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たびたび強調しますが、MacOSXがOS9以前のクラシックOSと決定的に違うのはUNIXがベースのOSになったということです。
WindowsとMacOS9、MacOSXを比較すればMacOS9はOSXよりもまだWindowsに近いOSです。
UNIXではSolaris、OS2、BSDなど多くのバリエーショングループを生んでいます。
最近話題になっているLinuxもそういうバリエーションのひとつです。
UNIXグループは実はどれもおおむね似た操作環境を持っています。
例えば今ここで練習しているシェルコマンドもこれらのグループでは微妙にバリエーションがありますが、かなり似ています。
ですのでこのMacOSXで採用されているBSDシェルコマンドは、覚えておくと例えば急にLinuxを使わなければいけなくなったとしてもあまり苦労せずにそのコマンドを覚えられるということになります。
さらにUNIXをベースにしたことで多くのメリットを獲得しました。
UNIXの最大のメリットはその安定性です。
私自身今OSX環境でかなりMacを酷使していますが、MacOS9では頻繁に経験していたシステムが落ちるという現象をまだ一度も経験していません。
この安定性はMacOS9はもちろん、Windows2000やXPと比較してもはるかに高いといえます。
そしてもうひとつのUNIXのメリットはUNIXの膨大なソフトウエア資産を活用できるということです。
MacOSはまだ生まれて十数年のOSです。WindowsもGUIとして完成してからまだ事実上8年程度の歴史しかありません。
どちらもコンピュータの世界では歴史が浅いOSといえます。
それに対してUNIXはもう生まれて30年以上になります。
UNIXは生まれた時から無償OSとして配付されましたので、その開発コミュニティは世界中に広がっています。例えばフィンランドからLinuxが生まれてくるというように、そのコミュニティは厚い層を形成しています。
その著作権はGPL、General Public Licenseで守られています。
つまり「技術は無償で公開するが、著作権は放棄しない。技術の改良についてはコミュニティの了承を得て利用技術も無償で公開すること」という規約に基づいて、タダで公開されているというわけです。
そこでコミュニティがお互いに公開してきたのが、膨大な無償ソフトの資産です。
先に書いたOSXバンドルのファイアウォールもそういうもののひとつですし、ここで触れるJounaling File Systemもそうです。
何か大きなファイルを書き換えしている時にアプリが落ちたとします。
そうするとディスクには書きかけで未決のままのアロケーション(書き込みのブロック単位)ができてしまい、それはそのまま不良アロケーションとして残ってしまいます。
これがひとつ、ふたつのうちはたいした問題ではないのですが、長年使っていて大量に溜まってくると最後にはシステムの動作不安定を招いたりディスクそのものが死んでしまったりすることもあり得ます。
そういうことは普段からのメンテナンスで防げるのですが、できるだけメンテナンスフリーで使えるようにするというのもUNIXの開発目的の中に入っているようです。
(毎週パッチを当てなくては、危なくてインターネットにもつなげないWindowsの開発目的にはこういう項目は入っていないようです)
そういう壊れたアロケーションを自動的に作業の前の状態に戻す機能がJournaling File Systemです。
このファイルシステムユーティリティは今、UNIXの世界ではトレンドになっているようですが、MacOSXでも10.23からサポートするようになりました。
ただし未だにOSXではこのJFSをデフォルトではオフの状態にしています。
またこういう機能があるということも特にユーザにアピールしていません。
こういうAppleの不親切さもなんとかしてもらいたいもんです。
そこでやはりterminalを使ってこの機能を開始することができます。
JFSを有効にする
sudo diskutil enableJournal /
を実行します。
すると
Password:
とパスワードを訊いてきます。
(suでログインして
diskutil enableJournal /
だけで実行することもできます。この場合はパスワードを訊いてきません)
パスワードを入力して実行すると
Allocated 8192K for journal file.
Journaling has been enabled on /
というように管理するアロケーションの数とジャーナリングを始めたという表示を返してきます。
またJFSを停止することもできます。
JFSを無効にする
sudo diskutil disableJournal /
Photoshopなどの大物グラフィックソフトを使う場合は、動作が遅くなるのでJFSを
停止した方が良いという人もいます。
JFSが入ることで、どれくらい動作が遅くなるのか実感したことがありません。
なんせ私のG3環境ではJFSを実行していなくてもPhotoshopは遅いです。(^^;)
しかしシステムの安定というメリットを考えれば、JFSは是非活用するべきだと考えています。
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