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マルゼン・レミントンM1100にカンチレバーサイトマウントを工作
〜前のなっちゃってじゃなく実際の片持ち構造でつくってみる

Slug-Hunter Auto

マルゼン・レミントンM1100にカンチレバーサイトマウントを工作〜前のなっちゃってじゃなく実際の片持ち構造でつくってみる

以前にマルゼンのレミントンM1100の仕上げが全くリアリティがないと感じたので外観カスタム中心にスキートガン風に仕上げたという記事を書いたが、仕上げたものの気軽に撃てない雰囲気になったのでもっとお手軽にスラグバレルでシカやイノシシのハンティングをしている風のカスタマイズがやりたくなってM1100ブラックバージョンを中古で手に入れた。

マルゼンM1100の仕上げの記事についてはこちらのエントリを参照
実銃用のRemington M1100先台を入手…マルゼンのM1100につけてみたがこれは言うは易しでなかなか大変だった…
マルシンのモスバーグM500・猟銃加工の続き・その前にマルゼンM1100最終形に…木ストックウレタン仕上げでスポーツタイプに改修

また
「カンチレバーってなんじゃい?」
という向きにはこちらを参照
APS M870にカンチレバー着けました…ってそもそもカンチレバーってなんじゃい?っと思っていたらよく知っている言葉だった…

長いバレルだとお座敷シューティングではあちこちぶつけて傷が入るし、庭に出て撃ちまくるのも付け替えた実銃用のストックに傷が入りそうで気軽に持ち出せない。

こういうカスタムは部屋の壁にでも飾って眺めて楽しむものなんだろうけど、せっかくのマルゼンのオート散弾銃でメカはリアルじゃないけど調子良くばかすか撃てるので、気軽に撃てるM1100がもう一丁欲しくなった。

それで今度は木ストではなくシンセティックストック風のブラックバージョンに手を入れることにした。





入手したマルゼンのM1100ブラックバージョンのどノーマルな姿
木ストバージョンのコンバットモデルとも猟銃ともつかない中途半端な仕上げと違って
これならちょっと手を入れたらハンティングで実際に使っている風の雰囲気にできそうだ




前回マルシンのモスバーグM500をスラグハンター風にカスタムしたが
これもストックの雰囲気がスラグハンターが使っていそうな雰囲気




さっそくグリップエンドの飾りは以前に実銃のストックから
外したレミントンマーク入りのものに交換した
今回は高級猟銃みたいな飾りはつけないつもりなんだけど
ここだけちょっと本物志向




中古ではあるがコンディションはそれほど悪くない状態のものが手に入った
前はバレルもレシーバーもピカピカに研磨して銃2で塗装したが
今回はスラグハンターらしくマットブラックの仕上げを活かそうと考えた




早速継ぎ目丸わかりのマルゼンオリジナルバレルをアルミパイプで延伸
マルゼンM1100は20インチの雰囲気で延長バレルが
附属していたがそれを外して21インチのバレルに加工した




アルミパイプは22mm径のものを使ったがAPSがぴったり22mmだったのに対して
マルシンは若干細め、マルゼンは若干太めな感じだった
継ぎ目を擦り合わせて太さが合うまで削り込む
今回はほぼ完全に継ぎ目が消えたと思う
バレル延伸作業ももう5挺目となるとさすがに作業も手馴れてくる




以前レミントンの銃口にはクラウンがあると書いたがそれはスキートバレル以上の話で
実銃のスラグバレルは鉄パイプをぶった切ったままのような形状をしているようだ
その雰囲気を再現するために今回は肉厚を薄くする工作だけして面取りは最小限にした




バレルを21インチに延伸してショートマガジンキャップをつけた(左)
それと元のロングマガジンをつけてバレルクランプもつけた(右)
どちらもなかなか捨てがたいな…こうなると問題なのがサイトをどうするか…




マズル周りの雰囲気



ここまでは前にも何度かやっている工作なので手馴れたものだが、前に工作法が思いつかずに断念したレミントンオリジナルのカンチレバーサイトマウントを作れるんじゃないかと思い立ち今回はチャレンジ。

レミントンのオリジナルカンチレバーサイトを再現する上で一番問題になるのは、レミントンのこの力学的にはあり得ないような形状を強度を維持しながらどうやって再現するかという点。

カンチレバーサイト自体が片持ち構造なのでトイガンにつける場合どのデザインも強度が問題になるが、レミントンの場合は特に「これは強度的にどうなの?」というユニークな形状をしている。

実際実銃のレミントンユーザの間では
「レミントンのカンチレバーはゼロインが狂いやすい」
「レミントンのカンチレバーはスコープを載せると折れる」

という評判があり実際にそういう指摘をするブログもいくつか見つけた。

実銃でさえそうなのにABSプラスティックのバレルにどうやってボロッと折れないカンチレバーを作ろうかというのが悩みだった。





これがレミントン純正のカンチレバーサイトマウント
この通り純正のカンチレバーはなかなかカッコいいので再現したくなる




しかしこの純正のカンチレバーサイトマウントは「折れる」という指摘がちょっとググるとたくさん出てくる
もちろん実銃の話なのでエアソフトガンはガスブローバックといったって反動は大したことがない
とはいうもののこの形状はなかなか力学的には無理な形をしていて素人工作ではすぐにボキッといきそう




それで実物の構造を写真を元に分析していたんだけど要はこのレールのベースから
前に伸びた部分が建築でいうところの「通し柱」のようになっているので
ここの強度が確保できればなんとかなるんじゃないかという気がしてきた
実際実銃の純正はここが強度不足で「折れる」「ヒビが入る」
「ゼロインが狂う」という悪評が集中する原因になっているようだ




あと心配なのはバレルの取り付け基部を内側から補強すると
マルゼンの場合アウターバレル根元の内側にはバレル固定の補強が入っているので
これとぶつからないかという点だったがこうしてみると実銃純正カンチレバーは
意外に前寄りに固定されているのでなんとかなるんじゃないかという見通しが立った




実銃写真を線画加工してこれを図面に見立てて形状を合わせ込んでいく
底面をフラットに削った20mmレールに15mm幅4mm厚のアルミ平材を接着して
これを「通し柱」にしてマウントの大体の形を作る




4mm厚平材をもう一枚前部の底に貼り付けてさらにバレルのRに合わせるために2mmABS板を貼って底を丸く削る
前面のスロープを削ってさらに「通し柱」の前半の上面、レール下の下面も純正は薄く削られているので
そう見えるようにエッジが薄くなる面取りをした




この通し柱の前部上面とレール下の下面は本当はフラットなのだが
本当に平らに削ってしまうと強度不足になりそうな気がしたのでわからない程度にRをつけた
レールは「通し柱」にM3の5mmビスでがっちり固定し一番前は底面まで届く10mmビスで固定した




レール部分の裏側はこんな感じ
本当はこの底面は完全に平らなはずだが強度優先で丸く削っている




バレルに固定するためのビス穴を開けてM4のバイスでネジ山を切る
このビスでバレルにカンチレバーを固定する目論見なので
この前半の底面の全長は実物はもっと短いのだがそこは強度優先でデフォルメしている




ゼリータイプの瞬間接着剤で仮止めしたカンチレバー
まずはサイトが斜めにならないように位置決めする意味で接着剤で仮固定




こんな雰囲気




後ろ姿はこんな感じ
細かいことをいえば前部上面にRがついてるとかバレルの接地面の
前後長が長いとか実物との違いはあるんだけど雰囲気は出てるんじゃないかな




バレルにもネジ穴を開けてネジ山を切る




M4平皿ネジ12mm2本でがっちり固定
ここはマイナスネジか6角レンチタイプを使いたかったが
このサイズに合うサラネジはプラスネジしかない…
マイナスが欲しければ特注しろという感じなのでここは妥協した




さらにこのビスにアウターバレルの内側からナットを打ってしっかり固定した
これで多少振り回しても折れないぐらいの強度が確保できたと思う




概ね完成したカンチレバー
あとは形状を整えて表面の細かい仕上げと研磨をかけたら塗装という流れ




底面はこの通り結構分厚いのだができるだけ厚さがわからないようにエッジを削り込む



ここまでの工作はちょっと前までは私の手に余る感じだったが、リュータなどの工具の扱いにも慣れてきて、アルミ材の加工の経験も積んでみたらもっといろんなことができるんじゃないかという視界がひらけてきた。

レミントンのカンチレバーは1年前だと完全に諦めの対象だったが、工具を揃えて経験を積んだらなんでもできる気がしてきた。

細かい整形がまだ必要だが大体目論見通りに工作できて、強度も十分だし本体に装着して普通に動作するのも確認したのであとは仕上げに進む。



2023年2月8日
















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