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2007 年 3 月 23 日





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FFView
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

先日来、各所で「インストールしていないと困る10のアプリ」という企画が連鎖していて、皆さんの厳選の10アプリを見ていると人によって随分組み合わせが違うものだなとも思うし、もう一点つくづく思うのは他の人がベストテンに選びたいくらい惚れ込んでいるアプリなのに私のところでは取り上げたことがないというものもまだ結構多いなということだ。
Macの手書き説明書の「僕がインストールしておかないと困る10のアプリ」というページでこのイメージビュアがベストテンリストにあげられている。

ヴェアダルさんはかなり惚れ込んでいてFFViewの単独のエントリも立てておられる。

それで私のところでも早速試してみたのだが、「千単位の画像データでも素早くリストを取得して画像を軽快に表示する」という評価には「なるほど」とうなずいてしまった。

何年前のことだったかWindowsで今しがたデジカメで撮影した写真をすぐに取り込んですぐにそれをスライドショーで見せるということをやっている人を見て、WindowsではああいうことができるのにMacではなぜそれができないのかと不満を感じていたことがあった。当時はOS9を使っていた。

OS9にもすぐにデジカメを取り込んだりということはできたし、セレクタで写真を選択したりということはできたがスライドショーを軽快に表示できるできるピクチャービュアーというのはなかったように思う。
だからOSX移行後もしばらくはピクチャービュアーを物色していた時期があった。
OSXに移行後は良いピクチャービュアーはいくつもあったので、ある程度満足したわけだがさすがに千単位のjpegとなると読み込みに相当時間がかかってしまうし、落ちてしまうものもあった。

このFFViewはそこいらが解決された軽快なピクチャービュアーということになる。ディレクトリでピクチャーのありかをフォルダ単位で指定して読み込むことができるのも合理的だ。

さらに良いのは部分的に拡大表示することもできる。
勿論スライドショーも可能だ。
EXIFデータを表示することもできるしドックアイコンに読み込んだピクチャーの数も表示できる。 アイコンデータを持たないピクチャーにアイコンを埋め込むこともできる。 ビュアーとして一押しされるのもよくわかる。
何よりも「千単位でwebから拾ってきた画像を溜め込んでいる人に奨められる」というのがぴったり私に当てはまるので、これから愛用させてもらうと思う。






FFViewの画像取得のテーブルはこの通りディレクトリ表示になっている
大量にピクチャーを見たい時には良い
これはサムネイル表示





またこのような読み込んだ画像をサムネイルではなくリストで表示することもできる
こちらはもっと軽快だ





画像を選択すればすぐに表示ウインドウがこの通り開く
そのウインドウの大きさも自由自在だ





細かいところをよく見たい時にはこのようにルーペ機能もある





そしてピクチャービュアーにはゼヒモノのフルスクリーン表示のスライドショー機能も完備
ピクチャービュアーとして持っているべき機能は一通り持っていてしかも軽快





縦長の画像を見開きで2枚見せることもできる
その時に番号の若い方を右に持ってくるか左に持ってくるかという設定もできる
つまり西洋コミックスや日本漫画のビュアーとしても使える






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Computer Glasses
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

私ももういい歳だ。
精神年齢はいつまでも20代だが、体はそうはいかない。
四十肩にぎっくり腰、歯もガタが来ているしなによりも元々近眼だった眼が最近では近いものが見えづらくなってきている。
だからiPodの小さい液晶なんかなんとかしてもらいたいと思っている。あの倍の大きさになってもかまわないから表示にはもっと大きなフォントを使って欲しい。iPodを操作する時にいちいちメガネをずりあげて操作しないといけないのが辛い。

パソコンのディスプレイも同じで、もういい加減この小さなアイコンに小さな文字はなんとかしてもらいたいと思うのだ。Macの場合はまだ良いがWndowsで小さなアイコンを操作してwebブラウザでブログの小さな文字を読まされる環境なんてのは、高齢化社会について何ら配慮されていないことを感じさせる。


というような年寄りの愚痴はどうでも良いのだが、それでもiBookのモニタの文字を見ていると小さな文字にイライラさせられることは無いわけではない。
また老眼でなくてもグラフィックなどを部分的によく見てみたということもあるだろう。
そういう時に物理的にルーペを持ってきて画面を拡大するよりもスマートな方法がある。

このアプリは丸ないしは四角の拡大領域を選択して、拡大したいところにその輪っかを重ねるだけだ。
拡大すると画像データの場合は元データの密度にもよるが、元データが高質なら詳しいところまで見ることができる。
また文字はアンチエイリアスがかかった文字ならかなり見やすくなる。
アンチエイリアスがかかっていない場合はちょっと微妙だが。

これは私にはありがたいアプリだ。






Computer Glassesを起動するとこういう丸が現れる
「見たいところに私をドラッグせよ」と書いてある





そのとおりにするとこのとおり
小さくて見づらかった画像も拡大してみることができる
使用感はルーペそのもの





細かいごちゃごちゃした文字もこの通り
これでもうイナバウアーみたいにのけぞりながらモニターを見なくても大丈夫だ






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「タミフル薬害事件」は実は「タミフル報道被害事件」と改名しないといけないのではないか?

昨日来、また次男がインフルエンザの高熱で熱性痙攣を起こして救急搬送されてしまった。
ワンシーズンに二回ははじめての経験だが、毎回生きた心地がしない思いをさせられる。
幸い経過は今回も順調で、特に別状はない。

ただこういうタイミングで飛び込んできた、
「厚生省がインフルエンザ治療薬の『タミフル』を10代には処方しないように指導」
というニュースには激しい憤りを感じてしまった。
あまり馴染みがない方のためにニュースの概要を解説する。

タミフルはインフルエンザの特効薬として世界の数十カ国で承認され非常に高い効果を挙げている薬である。
インフルエンザは単なる風邪とはその原因になるウイルスの形態も病気の症状も被害も全く異なる、要するに全く別の病気なのだがいまだに「きつい風邪」という理解のされ方をしている。
しかし世界で数百万人の死者を出した「スペイン風邪」のケースのように、インフルエンザは「死ぬ病気」であり、特に幼児や高齢者には非常にリスクの高い感染症である。

その「死ぬ病気」であるインフルエンザは、死なない場合でも40°以上の高熱が通常は数日ないし一週間続くために患者の体力を急激に奪ってしまい、特に脱水症状により併発症を多く引き起こす厄介な病気で、これが原因で結核や肺炎、脳炎などを起こして死に至るケースも少なくない。
ちなみに我が次男も熱性痙攣の持病を持っているため、インフルエンザのハイリスクグループに入る。

だからこのインフルエンザの特効薬として登場したタミフルはこういうハイリスクグループの幼児や高齢者を家族に持つ人たちにとってまさに福音というべき新薬だった。

ところが先日来の「タミフルの副作用で少年がマンションから飛び降りて死亡した」という一連の報道で、その家族が「タミフル被害者の会」まで結成して
「危険な製剤タミフルの使用を禁止せよ」
と厚生労働省に強くねじ込んでいた。
特にテレビを中心に「タミフル薬害報道」はエスカレートし、先日の輸入元の中外製薬が厚生労働省の薬事審査会の医師に「奨学金」という名目で寄付金を渡していたことが判明するとそれこそ鬼の首を取ったように
「厚生労働省と医師と製薬会社はグルになって金儲けのために危険なクスリを国民に与え続け、その犠牲になっていたいけな少年が死亡し家族はこの陰謀の犠牲になっている」
というトーンの報道がエスカレートした。
(この奨学金制度自体は確かにあまり褒められたシステムではない。違法ではないが横田医師も「オレはそんなケチな人間じゃない」なんて開き直り方はしない方が良い。そんなに立派な行為でもないからだ)

厚生労働省は「薬と飛び降り事故の因果関係は不明」としていたがついにこの報道とハードクレーマーになってきた「被害者家族の会」の主張に根負けして、
先日未明に異例の緊急記者会見を開いて
「10歳位以上19歳以下の少年に関してはこのクスリを処方しないよう注意を喚起する」
という発表をした。

ここで注意をしたいのは、厚生労働省が「注意を喚起する」という指導は「事実上の禁止」であり医療現場はこの勧告に逆らってタミフルを処方することは一切できない。
例え患者本人と家族の強い希望があったとしても、医師はその希望を聞くことはできない。
なぜなら医療は全て認可事業であり、医師がもし勧告に逆らって薬を処方し何か問題が起きたらそれは全て
「医師らの不適切な行為によって引き起こされた未必の故意の事案であり、単なる過失とは言えない」
と判断されて最悪は医師免許剥奪、医療法人の認可取り消しという場合もあり得る。だから例え「勧告」であっても医師にとっては「事実上の禁止」であり、どんなに患者家族から懇願されても「勧告」された薬を処方することはできないのだ。


報道は鬼の首を取ったようにエスカレートし
「国の対応は遅い」
とか
「10代だけが禁止されているが、すべてのタミフル使用を禁止すべきだ」
とまで言い始め
「国民の命を軽視する行政の意識をいい加減切り替えてもらいたいものだ」
などと完全に自分たちが十字軍にでもなったような気になって好き放題なことを言っている。

ところが今朝になって急に風向きが変わり始めている。
これまでタミフルの副作用として十数件の少年の飛び降り事故が報告され「タミフルは危険な薬」と決めつける根拠になっていたのだが、今朝になって
「タミフルを使用していないにも係わらず飛び降りをしたケースがある」
ということが判明してきた。
これはこれから慎重に検証されないといけないのだが、「飛び降り=タミフル服用」というふうに単純に決めつけてきたマスコミとそのマスコミに踊らされてきた「被害者家族の会」は重大な事実誤認をしていたんじゃないかという疑問が提示されている。

厚生労働省は最初から
「インフルエンザは42°近い高熱が数日続くことがあり、非常に不快な幻覚や幻聴等の症状が現れる可能性が高い。飛び降りはこの幻覚などが原因の可能性がある」
として、タミフルと飛び降りの因果関係を直線的に結びつけたがる議論に疑問を呈してきた。

今回のタミフルに関しては厚生労働省の見解は正しかった可能性がある。

実際タミフルは世界数十カ国で使用されているが、このような薬害騒ぎが起きているのは世界で日本だけだ。
ここが血友病の血液製剤薬害事件の時なんかとは決定的に違う。
(注:もちろんタミフル服用後の異常行動については海外でも報告がある。しかしその件数は日本だけが異常に多い。つまりタミフル薬害の主張をそのまま信じるなら、この薬は日本人にだけは体質的に合わないということの証明も必要になる。世界中で日本人だけには合わない薬なんていうのは合理的な考え方だろうか?)

この間数日間にタミフルを処方されなかったために重篤になってしまった患者が全国に一人もいないのだろうか。もしタミフル薬害はシロという結論が出たら、今回の一連の騒ぎは薬害事件ではなく「報道被害事件」だということになる。
このことに対してマスコミは、特にテレビの報道スタッフは患者家族になんといってお詫びをするのだろうか、もうその準備をしはじめた方が良いと思う。

報道という現場は意外に長年の経験が重視されない職場だ。
マスコミは過去に何度も誤報事件を起こし、報道被害を引き起こしてきた。テレ朝の「埼玉ダイオキシン茶」事件なんてのも完全な報道スタッフの事実誤認による誤報事件であり、こういう学ぶべきケースは過去に幾度もあったはずだ。
しかし今回のように
「タミフルのせいで息子は死んだ」
という信念を持った遺族がいて、タミフル服用後飛び降りたケースが他にもあるという状況証拠があれば、簡単に発熱してしまい、
「行政の怠慢、製薬会社、医師、厚生労働省の癒着した巨悪」
というふうに単純に決めつけてしまうマスコミ正義病が発病してしまう。
この職場はいつまでたっても幼いのだ。
マスコミ人こそ今すぐタミフルを服用してこの高熱をさました方が良い。
私自身も同業として自戒したい話だ。



2007 年 3 月 27 日





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MarioSaver
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

QuartzComposerスクリーンセーバ。

スクリーン中央からマリオが飛び出してくる。それだけのセーバだけどNintendoは海外ではファンが多いんだろうということを伺わせるセーバだ。






MarioSaverはマリオがエラい勢いで飛び出してくるセーバ






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Sam's Analogue Clock
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

J.S. MachさんのAnalogue Clockのエントリで知ったQuartsComposerファイル。
QuartsComposerファイルだからセーバ用というわけでもないのだが、スクリーンセーバとして使うとなかなか気が利いた時計セーバになる。

機械式時計のムーブメントを思わせるような歯車の動きを見ているだけでも面白いし、実用の時計としても使える。GSTに対して何時間時差を使えるかという設定ができるので、世界中の現地時間を表示できる。
このQuartzComposerは単なるグラフィックのアプリではなく、こうしたアプリケーション的な機能を付加して表示することができることを割と最近知った。これを使えばこれだけでアプリのようなものを作れてしまう。
さしあたりこれが時計アプリということになる。






Sam's Analogue ClockはQuartzの美しい時計のビジュアル
スクリーンセーバとして使えば設定でGST時差も設定できて実用的な時計になる






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phishingサイトの被害に遭わない対策 ~といっても気にしている人は少ないかもなぁ

産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センターの安全なWebサイト利用の鉄則というページを見つけた。
一頃フィッシング詐欺が話題になって、そういう被害とその対応策がいろんなところに解説されていたりしたのだが、大抵は
「運営者の身元が分からない怪しいサイトに個人情報を入力しないように注意しましょう」
みたいな役に立たない解説が多かったような気がする。
しかし「運営者の身元」が怪しいと思わないから引っかかるんじゃないか、失敗した人に「失敗しないようにしましょう」なんていうアドバイスがなんに役に立つんだろうかと思わされることが実に多かった。

このサイトに書かれていることでも一番重要なところは
1)アドレスバーでURLをみてドメインが間違いなくその運営者のものか確認する
2)SSLを使っているページか確認し、南京錠アイコンをクリックしてSSL認証者が書かれた「サーバ証明書」が間違いなくその運営者のものか確認する

という2点だと思う。

ところが実際にはほとんどの人はそういうところはあまり気にしていないのに
「ネットでカード番号を打つと悪用されそうなので怖い」
というような過剰な反応をしている人は結構多い。
注意していれば便利に使えるものなのに、妙な自己規制でこの便利さを棄てているか、不注意で自分自身をリスクにさらしているかの両極端でやるべきことをやって安全に使いこなすというバランスが欠けている人を良く見かけるし、専門誌の解説記事でもそういう類いの内容が多いように思う。

ひところInternetExplorerはURLを偽装されるという重大な欠陥が有ったのだが、しかもそれが長期間マイクロソフトからは放置されており、ユーザをフィッシングの危険にさらしていた。
その後この欠陥が解消されたのかどうかよく知らないのだが、この放置された理由がWindowsアップデートなどのミラーに飛ばされているという不快感を感じなくてすむようにどこに接続してもシアトル本社に接続しているように見せるためだという噂を聞いて、噂の域を出ないのだけどもしこれが真実ならばそんなくだらない理由のためにユーザを危険にさらすというのが信じられないと思った。
この話はガセかもしれないけど、そういう理由でもないとこの欠陥を長期にわたって放置していた理由がわからないので、一概にガセとも言い切れない。

このリスクはWindows版InternetExplorerだけでなくMac版InternetExplorerでも共通の問題が有ったはずだから注意した方が良い。
私自身はもうかなり長いことInternetExplorerを起動していないので詳しいことは知らないのだが。
(このサイトの「よくある質問と答え」のページの「この鉄則が守られれば絶対安全か?」というFAQに対する答えとして「webブラウザに脆弱性が有る場合」、そうともいえないケースが挙げられている)

それはともかくフィッシングの対策はこのリンク先のサイトに書いてあるように実はそんなに難しいわけではない。
これらのことが実行されればフィッシングに引っかかる可能性は極めて低くなると思う。
みておいて損は無いと思う。







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Macの分解手順解説サイト

先日こちらでもiBookG3DualUSBを分解修理したと書いた。
その結果G3は快調に動いているわけだが、「治りました」とかいう記事を書いた割には「どうやって直したのか」という解説はごく一部分しか書いていなくて消化不良な記事になっていたわけだ。

それというのも分解手順をバラしながらちゃんと写真に撮れば良かったのだけど
「治るかどうかもわからないのにそんなことしていられるか。」
という私の心の余裕のなさのためにビジュアルが一切なく、視覚的な解説ができないためにプロセスを書くことをあきらめていた。
しかしそんなことじゃいかんなぁ、トラブルはもっと楽しまなくちゃ。
トラブルが何も起こらなくなったらこのサイトは本当に退屈なサイトになってしまうんだから。

と思っていたら、同じようにiBookバラシで苦しめられているMac日記の日々さんで面白いサイトが紹介されていた。
「Fixit Guide Series - DIY Mac & iPod Repair」というサイト。
これはすばらしい。
機種ごとに分解法を解説したサイトはパラパラ有ったが、こちらはMacのモバイルやiPodのかなりの機種を押さえているし、記事が正確だと思う。
また単に分解の手順を図入りで解説しただけでなく、分解したビスのリストを寸法別に表示してくれているのがすばらしい。
一度でもバラシをやったことがある人なら分かると思うが、特にモバイルの場合は紛らわしい微妙に径やトルクが違うネジが使われていて、間違えないように紙にリストを書いてネジを並べていても途中で混乱することは必ずある。
実はこの間のバラシでも行き場が不明なネジが2本残ってしまった。

残念なのは英語のサイトであるということと、デスクトップ機の分解法は殆ど載っていないことくらいか。デスクトップ機でもPowerMac機などは側まで引っ剥がすような完全分解でもしない限り、通常のディスクやボードを差し替えるくらいの分解なら殆ど悩む必要はないと思うが、iMacのような機種はやはり分解にはそれなりに手順が必要になってくる。
いずれはそういう機種の記事もこれから増えるということなのかもしれない。

もしもサポートに出さずに自分で分解修理をやってみたいという人は参考にしてみて欲しい。
ただし何度も繰り返すが、ここに書かれているのはほとんどがAppleのサポート外の分解で、これをやった瞬間に完動品だろうが「スクラップ」と看做されサポートはされないということは知っておいたほうがいい。あくまで自己責任でチャレンジして欲しい。
当然失敗したら私も助けてあげることはできない。
だから「失敗しても悔いはない」というシチュエーションにならないとなかなかおいそれとはチャレンジできないだろう。

しかし、そういうリスクもある失敗したらサポート外の分解だがそれでもチャレンジする価値があるのは修理費を安く上げるということもあるが、それ以上にこういうものの仕組みをソフトウエア的にもハードウエア的にも知っていれば、正しい扱いも可能になると思うからだ。

一度バラシを体験して中身の仕組みをよく知っていれば、バラシで修理には失敗したとしても中身の構造は分かるから「どういう扱いをすると故障に繋がるか」という勘所は分かってくると思う。
そうすればハードウエアの扱い方も丁寧になって結局は物理的な故障を未然に防ぐことにつながる。
ブラックボックスのままで放置していると使っていても非常に不安感が強いが、中身を知っていればどこまでは大丈夫ということも知ることになるから不安感は大いに違う。
チャンスがあればチャレンジしてみて欲しい。






こちらのサイトではiBook、PowerBook、MacBook、MacBookPro等
の詳しい分解法が写真入り、ビスのリスト付きで公開されている
特にモバイルは世代ごとに分解法が大きく変わっているので
ここで手順を良く確認してから作業に掛かった方が良い


2007 年 3 月 28 日





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コンテクストメニューは簡単な方法でその表示の順番を変更することができる

「鳥獣保護区」さんのFinder のコンテキストメニューの並び替えというエントリで知ったTips。

「鳥獣保護区」さんのところではOnMyCommandCMというコンテクストメニュープラグインのコマンドやTipsなんかも解説していたりしている。
このコンテクストメニュープラグインは私も便利に使わせていただいている。

ところでこのエントリによるとコンテクストメニューの表示の順番は変更が可能だという。
最近はコンテクストメニュープラグインもたくさん入れ過ぎて、右クリックをすると下の方にスクロールしないと目当てのコマンドが見えてこないために不便を感じていた。
要するに滅多に使わないものを整理してしまえば良いのだが、滅多に使わなくてもたまに使うというものはなかなか棄てられない。

それで頻繁に使うメニューはできるだけ上に表示したいと思っていたのだが、システム環境設定ペインなんかを見てもコンテクストメニューの順番を変更できるような設定項目は見当たらない。
こういうものなのかと諦めていたのだが、なんとこのサイトによるとこの順番は変更可能でしかもその方法は非常に簡単だ。
詳細はリンク先のサイトを参照していただきたいが、ここで簡単に説明しておく。


コンテクストメニューは通常
"~/Library/Contextual Menu Items/"
"/Library/Contextual Menu Items/"

にインストールされる。
このふたつの違いは上はカレントユーザだけに有効なコンテクストメニュー、下はrootも含む全てのユーザに有効なコンテクストメニューということになる。

そのフォルダの中身をカラム表示にしてその順番を、コンテクストメニューの順番と比べてみれば分かるのだがコンテクストメニューの表示の順番は

1)Finder PopFruitmenuなどのシステム環境設定ペイン由来のもの
2)"/System/Library/Contextual Menu Items/"にインストールされているシステムバンドルのコンテクストメニュー
3)"~/Library/Contextual Menu Items/"にインストールされているカレントユーザのコンテクストメニュー
4)"/Library/Contextual Menu Items/"にインストールされているオールユーザのコンテクストメニュー


という順番にグループ分けして表示され、それぞれ文字コードの昇順、つまり0~9、A~Zというようなアルファベティカルな順番に並ぶ。

ということは頻繁に使うコンテクストメニューをできるだけ上に表示したいという時には、この順番が上がるように変更してやれば良いわけだ。
つまり
1)"/Library/Contextual Menu Items/"にインストールされているオールユーザのコンテクストメニューは、"~/Library/Contextual Menu Items/"のカレントユーザのコンテクストメニューに移してやる。
2)昇順の1番に持ってきたいものはコンテクストメニュープラグインの本体の名前を「1~」に変更してやれば良い
同じく2番に持ってきたいものは「2~」としてやればその次に並ぶ。


この方法で、コンテクストメニューは一番下だったものが少なくとも真ん中よりは上の方に表示されるようになる。頻繁に使うものは表示順を上げてやれば便利になる。

この方法の問題点は複数のアカウントを作っている時に、カレントユーザのフォルダに移したコンテクストメニューは他のユーザが使えなくなることだが、コンテクストメニュープラグインなんてどれもサイズはしれているから、アカウントの数だけコピーして皆のホームフォルダにインストールしてあげよう。
それでも大してディスク容量を圧迫しないはずだ。

もっと欲が出てくると、一番使うコンテクストメニューは一番上に表示したくなるのだが、
"/System/Library/Contextual Menu Items/"
のシステムバンドルのコンテクストメニューのフォルダにインストールすることはあまりお奨めしない。場合によっていはうまくいくケースもあるとは思うが、このシステムフォルダの中は基本的には触らないということを心がけておいた方が良い。特によく分からないならここは触らないのが正解だ。

とにかくこういう方法で右クリックのメニューの順番を入れ替えられる。これは長年何とかならないかと思ってきたことなので、結構うれしい。






コンテクストメニューの表示は本体プラグンの名前の昇順に表示される
カラム表示で見てみればコンテクストメニューの順番と一致していることに気がつくはずだ





そこで一番上に表示したいコンテクストメニュープラグインには頭に1という数字を付け足してみる
以下2、3、4・・・A、B、C、D、E、F・・・・という感じで頭に一文字足すと並べ替えができる
またライブラリフォルダの中からホームフォルダの「コンテクストメニューアイテム」に本体を移せば
それもコンテクストメニューの上の方に表示されるようになる





これをやると一番下に表示されていた「リソースフォークを削除」メニューや
QuickImageの「イメージを表示」などが比較的上に表示されるようになった
おかげでこれらのコマンドが非常に使いやすくなった


2007 年 3 月 29 日





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Sepialise Me
(Freeware, Automator Action)
OS10.4Tiger対応

エックスオスクさんのSepialise Me(画像をセピア色に)というエントリで知ったアプリというかAutomatorアクション。

アクションの本体アイコンに加工したいjpegなどの写真をドロップするとピクチャフォルダに
◯◯_sepia.jpg
というファイル名でセピア色に変換されたファイルが生成される。
それだけの単機能だし、セピアの色温度や深さを調整できるわけではないが、セピア色の写真を作るのにもっともお手軽な方法ではある。






Sepialise Meはセピア色の写真を作るもっともお手軽な方法だ
こういう普通のjpeg写真を本体にドロップすると・・・





こんな感じになる
セピア色の写真に郷愁を感じるのはなぜだろう
jpegは何千年待ってもセピア色にはならないという喪失感からだろうか
(ホンマか?)






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Safariを高速化するTips(ファビコンキャッシュ削除)

どこかのサイトで「ディスク容量を節約する10の方法」という海外記事を見ていて知ったTips。 どこだったか思い出せないのだが。

といっても最近はブックマークサイトやタグに補足されたいために
「◯◯を最適化する10の方法」「WindowsからSwitchした人なら入れたい10のアプリ」
だとかやたらリストにするタイトルの記事が多くなってきて、これも一種のSEOなのかもしれないが、そういうのが粗製濫造されている感がなくもない。
中には確かに厳選された10のリストだと感心する記事もあるが、最近はこういうタイトルに惹かれて読んでみると
「これがベスト10かよ? しょぼいなぁ」
と裏切られるような記事もそろそろ増えてきた。
近日中に「◯◯ベスト10」式のタイトルは飽きられて誰にも見向きもされなくなってくるような気がする。

このTipsも実は「ディスク容量を節約する10の方法」というタイトルで見たのだが注釈に
Safariも高速化するかも」
と書いてあった。
要はファビコンのキャッシュを削除するという方法だ。
ファビコンとはURL窓の一番左に表示される小さなアイコンのことで、これを表示するのにSafariなどのブラウザはファビコンキャッシュを生成する。
そんなファビコンのキャッシュ程度でディスク容量が節約できるだろうかと思ったが、ブラウザキャッシュはこまめに削除してきたが、ファビコンは多分システムインストール以来やっていないので、ひょっとしたら効果があるかもしれないと思ってやってみた。

しかし結論からいうと節約できたスペースは10MB程度でおよそ一年積もり積もったキャッシュという割にはしれた量でしかなかった。
「塵も積もれば山となる」
という程度の効果だ。
しかしもうひとつの
Safariを高速化できるかも」
という方は劇的な効果があった。

最近Safariの表示動作が遅くなってきているような気がしていた。その度にキャッシュの削除をしたりRMACを起動してMTUを再設定してもあまり変化がない。
ところが今回のファビコンキャッシュで明らかに体感的に表示が速くなった。
そのうちこれはベンチマークを取ってみないといけないだろう。

ところで方法は実に簡単だ。
そういうためのユーティリティもいくつかあるが、
"~/Library/Safari/Icons/"
の中身を削除してSafariを再起動するだけだ。






ディスク容量が節約できるという記事を見て早速Safariのファビコンキャッシュを削除
方法は"~/Library/Safari/Icons/"の中身を前削除してSafariを再起動するだけだ





残念ながら一年間の積もり積もったキャッシュサイズはたったの10MBだった
しかしSafariの動作は劇的に速くなった
これは定期メンテナンスのメニューに入れるべきだと思った






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立花隆のチョンボに学ぶ~話を分かりやすくしようと思って例を引くと思わぬ失敗をすることがある

「ひろ式めもちょう」さんのいくらコンピュータでも足し算の繰り返しでかけ算の計算なんかしませんというエントリを見て思ったこと。

教育論議に関してはいろんな人がいろんなことを言う。いろんな例を引いていろんなことを言う。
こういう教育というような目に見えない分かりにくいもの、だからどうあるべきかも抽象的になってしまうものについて論じる時には、話を分かりやすくするためについ具体的な例を引きたくなる。
そうすることで話が分かりやすくなって説得力が補強されるような気がする。
しかしこういうときにコンピュータのことを深く知っているわけではない文科系は、往々にしてこういう失敗をする。

立花隆はハイテク関係に造詣が深いジャーナリストということになっている。(根強い批判はあるが)
しかも90年代にはもうそういうポジションにいた。
間違いも多いが、しかし一般人には分かりにくい先端科学で今何が起こっているかという問題を分かりやすく解説してくれた最初の人だという功績は評価されていいと思う。
少なくとも理工系の権威たちはそういう努力をそれまで極端に怠ってきたからだ。

だけどもそういう人でも
「コンピュータはかけ算すら足し算の繰り返しとして計算する。そういう数学の基礎中の基礎をちゃんと理解しているかどうかが最も重要なのだ」
と筆が滑って書いてしまう。
誰かからそういう動作原理を聞いたのかもしれないし、本で読んだのかもしれない。

しかし、実際にコードを書いている人から見たら
「おまえ、ちょっとZ80でかけ算するコード書いてこいと。小一時間問い詰めたい。

ぼくがザイログニーモニック書いてたのは小学生のころだが、それでも単純にかけ算を足し算の繰り返しでコーディングしたら激遅なのはすぐわかった。」

という突っ込みが入ってしまうような、「いつの時代の話をしてるんだ?」という話になってしまう。

これは知らないことについてあまり「知ったか」なことを書くとこういう失敗をしますよという教訓なわけだが、もうひとつコンピュータの命令セットと教育改革は本来全然無関係な話題なのにそれを無理に例を引いてきて
「だから教育には基礎が大事なのだ」
などという結論に強引に持ち込もうとした点の方がもっと問題だと思う。

「だから愚直なコンピュータ技術者を育てるためにも教育は基礎を徹底的に叩き込むべきなのだ」
というのもその根拠が「コンピュータ技術者もちゃんと足し算ができるように仕込んどけ」という意味だったら人をバカにしているにもほどがある。
なんだかコンピュータのコーディングという技術の話をしていながら、実際は儒教精神のようなものを語っているような変なちぐはぐ感がある。

これは朝日ジャーナリズムによくある傾向だ。
何か具体的なものについて話しているように見えて、実際はその現象の動作原理などというものはどうでも良くて、そこから学ぶべき人間の精神の話に強引に落とし込むというスタイルだ。
儒教だろうが基督教だろうが、イスラム教だろうがコンピュータの動作原理は一緒だ。
だから儒教精神を深く学んでいようがいなかろうが、コンピュータは適切なコードを書けばちゃんと動く。
やはり本来釣り合わない無関係なものを無理矢理結びつけて論じようとした失敗が、こういう変な議論になってしまったと見える。

立花隆という人はもともとが筆力がある人だから、こういう豪腕の人は時に自分の腕力を過信してこういう不合理な投球をしてしまう。
しかしこの立花隆の教育論はコンピュータに関してはシロウトな私が見ても
「変な理屈!?」
と思ってしまう。
立花氏にはあまりこういう腕力を過信した手投げをやっていると、そのうち肩や肘を痛めてピッチャーとしては使い物にならなくなりますよとアドバイス差し上げたい。

と同時に具体的な例を引いて物を書く時には、注意が必要だという教訓も感じる。
私も気をつけることにしよう。



2007 年 3 月 30 日





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「小野和俊のブログ」の「Mac は確かにすばらしいが Windows はそれ以上にすばらしい」というエントリをハケーン。

「Windowsでは◯◯ができたのに◯◯はMacではやりにくい」

とか言っている奴は四の五の言ってないで素直にWindows使ってろよ。
今じゃWindowsVistaなんていう「美しい」インターフェイスを持ったWindowsだって手に入るんだぜ。







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iDefrag
(Products)
OS10.4Tiger対応

パソコンが不調になる原因として、古典的なトラブルシューティングでは「フラグメンテーション」ということをよくいった。

フラグメンテーションというのはファイルの分断化のことだ。
ディレクトリ上ではファイルはひと続きのデータのように見えているが、実際には内蔵ハードディスクのトラック上ではあちこちにバラバラに記録されている。こういうフラグメンテーションがどういう理由でできるのかこちらの「ディレクトリ」という項目で詳しく解説したが、元々順番通りにサイズに合ったスペースに記録されていたファイルが加筆されたりすることで、元のスペースに納まらなくなり、順番が逆になったり、ひとつのファイルが2カ所以上の場所に分けて記録されるということが起きる。

昔のテープアーカイブやフロッピーの時代にはこのバラバラになったデータをひとまとめにして再記録し直す「トランケート」という動作が頻繁に行われていたケースもあったが、今のディスクのアクセスのスピードと扱うファイルが巨大になってきたこともあって、今ではほぼ自動的にトランケートを実行するようなシステムは運用されていない。

つまり一度分断されて記録されたファイルは分断されたまま放置されるという。
こうしてバラバラに分散されて記録されている状態を「フラグメンテーション」と呼ぶ。
この「分断化」が起きやすい条件は、大きなファイルが頻繁に書き込まれたり削除されたりして、ボリュームの空き容量が10%を切るようなことが頻繁に起きる場合だ。
大容量のファイルの頻繁な書き込みと削除というと代表的なのが仮想メモリ領域だ。

そこでUNIXでは仮想メモリ領域であるSwapfileを起動ボリュームに置かないという原則で運用されている。
それで起動ボリュームにフラグメンテーションができないように対応している。
UNIXクローンのインストールでは必ずパーティション切りとSwapボリュームの設定が要求されるが、MacOSXの場合はSwapは起動ボリュームに生成されるようになっている。
それは空き容量を神経質に再利用しないHFS+というファイルシステムの恩恵だと説明されているが、そうはいってもやはりフラグメンテーションが全くできないわけではない。

そこで当然起こる疑問は
「フラグメンテーションはシステムの調子に悪影響はないのか」
ということと
「フラグメンテーションを解消する方法はないか」
というふたつの疑問だ。

結論から先に書こう。
OSXでは多くの場合フラグメンテーションはシステムの運行に悪影響をほとんどもたらさない。
ただし、「多くの場合は」ということであって絶対ではない。
これについては私のお知り合いが実験的にフラグメンテーションを大量に作って「ノートンのスピードディスク」という製品を使ってデフラグ(フラグメンテーション解消)をやってベンチマークを取っていたが、その数字を見る範囲では大量のフラグメンテーションは、システムの動作にあまり影響がなさそうだった。
OS9の時代にはフラグメンテーションが原因の不具合は確かに起こっていたし、DeDefragmentのようなアプリを使っていたら、本当に起動できなくなってしまうということがあった。
しかしOSXを普通の条件で、つまりディスク空き容量が1GBを切るくらいの状態で使い続けるようなことをしない限り普通はフラグメンテーションで問題が起きるということはない。

ふたつめの疑問の「解消法」は結論からいえばある。
しかし一番確実で安全な方法は、起動ボリュームを完全にバックアップして、ディスクをフォーマットしてしまいクリーンインストールをすることだ。
これが一番確実にフラグメンテーションを解消できて、しかも失敗も滅多にしないし失敗してもバックアップがあるからやり直しがきく方法だ。

だが、クリーンインストールをしているとそれでほぼ丸一日潰れてしまう。
インストールに1~2時間、アップデータをかけてさらに1時間、前の環境を戻すのに2~4時間、移行アシスタントを使っても1時間、この日は家族でお出かけは諦めたほうがが良さそうだ。

メンテナンスでそんなことをやっていられない。しかし気になる。
なぜならWindowsではデフラグが推奨されてるではないか・・・
Windowsでは毎日起動の度にスキャンディスクをかけている人もいるくらいだ。(私にいわせればそんなのは自殺行為だが)
きっとデフラグをやればすばらしいパフォーマンスが約束されているに違いない・・・
という人にはいくつかの選択肢がある。


ノートンのスピードディスクのような製品アプリを使うことだ。しかしこれは私はお奨めしない。
このアプリを使ったためにディレクトリ領域が壊れてしまい、過去のデータの資産が一瞬で消えてしまったということになっても、私には「そういうこともあるだろうね」としか言いようがない。
これは忘れられていたトランケートという操作を強制的にやろうというアプリだ。

どういうことかというと、ディスクの中で散らばっている空き領域を、その前後のファイルをコピー削除を繰り返して移動し、空き容量をひとまとめの領域にして、そこに断片化が著しいファイルをまたコピー削除を繰り返して移動し、またバラバラになった空き容量を一カ所に寄せて、その次に分断化が激しいファイルをそこにコピー削除して移動し・・・・
ということを延々と続けることで、分断化を物理的に解消していく。

非常に迂遠な方法で、しかもこのコピー削除の途中でエラーが起きるとそのファイルは諦めになるかもしれないし、壊れたファイルがシステムファイルだったりしたらもうそのディスクからは二度と起動できなくなるかもしれない。しかも何千回も何万回もコピーを繰り返していれば必ず一定の確率でエラーは起きるのだ。
この作業がいかに危険な作業かお分かりいただけただろうか。
しかも上記のようにWindowsやOS9と違ってOSXの場合はデフラグをやっても実際には体感的に分かるほどシステムが高速化するわけでもない。
ましてや安定するわけでもない。
ただデフラグに成功したらちょっと気分が良いだけだ。

こういうのを「百害あって一利なし」というのだ。

それでここからが本題なのだが、このiDefragノートンのスピードディスクと同じく、フラグメンテーションを検出して「トランケート」でデフラグを実行するというアプリだ。その動作原理はノートンのスピードディスクと全く同じだ。
一応コピーしたファイルをオリジナルと比較して正しくコピーが実行できたかを毎回検証するような機能もついているので、ノートンのスピードディスクよりは少しは確実性は高くなっているのかもしれない。
また価格もリンク先からたどれる日本国内販売代理店からダウンロード販売を受ければ、レジスト料金も4000円弱でノートンのスピードディスクよりは少しはおトクかもしれない。
それでも動作原理は同じである以上、そのリスクもメリットもやはりノートンのスピードディスクと同じだと考えるべきだ。

つまり「百害あって一利なし」ということだ。

そんなに考え方がはっきりしているなら、なんでこんなアプリを紹介するのかと思うかもしれないが、これはこれで「フラグメンテーション診断ソフト」としては使い物になる。
しかも過去に試してきたものの中ではもっとも詳細な情報が手に入るし、最もインターフェイスが使いやすい。
シェアウエア登録をしないと、100MBまでの領域しかデフラグできないが、診断だけならデモ版で無料で全領域でもチェックできるし、使用期限も特にない。

私の場合はこれで、フラグメンテーションを数ヶ月に一度くらいはチェックして、あまりにもひどくなったらクリーンインストールをするというような使い方が良いと思う。
勿論皆さんにはオススメはしないが、私はそれで充分だと思っている。

ちなみに私のiBookは今回このiDefragでチェックしてみたところ、起動ボリュームには3700カ所のフラグメンテーションが見つかった。
これは購入時に1回OSをクリーンインストールをしただけで、もう一年半経っているからかなり少ない方だと思う。
私の場合は昨年にシステムをアーカイブ化インストールをやっているが、アーカイブ化インストールはクリーンインストールと違って、フラグメンテーションを解消するどころか、逆に促進する方向に働く。
それに起動ボリュームの空き容量がゼロになってアラートが出たことも過去に数回ある。
それだけ悪条件な使い方をしていながら、できたフラグメンテーションはわずか3700。
4千にも満たない。
つまりやはりデフラグには、そんなに神経質になる必要はないというのが私の持論なのだが、このiDefragがその持論を補強してくれた。

そういう意味では私はこのデモソフトが気に入った。






iDefragを起動して診断したいボリュームを選択すると
どのボリュームを選択してもこういう表示になる
診断にはrootのパスワードが要求される





視覚的な断片化の表示法は昔愛用したノートンのスピードディスクと同じだ
この馴染んだインターフェイスだったのでこれは使いやすいと感じた





またビジュアルだけでなくきちんとした断片化の実数も表示できる
どこにどれだけできているかが一目瞭然になっている
ちなみにこれはiBookの起動ボリュームのフラグメンテーションだが
1年半使い倒してしかもアーカイブ化インストールをした後10ヶ月酷使して
フラグメンテーションが4000弱というのはなかなか優秀だと思う
もっともたくさんの断片化を見つけても「そうなんだ」と思うだけで
結局は何もしないのだが・・・





またその断片化は具体的にどこで多く起こっているかを見ることができる
こうして見ると上位にはSwapやキャッシュが並んでいることが分かる
このこともデフラグに神経質にならなくてもよいという根拠のひとつだ





デフラグの動作原理は断片化したファイルなどを複製、オリジナルの削除を繰り返して
空きスペースを寄せてそこに断片化したファイルを複製オリジナル削除を繰り返す
だから移動したファイルなどが壊れていないかいちいち検証する機能がついている
本気でこのデフラグ機能を使うつもりならここにはチェックを入れて使うべきだ
(私は使わないべきと考えているが)





またテンポラリフォルダとSwapが入っているフォルダを自動的に削除するチェックもある
フラグメンテーションの原因であり主にフラグメンテーションが起きている部位でもある
Swapを削除してしまえば断片化は数字上は一気に解消するだろう
これをやったら必ず再起動は必要だが





またデフラグのルールを結構細かく設定できるようになっているのが
ノートン先生よりも格段に進歩はしている






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Apollo
(Alpha)
OS10.4Tiger対応 Windows2000~XP対応

こちらなど各所で話題のApolloを使ってみた。

これは要するに一言でいえばFlash、Flex、HTML、JavaScript、Ajaxなどweb2.0で多用されるコード環境を使ってクロスプラットフォームなアプリ開発環境を提供するフレームワークということになる。

通常アプリケーションはシステムのAPIを直接操作するアプリケーション本体をユーザは動かすことになるが、こちらはAJAXなどの環境で提供されたフレームワークの働きを「アプリケーション」と呼ばれるウィジェットで動かす。
だから雰囲気的にはDashboardKonfabulator(yahoo!widget)のようなものを連想していたのだが、それらと似たところもあるし全く違う面もある。

DashboardDashboardスクリーンの中だけで動作するし、Konfabulatorはあくまでデスクトップアクセサリという要素が強かった。

それに対してこのApolloの「アプリケーション」はApolloさえインストールされていれば、普通のアプリケーションと同じように動く。
動かし方も普通のアプリケーションと全く同じで、アプリケーション本体をクリックして起動してそれぞれのアプリケーションのウインドウのUIボタンをクリックしたり、メニューコマンドをクリックすることによって操作する。
要するにデフォルト環境の.appバンドルのアプリケーションと振るまいも扱い方も全く同じだ。

もうひとつこのコード環境は例えば自分でブログのコードを書いてサーバを運用しているような人ならすぐに開発にかかれるような気楽さがある。普通のアプリケーションのようになんとか言語だのオブジェクト指向だの、そんなことを気にしなくても気軽に開発ができるという点はDashboardKonfabulatorと同じだ。

もうひとつ画期的なのは、このApolloは完全なクロスプラットフォーム環境を目指していることだ。
つまりアプリケーション作者さんはApollo用のアプリを一本書いたら、それはそのままMacでもWindowsでも普通に動く。今回はApolloはMac版とWindows版のみの公開だが、近日中にLinux版も公開される。

このクロスプラットフォームというのは永遠の課題だ。
JavaがかつてはWindows、Macの垣根を越えた環境として開発されたが、その動作は総じて非常に重く互換性で多くの混乱を生んでおり、お世辞にも成功しているとはいえない。
MacからスタートしたKonfabulatorはウィンドウズに対応し、これこそクロスプラットフォームな環境になりうるかと期待させたが、結局ウィジェット作者さんはMac版とWindows版の2種類のコードを書かなければならず、なんとなく中途半端なまま結局尻すぼみになっていきそうな雰囲気だ。

そこに現れたApolloはweb2.0由来の環境をローカルアプリケーションにも応用することで、何種類もコードを書かなくてもひとつちゃんと動くコードを書くことでMac、WindowsだけでなくLinuxにまで対応できるクロスプラットフォームを目指すという。
期待させるではないか。


使い方はまずApollo runtimeをインストーラでインストールして、こちらのサイトで用意されている「アプリケーション」のサンプルをクリックする。
この「.air」ファイルをクリックすると、Dashboardと同じように「このアプリケーションをインストールしてもよいか?」と訊いてくる。 これはおそらく開発が容易になることで、アプリケーションを偽装したマルウエアが出現するDashboardと同じようなリスクが現れることを見越してこういう安全策が最初から用意されているということだろう。
勝手に変なコードがインストールされないように、「身に覚えがないアプリのインストールアラートが出たら拒絶してくれ」ということだ。


今のところこれはアルファ版での公開だ。
だからこういうサービスが可能だという実証コードに過ぎず、当然バグも含まれているだろうしこれから開発が進んで大きく姿を変えるかもしれない。
また現状ではセキュリティ的にリスクもあり得るという指摘もあり、今のところ実用で使えるというとこまでは期待しない方がいいかもしれない。

しかしMacOSX環境で動かしてみただけだが、なかなか小気味よく動いている。
面白い試みじゃないだろうか。
オンラインのASPサービスが普及し、ローカルではこういうクロスプラットフォームのアプリケーション動作環境が軽快に動くようになれば、これからますます
「MacとWindowsどちらが優れているか?」
なんていうくだらない問いかけは意味をなさなくなってくるに違いない。
アドビさんにはここはひとつ頑張ってもらいたい。






Apolloはインストーラでインストールされる
その本体は"/Library/Frameworks/Adobe Apollo.framework/"に置かれる
開発をするのでなければ本体フォルダは触る必要がないので気にする必要はない





「アプリケーション」は.airという拡張子のファイルでダウンロードする
それをクリックするとこんな「インストールしてもよいか?」というアラートが出る
マルウエアなどの出現を見越して最初から安全策が施されているわけだ





これは不動産情報と連動してGoogleマップを表示するMaptacularという「アプリ」
これは普通にGoogleマップビュアとしても使える
このように日本語も通る





こちらはデスクトップに落書きができるScreenPlayという「アプリ」
アクティブな間はデスクトップをクリックできないのでプレゼンにも使えるかも
相変わらず絵心がないのはこの「アプリ」の性能とは無関係だ





.airという拡張子のファイルはインストールされると.appという
通常のアプリと同じ拡張子になって"~/Applications/"にインストールされる
あとは「アプリ」本体をクリックするというのは通常のアプリと全く同じ扱い方





こちらはFreshというRSSリーダー
私の環境では新規登録ができないバグがあったがこういう機能が一応用意されている





こちらはScoutというwebページの要素分析ビュアー
このように気になるサイトのhtmlコードなどを見て勉強できる単機能なアプリ
単機能だがそういう目的なら強力な機能が盛り込まれている





例えば見出しを構造化した表示もできるし・・・





ページ内のリンク先のリストだけを表示することもできる
カッコいいサイトを見つけたらそのままマネしてしまうという使い方ができる
何事も最初はマネから始まるというのが勉強の基本


2007 年 3 月 31 日





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DesktopLyrics
(Freeware)
OS10.3Panther対応 OS10.4Tiger対応

以前ここでLyrics MasterというiTunesで演奏中の曲の歌詞をwebから取得するアプリのことを書いたところ、BBSで「nao」さんから
「その歌詞をデスクトップで表示するDesktopLyricsというアプリがあるよ」
という情報をいただいていた。
ありがたいことである。
すぐにテストしてみて気に入っていたのだがレビューをなかなか書けなかった。

演奏中の曲の歌詞を曲目にあわせてどんどん切り替えて表示するアプリ、あるいはプラグインというのはいくつかあるがそれなりにウインドウを開いていないと表示できないものばかりだ。
私はJacketを愛用しているが、これもiTunesの演奏中にジャケットアートとともに歌詞を表示するすばらしいビジュアルプラグインではあるのだが、ビジュアライザーであるが故にiTunesを表示していないと歌詞が見えない。

それでも良いのだが、デスクトップで何か作業しながら曲を聴いている時に気になる曲が流れ始めて、ふと歌詞を見たくなった時にはDesktopLyricsの方がアドバンテージがある。

これはデスクトップレベルで歌詞を表示する。
作業中は邪魔にならない表示法だ。
だから常時表示しておくことができるし、ふと歌詞を見たくなった時にはexpose等でウインドウを隠してデスクトップを見れば良い。
必要がなくなったらexposeを開放すれば良いだけでいちいちiTunes等を呼び出して歌詞を表示させる必要もない。
なかなか良いんじゃないだろうか。






DesktopLyricsはデスクトップにiTunesで演奏中の曲の歌詞を表示する
フォントなども自由に選べるしこのとおり日本語もちゃんと通る






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Calq
(Freeware)
OS10.2Jaguar対応 OS10.3Panther対応 OS10.4Tiger対応 Windows2000~XP対応

デスクトップのアクセサリのように常時起動しておきショートカットキーで素早く呼び出して計算できる電卓アプリ。

システムにバンドルされている「計算機」は技術計算にも使えるほど高機能になってきたたが、相変わらず起動も遅く電卓を使いたい時というのは大抵はとっさの時なのでこの起動の遅さ故に使い物にならない。
そのイライラを解消する計算機として登場したこのCalqはその立ち上がりの速さと邪魔にならないフェイスでたちまち愛用の電卓になった。

そのCalqが多機能アプリとなった。
以前は簡単な加減乗除ができるだけの本当に緊急用の簡易電卓だったのだが、計算のメニューが格段に増えて、システムバンドルの計算機と同じように技術計算機にも使えるようになった。
キャプチャーの通り三角関数や対数やあとよく知らないコマンドまで用意されていて、それらをホットキーに割り当てて使えるように自由に設定できるので、頻繁に思い出したように何かを計算したい人には役に立つアプリになるに違いない。

またデフォルトでは数秒で自然にフェイスが消えるように設定されているが、こういう種類の計算に使うのであれば消えない方が使いやすいと思う。
自然に消えるのはデスクトップが散らからないようにという配慮なのだが、それが使いにくいなら設定に入って消えるまでの時間を「永遠」にすれば消えなくなる。
コマンドとホットキーの設定や消えない設定などはすべてフェイスの「preference」をクリックすることで入れる。

またメニューエクストラとしても機能するようになったので、電卓を呼び出すショートカットキーを忘れた時にはメニューアイコンからプルダウンして電卓画面を呼び出すこともできる。
このメニューアイコンからも設定画面にも入れるしアプリを終了させることもできる。
一段と便利になったんじゃないだろうか。






Calqの設定画面
「Keys」タブで計算メニューの設定とそれを入力するホットキーを決定できる
技術計算にも使えるほど豊富なメニューになってきたが軽さは相変わらずなのがよい





設定したホットキーが覚えられないという人も大丈夫
このようにメニューとキーを常時表示するスタイルにも変更できる
私のような物覚えの悪い人でも問題ない





例えば三角関数はこうやって入力する
設定したホットキーを叩くとsin(と入力されるので計算したい数字を置いて)で閉じる
そしてリターンキーを叩く





そうするとこの通り
他にメモリ機能等も充実してきて電卓としては完成の域に入っている





さらに面白いのはメニューエクストラとしての機能も追加されたこと
計算機を呼び出すショートカットキーを忘れても
メニューアイコンからプルダウンで呼び出せる
ますます私のような物忘れの激しい人間に対応している
またここから計算履歴を開けるのも新しい






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「小野和俊のブログ」の「Mac は確かにすばらしいが Windows はそれ以上にすばらしい」というエントリに反応したところ、「そんなに攻撃的な内容ではないのでは?」という指摘があったが、これは本文が改ざんされているからだ。
こういうのは訂正とはいわない。改ざんという。

改めて改ざんされる前とあとの文章を並べておく。
どこぞのIT企業のCTOなのか何なのか知らないが、この程度のモラルの御仁だ。細かい論評はしない。見比べて判断して欲しい。



改ざん前

Mac は確かにすばらしいが Windows はそれ以上にすばらしい

Mac にはたくさんの美しさと楽しさと憧れがある。
滑らかなフォント、スムーズに拡大縮小するウィンドウ。
上級者にもうれしい端末エミュレーターの標準搭載、
クリエーターや Geek が使っているというブランドイメージ、
iPod や iPhone を世の中に送り出すアップルへの憧れ。

ブログでも、
「Windows よりも Mac を勧めたい10の理由」はよく目にするが、
「Mac よりも Windows を勧めたい10の理由」はほとんど見たことがない。

でも……Mac は確かに見た目がかっこいいけれど、使いやすさで言ったら、
ホンネのところ Windows の方が使いやすくないですか?



改ざん後

Windows から Mac に移行しようとして悪戦苦闘している人の話

Mac にはたくさんの美しさと楽しさと憧れがある。
滑らかなフォント、スムーズに拡大縮小するウィンドウ。
上級者にもうれしい端末エミュレーターの標準搭載、
クリエーターや Geek が使っているというブランドイメージ、
iPod や iPhone を世の中に送り出すアップルへの憧れ。

ブログでも、
「Windows よりも Mac を勧めたい10の理由」はよく目にするが、
「Mac よりも Windows を勧めたい10の理由」はほとんど見たことがない。

しかし、そんな Mac に惹かれて Mac を使い始めたものの、
Windows の方が良かったと感じて Windows に戻ったという話も割とよく聞く話だ。



改ざん前

ここで書いたのは、ブラウザの参照ボタンから画像のサムネイルを一覧表示できなかったという話と、
Web ブラウザがよく固まるという話という二つの話に過ぎない。
Mac には冒頭に書いたことの他にも素晴らしい点がたくさんあるし、
何よりデザインがかっこいいということはそれ自体重要な価値である。
ただ、こういう基本的なところでストレスを感じさせない Windows というのはそれ以上にすごいと思う。

OS の移行一般に、慣れているものから不慣れなものに移行するわけだから、
移行先の OS が使いにくいと感じるのは当然のことであり、それは何も Windows から Mac への 移行に限った話ではない。

それでも、彼女は Windows では特に誰から教えてもらうこともなく、
特殊なソフトを入れたりすることもなく、
上に書いたような操作は何の問題もなくスムーズにできていたのだという。*3

Windows には、Mac のような熱烈なファンはそれほど多くないかもしれない。
けれども、Windows は極めて多くの人が、意外とストレスなく毎日使うことができている
稀有な OS だということは誰もが認めざるを得ない事実だ。



改ざん後

ここで書いたのは、ブラウザの参照ボタンから画像のサムネイルを一覧表示できなかったという話と、Web ブラウザがよく固まるという話という二つの話に過ぎない。
Mac には冒頭に書いたことの他にも素晴らしい点がたくさんあるし、
何よりデザインがかっこいいということはそれ自体重要な価値である。

OS の移行一般に、慣れているものから不慣れなものに移行するわけだから、
移行先の OS が使いにくいと感じるのは当然のことであり、それは何も Windows から Mac への移行に限った話ではない。

それでも、彼女は Windows では特に誰から教えてもらうこともなく、
特殊なソフトを入れたりすることもなく、
上に書いたような操作は何の問題もなくスムーズにできていたのだという。*3

Windows には、Mac のような熱烈なファンはそれほど多くないかもしれない。
けれども、Windows は極めて多くの人が意外とストレスなく毎日使うことができている OS だという事実には、これはとんでもなくすごいことだな、と、改めて驚かされるのである。




その他にも多くの細かい改ざんがされているが、もう内容の細かいところをいちいち指摘しない。私自身そういう話はメンドクサイだけだと思って最近は完全に投げているからだ。
叩きたい奴は勝手に叩けば良い。誹謗したい奴は勝手に誹謗すれば良い。それはその人の品性から来る欲求の問題で私とは何の関係もない。
それよりもこの御仁にまじめに答えたこの方はエラいと思う。
めもり~り~くさんの「ドラッグ&ドロップという思想(1)」というエントリだ。

引用された「意見をもつのはきわめて容易ですが、わけても大切なことは、
その意見の基礎に、具体的な知識と情報、そして直接の体験が
あるかどうかです。」
というスーザン・ソンダグの言葉も意味深い。

人は物心ついてからずっとそうだったという事実を永遠不変の物だと簡単に思いがちだ。
Windowsが9割のシェアを取ってからもう8年だろうか?9年だろうか?
そうするともうそういう世界しか知らないという世代が世の中の第一線に出始めている。
そういう人達はWindowsの操作方法は周知であるのは太陽が東から昇るのと同じように自明の理であり、それ以外の現象は全て異物にしか見えないのだろう。
10年前は逆にしか見えていなかったのだが、そういう世界はご存じないのだろう。
「当時だって子供ではなかったぞ」
というような話をしているのではない。
人間は知らない物事にはどういう種類の想像力も働かないのだ。
この問題はそれ以外のどういう教訓も含んでいない。
だから四の五の言わずにWindows使ってろとしか言いようがない。

以前なら私も「めもり~り~く」さんのようにまじめに語る情熱があったが、今では「そういうことは誰かエラい人がやってくれ」という心境だ。
だからこの内容への評論は「めもり~り~く」さんへのリンクでそれに代えさせてもらう。




今月は書きたいことがたくさんありすぎて、テスト済みのアプリの紹介を大量に積み残してしまった。月末の追い込みではないけれど(道路工事か?)詰め込めるだけ詰め込んで消化しておく。




anchor

Ages
(Freeware, Widgets for Dashboard)
OS10.4Tiger対応

裏側の設定に名前と生年月日を入れておくとその人の年齢を表示してくれるwidget。

それだけの単機能なのだが、
「あの人何歳だっけ?」
なんて時にこれでさっと年齢を調べられる。年齢は重ねるにつれ無関心になるものかと思っていたら(少なくとも私はそうだが)意外にも年寄りになればなるほど自分の年齢を気にするものらしい。

だからジイさんのお相手をしなくてはいけない時は、相手の年齢なんか憶えていると意外に喜ばれる。そんなことで「なかなか見どころがある奴」というふうに気に入られたりするのだ。
不思議だがそれが人間というものなのかもしれない。
だからといって特にジイさん相手の商売は皆の年齢をいちいち覚えてられないかもしれない。
そういう人にはこのwidgetは福音になるだろう。

そんな大層なものかはともかく、そういう単機能では実用的に使える。






Agesにお知り合いの名前と生年月日をどんどん入れよう
このように年齢を表示してくれる






anchor

Tabula Rasa
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

これはエックスオスクさん- Tabula Rasa(黒板にお絵描き)というエントリで知ったデスクトップ黒板アプリ。

チョークで書いて黒板消しで消す。ただそれだけのアプリ。
でもこの雰囲気好きだなぁ。
一応デスクトップレベルにウインドウ表示をしてリマインダーというか、メモとして使えるといえば使えるが、そういう目的には他にもっと実用的なアプリがあった気がするしこれはやはりそういう雰囲気を楽しむためのアプリじゃないだろうか。

誰かのデスクトップにメモを残す時に、こういうものの方がスティッキーズなんかよりも味があるかもしれない。






Tabula Rasaは黒板アプリ
という説明とこの絵柄でもう使い方は分かってしまうんじゃないだろうか





一応デスクトップレベルに表示してメモというか覚え書きとしても使える
実用的かどうかは別の問題だが






anchor

MacTrek
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

ネット対戦型のゲーム。
このキャラクターは根強い人気がある。

どうやら戦略的な位置取りを考えながら、航行、戦闘を繰り返すシューティングゲームらしいが私には操作があまりよく分からなかった。だからどうやったら良いのですかという質問はしないで欲しい。
というよりも誰かエラい人が私に遊び方を教えてくれるとうれしい。
(ゲームになるとレビューがちょっと投げやりでないか?)






MacTrekを起動すると現れるトビラ絵
小学生時代に「宇宙大作戦」ではぁはぁしていた私としては
これだけでワクワクしないわけにはいかない





ところが遊び方がよくわからない
この画面を見るだけで理解できるゲーム通な方も世の中にはおられるだろうから
そういう方が私に操作法を教えてくれるとうれしい






anchor

Paintbrush
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

知育玩具のようなシンプルなお絵描きアプリ。

幼稚園児から小学校低学年ぐらいが対象年齢か。
こういう趣旨のLinuxアプリでTux Paintというのがあったが、あれをMacネイティブにしてペンギンのキャラクターを取り去ったという感じか。
Tux Paintも確かOSXに移植されていたはずだからその違いはペンギンがついているかいないかだけかもしれない。






Paintbrushの描線のメニューはこんな感じ






anchor

格言を使いこなしたいと思っていたらこんなサイトを見つけた

こういうサイトを見つけた。
「名言集.com - 名言・ことわざ・格言集めました」というサイトでこれは使える。

例えば「処世」のページを見るとこんな言葉があった。


「誰かが言いたいことを、自分が言わされる愚を避けよ」
  カリン・アイルランド


「人に好かれるための唯一の方法は、
畜生のなかで最も愚かなものの皮をかぶることである。」
  グラシアン


「オーケストラを先導しようとする者は聴衆に背を向けねばならない。」
  ジェームズ・クルーク

   
「ある事を真剣に3時間考えて、
自分の結論が正しいと思ったら、
3年かかって考えてみたところでその結論は変わらないだろう。」
  F.ローズヴェルト 


う~~ん、深いなぁ。
ところでこの「カリン・アイルランド」って一体誰なんだ?
知るかそんなこと・・・そういう名前の奴よ!

ってそういうやり取りの映画があったな。
「さよならゲーム」っていうケビン・コスナーとスーザン・サランドンの映画だ。
この映画についてはいつか近いうちにレビューを書こうと思っているが、とりあえず今はうろ覚えで書くと、「野球と契約している」とうそぶいて毎年ひいきチームの選手と懇ろになる大学講師(サランドン)と万年マイナーリーグのベテランキャッチャー(コスナー)の微妙な出会いと恋を描いた映画なのだが、最初出逢った二人は反発ばかりしている。

サランドンがコスナーをからかうためにわざと衒学的に
「知識への門はいつも開かれているとは限らない~ジャック・ロンドン」
と粉を振ると
「ジャック・ロンドンってだれだよ?」
「知らないわ、そういう名前の奴よ」
「君と話しているとまるで火星人かノックバットと話しているような気分だな、オレはそんな物を信じていない。量子力学なんか信じないし、信じているのはスーザン・ソンタグはクズだってことだけだ。」
「あたしはスーザン・ソンタグは好きなのよ」

細かいところは記憶違いがあるかもしれない。レビューを書く時はもう一度映画を観直してみる。
書きたかったのはこのスーザン・ソンタグのことだ。
上記の『「小野和俊のブログ」に反応したところ、「そんなに攻撃的な内容ではないのでは?」という指摘だが、これは本文が改ざんされているからだ。』という一節でめもり~り~くさんのブログを紹介したのだが、この方の短い時間にこれだけの反応をする筆まめさと知識の該博さにも驚かされたのだが、トップに引用されたスーザン・ソンタグにも感心した。
というよりも今回の一連の流れの中で最大の収穫はこのスーザン・ソンタグの格言を知ることができたことだ。


「意見をもつのはきわめて容易ですが、わけても大切なことは、
その意見の基礎に、具体的な知識と情報、そして直接の体験が
あるかどうかです。」
スーザン・ソンタグ


なのだそうだ。深い。
というかこういう格言を引用して話ができると良いのにと思うことが最近増えてきた。
若い頃はそういうのは単なる衒学に過ぎないと思って軽視していたので、格言を収集するようなことにはほとんど関心がなかった。
だから実はスーザン・ソンタグは「反解釈」という本は読んだことがあったのだが、そこから何か引用してみろと言われても何も覚えていない。

しかしこの年になってみて最近つくづく思うのは、すばらしいひらめきを持たない人間が頼るべき最後の武器は教養しかないということだ。
教養を持った人間と持たない人間の関係は一言で言うなら


「悪貨が良貨を駆逐する」
グレシャムの法則


という有名な経済法則そのものだ。
結局は教養のあるものはないものに片隅に追いやられる。
しかしそれが幸か不幸かということよりも、どういう状況にも興を感じることができるか、できないかというのは結局教養があるかないかで決まるような気がする。
だから、こういう格言を知っているとかいうような教養は、他人に自分を賢そうに見せるためではなく、自分の幸福のために知るべきなのだと最近思い始めている。

どういう状況でも自分で言葉を呻吟するよりも、そういう状況にぴったりな言葉をもっと知っていればもっと洒脱な話し方ができるのにと、最近渇望するような思いで感じている。
だから、こういう格言サイトというのがあるのは大変うれしい。
これから通わせてもらおうと思う。

だが格言は本当はその前後の文脈を知らないで引用すると大変な恥をかくことがあるのだけど。
だからもっと本を読まないといけないのだが。

と思っていたらいつも通っているブックマークサイトでこんなものも見つけた。
なにかと使える『名言ポータルサイト』まとめ | P O P * P O P
これはこの手の格言サイトばかり集めたエントリだ。これはすばらしい。
やはり人間思えばそういうものに出逢うのだ。


「求めよ。さらば与えられん」
イエス・キリスト


ということか。











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