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2008 年 3 月 1 日





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dolipo
(Freeware)
OS10.4Tiger対応 OS10.5Leopard対応

今話題のpolipoというProxyソフトを使ってインターネットの接続環境を高速化するプロセスのGUI化メニューエクストラ

BBSに「さくら」さんより情報をいただいた。

作者さんの説明によると
「ごく一部で話題になり初めてるようですが、Polipoは個人用にネットワークの高速化に特化したプロキシーサーバー」
で、これは設定にはTerminalを使ってコマンドで設定してやる必要があり敷居が高いのだが、これを誰でも利用できるようにGUI化してくれたそうだ。
作者さんに感謝だ。

それで実際に効果のほどだが、確かに「劇的」に効果がある。
特にやや遅い無線環境で劇的な差が出る。
私のところでもmixiやGoogleなどの各種メニューページなどで特に高速化が見られた。
やや電波が弱い無線LAN環境でも有線並みの速度が出た。

設定は実に簡単で、起動すると現れる指示に従ってネットワーク環境のプロクシタブで
http

https
を選んでそこに指定の
127.0.0.1
のIPアドレスと
8123
のポートナンバーを設定すればいい。

仕組みはベンチマークの改善ではなく、リンクの先読みをキャッシュすることで体感速度を上げるということらしい。
Proxyが必要なネットワークの場合も設定から個別の設定が可能で、なによりも優れているのは一度設定してしまえばネットワークが乗り変わった時に、何も操作しなくてもそれぞれの設定に勝手に切り変えてくれるので、無線LANも有線イーサも一度設定したらあとはこのアプリを起動しておくだけでいい。
何も意識しないでいいのがスグレモノだ。

作者サイトには詳細な使い方が解説されている。
Safariなどで長時間使っていると動作がモタツキ始めるという書き込みもあるが、その場合はキャッシュクリアで復活するという。
私の場合は予防策としてキャッシュは貯めない設定にしている。
ここまでのところ非常に快調だ。






dolipoを起動すると最初に設定すべきProxyのアドレス、ポートナンバーが表示される
そのまま何もしなくてもシステム環境設定のネットワークが起動される





今つないでいるネットワークを選び「プロキシ」のタブに入る
「設定するプロキシサーバ」からhttpとhttpsを選んで
先ほどのIPアドレスとポートナンバーを入力する





有線イーサ、無線LANそれぞれの設定をすませればあとは自動的に切り替えてくれる
「ログイン時に起動」にチェックを入れれば全く意識しないで使える
また会社などで「プロキシを要求されるネットワーク」の場合は設定を呼び出す





ここに必要なプロキシのアドレス、ポートナンバーを入力
またさらに詳細なPolipoの設定をしたい場合は「Open Polipo Config」で
ブラウザから詳細設定が可能になっている


2008 年 3 月 3 日





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Secrets
(Freeware)
OS10.5Leopard対応

システムやアプリの隠し機能にどんなものがあるかを表示して、その隠し機能を設定できるシステム環境設定ペイン。

sta la staさんで知った。

おお、これはすばらしい、こういうのが欲しかったと思って早速入れてみたが、残念ながらTigerでは動かない様子。
これのテストはLeopard導入までお預けとなった。
どなたかこれの使い心地をレビューしてください。




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POV
(Freeware)
OS10.4Tiger対応 OS10.5Leopard対応

四角いブロックを三面図に表示された形に見えるように、最小のブロック数で並べるゲーム。

気になるアプリ名は
Point Of View
の略なのだそうだ。
そのなの通り3次元的な形をいろいろな方向から見ながら、組み立てていく。

右の3D画像はドラッグしてぐりぐり動かして方向を変えられるので、どんどん動かして組み立ててほしい。
実際やってみると「最小のブロック数で」という条件が結構難しいことに気がつく。






POVを起動した時のスプラッシュ
ゲームを一旦保存して後日続きをやったり過去のゲームに再挑戦したりできる





左の三面図はタテヨコ、上からの3方向の形を現している
その形に見えるようにブロックを並べていくだけのゲームなのだが
重なっているところのブロックを抜いて最小数にしなくてはいけない





右の組み立てプロセス画面はドラッグして方向をぐりぐり変えられる


2008 年 3 月 4 日





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閲欄目録
(Freeware)
OS10.4Tiger対応 OS10.5Leopard対応

現在開いているFinderウインドウをリスト表示して、ウインドウを探しまわらなくても一発でアクセスできるサイドメニュー用アプリ。

しょっちゅうアクセスするFinderのウインドウは、常に開いておきたい。それでいちいちウインドウを開く動作をしなくても開いたウインドウの大体の場所ですぐにたぐれるので便利だ。
ところがこうしたFinderのウインドウをいくつも開いていると、デスクトップがウインドウだらけになって、結局どれがどこにあるか分からなくなって、
コマンド+shift+Hキー
でまいどまいどホームフォルダを開くところからはじめたりして、かえって非効率だ。
「そんなことしているヤツがいるか?www」
というツッコミが聞こえそうだが、実は私がそんなヤツである。

それでこの閲欄目録はアプリと同梱の「Finderウインドウ」というフォルダを開くと、そこに今開いているウインドウのエイリアスを自動生成してくれるというアプリだ。
閲欄目録が起動している間は、開いているウインドウは自動的に作られ、閉じた時点でエイリアスが消える。

これが何が便利かというと、このウインドウをFinderの左側のメニューバーに登録することで、今開いているウインドウにリスト表示、カラム表示など自分が使いやすい表示法で一発でコンタクトできるという点だ。

これは便利だ。
Finderの左バーに登録しておけば、アプリの「ファイル」メニューの「開く」あるいは「別名で保存する」などのメニューで出てくるディレクトリのダイアログの左バーにもこのフォルダがちゃんと見えて、開いているウインドウに一発でコンタクトできる。

いちいちデスクトップを片付けなくてもいいというのが、私のような無精者には大変良い。

さらに面白い使い方としてはFruitMenuのようなメニューエクストラに登録してメニューバーからのプルダウン一発で目的のウインドウにコンタクトできるとか、Finderpopに登録してコンテクストメニュー一発でコンタクトできるとかいろいろな使い方が考えられる。
アイデア次第でなかなか便利なユーティリティになると思う。






閲欄目録を起動すると「開始」ボタンと「ログイン時に自動スタート」ボタンの二つだけ
他に設定も何もない迷いようがないインターフェイスだ





アプリ本体と同梱の「Finderウインドウ」というフォルダにエイリアスは作られる
例えばこのフォルダをFinderの左メニューにドロップして登録する





するとデスクトップがいくら散らかっていても、左のメニューから
リスト表示またはカラム表示で目的のウインドウに一発でコンタクトできる
これだけでも相当便利





さらにアプリの「開く」「別名で保存」メニューなどで
出てくるダイアログからも一発コンタクトできたり
FinderPopに登録して右クリック一発コンタクトというのも便利そう





例えばFruitMenuのお気に入り項目にエイリアスを入れて
開いているウインドウに一発コンタクトなんてのも便利そう






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dolipoを入れると仮想メモリがやたら増える、特定のページで正常に表示しないなどの問題が起きる場合(追記あり)

先日紹介したdolipoだが、若干問題を指摘するページも見つけたしBBSでも書き込みをいただいた。

鳥獣保護区|polipo のディスクキャッシュサイズというエントリで、こちらの方の場合Safariを2日も起動していると仮想メモリが1.5GBを超えてしまったそうだ。

このページでも先月まで散々Safariとは激闘を繰り広げてきたが、その問題の最中にはdolipoを入れてなくても仮想メモリが1.5GBくらいになるという状態が続いていた。

しかし私の場合この問題はほぼ解決してしまい、今dolipoを入れてSafariを数日起動したままで使っているが、仮想メモリは400〜500MB以上は増えない。
これだって結構な量だが、Safari的には正常な値のようだ。

そうはいってもdolipoのベースになっているpolipoはキャッシュの総量を規制する設定になっていないとか、アクセスされていないファイルを削除する設定の「アクセスされていない期間」の長さが32日間になっていたり(! そんなものは2日で充分では?)なかなか豪快な仕様になっているそうだ。
だからひょっとしたら、dolipoを入れることでSwapが急激に増えるとかの問題を抱えている人もいるかもしれない。
私の場合は、そういう現象は再現しないのだがそういう悩みを感じておられるなら、このリンク先に解決策が書かれている。






dolipoを入れて4日目のSafariのメモリ使用状況
実メモリ250、仮想メモリ400MB前後は特に問題となるような量ではない





polipo自体も大したメモリ量を喰っていない
試しにFlickerやYouTubeなどで画像を開きまくったりしてみたがこんなもの
この差がなぜ起きるのか分からない



ところでこのdolipoだが、その性格上特定のサイトで正常な表示をできないということはあり得る。
私のところでは確認できないが、BBSに「MStK」さんから2ちゃんねるビュアーのThousandで更新履歴がいちいち消えてしまうなどの不具合が起こるという情報をいただいた。
これもなぜ私のところでは再現しないのか分からないが、これの対処法もいただいた。






dolipo導入で特定のサイトが表示不具合が起きる場合はdolipo解除の方法が二つある
一つはこの"~/Library/Application Support/dolipo/uncachable.txt"に加筆する方法





これは2ちゃんねるを除外する記述法でこのようにワイルドカードを使って
ドメイン全体をキャッシュ対象外にしてやればいい





またシステム環境設定の「ネットワーク」に入って「プロキシ設定を使わないドメイン」に
除外対象のドメインを追加すれば良い



<追記>

BBSに「はま」さんより「鳥獣保護区さんの記事は仮想メモリではなく/Users/ユーザ名/Library/Application Support/dolipo/Cacheのサイズのことかと」というご指摘をいただいた。
よく見るとその通りで、リンク先にはちゃんとディスクキャッシュと書いてあるのだが、私の読み違えだった。
ところでこのdolipoのキャッシュだが、2日で数百以上のディレクトリと1000以上のキャッシュファイルを作り豪快に増えていくのだが、その容量は私のところでは200MB程度で、やはり問題になるほどの増え方ではない。
もっと長く使っているとどうなるか、YouTubeなどの画像ファイルを扱っているサイトを頻繁に見に行くとどうなるかなど引き続き観察する。

キャッシュのことだから使い方で増え方は全然違うということはよくあることだからだ。
昨日ゴミ箱の「空にする」コマンドがいうことを聞かなくなったため、再起動してしまった。
その時にこのキャッシュも全削除したので、今は16MBほどしかキャッシュが無くて、また一からテスト再開という状況だ。



2008 年 3 月 6 日





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日本はどうしてダメダメなんだろうか?〜企業収益は強く、景況感指数も悪くないというのに株は下がる、ガイジンには同情される、閉塞感は相変わらずの理由

最近ブックマークしたいくつかのエントリが溜まっているのだが、それについて触れられないまま時間が過ぎてしまったので纏めて片付けておく。
4題話のようになっているが気にしない。

以前ここで
「RSSが普及していない理由」と言うけど,ネット技術そのものがまだ浸透していないのじゃないかな
という話題を取り上げたけども、このリンク元のRSSの話が結構ネットでも話題になっていた。
それでRSS についてのネットの論調がどうなっているか気になって、いろいろ調べていたらこういうエントリに出会った。

RSSリーダーが一般人に使われないのは「自由度」と「用語」と「見せ方(宣伝文句)」だけの問題 - キャズムを超えろ!

この「キャズム」というのも当節流行の言葉だが、要するに最先端のサービスと一般レベルのユーザの乖離を指す言葉らしい。
キャズムは今や至る所にあって、オピニオンリーダのヘビーユーザは津々浦々にいるのだが、大部分のライトユーザはもはやかつてのオピニオンリーダ達の言うことが理解すらできなくて
「別にイラネ」
という反応しかできなくなっている。
iPodTouchを絶賛する先端ユーザとiPodなんて音楽さえ聞ければ充分というライトユーザの乖離とか・・・・

製品もかつてのインターフェイスの進化をユーザにワクワクするような形で段々見せづらくなってきて、取っ付きにくいと感じさせるようになってきた。
例えば今日も秋葉原を歩いてきたのだが、Windowsパソコンや、その周辺機器を見て回って、その売り場を通り抜けて突然
「Appleコーナー」
なんて異風の売り場に出会うと、結構長いことMacを使ってきた私でさえも
「Macってなんか取っ付きにくそうだな」
という感じがわかるようになってきた。

Windowsのパソコンなんてみんな形も操作法も決まり切っていたのに、そこに突然進化したGUIとか抜かして異形のMacが入ってくると
「なんだかわけ分からなさそう」
という感じに取り付かれるのはわりかし当然のような気がした。
スタイルもUIも全く違うMacを客観的に見ているとユーザが
「使いにくそう?」
「e-SATAとか高速LANのみのインターフェイスのHDとか接続できるの?」
「Winnyは使えるの?」
というようなところで戸惑っているのが分かる気がする。

ましてやRSSだのAtomだの今まで聞いたことない言葉がどんどん「知ってて当然」みたいにそこらで語られ始めて、普通に使われているのを見ると
「アンタらはよく知っているかもしれんが、オレは知らんぞ!」
と叫びたくなるのも至極当然のことのように思う。

だから
「RSSはインターネットの性格を変えると言われたけど実際にはほとんどの一般ユーザに普及していない」
という指摘は大きな共感を生んだのだと思う。

問題はこの「一般ユーザ」という基準をどこに置くかで、私はRSSリーダを必要としそうな人には既に充分普及していると思っているし、実際RSSを配信してみると既にこれが大勢力になっているということを実感しているのだが、「一般ユーザ」というのはそういう人を指すのではなく
「パソコンをひとりで起動することができる人」
「インターネットブラウザを開いて、漫然とネットを見ることができる人」
「パソコンをそういう私用に使う頻度が月に2〜3度以上ある人」
という基準に置くんだったら、確かにこういう人達にはRSSは普及していないと思う。

その理由はRSSリーダ、アグリゲータのインターフェイスが分かりにくいのか、そういうものを必要としていない人を対象に考察しているから普及していないように見えるのか、私にはよくわからない。
私は後者だと思ったのだが、
RSSリーダーが一般人に使われないのは「自由度」と「用語」と「見せ方(宣伝文句)」だけの問題 - キャズムを超えろ!
こちらのエントリでは、それはRSSのインターフェイスの問題だと見る。
この問題は両面があるのだろうし、両面から議論がされていくのだろう。

ただ、やはり「インターフェイスが分かりにくいから普及しないのだ」という捉え方は、難しいというか大変な問題を含んでいて、例えば家電製品なら対象は電気の知識が全く無い家庭の主婦だから、そういう人が何も読まなくても普通に使えるというのが最もあるべきUIの姿だと思うが(残念ながら実際の家電製品はそうなっていない)、パソコンもそういう対象製品なのだろうかという疑問もある。


ここでこの方の指摘で
「家電の企画者としては『見せ方が悪いだけじゃないか?』と思う。こういったPC系、テック系アプリに共通するのが"自由度が高すぎる"という点。自分で好きなフィードを登録できたりするところなんかがまさにその典型。」
という部分は、非常に本質的な問題を含んでいて、結局パソコンって専門的な道具なのか家電製品なのかで大きくその考え方が割れると思う。

パソコンユーザは
「RSSリーダが自分の好きなフィードを登録できなかったら意味ないじゃん」
という反論をするだろう。
そしてこれは結構絶対的な真実で
「家電屋にはわからないんだな、こういう自由度の重要性が」
という反論は当然できるし、やはりそれは重要な要素だと思う。
しかしパソコンもiモード並みに簡単になってほしいと思うなら、
「RSSは登録するものじゃなくて、既存のメニューから選ぶものという考え方の方が分かりやすいんだけど」
という議論だって当然成り立つ。


例えばWindowsのプロパティなどの構造。
結局Windowsの設定関係の構造ってスパゲッティのように複雑すぎて、頭に入らない、ユーザオリエンテッドではない構造だと私は思うのだが、これをいうと
「Windowsの自由度こそ重要で、使い方があらかじめ規定されているMacでは逆に不自由では?」
という反論が聞こえてくる。
ここで後はいつもの不毛なバトルに入っていくわけだが、この議論にはいつも重要な前提条件が脱落している。

Windowsは確かにある局面では重要な自由度を確保していて、これでないとダメだという場面は確かにあると思う。
しかしミドルウエア開発者と事務屋さんが同じインターフェイスのパソコンを使わなくてはいけない理由が私にはよくわからない。
大抵の会社では社内ネットワークへの接続すらネットワーク管理者に任せっきりで、事務屋さんはパソコンの設定を一切触れない。(触る気力も喪失している・・・)
しかし、メールとExcelとWordしか使わない事務屋さんと、専門的な開発環境のテストベッドを走らせなくてはいけない技術屋さんが同じ環境のOSを使っているなんていう無理をしなければ、事務屋だって自分のパソコンの設定やメンテナンス程度のことはするかもしれない。

そういう意味では、必要な環境に対象を絞り込んだMacはひとつの解になると思うのだが、ここでいつも「MacとWindowsどちらが優れているか」という不毛な議論に落ち込んで、この話はいつも混乱に落ち込んでしまう。

ミドルウエア開発技術者が
「Macの不自由な開発環境ではどうにもならないんだ」
と宣言すると、それを鸚鵡返しにしてExcelとメールしか使えないライトユーザが
「Macでは何もできないんだ」
と意訳してしまう。

この議論はこういうことの繰り返しで、結局パソコンをユーティリティマシンと見るか家電製品と見るかで全然結論が変わってくるということにはあまり注目されていない。


最近ちょっと衝撃を受けた話なのだが、上記のような「一般のユーザ」は
「ハイパーリンクがブラウザの新規ウインドウを開くと、ブラウザの戻るボタンで戻れなくなるのでそこで立ち往生してしまう」
というwebのユーザビリティの話を聞かされて、しかも
「一般ユーザのほとんど全員がそういうところで立ち往生」
をして、target=_blankのような新規ウインドウを開くタグを打ったwebサイトの作りは、混乱を招くだけなのでやめた方が良いという話を聞いたことだった。

当サイトはサイト内リンクは大体普通のリンクにして、サイト外ヘのリンクは新規ウインドウを開くタブを打って、サイト内外のコンテンツを区別している。
こうしないと、リンク先を当サイトのコンテンツだと勘違いしてそこの内容でクレームを言ってくる人が稀にいるからだが、こういう区別はほとんどこちらの独りよがりで
「迷惑な新規ウインドウが開くサイト」
というふうにしかビジタにはとらえられていないのかと思うと衝撃を受けてしまった。
といってもいまさら直す気力もないのだが・・・

このRSSが普及しているか、していないか、していないとしたらその理由は何かという話は、結局この前提の
「RSSを走らせるマシンはユーティリティマシンなのか家電製品なのか」
というところを抜きにすると
「MacとWindowsどちらが優れているか?」
という議論と同じように必ず不毛なところに落ち込んでしまうと思う。


と、ここで話題は急転直下変わるのだが、というよりもここまでの一切が実は前置きなのだが、例によって永遠に続くかと思われるような長い前置きだったのだが、この
RSSリーダーが一般人に使われないのは「自由度」と「用語」と「見せ方(宣伝文句)」だけの問題 - キャズムを超えろ!
というサイトの別のエントリで、こういう記事を見つけてしまった。

元F1ドライバー語る「日本企業には大きな決定をできる人がいない」!?  - キャズムを超えろ!

これこそはウ〜ンと唸ってしまった記事なのだが、ちょっと長文になるが非常に重要な要素を含んでいると思うので、かなりな部分を引用する。


「F1チームにおいては、大きな決定を必要とした時にそれができる一人の人間を必要としているんだ。

それは例えばフェラーリならジャン・トッドであり、マクラーレンならもちろんロン・デニス、ルノーならフラビオ・ブリアトーレといった具合にね。握り拳を乱暴において決断した彼らには、そのあとその結果を見守る用意が出来ているんだよ。しかしトヨタという日本の企業は、その構造上そうした人間がいない。大きな予算を持ってはいても、それはお金だけのこと。トヨタよりずっと小さな予算のチームがタイトルを勝ち取って来ているのに、ね」

「F1の世界ではビッグ・ネームのチーム代表やテクニカルディレクターがカリスマ性を発揮して大きなディシジョンをざくざくと決めていってしまう。ともすれば恐怖政治的経営と見られなくも無いが、こうでもしないと尖ったもの(F1というコンペティション・チーム)は生まれない、という話。
トヨタは金はあるけどこういう経営ができないからF1で勝てないのさ、という言い分だ。

皆で足を引っ張り合って尖ったところが1つもない製品を作ってしまうよりも、一貫したグランドデザインに基づく尖った製品開発ができたほうが、いくらかマイナス要素があったとしても高い値段で売れて粗利が取りやすい時代だ。」

「なんとなく、アップルと日本の家電メーカーの違いをマクニッシュに指摘されているようで悲しくなってしまった次第。あーでもない、こーでもないという会議のなかで、誰が何といおうとその人の"思い(コンセプト/グランドデザイン)"ひとつですべてを決定することができるスーパー権限を持った製品担当責任者を1名置く、といった製品開発を日本の家電メーカーでも実験的に取り組めないものだろうか。」


最近ちょっと必要があってフェラーリの歴史を調べていたのだが、そのためにフェラーリのF1マシーンのミニカーまで入手してその構造とかを見たりしていた。
このフェラーリだって、今でこそ強いフェラーリというイメージが定着しているが、80年代から90年代にかけて非常に長期間低迷した時代があって、その間のマシンの変遷を見るとまさにフェラーリのデザイナーが血がにじむような呻吟を繰り返してきた道筋がわかる気がする。

例えばその過程で空気の流れを変える整流板のようなものは、できるだけ車体にはつけない方が良いのは基本的なセオリーなのだが、あえてセオリーを破って90年代中盤以降のフェラーリマシンは車体に整流板をべたべたつけ始めた。
これが日本企業だったら、どうなるだろうか?

「サイドポンツーンの前に整流板を一枚つけたいのですが?」
「それは部長の決済が必要だ」
「決済はどれくらいで取れますでしょうか?」
「場合によっては担当常務の決裁も必要になる。まず車体デザイン検討会議にかけて検討しよう」

となって会議に出席した部長クラス、常務クラスの連中が
「そういうリスクを冒すメリットが明確に証明できないなら、継続審議にしてスタッフで検討を続けよ」
という議論になって、スタッフも通常の仕事だけでも充分忙しいのに、自分の思いだけで余計なことに費やす時間がなくて、結局このアイデアはお蔵入りになってしまうに違いない。

そして他社がそのアイデアで大成功したのを見てから、あわてて自分のところにもそれを取り入れるということを繰り返す。
オリジナルな発想で開発された技術と、他社のやっていることを見よう見まねでやっているだけの技術では深みも結果も当然全然違う。


トヨタがF1参加のワークスチームの中でも抜群の予算を持っているのに、なぜフェラーリだのマクラーレンだのとかいうハンドメードのチームに勝てないかというのは、結構深い問題がありそうだ。

少なくともヨーロッパの少数精鋭のワークスチームはデザインについて、強力なリーダーがいて、批判があろうがどうしようが
「それでやってみる」
という決断をする人物がいて、それでこそデザイナーも血が滲むような呻吟をする気になるのじゃないかという気がする。


そのトヨタが運営母体になった昨年のF1日本グランプリ、富士サーキット戦はピストン運行の乗客を運ぶバスが渋滞や道路陥没などで全く動かないで、激しい雨の中子供連れも含めて観客は数時間以上雨の路上で並んでバスを待たされて、それで健康を害する観客が続出したのに救護体制も全くできておらず、また構内で開催者関係団体以外の売店は禁止されたために、異常に高い弁当を買うしか食事の方法がないとか、横断幕を掲げての応援は禁止とか主催者側が厳しく言い渡したのに、トヨタの社員が掲げるトヨタ横断幕だけは大々的に目立っているとか、一部の観客席は座席指定の高額な席であるにもかかわらず、サーキットのレーンが全く見えないとか・・・・

挙げだしたら本当にひどいなと思う問題が続出して、ネットでも大炎上しているのだが、これを受けて2/8に会見を開き
『「これまでの“F1事業部”を“F1事業本部”に格上げし、F1事業の推進体制を強化します」と表明。F1事業本部長には高瀬副社長が就任し、陣頭指揮を執ることも発表した。』
という対策を発表した。

まさに富士スピードウェイをトヨタの直轄事業部に格上げしてしっかり監督する、とのことだが、どうだろうか?

こちらの記事にその高瀬副社長のインタビュー記事の採録がある。
地獄のF1富士:週刊プレイボーイ「お客様をもてなし、楽しんでもらう心は皆無」 ([の] のまのしわざ)

これを見ると高瀬氏の経歴について。

「法務、総務を歴任し、主にリスクマネジメントを担当。

・昨年の日本GPの現場にはいってない
・状況はメディア、ネットにて把握
・レース観戦歴は1回
・F1は一度もナマで見た事ない」

だからダメだとかいうことではないし、そういう人でもこれから必死でイベントを学び、F1を学びファンサービスとは何かという原点を学べば問題はないのだが、単に「副社長の担当が変わっただけ」ということだと非常につまらないことになりそうだ。
これはあれこれ議論するよりも今年の秋にはもう結論が出るので、注目して生暖かく見守りたい。


ただこれがトヨタ一社の問題だというのなら、それは単にトヨタという企業体質の問題ですんでしまうのだが、これは単にトヨタ一社の問題ではなく日本全体に蔓延している空気ではないかなという気がしている。
たとえば、不二家や吉兆の偽装事件など、経営責任者がでてきてまず開口一番に言った言葉は
「私は知らなかった、パートの社員が勝手にやったことだ」
という言葉だったのは衝撃的だった。

吉兆のやり直し会見で前経営者に
「頭がまっ白になってしまって、ついあんなことを言ってしまいました・・・って言え」
と耳打ちして、それがマイクに拾われて大評判になってしまったあのばあさんは、吉兆創業者の湯木貞一氏の実の娘だ。
そのばあさんが再々度やり直し会見に出てきて、釈明した言葉が
「最近のマイクの性能があんなに良いということを知らないで、声を録られていることに気がつきませんでした。」
という釈明だった。

JTフーズは例の農薬入り餃子について昨年の末には既にクレームを認識していたのだが、
「単にハードクレーマーの変な人が文句言ってるだけだろう」
とまともに取り合わなかった。
この時にまともな対応をしていたら千葉の女の子は、少なくとも重体にまでならなくてもすんだ筈だ。
この事件は中国の食品工場の信頼性の問題ばかりが取りざたされるが、確かにそれは問題であるものの輸入元でしかも顧客対応を担当した日本企業のずさんさの方が遥かに問題だと思う。


こうして見てみると日本の企業という企業がみんなおかしくなってきている気がする。
この問題を叩いているマスコミだって、社内のニュース原稿共有システムを利用していインサイダー取引を大々的にやっている公共放送とか、ろくにウラとり取材もしないで一時の感情に任せてタミフル薬害報道をぶちまけて今になってばつの悪いことになって、沈黙している某民放とかいくらでも同じような例を挙げられる。

おかしいのは企業だけでなく政治もだ。
なぜ日本は失敗し続けるのか - 池田信夫 blog
こちらの記事を見ると今の外国人が、日本をどう見ているのかということがわかって、その見方というのが想像以上に厳しいというのが驚きを感じてしまう。

日本は今明らかに景気後退期に入っているが、それでも企業収益は好調であり、設備投資が短期に落ち込んでいるといってもベースが高いので深刻ともいえない。
ましてや中期経営計画の目標値を達成している、あるいは上方修正しているという企業が全体の5割を超えるのだそうだ。
どう考えても日本経済が弱っているという数字はどこにも出てこない。

ところが日本の株価はずっと長期低迷していて、今年に入ってから13000円の低いところで揉み合っている。
今年のはじめに私は
「どうせ日経平均は13000円の下の方で揉み合うということが夏まで続くんでしょうね」
なんて当てずっぽうで言ってしまって、これは専門家の先生方のお叱りを受けるような
「過剰な悲観論」
かなと自分でも思っていた。
ところが本当にそうなりそうな展開になってきて、逆にこんなことで良いのかと思う。

業績も良くて現金をしこたま内部留保している企業の株価が上がらないのはなぜかと言うと、このエコノミストの「日本特集」にはっきりと理由が書いてある。

「長年の低金利と円安によって輸出は回復し、設備投資も堅調だ。しかし問題は、その投資収益率がアメリカの半分にしかならないことである。だから低金利政策で日本経済を回復させようとするのは間違っている。それは消費者の金利収入を奪うことで、消費を減退させる効果のほうが大きい。日本の家計消費のGDP比は、主要先進国で最低だ。」

日本の長年の低金利政策は、はっきりいって企業を怠けさせているだけで企業はその内部留保を、社員の給与アップや購買先企業の料金引き上げに応じるというようなことで、社会に還元することを全くやっていない。
だから無駄に現金が滞留しているだけで、経済は一向に活性化しない。
設備投資が回復したら、次は個人消費が回復してそれが需要の主役にならないと本物の好景気はやってこないのだが、いつまでたっても個人消費が冷えたままだから、国内需要が喚起されず売れるのはアメリカ製のiPodばかりで、日本製品は全く売れていない。
それでも空前の低金利が空前の長期間続いたおかげで、企業は勝負に出ないで無難に合議制で一番無難な商品を開発し、「企業の競争力を向上」するよりも「役員のメンツが保たれる」ということを優先する意味不明の決定が密室でなされ、そのおかげで出る不能率もその低金利のおかげで特に重大な赤字を生まずになんとなく永らえてしまっている。

このような政策の不毛、企業の幼児化が圧倒的な閉塞感を生んでしまい、
「業績が良いのに日本株は外国人投資家に圧倒的に売り越されている」
というのも当然のような空気感になってしまっている。
外国人から見て、日本を買わなきゃいけない理由はまったくない。
リスクを取る覚悟があるなら、もっとゲインの多そうな市場はいくらでもあるし、安全をとるなら日本よりももっと安全な市場はいくらでもある。

そんなことでエコノミスト誌あたりから
「消費が減退した日本の家計消費のGDP比は先進国中最低だ」
という哀れみのような記事を書かれているのに、企業も政治も危機感がない。
相変わらず合議制で、意味不明のインターフェイスと電話帳のように分厚いマニュアルがついた製品を装備した製品を作って、売れないのは「競争の激化」のせいにしている。
政治は産業が興隆すれば法人税で、税のプライマリーバランスはあっという間に改善するという単純な事実を忘れているのか、そういうものを信じていないのか財政再建とか言って増税のことばかり考えている。

余談だがもうひとつ「崩れた神話」について書くと「日本は世界有数の金持ちの国」という神話はもうとっくに海外では崩れさっている。
日本は低金利政策に合わせて、長年為替を円安に誘導したおかげで海外旅行は非常に高くつくものになってしまい、今やオーストラリアやヨーロッパ、ロシアですらもう日本人は
「金を落とさない観光客」
というレッテルが貼られている。
今世界中で歓迎されているのは中国人であり韓国人だ。
日本人はロシアに行って日本食レストランに入っても、「国内より高いから」と言ってラーメン一杯で帰ってしまうので、もはやロシア人の日本食レストラン経営者にも相手にされていない。
ヨーロッパでは日本人観光客はもう買い物をしないということで、ほとんど無視されている。
これも複数の全く別の証言者から聞いた話なので、かなり広くそういう現象が起きているようだ。


日本企業の決定プロセスの不透明さということでいえば、かくいう私の勤め先でも間もなく全社的に導入される新システムの機種選定は、実際にそれを使う現場の意見のヒアリングが全く行われないままトップの鶴の一声でベンダーと機種が決まってしまい、今になって現場からヒアリングをして既に決定された機種を組み合わせたシステムを少しでも実際に使えるアレンジにするべきだという議論が起きている。

まったく物事の決定の順番が逆であり、退嬰化している。
ここで重んじられるのは決定者のメンツだけだ。
企業の閉塞感はあらゆるところに蔓延していると思う。


過日フェラーリの創業者の名前を冠した「エンツォ・フェラーリ」というフェラーリ社のフラッグシップモデルを設計した日本人の奥山清行氏のインタビューをアレンジした。
私自身は直接の知己を得るチャンスがなかったが、彼のインタビューは実に示唆に富んでいた。


「日本の奇跡的な高度成長を支えたのは、実は長年にわたって培われた職人の技だった。 職人の技術が日本が導入したモノづくりのノウハウをカイゼンしていき、これが日本の工業製品の高品質の原点になった。
だから日本は元々ブルーカラーの国なのだ。」

「ところが今では企業をリードして向上させるのはホワイトカラーだという勘違いが蔓延している。 ホワイトカラーが必要だったのは、アメリカのような国なのだ。 アメリカでは工業のマニュアル化とそのマネージメントが大変重要な意味があった。
なぜならアメリカは移民の国であり、全くバックグラウンドが違う多民族が工場で働いているのは普通のことだからだ。
だからアメリカではホワイトカラーが企業を統治して作業をマニュアル化することは能率の向上に直結した。」

「アメリカで成功した方法だから、それをそのまま日本でも取り入れてホワイトカラーの企業統治とか言っている。
ところが日本の場合は、ホワイトカラーがマネジメントしてラインをマニュアル化なんかしなくたって職人達が自分たちの意志で、それぞれの判断でどんどん作業を効率化して、品質を向上していく。 しかも日本のブルーカラーというのは、世界でもまれに見るくらい高い教育を受けて、非常に深い理解力も持っている。
ホワイトカラーなんか必要ないんです。」

「日本のホワイトカラーというのはおそらく世界で最も生産性が低い。
自分でモノを決められない、自分で考えない、何事も合議制で自分のカラーを出さないで無難にことをすますことばかり考えている。
これでは生産性はあがらないですよ。」


この話は冒頭のF1ドライバーのマクニッシュの話とそのままかぶる。
この非能率こそ日本の現状なのだ。
そしてこの非能率な国民は購買態度に於いても最も無難なものを選ぶ。
先進的あるいは冒険的なものを選びたがらない。

世界におけるFirefox利用割合 - 日本2% | ネット | マイコミジャーナル
というエントリでなんと日本のFirefoxユーザは2%しかいないということに驚かされた。
何もFirefoxを使っているのが先進的だとか進取の気性があるとか、いうつもりはないが型通りにWindowsXPを使って、型通りにOutLookExpressを使って型通りにInternetExplorerを使うというユーザが日本では圧倒的なのだろう。

いくら何でも日本のネットユーザは世界の2%しかないということは絶対ないと思う。
どう考えてもこの比率は低い。
このことは先日紹介した
Macは世界中で売れ行きが大成長しているのに一人日本だけでは全く伸びていない
という話と同根のような気がする。
結局絞り込まれた消費動向は「人と同じもの」の購入に絞り込まれ、萎縮し切った人心は人と違う目新しいものを使う気力を失っている。
だから皆と同じWindowsとIEで、それ以外のものを試してみようとも思わない。
この国の閉塞感は想像以上に根が深いと思うのだ。


なんだか4本リンク先の連想から4題話みたいなことを書こうと思っていたのだが、結局どんどん話が広がってしまいとりとめもなくなってきた。
どうでもいいことだと読み流してほしいのだが、今この深い疲労感は何が原因なのかなとつらつら考えると、こういうことがいくらでも出てくるのだ。



2008 年 3 月 7 日





anchor

dolipoを入れるとディスクキャッシュがやたら増えるという問題をどうやら解決したようだ

Proxyの技術を使ってインターネット接続をやたら高速化するメニューアクストラのdolipoのディスクキャッシュをコントロールする機能が追加された。
これについては先日、鳥獣保護区|polipo のディスクキャッシュサイズというサイトを紹介したがこちらによるとdolipoを二日も起動しているとディスクキャッシュがギガの単位で増えていき、調べるとdolipoのベースになっているpolipoは キャッシュの量を制限したりという設定がないことを指摘しておられた。

私のところではこのdolipoのディスクキャッシュは、どんなに増えても200MB程度で特に問題になる数字ではないと思うが、これは使い方によるだろうから一概にいえない。
再現しないとはいえそういう問題抱えているというのは一つの不安要素だ。

dolipoのアップデート告知によると、
1)キャッシュをトリムする機能を追加
2)リダイレクトをキャッシュしないセッティングをオンに
3)キャッシュを自動調整する機能を追加
4)キャッシュサイズ上限を設定できる(デフォルトは500MB)
5)起動時と24時間ごとにキャッシュを調整

など、キャッシュの増加問題に対処する改良がもろもろ組み込まれている。






dolipoの新バージョンをソフトウエアアップデートが知らせてくれた
内容を見るとほぼ前出サイトご指摘のディスクキャッシュ増加問題への対処ばかり





ディスクキャッシュはデフォで最大500MBの設定だがもっと絞り込むこともできる
逆に動画サイトなどガンガン見る人は多めに設定するのが良いかと思う
その自由度がユーザの手に渡ったことが大きい





今回のバージョンから機能がBwanaDikとぶつかるみたいで
BwanaDikは正常につながっていても「ネットにつながっていない」
という表示しか出さなくなってしまった
便利なユーティリティだったのでちょっと残念



anchor

DashQuit
(Freeware, Widgets for Dashboard)
OS10.4Tiger対応 OS10.5Leopard対応

Dashboardを止めるDashboardウィジェット。

OSXのTiger以降に装備されたDashboardは人によって好みが分かれる機能だ。
マニアックなウィジェットを愛用している人も少なくないが、でも基本的には無くても困らないものが大部分だ。

それならDashboardを止めてしまえる自由度があればいいが、システムデフォルトではそういうことはできない。
Dashboardが使うメモリやCPUパワーも全部本来の機能に集中させたいという人用にDashboardを止めるアプリをいくつか紹介したことがある。

これはそのDashboardウィジェット版だ。
ウイジェットでDashboardを止めるのってなんだか矛盾してないか?・・・なんて風邪をひいてぼーっとした頭で考えているが、使えれば何でもOKだ。

起動しておくとDashboardを止めた時にメモリを何パーセント節約出来るかを常時表示する。
ここではOS10.4版のキャプチャーを載せているが、OS10.5版なら実際の節約出来る容量を表示するようだ。






DashQuitを起動すると何パーセントのメモリを節約できるかを常時表示する
Leopard板はMB表示に変わったらしい





上のフェイスの停止ボタンッをクリックすればDashboardを止めることができるが
その時に一応アラートを出すという設定だけがある





で、そのアラートというのがこれ
Leopard板はドロワーになったようだ


2008 年 3 月 8 日





anchor

Audiocorder
(Shareware)
Classic MacOS対応 OS10.2Jaguar対応 OS10.3Panther対応 OS10.4Tiger対応

音関係のライン、(今はUSBオーディのみ?)内蔵マイクなどの音を録音するレコーダーアプリ。

これの面白いところは、レコーディングのグレードを44kHz、16bitというCD音質から10kHz、8bitの会議録レコーダーのような音質まで選べるだけでなく、VOX録音(設定以上のレベルの信号が入ると自動的に録音を開始したり、設定以下に信号が落ちると自動的に録音が止まったりする)が利用可能だということだ。

またバッファー録音を選択するとトリガーよりも何秒先行して録音を開始するか、何秒遅れて録音を終了するかという設定も可能。
これはデフォでは5秒の設定になっているが最大20秒の設定が可能。
これで誰かがしゃべり始めてから慌てて録音ボタンをクリックしても、言葉の頭が切れたりすることを防げる。
会議録レコーダーにはゼヒモノ機能だ。
レコーディングはモノラル、ステレオの切り替えもできるし、書き出しのファイルはAIFF、WAVEを選べる。

後面白いのは電話のモデムケーブルから入ってくる音声を録音できることか。
実用性があるかどうか分からないが、面白い。






Audiocorderを起動したところ
これはマイク入力でスタンバイしている
ボイスオペレーション(入力で自動録音開始)はVOXボタンをクリック
BufRecをクリックすると信号が入ったところから設定の秒数遡って録音開始する





レコーディングを開始するとレベルメータの色が黄色に変わる
レベルオーバーでクリップするとレベルメーターは赤くなる
赤いレベルバーが頻繁に出るようなら一番右のインプットゲインを下げる





オーディオファイルはアプリ本体と同じディレクトリに生成される
お手軽さと録音に失敗がないという意味ではかなり使えるアプリ


2008 年 3 月 10 日





anchor

音楽著作権についての一つの思考実験〜ヒートウェイヴさんの和解(全面敗訴)に寄せて

以前JASRACが文化の停滞を招いていないという誤謬という記事で、JASRACそのものを搾取者扱いするのは間違いではないかということを書きたがっていた JASRACがアーティストから搾取しているという誤謬というサイトを批判した。

この方がつい筆を滑らせて
「著作者は著作権者に権利を売った時点で、その利用に対価を支払わなければいけない・・・中略・・・
もし、自分が作ったんだから良いだろうとお金も払わずに勝手に利用すれば、それこそ権利侵害もいいとこ。いやなら権利を譲渡しなければいい。」

「これらのことを不条理だと考えるのであれば、自らのコントロール可能な形で原盤を製作する必要がある。つまり、コストもリスクも全て自分が負わなければならない。」


というようなことを書いておられたのを批判した。
「いやなら権利を譲渡しなければいい」
というのはあまりにもひどい言い草だと思ったからだ。

レコード会社がそんなあこぎな商売をする筈がないなんて常識論がここにには見え隠れしているが、この
 報告です。
 過日、ソニーとの間で「和解」が成立しました。/ROCK'N ROLL DIARY

という記事を見てほしい。まさしくここらの話題が現実にも進行している。
現実はそんな妄想世界よりも遥かにひどいということだ。

これの何がひどいかというと、
1)民事契約というのはそれを結んだ時点で想定できなかった新たな権利の派生までは規定できない
2)そうした想定できない新たな派生権利も全て将来的にレコード会社のものになるというような権利の範囲を限定しない契約は公序良俗違反として無効
3)だからweb配信権は100%アーティストのものとしても法律上は問題なさそうなものだが、原盤制作にかかったコストにも配慮してその権利は両者半々とした裁定が出ている
4)にもかかわらずソニーミュージックエンターテインメントはweb配信の生殺与奪の権は全て会社にあるという態度で、これに質問しただけでいきなり内容証明付き郵便を送りつける恫喝的対応をする
5)こうした法律の原則は考慮されたのされなかったのか、結局東京地裁の判決内容は会社側の言い分を追認しただけ
(「電々公社のINSを見れば平成元年当時にも想定できた筈」という論拠にはぶっ飛び!! 私はCAPTAINを間近に見ていたが、これで音楽配信が可能になることは想像できていたろう?なんて後からいわれても「まさか!」としか言いようがない、そういうシロ物だった。正直100年たっても無理かと。法律家の皆さんてやっぱり技術音痴なんだ)

相変わらず音楽産業、関連団体のやることはどこをとってもひど過ぎる。
こんな産業は日本の品格のために一日も早く滅びるべきだと思うが、今日思いついたのはそっちの話ではない。


実は今感染症で39度5分の高熱にうなされている。
さっきまで病院で点滴を受けていた。
その熱にうなされてこんな夢を見た。


ここに一人の男が同じCDを2枚買ってその片方を彼女にプレゼントする。
この男は例えばヒートウェイヴの熱烈なファンなのかもしれない。彼女に自分が好きなアーティストの良さを知ってもらいたいとCDをプレゼントする・・・
はたしてこれは違法か?

こんなことよくあることじゃないだろうか。
男が買ったCDをどこに保管しようが、別に法規上の問題はない筈だ。
それがたまたま彼女の家でもだ。
彼女が封を切ってCDを再生しその音を聴いた瞬間にわずかに違法性のニオイがしないでもない。
でもこれは2枚CDを買っているということで、問題ない筈だ。
消費者がCDを買うという行為は、そのCDに記録されたアーティストのパフォーマンスやジャケットのデザインを買っているのであって、一枚30円程度のポリカの板や、40円程度のアクリルのジュエルケースをあんな高い金出して買っているわけではない。
2枚買ってそのうち一枚をプレゼントしたのだから、「私的利用」の範囲内だと考えられる。
第一取り締まる方法がないだろう。
彼女にCDを渡した時点では何ら違法性はなく、しかも彼女はそのCDを聴かないでそのままゴミ箱に捨てしまうかもしれない。(人生とは往々にしてそういうものだ)
この場合は何ら違法性も成立せず、男の思いは通じないという哀しい事実が残るのみだ。


今度は全く同じ曲のmp3をitunes storeで二つ買う。
別にソニーのmoraでも良いのだが。
これを同じようにひとつ彼女にプレゼントする。
するとどうなるか?
彼女に渡した方は自分のライセンスも解除して自分のパソコンから削除する。
ちゃんとライセンスは二つ買っている。
これは合法か?

これは原本を削除しようがコピーした段階で違法になると思う。
デジタルの記述物を複製した段階でおそらく私的利用の範囲内という解釈は成立しない筈だ。

コピー完了と同時に原本を削除するとか、そういう時系列の問題は全く関係ない筈だ。そのmp3のコピーを受け取った彼女が結局一度も聴かずにそのmp3を削除したとしても(何度も言うが人生というのは往々にしてそういうものだ)、違法であることには全く変わりがない。

この男がソニーミュージックエンターテインメントにバカ正直に「mp3を二つ買って一つは彼女にプレゼントしちゃいました」と電話したら、SMEはやさしく「良かったですね」と言ってくれるだろうか?
いきなり内容証明付き郵便を送りつけてきたりしないだろうか?


ところでこの二つの行為はどこに違いがあるのだろうか?
この二つのシチュエーションの違いはCD板というメディアがあるかないかだけだ。

あえて「盤」と書かずに「CD板」と書いた。
これも繰り返しになるが、物質的にはその違いの対象になっているものは原価30円ほどのポリカーボネートの板とやはり原価40円程度のアクリルのジュエルケースだけだ。
しかも消費者はそのポリカの板が欲しくてCDを買っているわけではない。
(板が欲しいんなら今じゃ秋葉原で原価に近い値段で馬に喰わすほど手に入る)
勿論そこには
「そんな板ッ切れが重要なんじゃない、それをプレスするコスト、ジャケットアートの印刷コスト、運ぶだけでなく在庫を滞留させておく流通コストが重要なのだ」
という反論が当然あるだろう。
でも、だからそんなリスクを少しでも小さくできるネットじゃないかと思うわけだ。


リンク先ではソニーは一曲アップロードするのに8万円かかると言っている。
絶対ウソ
それじゃ能率悪すぎ
しかし、よしんばそれが本当だとしてもCDラベルを新たに印刷し直して再プレス、再発売すると一体いくらかかるのか。
その数百分の一のコストでできるんだから、ビジネスモデルは見えたようなものじゃないだろうか。
ましてこのヒートウェイヴさんなんて
「アップロードのコストを全部そちらでみるなら全曲アップしてやる」
なんて持ちかける手もあった。

その為に裁判も辞さないくらい根性が座っているんだから、そんなコストでも呑んだかもしれないと思う。
それで利益は従来通りの比率でレーベルとアーティストが折半するということにしたら、ソニーにとってものすごくおいしい商売ができたんじゃないだろうか。

なんせリスクゼロだ。
例えば100曲上げて800万円なんて上代上げても、それを売り上げで回収できなくて困るのはヒートウェイヴの方でソニーではない。
ヒートウェイヴが借金抱えて青息吐息になろうが知ったこっちゃない。
でも曲が売れたらちゃんと利益だけは入ってくる。

なぜそうしなかったんだろう?
原盤使用権を守りたい一心で最初から敵対的な裁判という手段に打って出る心理が分からない。
やはりここには触れてはならない何かがあるのだろう。

板とか原盤とかそういうものにはなにか、やはり神聖な意味があって、合理的な理屈とか法解釈とかそういうもので割り切ろうとすると矛盾が必ず出てくるようなところに、収めたがっている人達がこの世には存在するらしい。
ヒートウェイヴさんはその音楽産業の「神聖な領域」に触れてしまったのだろう。
だからあのような不合理な反応を受け、地裁の判決すら民事の原則を全く忘れたような不合理な判決になっている。


いつものようにしめは、
「どうでもよいのである」
「音楽産業はさっさと死滅するべき」
「コピーガードだろうがコピーワンスだろうが何でも好き放題勝手にやってほしいが、iPod課金、最終的にはパソコンやケータイまでターゲットにした補償金の導入だけは絶対に許さない」
「音楽産業が死滅した後の老人達の恩給を払うためにパソコンやケータイにそのコストが載せられるのだけは絶対に承服できない」
という締めを書こうと思ったが、40度近い熱で、本当にどうでも良くなってきた。
確かこれくらいの熱で、脳細胞の死滅が始まるんじゃなかったっけ?
脳細胞の数はいくつ?
140億個?
意外と少ないね。
この調子で毎時数百とか数千とか死滅したら、結構なダメージにならないのかな?
そしたらmuta's mac scribblingもライトな内容に変わっているかもね・・・$*+@?§〓†∀∂♂。



2008 年 3 月 11 日





anchor

ハードディスクを長生きさせる方法/死亡の予兆の見分け方〜は結局都市伝説の一種だった

最近のハードディスクの自己診断機能でハードディスクおなくなりを予想するS.M.A.R.T.について調べていた。
これがどの程度あてになるのか知りたいと思っていたからだ。

それについて単なる思い込みじゃなくってちゃんと調べたケースは無いかなと思っていたら、ちゃんとあった。
Googleによると、ハードディスクは温度や使用頻度に関係なく故障する - GIGAZINE
なんとあの検索サービスのGoogleが自社サービスで使用している膨大な数のハードディスクの死亡例を追跡調査したまさに実戦的なデータだ。

それで、その中身が結構予想外というか、面白い。


『今まで一般的に信じられてきたハードディスクにまつわる常識として、

・温度が高いと故障しやすくなる
・アクセス頻度が高いと多く動くため、故障しやすくなる

というのがありましたが、Googleが10万台以上の民生用ハードディスクドライブを使用した調査を行った結果、温度やアクセス頻度に関係なく故障することが判明したとのこと。

そればかりか、ハードディスク障害の早期発見、あるいは故障の予測を目的として搭載されている「S.M.A.R.T.(スマート)」の値から得られるいつ故障するかどうかの予測もほとんど関係なかったそうです。』

『これらのハードディスク約10万台について、温度とアクセス頻度、それから故障率とを比較して検討してみると、有意な関連性は認められなかったそうです。

ただし、ハードディスクの温度が50度を超えるような環境であれば、故障率は如実に上昇しています。これはハードディスクのメーカーも推奨していない温度なのでさすがに当然か。

また、SMART値から得られる故障予測日数についてはほとんど参考にならなかったが、いくつかの値に注目すると有意な関連性が認められており、特にScan Errorは割と関連が高く、Scan Errorが出てから60日以内に故障する確率は、Scan Errorが出ていない場合の実に39倍。

とはいうものの、Googleで故障してしまったハードディスクの大半は何のSMART値によるエラーも出していなかったそうで。いわゆる突然死ですね。』


とのこと。
詳細はこちらにPDFがある。

Failure Trends in a Large Disk Drive Population

これを見るとScan errorだけが唯一ディスクの死亡を予見できる「予兆」と言えるということで、一般にディスクの死亡の予兆としていわれている「異音がする」というのは「稀にそういうケースもある」という程度のものかもしれない。

温度も「50度以上にならなければ無関係」とのこと
50度というのは「手に持てないくらい熱くなる」これは従来の診断法が有効かもしれない。
逆にいうと「ちょっと熱を持っているのが気になる」という程度はディスクの死亡の原因にならない。

また他のあらゆる条件も故障との相関関係が認められなかった。
よく聞く
「ディスクが満杯になるまでデータを入れるとディスクが故障する」
というのはウソだということだ。

そして何よりも重要なのはディスクの死亡は何の予兆もない突然死が大半だということ。
このS.M.A.R.T.について調べたくなったのも会社で管理運用している外付けハードディスクのうちの一つが突然死をしたからだが、こういうことは日常的にあり得ることだという認識は持っておいた方が良いということだ。
つまり結論からいうと
「ハードディスクは消耗品だ」
ということだ。
常にバックアップを・・・有効な対策はこれしかない。









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