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2007 年 7 月 23 日





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Smart Scroll X
(Shareware)
OS10.3Panther対応 OS10.4Tiger対応

これはすばらしい。
スクロールをスムーズにするシステム環境設定ペイン。

一義的にはマウスのスクロールボタンなどのスクロール、トラックパッドのツーフィンガースクロールなどの画面スクロールをスムーズにする。
またiPhoneのデモで結構衝撃が走った惰性でスクロールがしばらく続く「惰性機能」も追加されスクロールがさらにスピーディーになった。

実際使ってみた印象は、OSXデフォのカクカクのスクロールに対して、驚くほど滑らかでスムーズなスクロールになる。この滑らかさだけでもこれを入れる価値がある。
惰性機能は使いやすいかどうかは人により、好みによりだと思う。この惰性が邪魔になる人はトラックパッドなどでスクロールした指をきちんと止めないでパッと投げる癖がついている人だろう。実は操作の微妙なコントロールで、この惰性機能で画面が勝手に進まないようにスクロールすることもできるので慣れれば大変便利だと思うのだが、ちょっと訓練がいるかもしれない。
しかし縦に長大なスクロールをしないといけない場合はこの惰性機能は威力を発揮する。
スクロールのスピードをそんなに上げなくても、スクロールの送りがスピーディーになるからだ。
当サイトを実験台にしてこの機能を試してもらいたい。

あと画面をグラブ(つかむ)する機能もある。
これはPDFビュアーには標準で機能している物が多いが、その画面をつかんでぐいっと動かす機能も他の全てのアプリで使用可能になる。
ここでも惰性機能は使えるので、画面をグッとつかんでポーンと投げるというような操作も可能になる。

あと役に立つのかどうかよくわからないが装飾キーの組み合わせでタテヨコにスクロールすることもできる。
これはデスクトップにフローティングでキー操作のガイドを表示することができる。

面白いのはフロントにあるウインドウだけでなく背景にあるウインドウも惰性機能を使ってぐんぐんスクロールできることだ。
2つのウインドウを開いてどんどん画面を送りながら比較したいとか、そういう使い方の時にこのペインは威力を発揮するだろう。
いずれにしても一度使ったらもう通常の、スクロールには戻りたくなくなるという作者さんの言はその通りだと思う。

ところでこの惰性機能だが、私は弱めに設定するのが好みだ。これは各自で使いやすいポイントを探って欲しい。






Smart Scroll Xをインストールする
インストーラには同意を求められたり、rootパスワードを求められたりと面倒だが
ちゃんとアンインストーラもセットされているので安心してトライしてもらいたい
この画面でインストール完了となり、再ログイン後にスーパースクロールが有効になる





スーパースクロールは是非一度試してみて欲しい
スクロールのスムーズさに驚くはずだ
iPhoneで話題になった惰性機能も実装されているのでその操作感を試すこともできる
面白いのは加速機能で例えばoptionキーでスクロールの加速度をコントロールできる
これがあればどんなに長大なページの表示も苦にならなくなるだろう





3ボタンマウスを使っている人はこのグラブ機能が便利だろう
スクロールホイールクリックで画面をつかむ設定にしておけば
つかんで投げるという操作がやりやすい
勿論他のボタンに割り当てることもできる





このように画面をつかんで(グラブ)ぐいぐい動かすことができる
これもなかなか感覚的なオペレーションで面白い





グラブ機能をトラックパッドで使いたい人は設定を主ボタンにして
組み合わせの装飾キーを設定すると良いと思う
このキーを叩くとグラブ機能が有効になる





また便利かどうか分からないがコマンド、option、shift、controlキーの
組み合わせでスクロールできるキースクロール機能もある
アローキーとはスピードを変えることで使い道があるかもしれない





このキースクロールの組み合わせが覚えられない人は
操作ガイドをデスクトップにフローティングで表示できる






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ヒッピームーブメントとApple

Point Lineさんの「アップルの出発地点」という記事でAppleの創業のガレージがまだ残っていることを知った。
ガレージというのは特別な意味があるということはこちらの なんちゃってなIT用語辞典25 「ガレージベンチャー: Garage Entrepreneur」 に書いた。

昨日たまたまヒストリーチャンネルを観ていたら「60年代のヒッピームーブメントとその後」という特集をやっていた。
これが非常に興味深い内容だったので、忘れないうちに備忘録として書いておく。

「ヒッピームーブメント」というのは何だったかというと、結局これは社会と個人、集団と個人の相克の結果生まれてきた人間回帰の精神運動のようなものだったとまず、結論づける。
60年代のアメリカは公民権運動の結論が現実になった時で、これに賛成するものと反対するものが実際に猟銃を持ち出して対立するような深刻な社会だった。
また背景にはキューバ危機、ベトナム戦争などの冷戦がもたらす政治危機が常に焦げ臭いにおいを放っていた。

こうした社会に目を向けた若者は2通りの表現方法に分かれた。ひとつは積極的にあるいは具体的に社会的、政治的スローガンを掲げ政治運動にコミットしていくもの、もうひとつは文化などを含む精神的なメッセージを重視したもの。
前者は大学で争乱を起こしていた学生運動、反戦運動にとなって、やがては過激派というような人々も現れる。

そうした政治運動のセクト主義、排他主義に嫌気が差した精神運動を指向する人々がヒッピーにとなっていき、払い下げミリタリールックに長髪、ひげ、ハッシッシとロックという文化を広めていった。
ヒッピーの平和運動の政治的表現を一番象徴する写真が1967年10月21日の国際反戦デーで撮られた。
反戦運動に加わったヒッピーはホワイトハウスなどを人間の鎖で包囲したが、これに対して暴徒鎮圧のために州兵が出動した。州兵が突きつけたM14ライフルの銃口に、一人の若者が1本ずつ花を差している写真だ。

この写真がまさにフラワーチルドレンという言葉の語源になった。

しかし反戦のムーブメントはまさにケネディの後を引き継いだリンドン・ジョンソンを引きずりおろす結果になり、後を引き継いだニクソンはあらゆる学生組織、反戦グループに内偵(スパイ)を入れてこれを結局内部から崩壊させた。
学生運動は互いに疑心暗鬼になって組織を保てなくなったし、あらゆるレベルの社会活動が政府によって盗聴されることになった。
(そしてこのことは後にウォーターゲート事件につながっていく)

崩壊した学生運動とは裏腹にヒッピームーブメントは、まさに社会全体に広がっていき若者は誰でも長髪が普通になり始めた。
そしてムーブメントは例のウッドストック野外コンサートに結実していく。

ここでは会場のあらゆる設置の不手際、深刻な地元との対立があったにもかかわらず開催中は信じられないような平和と調和が実現した。

しかしヒッピームーブメントはこの後死滅する。マンソン事件がヒッピーに反社会的なレッテルを貼り、さらにウッドストックに続いて企画されたテキサスのローリングストーンズコンサートでの殺人事件(オルタモントの悲劇)などの事件により、ヒッピーのイメージは一般社会からは乖離していき、やがてアメリカの若者が個人回帰を目指したこの精神運動も死滅してしまう。


それではヒッピームーブメントは何も残さなかったのか?
というとそれは違う。ここでスティーブ・ウォズニアックとスティーブ・ジョブズという数人の若者が創業した小さなコンピュータ会社の話が出てくる。
このAppleコンピュータという会社はAppleIIという個人が使えるコンピュータを製品化し、この個人コンピュータはやがてインターネットの普及とともに社会と個人の比重を逆転させた。
人間の歴史でインターネットが普及した今日ほど個人の発言力が増した時代はないと番組は結論づける。
スティーブ・ウォズニアックのインタビューで彼は
「当時のスティーブ・ジョブズはヒッピーそのものだった。ファッションも考え方も。だから我々は個人向けのコンピュータというアイデアに自然に取り組んでいった」

集団的な社会運動としては失敗し、敗北したヒッピームーブメントだが結局社会はヒッピーたちが目指した個の世界観を選択した。
これは結果的には彼らの勝利だったのではないか?

というストーリィの番組だった。

国際反戦デーからベトナム米軍撤退、ウッドストック、ニクソン大統領就任など当時のニュースフィルムをふんだんに使った番組は見応え充分だった。
また最近はパソコンに向かってスピードを競うような、レンジが短い話ばっかり追いかけている。
しかしたまにはこういう30年、40年の世界動向から鳥瞰図的に毎日の出来事を観たらどうだろうか。
例えばWindowsとMacどちらが優れているかなんていうくだらない議論が、何故くだらないかがはっきり分かる。マイクロソフトだってかつてはこのスティーブ・ウォズニアックのフラワームーブメントのパートナーとして協力していた会社だったのだから。

それにしても、当時の若者だったヒッピーたちがみんな今ではいいジイさんバァさんになっているのも時代を感じさせた。
まだ私も子供だった時代の話だ。



2007 年 7 月 24 日





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MisFox
(Freeware)
OS10.3Panther対応 OS10.4Tiger対応

デフォルトアプリを設定したり、クリエータを設定したり、プロトコルヘルパーを設定したりなどの操作をシステム環境設定一カ所で集中管理できるシステム環境設定ペイン。

このMisFoxについては「完全解決したのかが不明瞭なtelnetを通じた攻撃に対する対策」というTipsのページで取り上げたことがあるのだが、よく考えたらまだアプリの紹介としてレビューを書いていなかった。
ver.2にメジャーバージョンアップしたとのことなので今回取り上げることにした。

このアプリの良さはテキストに張られたリンクをクリックした時に、デフォルトで起動するブラウザやメーラを設定できるとか、OSXではそれは設定が面倒なのだが、これなら一覧的にできるとかそういうことがメリットなのだが、以前取り上げた時にはそういうことよりも OSXのセキュリティ的な脆弱性が、この一元管理ではなくファイル単位でクリエータやプロトコルヘルパー設定がされる部分に帰因しているという危機感から取り上げた。

2004年と2005年に警告されたURIの脆弱性のセキュリティホールは、まさにOSXのこの問題点を突いた攻撃が想定されるものだった。
つまり何かのファイルは開く時にはその種類は全てテキストエディタのような無害なアプリを起動するように設定していても、外部から持ってきたファイルに「クリエータはTerminal」というようなクリエータ情報が付いていたらそちらが優先されるような、そういう仕様にはリスクがあると感じていた。
特にプロトコルヘルパーがどうなっているのかなんてのは、ユーザは知る由もないようなOSXのGUIには疑問を感じないではない。
勿論UNIXコマンドを駆使して対処する方法はあるだろうけど、Macユーザの大部分はUNIXを縦横に使えるわけではない。

だとしたらやはりコマンドラインを使えないユーザにも最低限の安全管理はできる仕様は必要だと思う。

MisFoxは特にプロトコルヘルパーの変更が手軽にできるペインとして仕様を推奨していた。
telnetでいきなりTerminalに入られて外部からコマンドを実行されるようなリスクは決して高いとはいえないが、皆無ではないのでそういう可能性には対処しておくべきだと思う。

このMisFoxの使い方は決して難しくないのでキャプチャーをご覧いただきたいと思う。
メーラとしてGyazmailを使っているのに、メールリンクをクリックするとMailが起動していつも頭に来る、という人も使える。
(デフォではMailを起動して設定を変更しないといけなかったはずだ。私はこのMisFoxを使っているのでもうやり方は忘れてしまったが)






MisFoxでデフォルトアプリを設定する
例えばwebリンクをクリックした時に起動するブラウザとかメールリンクの時のメーラとか
OSXのデフォルトアプリの設定は面倒なのでこれだけでも入れる価値はあると思う





こちらはファイルタイプとクリエータ(どのアプリでそのファイルを開くか)という設定
リストから設定を変更したい項目をクリックする





開いたタグでクリエータを選択して変更する
また未登録の拡張子もここで新規登録してクリエータを設定できる
またファイルそのものに付属するマッピングを無視する設定もある





これが問題のプロトコルヘルパー
httpなどのスキームを使ったリンクがどのアプリを起動して開くかを設定できる
例えばtelnetは私の場合はテキストエディタのような無害なアプリを指定している
telnetを使わない人はこういう方法で「栓」をしておけばここで問題が起きることはない






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転送量の問題は一進一退

月初に「転送量オーバーが規約違反状態なので、改善されないなら削除する」という警告がninjaさんから来た問題だが、それ以来様々な手段を講じているが、ここに来てその効果は一進一退というところだ。

現在のところ「よく使うアプリ」のコーナーとTipsのコーナーを分割して過去ログも今年1月の分まで分割した。
そのためにサイトのディレクトリ数はもう600ページに迫っている。
ただトラフィックが多いめぼしいページはもう細分化したので、一時劇的な効果を上げた。
当初の一日の最高の転送量は3800MB/日にもおよびこのペースが月間続いたら月あたりの転送量は90GBを超えるかもしれないという量だったが、これらの対策で1000MB/日を割るところまで抑えることに成功した。
それでも月間転送量は30GBに迫るかもしれないが、数字は劇的に変わった。

しかしこのところ数日また転送量は倍増してしまい、昨日は下がったもののここいらが転送量改善の限界ではないかと思い始めている。
過去ログの昨年分よりも前の分のアクセス数なんて一日に数人だと思うので、ここをいくら分割してもあまり大きな効果はないだろう。
それでもninjaさんの目安はたったの120MB/日だから、そんな塵みたいな転送量改善策でもやる意味はあるといえばあるのだが、もうそんな基準は達成できないことは目に見えている。

あとはそれでもninjaさんが「出て行け」というかどうかを首を洗って待つ以外にない。






転送量を一時期800MB/日まで抑えることに成功したがその後は一進一退が続いている





ビジタは1500人/日、ページビューは5000P/日で
あまり変わらないがじりじり増えている
転送量の問題はもうしかたがないのではないかと思い始めている
それでも出て行けというのならなす術がない






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タミフル飛び降り児童の脳からタミフル検出されずというニュースは重大ニュースなのでは?

脳からタミフル検出されず、服用後転落死の中1…琉球大研究というニュースが流れた。 さぁ、タミフル薬害報道を垂れ流したマスコミ人は首を洗っといた方が良いと思うよ。

2007 年 7 月 26 日





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興味深い教訓を多く含んだ日本電産の永守社長が語った「起業社長の心得」

昨年、企業家倶楽部の最優秀企業家賞の授賞式を見に行った時に、受賞した永守さんの講演を聴いた。これが抱腹絶倒の内容だったのだが、ただ面白いだけでなくビジネスとか経営とかいう領域について興味深い内容を多く含んでいた。

何かそういう話題があったら絡めて書こうと思っていたのだが、なかなかそういう機会がないうちに時間が過ぎてしまった。忘れないうちに備忘録として書く。


その前に日本電産と永守重信という人物の大まかなプロフィールだが、永守さんはオーディオのTEACでテープレコーダーの回転部分の技術者としてキャリアをスタート。
独立起業して日本電産という会社を創業、その業態は「モーター」に絞り込むという徹底した一業種集中型だが、これまでにM&Aを30社以上繰り返してきて精密モーターに関しては世界トップシェア、世界グループ企業をあわせると社員総数10万人にも及ぶ大企業群になった。

今日では皆さんが使っているMacやPCには必ず日本電産のモーターが何個か使われている。内蔵ハードディスクのサーボモータだったり、放熱ファンのモーターだったり、光学ディスクのドライブモーターだったりこの世界では日本電産は圧倒的なシェアを持っている。
また最近では、自動車産業などで小型モーターの需要が爆発的に増えており、自動車には日本電産製を筆頭に数十個から車種によっては数百個もの小型モーターが使われている。
日本電産はいずれの世界でもトップシェアを持ち、東証、大証の一部に上場する日本を代表する企業になっている。
勿論iPodなどにもここのモーターが使われているはずだ。

この巨大モーター帝国を永守さんは一代で築いたわけで、当然今ベンチャー企業を興そうというアントレプレナーたちにとって、目指したい手本は「アメリカならビル・ゲーツ、国内なら永守重信」ということになるのかもしれない。
だから昨年の授賞式はその永守さんの話を直に聞けるということで、広い会場が若手ベンチャーの社長たちやその予備軍で満杯になっていた。

その満杯の聴衆を前に開口一番永守さんはこう先制パンチを繰り出した。

「今までこういう講演の依頼は全てお断りしてきたんやけど、今回は企業家賞をいただけるということなので、いただいといて何も義理を果たさんというのもなんやから小一時間しゃべれっちゅうんでしゃべることにしました。
それで企業家倶楽部の会なので、今日は会場はベンチャー企業の社長さんが大勢いるということなので、私も一応ベンチャー企業の社長としては先輩なんで、先輩としてひとことアドバイスしといてあげるわな。

ベンチャー企業としてある程度成功して企業が軌道に乗ってくるとみんなやるんやが、企業の社長として絶対やってはいかんことがある。
それは平日の昼間っからこういうところに来て高いところに上がって、エラそうに『私の経営の秘訣は・・・』なんてしゃべりはじめることや。
これを社長がやり始めたら大体その会社は傾くわな。」

軽妙な京都弁でこういう人を喰ったような話が次々と飛び出してくる、永守さんという人はそんな人だ。
しかしこれも単なるジョークではない。
企業の社長として従業員や株主の生活に責任を持つ企業経営者は、たとえ一瞬たりとも事業以外のことに気をとられるべきではなく、またそんな余裕もないはずだ、だから企業の経営者が会社を離れて自分の自慢話をしはじめるのは、もう自分の事業に集中できなくなり始めているということだ・・・という永守さん流の厳しい見方が背景にあるのだ。
だからこれはジョークのように話しているが全て本気なのだ。


その永守さん自身が日本電産を創業した当時の話をし始めた。

「ベンチャー企業の社長さんたちには、どう企業を立ち上げてどう発展させるかという話が一番興味あるやろ。
けどとどのつまりがこれは人材の話になってくるんやな。
どこの中小企業の社長もみんな同じことを言うやろ。
『ウチの製品はすばらしい! しかし社員がどいつもこいつもぼんくらで、いっこも働きよらん。だからウチの会社は伸びひんのや』
という調子や。
しかしこれは結局は社長が『私は無能です』と告白してんのと同じことや。だからまず人材をどうやって確保するかというベンチャー企業が最初に突き当たる問題から話しよ。」

「当時私とあと二人ほどで独立して『自分たちの技術を活かそう!』と梁山泊のような気分で会社を作った。
今から考えたら大した技術力でもなかったんやが、当時は私らは資金も知名度もないが大変優れた技術力だけはあると信じて独立したんやな。」

「それで名前は日本電産という名前にしてしもたのやが、これも大それた社名や。
なんせ日本電気と松下電産をくっつけたような社名で、心意気だけは日本電気や松下電産と互角に競える企業になろうとか思っとったが、実体は私の実家の牛小屋を改造した納屋に男3人立てこもって、何から手をつけたらええんかさっぱり分からんという状態やった。」

「何をするにもこの3人だけでは何もでけんから、とりあえず将来の幹部候補生になる優秀な人材を採用することから始めようということになった。
しかし大学の就職課や職安に求人票を貼ってみたが、新卒なんて壊滅的に来んし職安から来る応募者はろくな奴がおらん。
我々もそんなに自慢できる大学の出身者やないが、その我々でさえも聞いたことないような三流、四流大学の成績もどうしようもないような奴ばっかりが応募してきよる。
大学の電気学科を卒業してるのに『フレミングの左手の法則』も知らんような奴ばっかりが応募してきて、使い物になりそうにないのでほとほと困って、オヤジに『ろくな奴が来よらん』とぼやいた。」

「そしたらオヤジに
『お前はアホか』
とどやされた。
『お前らみたいな得体の知れん男が3人牛小屋に立てこもっとるようなワケワカラン会社に、そんな成績優秀な人材が応募して来るとホンマに思とったんかいな』
とこうですわ。
『そんならオヤジ、どうしたら優秀な人材が採れんねん?』
とオヤジに聞くと
『まぁ、ワシの軍隊時代の経験からいうと、メシの速い奴は大体仕事も速いわな』
という話やったので、面接試験では応募者に必ず飯を食わせることにした。
それで飯が速かった順番に採用を決めることにした。」

「これはなかなか当たったようで、実際今の日本電産の幹部はほとんど飯の速さで採用された奴ばっかりや。」
「しかしそういうことをしていると、そのうち職業安定所でも『あの会社は飯の早食い競争で採用しとる』という評判がたって、職安から『そういうことをしとると次からは人を紹介せんぞ』と注意されてしもた。」

ここまでの話でもうすでに抱腹絶倒なのだが、こういう話を永守さんはにこりともせずに真顔で話す。
この話も要諦は
「人材は獲得するものではなく育てるものである」
ということだ。
だから飯の速い人材は「頭よりも胃袋の方が強い人材」と永守さんはいうが、何でも吸収して人の倍は働くバイタリティある人材を募れということだ。
あとは適材適所に配置するのは経営者の腕の見せ所であり、頭の良さや成績表で採用することはベンチャー企業の質に合わないということだ。

永守さんが繰り返し強調したのは
「学校の成績表ほど当てにならん物はない」
ということだった。

メシの早食いで採用していた日本電産も、ある時期から成績表の評価で人材採用をするという方向転換をしたこともあるそうだ。
大企業になった今では勿論超一流大学の出身者も応募してくる。
しかし、永守さんは応募者が提出した成績表を全く見ないで、人事部の金庫に眠らせているそうだ。
それは人材に予断を持たないという永守流の厳しい自己管理なのかもしれない。

そして採用後何年か経ってから初めて金庫から成績表を出してきて、現在の考課表と見比べるのだそうだ。
その結果永守さんの出した結論は
「学校の成績と入社後の成績には全く相関性がない」
ということだったそうだ。
学校の成績が良い人材が仕事ができるわけでもないし、逆に悪い人材に良い物があるわけでもない、文字通り「全く関係ない」という結論だ。

また中小企業の社長には往々にして、中小企業のくせに「社員に取り立ててやる」という横柄な考え方をする人があるがこれも全くの考え違いであるという教訓も含んでいる。
会社が社員を選ぶ権利があるのと同じように、社員も会社を選ぶ権利があるのだ。
その会社は社員に選ばれるような魅力を充分持った企業だろうか?と自問する必要があるということだ。
「良い人材が採れない」
とぼやく後輩社長には
「良い人材が採れるような魅力がある会社ですか?」
という問いかけを投げるそうだ。



それで梁山泊のように起業した日本電産は、どういう取り柄で成長したかというと結局は
「仕事が速い」
というこの一点だけの特長で成長した。
当時はモーターは「付属部品」ということで下請け仕事の性格も強かったのだろう。
しかし永守さんらの会社は資金力があるわけではないので、価格競争をすれば当然競合他社には勝てない。

それで永守さんが考えたスローガンは「確かな技術、値段は高め、しかし納期は半分」というセールストークだった。
技術力はあります・・・というのは物作りをする企業はどこでもいうことなのでさして魅力にはならない。まして「値段は高め」と自分で言ってしまっている。発注者は当然一円でもコストは切り下げたいと思っている。
しかしこの「納期は半分」というのは画期的なキャッチフレーズだった。
つまり他所の半分の期間で仕様通りの製品を開発しますと公言しているわけだ。

製品開発のサイクルを考えるとどこの製造業も「できるだけ関連部品の開発に時間はかけたくない」という思いがあったので、このフレーズはヒットした。
「あんたに頼んだらホンマに半分の納期でできるんか?」
と念を押しにくるメーカーが引きも切らなかったそうだ。
これが日本電産の成長の第1ステップになったわけだが、ただしこの「半分の納期」を達成するために社員は他社の倍働かせたと永守さんはいう。
そういう永守さん自身も
「一日は24時間しかないというても、寝たりメシ喰ったりの時間をできるだけ8時間以内に収めれば、一日の残りは16時間はあるやないか。
だからヨソの倍は働ける!」

という考え方で働いていたそうだ。
この日本電産の営業方針が「メシの速い社員を採用する」という人事システム(?)とマッチして見事に両輪として回転し始めたそうだ。

新規起業ということは必ず後発なわけだから、他の人がしないことをやらないといけないということも永守さんは話しておられた。


さて冒頭の「社長が講演をし始めたら会社は危ない」という言葉の真意である。

永守さんの考え方では、会社の経営者というのは公人のようなものだ。
プライベートはあるようでない。その人生は全て会社の経営に捧げないといけない。それを苦痛だと考えるような人は会社の経営者にはなるべきではないということらしい。
それは単に家庭生活を犠牲にするとかいうことだけではない。
例えば名誉欲というような個人の欲も出てくる。
会社の経営者は個人の名誉欲のためにメセナ活動を利用したり、経済団体の活動に没頭したり、「自分の経営のすごさは」なんてお題で講演をやりたがったりする。
これらは盤石な企業なら良いが、創業して10年や20年のベンチャー企業がやるべきではないと永守さんはいう。

京都にはそういう若々しいベンチャー企業がたくさんある。
例えばオムロン、京セラ、ワコール、任天堂、村田製作所、そして永守さんの日本電産など。皆社歴は20年以内または創業以来の歴史は古いが、業容を転換して最近急成長している企業が多い。
そして京都の経営者は「意味の分からない社会貢献」にやたら金を払ったりしないという。
例えば京都の建都1200年祭ということで、京都府と京都財界が京都を盛り立てるために企業経営者から寄付金を募った。

その寄付金の割当が日本電産にも200万回ってきたが、これを払うかどうかで社内は議論が起こった。
永守さんは
「建都1200年っていわれても知らんがな」
ということで
「払わんでよろし」
という考え方だったらしいがさすがにおつきあいがあるので一銭も払わないわけにもいかず、200万満額払うか100万円に値切るかで大議論が起こったそうだ。
結局営業の意向で200万払ったそうだが、永守さんはこの意見に流されたことを今でも悔やんでいるそうだ。
ちなみに京セラの稲盛さん(稲盛和夫名誉会長)はやはり100万円しか払わなかったそうだ。
この時にポンと数千万円払った新興ベンチャーの若手企業家がいたそうだ。
しかし永守さんらの感想は「なにカッコつけとんねん」ということだったらしい。
この新興ベンチャーは残念ながらその後経営が傾いてしまった。
「それみたことか」
ということだろう。


ここで永守さんは京都の経営者の金銭感覚についてふれた。

「京都の経営者はみんなケチでっせぇ。」

「私も大概のケチやけど、私が師匠と仰ぐ京セラの稲盛さん(稲盛和夫名誉会長)は輪をかけてケチですわ。
稲盛さんとは時々二人で呑みにいくんやけど、いつも割り勘でんな。
向こうの方がだいぶ先輩やけど奢ってもろたことないですわ。
ただ、稲盛さんは酒飲みやけど私は下戸でっしゃろ、稲盛さんはようけ呑んでるのに勘定が一緒なのは理不尽やというたら稲盛さんは
『何言うてんねん、呑まへんのはお前の勝手やろうが。不満やったらお前も呑んだらええのや』
とこうですわ。
これ天下の京セラの名誉会長がいうことでっせ。」

「しかし京都の経営者のこういう金銭感覚は、ムダなことには金を使わんということ。
それは企業の経営には大金をかけなあかんここぞというところが必ずあるので、その勘所に備えてどうでもええことでは金を惜しめということでんな」

これについては永守さん自身も数々のエピソードを持っている。例えば社内清掃の業者を切ってしまったことだ。
「会社の掃除なんか社員が自分でやったらよろし。」
ということで清掃業者の契約を解除して、社内の清掃は全て社員がやるということにしてしまった。
こういう出費が「どうでもええ出費」ということなのだろう。

ただし名誉のためのメセナや社会貢献には否定的な永守さんだが、社会貢献自体に否定的かというとそんなことはない。
むしろ永守さんの考え方では企業は社会の公器なのだという。
だから社会には奉仕しないといけない。
ただしその貢献のしかたが問題だということだ。
企業は本業で貢献しないといけない。

永守さんによると世界の電力のおよそ半分は実はモーターが喰っているそうだ。
消費電力が多いのは冷蔵庫、クーラーだがこの電気製品はどちらも電力の大部分をコンプレッサーを回すモーターが喰っている。
勿論エレベーターやエスカレーターのようなものはほとんどの消費電力はモーターだ。
今では液晶テレビもパソコンもゲーム機も放熱ファンの固まりだから、こういうものに内蔵されたモーターが消費する電力もバカにならない。

これは永守さんから聞いた統計だが、もしもこのモーターの消費電力が1%削減できたら全世界で節約出来る電力はタイ一国の消費電力に匹敵する。
だから永守さんは開発の連中に
「モーターの能率を1%上げろ。そのために部屋が暑いと仕事の能率が上がらんというんやったらクーラーなんか思いっきりかけたらええのや。」
といっているそうだ。
環境のためにクーラーの設定温度を上げるというような
「そんな小さな社会貢献なんかどうでもよろし、クーラーなんかガンガンにかけたらええのや。
それよりもモーターの能率を上げて大きな社会貢献をせんかいな。」

というこのアンビバレンツが面白い。



永守さんがいう社長の役割ということだが、これはこの「社長が講演をし始めたら会社は危ない」という話と同根なのだが、面白いたとえ話をしておられた。

あるお寺で庭園の管理をしているが、この境内の池の鯉がなぜか育たないということで悩んでいた。
この池の鯉はちゃんと餌を与えているのだが、餌の喰いが悪くなぜか育たないで病気で死ぬ鯉も多いという。
何か良い知恵はないかと思っていたところある人が「ナマズを入れたら良い」という知恵を授けた。
この助言を容れてここの池に大ナマズを入れたところ、鯉は見違えるように元気になり餌の喰いも良くなってみるみる成長した。

この理由は実は簡単なことだ。

鯉は天敵がいないとさぼってじっと動かない。だから餌の喰いも悪くなって成長も悪くなる。
しかし天敵のナマズが同じ池に居ることで常に緊張して、機敏に泳ぐようになった。当然腹も空くから餌も食うしどんどん成長して病気になる鯉もなくなった。

社長もナマズのようなものだという。

社内を常に徘徊して社員に緊張感を与えることで、社員も常に気を張っていられるので成長も速いということだ。何もいつも睨みを利かせるということだけではない。
同じ手柄を立てるのでも、社長の見ている前で手柄を立てれば社員だって張り切ることができる。
だから社長は常に社内の隅々に目配せをしていなくてはいけないわけで、社長室なんかにこもっていてはいけない。
ましてや平日の昼間から農薬の揮発ガスを吸いながら芝生の上で大きなミミカキを振り回したり、「私の優れた経営術」なんてお題で講演会なんかやっているヒマは片時もないのだそうだ。



永守さんについてはもうひとつ重要な特徴がある。
一昨年来M&Aとか敵対的TOBなんていう専門用語がまるでプロレス用語のように下世話な言葉になって、いまや主婦でも子供でも、スポーツ紙しか読まないような肉体労働者でも知っているような言葉になってしまった。
しかしそれはライブドアの近鉄買収、ニッポン放送買収、楽天のTBS買収、村上ファンドなどどちらかというとどれもこれもマネーゲームを連想させるようなものばかりが横行し、こういうものが流行しても決して日本のため、この国の産業や国民生活のためにならないというイメージが定着してしまった。
だからくだらない企業の買収防衛策が、目立った反対もなく株主総会で通ってしまったりまた日本は前時代的な排他主義に逆戻りするというやりきれない絶望感がある。

しかし日本電産と永守さんは「敵対的買収はやらない」という信念を持ち、また買収した企業は「短絡的なリストラで短期的な黒字化を目指さない」という徹底したポリシーを持っている。
一度永守さんをお招きした時に、永守さんは私に向かって
「オレは今まで買収した企業の社員の首を、一人も切ったことないでぇ」
と自慢しておられた。
それが自慢になるくらい徹底した人材活用を指向しているのだ。

永守流のM&Aでは買収した企業はほとんどが救済合併という色彩が強い。
モーター業界のライバル企業を買った時に、その理由を聞かれて
「ライバルではあるけどあの会社がなくなったら業界の損失や」
という意味のことを言っておられた記憶がある。
その企業を買収して徹底的な人員再配置をして、能率が落ちているところを再構築するというのが永守流の買収で、自慢しておられた通りリストラは一切やらない。
本来リストラクチャーというのはそういう再構築のことで、首切りは本来の意味ではなかったはずだ。

会社が傾くのは社員がやる気が無いからではなく、社員がやる気をなくすような非効率、風通しの悪さが蔓延するからだ。その原因を取り除いてやれば本来社員というのはやる気はあるはずだというのが永守さんの持論だ。
だから日本電産のM&Aはリストラを伴わないし、そういう実績があるから日本電産とM&Aの交渉のテーブルに付いた相手企業は永守さんらの話に耳を傾けるのだろう。



京都市に建てた自社ビルは高さが100メーター60センチなのだそうだ。
何故こんな半端な高さにしたのかというと
「京都は毎年6ミリ地盤沈下しとるんですわ。あと100年経ったら60センチ沈んでちょうど100メートルになるやろ。それを計算してこの高さにしたんですわ。」
ということなのだそうだ。

どこまでも人を喰った冗談なのか本気なのかわからない話がポンポン飛び出す永守さんだが、日本電産という企業はあと100年経ったら完成するという意味合いがあるのかもしれない。
100年後に本当の隆盛が来るというのは、企業の寿命30年説からいえばそんなに繁栄が続くのかとも思うが
「ホラも言い続ければ本当になるんですわ」
というのが信念の永守さんだから本当に100.6メーターのビルを建ててしまったことで、このホラを実現したいということなのかもしれない。




文中京セラの稲盛和夫名誉会長のお名前を初稿で「稲森」と書いてしまいました。訂正しておきます。指摘いただいたM.O.さんありがとうございます。



2007 年 7 月 27 日





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ArchDetect
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

アプリケーションフォルダをスキャンしてPPC、intel対応状況やUniversalBinaryかなどを表示してくれるアプリ。

昨年Appleは全てのMacをintelチップに載せ変えるというロードマップを発表して世間の度肝を抜いた。
私を含めた一部のMacユーザは強い拒絶反応を示したが、世間には概ね好感をもって迎えられたようで「もうApple製品なんか二度と買わない」というごくわずかな偏屈なMacユーザと引き換えに、「Macを使ってみたい」という数多くのWindowsユーザやUNIXユーザを獲得したようだ。
今はその移行の過渡期にあるので、流通在庫としてPPCMacもまだ販売されているしMacユーザもまだPPCユーザの方が多いだろう。

そのなかでAppleはPPC用に開発されたアプリをそのままintelMacでも動く仕組みのRosettaとアプリの側でBinary的にPPC用とintel用の2種類のコードを用意してそれぞれの環境で適した方が自動的に励起するユニバーサルバイナリという2つの仕組みを用意してPPCMacで積み上げたアプリの資産を斬り捨てることなくintelMacに移行できる道筋を用意した。

この仕組みは完璧ではないにせよ今のところ概ね良好な環境を提供しているようで、OS9からOSXに移行した時ほどの不満は出ていないようだ。
このintelとPPCというチップの性格と、この移行が何故大問題なのかという詳しい解説は「なんちゃってな用語辞典」のRISCプロセッサー、IAプロセッサー: Reduced Instruction Set Computer、intel-architectureという項目で詳しく書いた。 この解説もintelMacが発表される前に書いたものなので、ちょっとintelに対する揶揄も入っているが、あえて書き直さないでその後の経過を加筆するだけでにしている。
要するにRISCチップであるPPCで開発されたコードはIAチップのintelでは動かないというのがその当時までの常識だったからだ。

ユニバーサルバイナリというのは両方のコードがひとつのアプリに入っているということだから、これを表示することは可能だ。
それがこのアプリ。
スキャンした結果PPC、intelへの対応状況、ユニバーサルバイナリが組み込まれているかを検証できる。

私のところではTrimTheFatを使ってユニバーサルバイナリのコードを極力削除してディスク容量を節約しているが、そういうことをしていなければ今の自分のアプリケーションフォルダの中身がintelにどれくらい対応しているかを確認できるだろう。
これはそろそろintelMacヘの買い替えが現実的になってきている今の時期には、重要なことかもしれない。

これで何が使えるか、何が使えないかをあらかじめ確認しておくとintelMacを買ってから慌てなくてもいい。もっとも私の実感では最近のオンラインウエア作者の皆さんのintel対応ぶりは目を見張るものがあるので、大抵のことでは困らないと思う。
困るのは昔から愛用しているアプリで、作者さんも活動休止状態になってしまいアップデートがずっと止まっているようなアプリの場合だろう。

そこでこのアプリのもうひとつ重要な機能として選択したアプリの最新バージョンをMacUpdateでチェックすることができるというのがある。
これで未対応のアプリをアップデートすると意外に最新版ではintelに対応していたということがあるかもしれない。
私は年内には移行しないと思うが、これからintelに移行しようと考えているPPCMacユーザには重要なアプリになるに違いない。






ArchDetectを起動するとまずこのようにアプリケーションフォルダをスキャンする
最新の状況を把握するために起動すると毎回こうして読みにいくので
アプリをたくさん入れている私のような人は長時間待たされることになる





スキャンが完了するとこのようにPPC、intelの対応状況を表示する





上のタブでソートした表示もできる
これはユニバーサルバイナリのものだけ表示した状況





intel未対応アプリも選択してツールバーの「Search for Update」ボタンをクリックしてみる
デフォルトブラウザが起動してMacUpdateのページで最新バージョンを表示してくれる
これで意外にintelMacに対応したバージョンが見つかるかもしれない






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あなたのサイトに自爆ボタンを実装するwebパーツサービス(ただし本当に自爆します)

面白いブログパーツを見つけた。

こちらのネタ系ブログパーツ「自爆ボタン」 くるくるパーツ -KuruKuru Parts-さんのこのパーツはこのコードをコピペして自分のブログに貼るだけだ。 テストしたところ当サイトのようなhtmlサイトでもサーバプロバイダの制約はあるもののちゃんと動くようだ。

このコードをコピペすると下記のようにサイトに自爆ボタンを装着できる。
訪問者が
「なんだ、このクダラねぇサイトは? こんなサイトは二度と見るか、ベケテレェー」
という感想をお持ちになった場合、この自爆ボタンをクリックしていただければ良い。
そうするとこのサイトはボタンをクリックした直後に10秒のカウントダウンに入って自爆する。

自爆するとそのホームページは、その訪問者には二度と見ることができなくなってしまう。
後日何度再訪しても
「このブログは二度と見ることができません」
という表示が現れて本当に二度と見ることができなくなってしまう。
注意していただきたいのは、この自爆ボタンは訪問者の方からは解除する方法がないということだ。
一度カウントダウンが始まってしまうと中断することはできないし、自爆したサイトは本当に二度と見ることができなくなる。(ただしIPが変われば見ることができるようだ)

このwebパーツのコードは一枚ごとに固有のIDを発行しているようで、JavaScriptでIDごとに自爆ボタンを押した人のホストを記録しているようだ。
だからJavaScriptを受け入れる設定にしていないブラウザでは自爆することはできないし、過去の自爆も無効になるようだ。
しかし一度自爆してしまうと管理人さんにお願いしてIDを更新した新しいScriptコードをサイトに貼り直してもらわない限り解除はできないようだ。

これでビジタとブログ管理人の間にすばらしい緊張関係ができるだろう。
なんせ
「つまらないサイト・・・もう二度と読まない」
と思われたら自爆ボタンをクリックされてしまうので、管理人は自爆させられないような記事を書き続けなくてはいけない。
またビジタは一度自爆させてしまったサイトは二度と読むことができないので、本当に自爆させてしまっていいのか真剣に考えながら読むだろう。

この緊張関係はお互いにとって心地よいものになるに違いない。
それかもう二度と出逢えないということになるかもしれないが。




危険!
このボタンをクリックすると10秒後にこのページは自爆します。
一度自爆モードに入ると解除する方法はありません。
また一度自爆してしまったページは二度と見ることができません。








上のボタンをクリックするとそのページは自爆してこのような表示になる
一度自爆してしまうと次回再アクセスしてもこの表示を解除できない
さぁ、自爆ボタンをテストしてみるべし!
ただし二度とこのページを見ることができなくなる(本当に)





またこのパーツベンダーには自分のブログをゲーム化するパーツも用意されている
「Blog防衛隊」はコードをサイトに貼ると巨大ロボットが侵入してきて
ビジタはこのロボットをクリックで撃破しないと邪魔でブログが読めない
まさにゲームとwebサイトが合体した一粒で二度おいしいというか、単にジャマというか
このオバカっぷりがアッパレなブログパーツだ






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ビジネスの現場の悩みは意外にどこも同じようなことなのかもしれない

先日かなりの長文になってしまったが、ディテールを忘れないうちに書き留めておこうと日本電産の永守さんの話を書いた。
そうしたら、これとほぼ同趣旨のことを書いておられるサイトを見つけた。

こちらの経営者倶楽部「社員をリストラする会社の末路」というLucy Craft (ルーシー・クラフト)さんの記事がそれだ。
ルーシー・クラフトさんは在日歴が長いアメリカ人ジャーナリストで、主に経済記事を発信しておられる方のようでこういう経営に関する特に日本の問題点をつぶさに見てこられた方のようだ。

この記事でも日本電産の永守さんをテーマに取り上げ、やはりこのカリスマ経営者と言われている人のカリスマ性だけでなく「フォロワーシップ」を育て「リストラをしない=人材を資源と考えている」(建前でなく本当にそう思っている)、社長室にこもらないで社内の隅々に目を配っているというところに注目して永守さんという経営者を分析している。

そして返す刀で安直にリストラを繰り返す企業の末路について分析している。
このクラフトさんというジャーナリストはかなりポイントを押さえている方だと感心した。

特に後半のリストラを繰り返して短期的な黒字化を目指した企業にどういう末路が待っているのかという話は、実感としてあるいは実体験としてそうだとは思っていたが、こうしてはっきりと数字で示されると「やっぱりなぁ」という感じだ

このクラフトさんの記事は通して読むとかなり興味深い内容を含んでいて、
「社長が思いつきでやるブレーンストーミングは時間のムダ」
「社長の(寒い)ジョークで知る社内の人間関係」
「日本にあふれる渋谷系男に見る人材枯渇の予感」
「片手落ちのフレックス勤務制は失敗する」
「社内に堆積するヘドロを除去せよ」
「まずは部下の出社時間を気にする上司を根絶せよ」

など我が意を得たりと思うような内容が一杯詰まっている。
一読する価値は充分ある。

こういう記事を読むと、日本企業が抱えている問題というのは実際には大体どこでも似たようなことなのだという気がする。これらの問題は全てウチの会社に当てはまることだし、ヨソの会社でも大なり小なり当てはまることなのじゃないだろうか。
だから永守さんのような成功例を、単なる「経営者のカリスマ性」というところだけで捉えていると、そこから何も教訓を得られないような気がする。
ところがそういう決めつけ方をする人が、実に多いということも実感しているのだが。



2007 年 7 月 28 日





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よくわからんけど、ひょっとしたら「もうだめぽ」かもしれない

ここ数日の転送量は一進一退。
しかしもう打てる手は大体打ったのでこれ以上はどうしようもない。
あとは全過去ログの細分化だろうけど、なんとなくここいらが数字的には限界のような気がしてきた。
だからあとはninjaさんが「これぐらいなら大目に見てやろう」といってくれれば良いのだが、昨晩からこの転送量の管理画面に入れなくなっている。
単にサーバが不調なのかもしれないが、ひょっとしたらもうアカウントの削除が始まっているのかもしれない。
そういう不測の事態のために、旧サイトの
http://www.geocities.jp/nmuta2004/
をいつでも開けるようにスタンバイした。
もしもここが削除されて消えたら、とりあえずこのリンク先を覗いてみて欲しい。






転送量は一進一退、再び1GB/日を切ったが、ここいらあたりが数字的な限界か
それよりこの画面に昨晩から入れなくなっている


2007 年 7 月 29 日





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だとさ。だんだんあほらしくなってきたぞ

消えていたhttp転送ログにアクセスできるようになった。単にサーバが落ちていただけなのかninjaさんが仏心を出して復帰させてくれたのか。

それで転送量を見たらやっぱり3歩進んで3歩下がるという感じか。

ここは覚悟を決めた方が良いと思い他社のサーバサービスを終日ずっと物色していたのだが、どこも似たり寄ったりというか、帯に短し襷にも短しというか、それ以前に規約の内容があまりにも一方的で、例えば
「NGワードを使っているサイトは予告なしに削除する~ただしNGワードは一切公表しない」
なんてのとか
「管理者のあらゆる要求を無視するサイトは予告なしに削除する」
なんて一文なんかには笑ってしまう。
無料で使わせていただくんだから、ルールがあるのは分かるが
「そのルールの内容は一切公表できない」
というんじゃユーザは何を守ったら良いのだろうか。
要するに全てプロバイダーの胸先三寸、好き嫌い、気分次第でいかようにでもできるという規約が、そこら中に散見される。

そうかい、そうかい、わかったよ。
そちらがルールを明確化しないのに、こちらが誠実に対応しなくちゃいけない理由はどこにもないわな。






転送量は相変わらず一進一退
もう一応誠実な対応は尽くしたと思うので明確な意思表示を聞かせていただきたいものだ



ということなので各所に当サイトのミラーを置くことにした。

ninja版「MacOSXの新着アプリテスト記録とトラブルシューティング」
http://nmuta2004.ehoh.net/


以外に
ジオシティーズ版「MacOSXの新着アプリテスト記録とトラブルシューティング」
http://www.geocities.jp/nmuta2004/


FC2版「MacOSXの新着アプリテスト記録とトラブルシューティング」(非公開)
http://nmuta2005.web.fc2.com/nmuta2005/


アットページ版「MacOSXの新着アプリテスト記録とトラブルシューティング」
http://www2.atpages.jp/nmuta2004/


WING2版「MacOSXの新着アプリテスト記録とトラブルシューティング」
http://wing2.jp/~nmuta/


を増設した。
これからもどんどん増殖していく予定だ。
(こういうのもマルチポストというのかな?)
これならば一方的な「規約違反」通知に遭ってもどれか生き残るだろう。
少なくともアクセス制限をかけているFC2は生き残るはずだ。
それにこうして分散しておけば一カ所あたりの転送量は4分の1以下に減らせるはずだから、画像を画像倉庫に置いて直リンクするというような解決策よりも遥かに現実的なはずだ。
これで先方の要求も満たせるだろう。
画像置き場の容量や転送量の心配もしなくてすむ。
これからもどんどん増やしていくので、さらに転送量の負荷は減っていくはずだ。

これらは全て同時に更新していくので、どれでも好きなところをブックマークしていただきたい。



2007 年 7 月 30 日





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自爆は解除の方法があった

BBSで「nojiri」様より情報をいただいた。
先日ここでサイトを自爆させるネタ系ブログパーツ「自爆ボタン」 くるくるパーツ -KuruKuru Parts-を紹介した。
これをこのページにも貼ったところ、このページを開いたままくるくるパーツのページに飛んでテストページでサンプルを自爆させると、このページも連れ込み自爆を起こすというトラブルが続発したようだ。
何人かの方から、誤爆してしまったのでScriptを更新して欲しいという要望をいただいた。
それでこの対策だが、前の記事には「ビジタの方からこの自爆を解除する方法は無い」と書いてしまったが、実際には自爆を解除する方法があったという情報だ。

Finderの検索窓に
parts.kuru2jam.com
という文字列を入力して検索をかけると
parts.kuru2jam.com
#parts.kuru2jam.com

という二つのパーツが見つかる。
パスは
"~/Library/Preferences/Macromedia/Flash Player/macromedia.com/support/flashplayer/sys/"
"~/Library/Preferences/Macromedia/Flash Player/#SharedObjects/N5ZFE34K/"

あたりだ。
これを見るとFlashがこの映像だということが分かる。絵ヅラを見れば当たり前か。

この二つのフォルダを削除するとユーザの方から自爆は解除できる。
ただ私のところで検証したところ残念ながら一度このパーツを削除してしまうと、今度は二度と自爆はできないようだ。
「そんなもん、できんでもええわい」
という人には関係ない話だが、この「一度自爆してしまうともうあなたと私の縁は一生切れてしまう」という緊張感が良かったのになと思う。
ちょっと残念。

情報をいただいた「nojiri」様、ありがとうございました。






上記の文字列を検索窓に入れると出てくるこの二つのフォルダを削除する
これで自爆ボタンの自爆は解除できるがちょっと残念な気も






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The Bows of Shoga-La
(Freeware, Widgets for Dashboard)
OS10.4Tiger対応

このネズミなのか、ウサギなのかカンガルーなのかよくわからないがShoga-Laというキャラクターが弓を撃つのを操作して的に当てるというそれだけのゲーム。
ひとつずつステージをクリアしていくと段々難易度が上がるという古典的なゲーム構成。

といっても操作は弓を撃つ角度と弓を引く強さを調整するだけだ。
実にのんびりしたゲームだ。






The Bows of Shoga-Laはこのカンガルーのようなキャラが 的に弓を当てるというそれだけのゲーム
しかしステージが進むにつれ障害が多くなるので弓を引く強さと軌道の関係を速くつかむのがコツ






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「『突っ込みどころ満載だな』なんて言わずに素直に突っ込めばいいのに。」に禿しく同意

真性引き篭もりさん「『突っ込みどころ満載だな』なんて言わずに素直に突っ込めばいいのに。」というエントリに禿しく同意。

「突っ込みどころ満載だな」
なんて言ってる奴から有為な「突っ込みどころ」を聞かせてもらったことが一度もない。
この記事の通りこういうことを言う奴に限って
「ここに誤字、脱字がある」
「~のスペルが間違っている」
とかそういうレベルの突っ込みどころしか聞けない。
結局こういう連中は自分では何も創造できないひがみを「誤字脱字」を日々見つけ出して溜飲を下げているんだろうとしか思えない。

その満載の突っ込みどころってなにかを教えてくれよといくら聞いても
「オレはそんなヒマじゃない」
と来る。
結局満載というほど「突っ込みどころ」を見つけてないんじゃないの? 下手に突っ込んだら返り討ちにあいそうだから
「どうでもいいから書かないけど突っ込みどころ満載」
としか書けないんじゃないだろうか。
まぁ、どっちでもいいんだけど。
「突っ込みどころ満載」
なんて言ってないで素直に突っ込んだら良いのにというこのエントリの記事はきわめて妥当だ。
真摯な異論からは何事かが得られるかもしれない。
少なくとも自分とは違う見方をする人の意見を聞くのは、大抵の場合何か得るものがある。
しかし「突っ込みどころ満載」とか言ってるだけの人物は、とりあえず気分が悪くなるだけで何も得るものがない。またその意図もとりあえず相手の気分を悪くさせるだけだろうとしか思えないことが多い。
こういう相手には「氏ねばいいのに」という反論しかできない。こちらまで低レベルになってしまうのだ。

それで出てくるのが「誤字脱字」だったら怒るけどね。
それは突っ込みどころじゃなくて「間違ってますよ」と教えてあげるところでしょ。
この世の中には絶対誤字脱字やスペル間違いをしないような神様な人間なんて居ないんだから。
それを「突っ込みどころ」とか言っている連中は自分は絶対に間違えない自信があるのか、それとも自分では絶対にまとまった文章を書かないから間違えないに決まっているとタカをくくっているのか。

「とりあえず相手を下に置いて、見下しておきたいだけにしか見えない。」 というのは卓見。
でもこれってガキの喧嘩だよね。それもあまり強くない奴がやる喧嘩のやり方じゃないだろうか。
この一文は「突っ込みどころ満載」だと思うのでガンガン突っ込みを期待している。




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「段ボール入り肉団子はでっち上げ」報道に思うこと

随分参戦が遅れてしまったが、これも書いておかなくてはと思ったので。
中国のテレビ局が報じた「肉団子に段ボールを混入させていた悪質業者」のニュースに日本のワイドショーなんかは激しく反応していたが、それがデタラメ報道だということが明らかになったとたんに中国人のデタラメぶりに非難囂々、実に面白かった。
そりゃ歯磨きにネコイラズが入っていたり、うなぎに抗生物質が入っていたりの国だから、肉団子に段ボールが入っているくらい不思議でも何でもないかもしれない。

でもこれがでっち上げ報道だったというのは私には違う意味で衝撃だった。
「中国も随分民主的になったのだな」
と思う。
これが文革の時代だったら、このでっち上げニュースを流したディレクターも番組のプロデューサーも即日人民裁判にかけられて、即日公開銃殺だったろう。

さすがに中国でも譴責はあるだろうけど、そういうことにはならないということが分かっているからこんなことをしたんだろう。
あの国もオープンになったものだと思う。









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