水平二連散弾銃の仕上げを開始〜ずっと滞っていたサイドバイサイドの加工のイメージが固まってきた
(口絵写真:今回手を加えた水平二連とうちの猟犬)
ネットで銃砲店の中古銃の情報を見ていたら古いミロクの水平二連散弾銃の写真を見つけて、「これだ!」と思い立ってまたサイドバイサイドをいじり始めた。
この水平二連については過去記事を参照
華山のMadMaxをそれなりの水平二連の散弾銃に〜ついにサンコイチのショットガンになってすごい元手がかかってる…
ホリゾンタルダブル…いわゆる水平二連散弾銃を手に入れた〜華山とハドソンのニコイチでスラグハンター風にしてみた
上記前のエントリでハドソンの「マッドマックス」ショットガンの木製ストックと華山のロングバレルショットガンと同じく華山のロングバレルの延長バレルだけを組み合わせて、サンコイチでフルサイズの水平二連をでっち上げた話を書いた。
材料費だけで10万円を超えている。
フレームの仕上げをどうしようかなと思っていたらきれいな写真を見つけた。
銃砲店の中古銃の写真で見つけたのがミロクのサイドバイサイド
水平二連なのに26インチのバレル、両引きなのにピストルグリップという最近ではあまり見ない構成
今水平二連のショットガンを販売している会社自体がベレッタなど世界で3社ぐらいしかないそうだ
ミロクももう水平二連は止めたそうなのでこれは今では貴重な銃
この銃が機関部にきれいなケースハードゥンがかかっていた
やあ、これはきれいだ
青身もあって虹色に光っている
実物は多分見る角度によって色目が変わるに違いないのでこれは実物を見てみたい
以前ベルギーのリエージュの銃器製造組合の記事を取り上げた時に
ケースハードゥンの有鶏頭散弾銃の写真を見つけた
ヨーロッパ伝統のフリントロックモデルLiege XVIII
〜欧州の銃器産業の一つのルーツ・リエージュの里
これに近いきれいな仕上げだ
このミロクの両引き水平二連に惚れ込んでしまってこれを再現することにした
例の華山ベースのサンコイチショットガンをバラしてフレームの黒染めを落とした
フレームの黒染めは塗装だった
ラッカーシンナーでかなり落とせたが完全に落とすには
やはり800番の水ペーパーとピカールの力を借りた
今日のところは黒染めを落とすところで時間切れになったのでこのまま組み付けた
これはこれでフレームメッキモデルみたいで格好いい
残念ながらブリーチの中までは手が回らなかった
先台をブルーイング、機関部をケースハードゥンのブルーイング
バレルは継ぎ目を消してサイトを削ってブラックスティールで塗装仕上げする予定
これをバーチウッドでケースハードゥン風にブルーイングしたらどんなイメージかな
なんだかワクワクしてきました…
これで完成形ではなく、バレルが32インチを超えているので30インチか28インチぐらいで切ろうと思っている。
トラップガンをイメージして30インチかスキートガンをイメージして28インチでカットするか今迷っているところ。
水平二連をスキートで使う人はあまりいないので、リアルを追求するなら30インチ、でも見てくれの銃のバランスから言えば28インチかなぁ…という感じで迷っている時が一番楽しいのかな。
ちなみに28インチは711ミリ、30インチは762ミリ、いずれも長いなぁ。
上のミロクの26インチもなかなかいいなと思い始めているけど…
あとはバレルのつなぎ目を埋めて消し、華山のバレルのヘンテコなサイトを削り落としてブルーイング風の塗装をする加工を予定している。
こうなると材料費だけで14〜15万ぐらいになりそうで、加工の工数も計算したら20万円なんかゆうに超えそう。
上記写真のミロクの中古銃の販売価格が20万円なので、こんな酔狂な加工をするぐらいなら猟銃の所持許可を取って実銃を買ったほうが安上がりかもしれない。
今回の参考文献
北晴夫著「クレー射撃」(池田ブックス 昭和44年出版)という非常に古い本だけど
クレー射撃のテクニックがすごく詳細に解説されている40年以上前に買った本
例えばスキートの1番射台から8番射台までそれぞれの照準の考え方を詳しく解説している
しかし最終的に「当たらない時は深追いするな、当たる時はいつもよりたくさん練習しろ」
「そして当たる時の感覚を体で覚えろ」「射撃は無心になった時が一番当たる」
という結論が非常に詳細なテクニックの解説の最後に書いてある面白い本
要するに「曰く言い難し、鋭意自得せよ」という剣術の極意の巻物みたいなことが書いてある
射撃って面白いな…と思った本だった
2020年7月7日
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