく、以前問題があった本来ユーザの権限の筈のユーザフォルダ、アプ リケーションフォルダの中身の変更にいちいち認証を要求されるような問題がな いかを確認してください。 アクセス権の検証をやってもDBが壊れていたら意味がありません。 それよりも振る舞いを確認してください。 muta muta様 早速のご連絡どうも有難うございます。 Leopardのアップデートのみ最初に行い、 今、アクセス権の検証を行っています。 システムアプリの方はアクセス権等のチェック後に行います。 ひとつ質問ですが、 > この中で用があるのは「ユーザ」と「アプリケーション」だけです。 ですが、新しいユーザフォルダがあるので、 旧ユーザフォルダは不要でいいんですよね? (勿論解決後に削除しますが。) すると、必要なのは、「アプリケーション」と「ライブラリ」の 二つでしょうか? 宜しくお願い致します。 Y.K. 違います。 /Applications /Users/Home(~/) だけを旧環境から復元します。 /System /Library には一切触らないでください。 上記アプリケーションフォルダとユーザフォルダを復元するために /Previous Systems/Applications /Previous Systems/Users/Home からファイルをコピーしてきます。 それ以外のところは触らないでください。 muta muta様 お世話になっております。 /Previous Systems/Applications のファイルはドラッグで持ってこれますが、 /Previous Systems/Users/Home に入っているフォルダ(例えば、「Documents」「Movies」 「Music」「Pictures」「サイト」「パブリック」など)は、 「サイト」「パブリック」の二つのフォルダ以外には進入禁止マークが 付いており、アクセス出来ない状態です。 各フォルダの振るまいは問題無いようです。 Y.K. > /Previous Systems/Users/Home > に入っているフォルダ(例えば、「Documents」「Movies」 > 「Music」「Pictures」「サイト」「パブリック」など)は、 > 「サイト」「パブリック」の二つのフォルダ以外には進入禁止マークが > 付いており、アクセス出来ない状態です。 これはアカウント名とパスワードを変更したためです これらのフォルダを「情報を見る」で所有権を新しいアカウントに変更してくだ さい。 「内包している項目に適用」 でディレクトリの中の項目まですべて所有権を変更してください。 それで作業ができる筈です。 muta もしこの方法で所有権を変更できない場合は、「rootを有効にする」でrootに なってGUIのrootでログインして作業してみてください。 方法は私のサイトでも解説しています。 muta アーカイブ化インストールしたところで旧環境は「/Previous Systems」というフォルダに閉じ込められる。 もしダメならメールに書いているようにGUIでrootユーザになってここにアクセスできる。 アーカイブ化インストールで旧環境は「Previous Systems」というフォルダの閉じ込められる 新環境でユーザ名など変更するとここに進入禁止マークが出て中を見られなくなるが ユーザフォルダの所有権、アクセス権を新アカウントに変更して 「内包する項目に適用」をクリックすると見られるようになる muta様 お世話になっております。 やっとフォントを全て新規インストールしました。 和文欧文のインストールで半日がかりです。 それから、旧フォルダのアクセス権は 内包している項目に適用ですべて完了しました。 明日、新規に再インストール出来るアプリは全て 新たにインストールし直します。 FirefoxとThunderbirdも新規インストールしようと思います。 ただ、過去のメールは引っ張って来たいですが。 特に入れなくてもよいアプリは今回無視するとして、 そうすると、アプリケーションフォルダから持ってくるものは 殆ど無くなり、また、users/home の中で必要なものは 「ライブラリフォルダ」の中身のみになりそうです。 この users/home/ライブラリ の各フォルダの中身を 新システムの同じフォルダに移していく作業は、 明日の夜か明後日になりそうですが、特に注意事項などあれば ご教示の程宜しくお願い致します。 Y.K. これで多分山を越えたんじゃないかと思いますが、また状況を教えてください。 メールのメッセージはもしMacデフォルトの「Mail」をお使いなら ~/Library/Mail にメッセージファイルが格納されています。 それ以外Thunderbirdなら ~/Library/Thunderbird Gyazmailなら ~/Library/Application Support/GyazMail という感じでメーラによってメッセージの場所が違います。 ユーザフォルダの中で重要なのは書類フォルダなどの中の自分が作ったファイル です。 これが最優先で、あとの重要な設定ファイルは ~/Library/Application Support ~/Library/PreferencePanes ~/Library/Preference あたりに大体集中しています。 ただし ~/Library を全部一気に上書きというのはやはりやらない方がいいと思います。 そうすれば前の設定を一気に引き継げて便利ですが、やはり新しいシステムは新 鮮な環境で使い始めた方がトラブルは少なくできますので、上書きは最小限にし た方が結果的に気持ちよく使えると思います。 ~/Library/Preference の設定ファイルの探し方は com.apple.アプリ名.plist というルールで設定ファイル名をつけることになっているので ベンダー名、アプリ名で手繰っていけば探しやすいと思います。 メーラなどはプロファイルフォルダとこの設定ファイルのセットで環境を引き継 げる筈です。 あと少しですから頑張ってください。 muta muta様 お世話になっております。 アプリの新規インストールも殆ど完了し、あと2、3のアプリを入れるのみとなり ました。 各々のアプリの初期設定等を調整し、フォント読み込みテスト等、完了しました。 Thunderbirdのメール引き継ぎも無事完了しました。 結局、旧データからアプリを引っ張ってくる事も無かったので、 ~/Library/Application Support ~/Library/PreferencePanes ~/Library/Preference からの引っ越しは、メールの引き継ぎのみで済みました。 FREEのアプリは未だインストールしておりませんが、 これはひとつずつ様子を見て入れていきます。 iStatはやめて、Menu Metersにしてみようかと思います。 Growlあたりは入れておきたいです。 とりあえず残りのアプリをインストール完了後、 Time Machineでバックアップを開始します。 バックアップ後に旧データを削除しますが、 後は残りの仕事のデータを外付けHDから持って来て整理すれば ほぼ完了ですね。 結果的にほぼ新規インストールという形になってしまったので、 クリーンな環境になった反面、原因追求は難しくなってしまいました。 OS7から使い始めてきましたが、Leopardは今年になってからの使用で 未だあまり慣れておらず、手間取ってしまいました。 TigerからLeopardに変わって、また少し取っ付きにくくなった様な気が しますが、それは単に慣れの問題でしょうかね。 Y.K. 以上すべてメールでのやり取りのため、最初にメールをいただいてから完全解決するまでに2週間、再インストールにとりかかってほぼ2日というところで解決した。 結局はほぼ新規インストールと同じような結果になってしまったが、問題は解決した。 ということで全体的な評価は一勝一敗一分けという感じかな。 仕事でAdobe Photoshop等を使っている人はアプリ本体だけでなくたくさん集めたアクションやテクスチャ、プラグインなどをライセンス情報といっしょに移行したいので、できればインストールじゃなくて旧環境のミラーにしたいと思う気持ちは分からないでもないが、大抵うまくいかないので一つずつ必要なものの場所を特定して手動でドラッグして移していくのが、結果的には速い移行になると思う。 以上、ちょっと長くなったけど何かの参考にしてもらえばと思い公開する。2010 年 7 月 23 日anchor Safariのオートフィル機能の脆弱性を狙ってIDパスワードなどを抜く実証コードの存在が発表された特定のサイトのログインや、ネットショッピングなどの個人情報記入のフォームに自動的に個人情報やIDパスワードなどを入力してくれるオートフィル機能という便利な機能がブラウザにはある。 これがあればいちいちパスワードや、住所氏名、カードの暗証番号などを打ち込まなくても入力できる。 しかしこのオートフィル機能はセキュリティの弱点として狙われがちで、最近では心あるサイトではカード番号等は手入力させるのが普通になってきた。 しかし住所氏名、パスワードなどはまだオートフィルが有効な場合が多いのだが、SafariとGoogle Chromeなどのweb kit系のブラウザの場合、このオートフィル機能に脆弱性があるというニュースが飛び込んできた。 この記事によると この脆弱性を利用すると悪意あるサイトを閲覧しただけで、ID、パスワード、住所氏名、ASPサービスのパスワードなどの個人情報を抜き取られる可能性がある。 Google Chromeの場合はフォーム入力に確認タグが出るが、Safariは出ないので危険なのはSafari5、Safari4ということになる。 この問題に関して、 Safariの環境設定に入って「自動入力」タブを開く ここのチェックを全部外すのが望ましいが住所氏名まで 全部手入力は不便だというならこういう組み合わせもある ただし特定のサイトのログインID、パスワードが「その他のフォーム」 に記憶されることが多いのでやはりここも外しておくべきだ 2010 年 7 月 21 日anchor 空売りは何のためにあるんだろう?(追記あり)Twitterでkanji_kさんが 「空売りって何?」 これがリーマンショックと前後して「金融工学」という言葉が知られて来て、そのイメージはどちらかと言うと「悪の錬金術」のようなイメージで語られることが多く その金融工学の初歩の初歩が空売りのような方法かも。 「空売りって何」をおさらいすると、株でも債券でも為替でも穀物でも何でもいいんだがその対象を「買い」から入るのではなく「売り」から入るのを「空売り」という。 モノを買うというのは最初に代金を現金で払ってその場で引き換えに現物を受け取る。 スーパーで肉や米を買ったり酒屋でビールを買うのと同じ行為。 例えば食品メーカーの購買担当がとうもろこしを買う。 そこで先物を買う。 それで実際は1000円で約定して1200円の時価のものを、1000円で仕入れたらそれをそのまま消費するのではなく、1200円で買い手があるのだからそこから利益を得る必要がある。 一番シンプルなのは現物と先物を50%ずつで組み合わせる方法。 よく先物やオプションの話をすると、「博打」に喩えて理解する人がいるのだがこういうものは本来博打ではなく保険として開発されたものなのだ。 これは別に特殊な手法でも何でもなく、小麦や大豆を仕入れる食品メーカー、インスタントラーメンやパスタ、豆腐、醤油、魚の缶詰やそういう我々が日常利用しているものを作っているメーカーが皆国際市場でやっていることだ。 ここまではシンプルなのだが、ここには買い手の都合しか入っていない。 世界最大の穀物市場はシカゴに立つ。 アメリカの農場は日本とは桁違いに大きい。 これが先物の発祥であり投機取引を意味する「スペキュレーション」の本来の意味なのだと、元東京銀行の本田敬吉さんに教えていただいた。 先物はこのようにして始まった。 売り手が市場価格が下がることを予想してポジションを持つなら、買い手も市場価格が下がった場合に最大限の利益を得られる方法を準備しておかなくてはいけない。 この時の手段として現物の買い、先物の買いだけの組み合わせでは不十分だ。 一枚1000円で売れた小麦は来年になると一枚800円に値下がりする。 この方法を利用すれば来年の価格下落を織り込むことができる。 この空売りにはもうひとつメリットがある。 このように金融工学というのは元々は予想不可能なリスクをヘッジするために考え出されたものだ。 デフォルトスワップは企業のデフォルト(債務不履行、要するに借金が返せなくなること)による被害を防ぐために大勢で掛け金をかけるという手法だ。 具体的にはGMのような自動車メーカーが債務不履行に陥る方と陥らない方に皆で金を賭ける。 逆にデフォルトが起きる方に張った人にもメリットがある。 この部品メーカーは、GMと取引することでGMはデフォルトを起こさないという大きなポジションをもってしまうわけだから、この「GMはデフォルトする」というデフォルトスワップを買ってポジションを解消しておけば万が一のことがあっても売掛金の損失の何割かはこの市場で回収できるかもしれない。 このように現物の売買だけでなく、先物の売り買い、空売り、スワップやオプションなどのデリバティブ等の多彩な方法で、どういうシチュエーションでもリスクを避けることができるようになってきた。 以前、日本を代表する企業買収のデューデリジェンス(買収企業の値踏み)を担当した岩崎日出俊さんのことはここでも何度か書いた。 つまりこの元々はリスクヘッジのために考え出された手段は、ヘッジのためだけではなく積極的に利益を追求する目的で使うこともできる。 また例えばこういうことにも使える。 例えば不祥事を起こして大量リコールをするような自動車メーカーがあったとする。 株価が下がることが分かっているなら、空売りを浴びせることで利益が得られる。 このように空売りをかけることは経営がズサンな企業に対して、イエローカード、レッドカードを出すという意味合いもある。 利益を出しながら社会正義も体現できるファンドということらしい。 しかしデリバティブは間違った使い方をするとリーマンショックのような金融危機をもたらすということも、今日の私たちは知っている。 金融工学は単なる道具に過ぎない。 『 「空売り」は市場の流動性のために必要だ』 <追記> <さらに追記> この項目を書いた後で、「空売りがリスクヘッジに使われた歴史はそんなにあるのか」という疑問を自分で持ってしまった。 株にしても商品にしてもそういうことをやることは可能なのだが、現実にそういう組み合わせを市場参加者がやることがあるかどうかが分からなかった。 ひとつは値上がりした時にその利益をとることができないし、値上がりのレベルが想定を越えると追証が発生したりでこれはこれでちゃんと計算しておかないと別の損失を生む可能性がある。 というよりも以前藤巻健史さんにお話を聞いた時に オプションは先物に似ているが、対象は商品ではなく商品を売買する権利を売買するというもの。 藤巻さんはモルガンにおられた当時は十億から百億というようなポジションを常時持っていたそうなので、夏休みで一週間市場から離れるだけで億単位の損失を出してしまう可能性がある。 いま大口の取引をする人はむしろこういう組み合わせを使うようで、つなぎ売りはそういうものを使う事情があるプレイヤーに限られるというのが実際のようだ。 ここらは誤解の元になるかもしれないと思ったので追記しておく。 <さらにさらに追記> 価格を安定させたいだけなら、1000円の先物を100%買えばいいのだ。 これでは先物と現物を組み合わせると損失を防げるという説明は変ではないかということになる。 この場合値下がりをすると逆に1枚100円の利益が生まれることにも注目して市場の利益を取りつつリスクを抑えた組み合わせがこれだという説明はできる。 こういう書き方をしたら解ってもらえるだろうか。 |