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Windows7の「ファイル名を指定して実行」の履歴が残らなくなってしまった〜履歴表示、あるいは消す方法と「ファイル名指定して…」の便利なTips(追記あり)
Windows7の「ファイル名を指定して実行」 は履歴が見えなくなってしまった。
これがとても不便なので対処法を。
それと「ファイル名を指定して実行」 にまつわるTipsいくつか。
さて、世の中はWindows7、8更新祭りである。
どういうことかというと、もうつとに各所で話題になっているが、来年・2014年の4月にWindowsXPのサポートが正式に打ち切られる。
サポートが打ち切られるということは4月9日に突然動かなくなるわけではない。
だから「Windows7にバージョンアップしないオレ様情強…」とか勘違いするする人も出てくるかもしれない。
あるいはお金がない会社でXPを使い続けるところも出てくると思う。
現に未だにWindows2000をメインの勘定系も含めたシステム用に使っている企業を知っている。
しかも結構大手だったりする。
しかし、単にバギーであるというのとサポート打ち切り・サービスエンド品というのでは全く事情が違うのだ。
来年の4月10日以降はWindowsXPに重大なセキュリティホールが見つかっても、マイクロソフト社は一切対応する気がない。
それで重大な顧客情報漏洩とかの事故が起こっても
「その警告は既に周知させています。Windows7以上に更新してください」
と答える以外に何もする気はないと言っているのだ。
いよいよWindowsXPも腐ったミルクの仲間入りだ。
それで各所では、特に職場ではリース品のPCのWindows7/8更新が進んでいる。
Vistaに更新するところはさすがにないようだ(w
ビジネスユーザの場合Windows8はまだ様子見という空気が強く、Windows7に更新する企業が多い。
すると今までVista以上の新しいOSにほぼ無関心だったユーザがWindows7に乗り換えて、阿鼻叫喚とはいかないまでもあちこちここが変わった、ここが使いにくい、XPのようにもとに戻すにはどうしたらいいかなんていう管理者へのクレームが沸き起こっている。
「ファイル名を指定して実行」 なんてのもそのひとつで、その履歴はXPまでは見えるのがデフォルトで、プライバシーのために見えなくするTipsなんかが紹介されていたが、7(正確にはVista以降)はこの履歴が見えないのがデフォルトに変わった。
それで今度は履歴を見せるにはどうしたらいいかというTipsが成立する。
詳細キャプチャーで。
それとこの「ファイル名を指定して実行」 自体スタートメニューに見えなくなったのが7ではデフォルトになった。
以前ここで紹介したWindowsキー+Rキーで一発で呼び出せるので、これはそれほど不便でもないがやはりスタートボタンから呼び出す操作に馴れているユーザも多いから、この設定変更の方法も紹介する。
さらに「ファイル名を指定して実行」 の便利な使い方についても。
以前ここでも紹介したコマンドプロンプトとか呼び出すのに超便利な「ファイル名を指定して実行」
しかしWindows7ではその検索履歴が残らなくなった
いちいち対応しないと行けないのが面倒になった
そこで履歴が残る設定はタスクバーまたはスタートメニューの何もないところで右クリック
そこのプロパティを開く
開いたタスクバーとスタートメニューのプロパティ のスタートメニュー タブに入る
ここのプライバシー の項目がふたつチェックが外れている筈だからこれを入れる
すると次の操作から「ファイル名を指定して実行」 での検索履歴が残って表示される
なぜこれにこだわるのかというとコマンドプロンプトを呼び出す時
cmdと打つが次からはカーソルキーだけで履歴で呼び出せるからだ
ここでネットワーク越しの共有とかExplorerのURLとかも打つので
使い慣れるとこの履歴が出ないのはものすごくストレスになる
例えばOSのバージョンを知りたい時Macならリンゴメニューの「このMacについて」 だが
Windowsの場合はこの「ファイル名を指定して実行」 でwinverと打つ
他にregedit/レジストリエディター、mspaint/ペイント、calc/電卓、msconfig/設定
winword/Word、explorer/エクスプローラー、notepad/メモ帳…あたりが強烈に便利
さらにネットワーク技術者ならここから¥¥192.168.0.2¥とかhttp://192.168.0.1/とか頻繁に打つに違いない
他にもドクターワトソンはdrwatsonとか便利なコマンドがたくさんある
ここにこの便利コマンドの一覧表 があった
その「ファイル名を指定して実行」 はWindowsキー+Rキー で一発表示できることは
ここでも紹介したが多くのWindowsユーザはスタートボタンから開く操作に馴れている
ところがWindows7ではスタートメニューには「ファイル名を指定して実行」 は
なぜだか表示されないのがデフォルトになった
そこでまたタスクバー右クリックでプロパティを呼び出して
「スタートメニュー」 のカスタマイズボタンをクリック
このカスタマイズメニューで「ファイル名を指定して実行」コマンド
というメニューのチェックを入れる
するとXP以前と同じようにスタートメニューに
「ファイル名を指定して実行」
が表示されるようになる
<追記>
Windows7のいけてない「改良点」について書いたブログをここ をはじめいくつか見つけた。
このブログは3年前のブログだが今もあまり事情は変わっていない。
Appleは唯我独尊カルチャーでMicrosoftはビジネスユーザにおもねったUIというのが定評だが、実際にはMicrosoftはあまりこうしたユーザの声を取り入れることはないようだ。
時間はたっぷりあったのに何も変わっていない。
逆に頑固でポリシーガチガチと思われているAppleは案外ユーザの声に押されてUIの考え方が変わったりする。
(それが行き過ぎるとOS9の機能拡張のようにユーザーが何もしなくても最初から自己矛盾しているようなOSが出来上がってしまったりする)
意外にここらは評判と実際は違う気がする。
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Files for OS X (Freeware)
OS10.7Lion対応
OS10.8Mountain Lion対応
ターミナルでのファイル操作に似た雰囲気の高速GUIファイルブラウズ・オペレーションアプリ
MacのデフォルトのファイルブラウザはFinder で、これの出来が良くないという声は昔から根強い。
私個人的にはこういうことを言う人はMacを使いこなせてないだけじゃないかと思うのだが、Finder に不満は確かにないわけではない。
それでPath Finder など始め代替ファイルブラウザはいくつかあるのだが、このFiles はUNIXから入ってきた、ターミナルシェルでファイルを操作する人には馴染みやすい操作感かもしれない。
何よりも表示が高速だし。
詳細はキャプチャーなのだが、すべての操作をメニューバーボタンかメニューコマンドで実行、ファンクションキーを中心にしたショートカットキーがすべて割り当てられていて、ほぼ全てのファイル操作をキーボードだけで可能というのが面白い。
ファイルの移動を「リネーム」でするのがいかにもUNIX的。
そういう概念になじみがある人は、むしろGUIのFinder よりも使いやすいかもしれない。
Files は左右2ペイン方式のファイルブラウザ
それぞれのペインに「Go to」ボタンがありおもだったディレクトリに直接飛べる
「..」となっているフォルダは上の階層に移動、下の階層はフォルダアイコン選択でEnter
表示の基本はリスト表示だがファイル名を全部表示できるワイド、
1列表示のフル、2列表示のミドル、3列表示のショートが選べる
これがワイド、ファイル・フォルダ名と種別/サイズ、タイムスタンプなどが表示される
Windowsで言うところの「リスト/詳細」というイメージ
スモールにするとこのように3列表示になるので
数百のファイルが入っているディレクトリの中身の表示に便利
Finder でいうところのQuicklookのような機能もある
PreviewというメニューがそれでホットキーはF3が割り当てられている
F3キーを叩くとこの通りファイルのプレビューが可能
またOption+F3でインターナルプレビューになってhtmlなどのタグを表示できる
Control+Aキーでファイルの属性の表示、変更が可能になる
File Attribute(ファイル属性)設定画面
可視不可視やアクセス権だけでなくタイムスタンプも含めて細かい変更が可能
セレクトマスクは特定の文字列で選択する
たとえば*.というワイルドカードを使ったマスクで
指定した拡張子を持ったファイルだけ選択できる
非選択マスクは逆に指定の文字列のものだけ除外できる
*.で指定した拡張子のファイルだけ全選択の解除が可能
そして面白いのがファイルの移動
右のペインから左のペインにファイルを移動したい時にドラッグアンドドロップでは移動できない
F6キーでRenameコマンドを呼び出すと選択しているのと逆のペインのパスが見えている
このままリネームをApplyすると選択しているファイルが他方のペインに移動する
いかにもUNIX的なファイル操作だ
設定で「クラシックモード」というアピアランスに変更できる
このクラシックモードを見るとこのファイルブラウザがどういう出自か分かる気がする
ディレクトリは白文字、ファイルは水色文字で表示される雰囲気はシェルのファイルリストだ
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B1FreeArchiver (Freeware)
OS10.6SnowLeopard対応
OS10.7Lion対応
OS10.8Mountain Lion対応
Zip、7z、B1が扱えてWindowsのアンジッパーやアンアーカイバのように圧縮ファイルを開いてもコピーを書き出さないでファイルブラウザのように中身を表示する(一部圧縮も作れる)アーカイバアプリ
Macのアンアーカイバはシステムデフォルトのアーカイバユーティリティ があるのだが、これは扱えるフォーマットの種類が少なくて、ちょっと困るケースがある。
例えば最近Windowsの世界でよく見かける7z(7zip)形式のアーカイブはテキストなどの圧縮率がzipよりも高く、下手するとzipの5分の1くらいの大きさまで圧縮することができる。
デカいファイルを
「メールでくれ、ファイル転送サービスなんかで送るな!」
とかいうわがままな相手とのやり取りには大変重宝するのだが、この7zがMacのアーカイバユーティリティ では扱えない。
この問題はThe Unarchiver 等を使えば解決するのだが、WindowsからMacにスイッチしてきたユーザには
「zipとか7zとか開こうとするとなんですぐにコピーファイルを書き出そうとするのか?Windowsのアンアーカイバのように中身を見せるだけで書き出しをいきなり始めないようなアンアーカイバはMacにはないの?」
という不満が残ると思う。
それはこのB1FreeArchiver が解決してくれる。
これでzipや7zを開くとファイルブラウザのようなウインドウが開いて、アーカイブの中身を見せてくれるがいきなりコピーを書き出さない。
中身のうち必要なものだけを取り出すことができるので、元ディレクトリが散らかって舌打ちなんてこともない。
今のところ展開はzip、b1、7z、zipx、rar、tar、gz、tgz、tar.gz、tpz、taz、bz、bz2、bzip2、tar.bz、tar.bz2、tbz、tbz2などほぼ全てのアーカイブ形式が対応できる
作成の方に関してはzipとb1のみだが実用は問題無いと思う。
B1FreeArchiver のインターフェイスはいわゆるエクスプローラタイプ
アーカイブを作る方はこのボタンからダイアログに入る
b1とzipが選択できる
b1を選択すると指定したファイルサイズで分割したアーカイブも作成できる
また解凍パスワードも設定できる
メールなどでやり取りする場合の利便性が高い
例えばWindowsで最近頻繁に使われる7zをMacで展開してみる
勿論The Unarchiver 等でも可能だがこのB1FreeArchiver がいいのは
いきなり展開したファイルを元のディレクトリに散らかしたりしない点
これがWindowsのアンアーカイバに慣れた人には使いやすいに違いない
B1FreeArchiver を起動するとアーカイブファイルのアイコンはこんな感じに変わる
キャプチャーを撮った後で気がついたのだが設定でUIの表示言語を選択できる
日本語化も可能だ
このアンアーカイバは展開についてはこのように多様な形式に対応している
チェックを入れた形式はデフォルトのヘルパーアプリとして登録できる
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EVE (Freeware)
OS10.7Lion対応
OS10.8Mountain Lion対応
Macのショートカットキーをフローティングで表示してくれて覚えにくいキーも覚えられるメニューバーアプリ。
Macはショートカットキーを覚えればオペレーションを非常に高速化できる。
特にテキスト、イメージエディタ、動画、オーディオファイルプレイヤー、エディタなどそれぞれ独自ショートカットキーがあって、ルーチンワークでこれらのキーコンビネーションを覚えると目覚ましく作業は高速化するけど数が多すぎて覚えられないなんてことも多々あると思う。
でもいつも使うアプリのいつも使うメニューだけ憶えていればいいので、その時にちょこっとカンペーを出してくれれば次回からちゃんと覚えられると思う。
本当はGUIのメニューバーのメニューにもキーコンビネーションはちゃんと書いてあるんだけど、その時はほぼ見ていないし後になって
「ああ、このメニューのショートカットキーがあったのに」
と舌打ちするのが大抵だ。
ならばこのEVE が操作をした後でショートカットキーを控えめに教えてくれる。
例えばネットワーク越しに共有につなぎたい時、Finder の移動 メニューからサーバへ接続 メニューと選んで、URLのリストを呼び出す。
するとEVE がコマンド+K とデスクトップに表示してくれる。
Growl を入れている時はGrowl で表示してくれるし、入っていない時には通知センター のバナーで表示してくれる。
これの特筆すべきところはEVE 起動中に起動してきたアプリのリソースファイルからショートカットキーを読み込んで、どんどんショートカットキーブラウザーにキャッシュすることだと思う。
該当アプリを終了してもショートカットキーは残るようなので、その分キャッシュも膨らんでどうだろうかという懸念もあるが常時使うアプリはたいていの人の場合20〜30というところだろう。
アプリが起動していない時は消灯表示になるのが面白い。
必要ないショートカットキーを表示しない設定も細かくできる。
EVE はメニューバーアプリとして常駐する
プルダウンするとショートカットキーブラウザを表示できる
終了もここから
EVE のユニークなところはショートカットキーをプリセットされて
いるわけではなくその時にアクティブだったアプリから読み込んでいる
なのでアプリをたくさん起動すればライブラリーもどんどん増える
アクティブではないアプリが消灯アイコンになっていることに注目
表示の必要がないショートカットは右のチェックで非表示にできる
例えばFinder でサーバへ接続 としてみると…
同じことをコマンド+Kキー でできますよと表示してくれる
上記はGrowl の表示だがGrowl を入れていない場合は
システム標準の通知センター のバナーで表示してくれる
このため対応OSは通知センター があるLion以上となる
Growl の場合たいてい同一画面で表示捨てくれるのだが…
フルスクリーンアプリの場合別画面の表示になってしまうのはGrowl の仕様だからしかたがない
EVE は通知センターで使った方が便利かもしれない
Temperature Monitor のようなサードパーティアプリの
独自ショートカットキーもちゃんと読み込んで表示する
さらにAudacity のようなJavaランタイムアプリでもショートカットキーを読み込んで表示できる
Javaものはメニューバーのショートカットキーの表示がわかりにくいのでこれは重宝すると思う
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Laserface (Freeware/Shareware)
OS10.6SnowLeopard対応
OS10.7Lion対応
OS10.8Mountain Lion対応
宇宙からやってきた謎の生物を撃退するLaserface Jonesを操って無数のエイリアンを殲滅する縦横スクロールシューティングゲーム
ありがちなパターンだけど、何も考えないでバカスカ撃ちまくるようなシューティングゲームを無性にやりたくなる時もある。
そういう時にまさにうってつけのゲーム。
Laserface Jonesがゲームのタイトルらしい
このカエルの卵のような巨大エイリアンの巣が地球に襲来
Laserface Jonesが最後の希望だ…という説明が続く
主人公はスペーススーツを着て横、縦スクロールを移動して撃ちまくる
マウスでポイントを移動してクリックでシュート
カーソルキーまたはW、A、S、Dキーで上下左右に移動
ボスキャラ?なかなかダメージを与えられないがとにかく休まず撃ちまくること
やられてもReturnキー一発で復帰
こういうアホっぽさが好き
2ndステージ以降はシェアウエアレジストが必要ということらしい
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Byline (Freeware for iPhone, iPad)
iPhone、iPadで使える、Feedlyと同期できるRSSリーダーアプリ。
突然のGoogle Reader終了騒ぎで、RSSを利用しているユーザは何に乗り換えるかで阿鼻叫喚になっていたが、結局Feedlyに乗り換えた人が多かったんじゃないだろうか。
当初はいろいろ使い慣れないのが不便と文句を言っていたが、使い慣れてみるとGoogle ReaderでやっていたことはFeedlyでもほぼできるのでどうってことはなかった。
ただちょっと困ったのはGoogle Readerに同期していたRSSリーダーアプリの方だ。
特にiPhoneで今までは使っていた環境はGoogle Readerと同期していたので当然何もRSSを吐かなくなってしまった。
それでFeedlyと同期できるRSSリーダーをいくつか試してみたが、なかなか前の環境に近いものがなかった。
いろいろ試した結果、このByline が一番手に馴染んだ。
登録したサイト全部をニュース的に見ることもできるし、それぞれひとつずつ見ることもできる。
気になる記事は、あとでじっくり読んで先にどのRSSをポストするか探す作業を集中してやりたい。
ところがリフレッシュがかかると一度開いたページが消えてしまう。
既読ページが消えない設定にすると今度は、用がないページが消えずに残る…
この不便さをどう解消したらいいかというのが悩みだったが、このByline は「あとで読む」というフォルダを作ってこの問題をあっさり解決してくれた。
開いたフィードをあとで読みたい場合は、下のバーの星マークをタップしていれればそちらのフォルダに保管される。
これがベストかどうかはわからないけど、今のところこれが一番使えるRSSリーダーなので結局こればかり使っている。
と言いながらこれを使い慣れたら、これを入れるまではどうやってRSSを見ていたのか思い出せなくなったw
Byline はディレクトリ構造を同じページで一覧できる構造
「すべて」がRSSの全体で、その中の個別のRSSが下のリスト
「すべて」をタップするとこのリストが現れるエクスプローラーっぽい操作
そして一番上が「あとで読む」フォルダ
それぞれのフォルダには未読のフィードのリストが見える
この通り全文フィードも表示できる
これを開いてリストに戻るとリフレッシュした時に
既読フィードとして消えてしまうので
下の星マークをタップして白くしとくとこれが
先ほどの「あとで読む」フォルダに入る
「あとで読む」フォルダの中には先ほどの星を付けた記事が並んでいる
読んでみてもう見返すことがない場合は右の星を消せばいい
リフレッシュすると星を消された記事が消える
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Sync!Sync!Sync! (Freeware/Shareware)
OS10.7Lion対応
OS10.8Mountain Lion対応
ふたつのフォルダを同期、あるいは差分追加、あるいは双方向同期、圧縮コピー、FTP同期転送などができるバックアップアプリ。
フォルダ単位の同期アプリということならいくつかあるが、このSync!Sync!Sync! は上記のように多機能で、ネットワーク越しにヴォリュームの同期とか、アップローダとしても使えそうだ。
同期コピー、追加コピーもそれぞれ「選択」というメニューも用意されファイルの書き込みや削除の時に確認を出すこともできる。
週一あるいは毎日定期バックアップを取るスケジュール機能もあるので、バックアップは取りたいがTime Machineは必要な容量がデカすぎて困るという場合は、その代わりとしても使える。
詳細なログが残るのもありがたい。
何を削除して、何を追加したかはログから追える。
フリーウエアとしてもフル機能を利用できるが、バックアップの組み合わせは3つまでに制限される。
シェアウエア登録すると制限が無くなるので、フリーウエアとして試用してみて使えると思ったら登録すればいい。
Sync!Sync!Sync! は左の同期リストに+ボタンで組み合わせを追加
右のバックアップでどのフォルダからどのフォルダへ同期したいかを選択できる
追加はA+B、同期はBをAに置き変え、双方向は元もA+Bに同期する
それぞれ「選択」という確認画面が出てくるモードもあり他に圧縮、FTP同期などが用意されている
この組み合わせはLE版(フリーウエア)では3つまで登録できる
シェアウエア登録するとこの制限が無くなる
「バックアップ」ボタンをクリックするとディレクトリ設定の確認タグが2回でてくる
ここを間違えるとバックアップしたい元ファイルを消してしまうので慎重に確認しろというこだ
同期が始まると「実行中です」という表示とともにプログレスバーが出てくる
プログレスバーは詳細表示で今何をしているかの表示も可
作業が完了するとMountain Lionの場合通知センターから完了の表示が出る
ログが残るので何を実行したかを確認できる
ログをたどって何をコピーしたか、何を削除したかを追うことも可能
なにも追加、削除されなかった場合の表示はこんな感じ
こうして同期してみると結構サーバにはゴミがたまっていることがあるので
Sync!Sync!Sync! でネットワーク越しにサーバのファイル管理という手もある
同期速度は速い方だと思う
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CPUSetter (Freeware)
OS10.8Mountain Lion対応
Mac上でもCPUを仮想的にマルチスレッド化するハイパースレッディングを実現するアプリ。
ハイパースレッディングについて簡単におさらいすると、コンピュータはCPUの処理スピードで大体の体感速度が決まってしまうくらい、CPUの処理速度が重要なのだがかつてはこれはCPUのクロックを上げることでスピードアップしてきた。
1秒間に何桁の計算ができるかというのがクロック数。
この数字は等比級数的に伸びてはきたのだが、そろそろ技術的には限界にきている。
しかしますますOSは巨大化し、扱うデータもテキストから画像、画像から音声、音声から動画というようにこれまた対数グラフ的にどんどん大きくなっていてまだまだCPU高速化の要求はとどまる状況ではない。
じゃ、どうする?
一人でどんなに急いでも仕事が間に合わないんだったら、何人かで手分けしてやりましょ…これがマルチコア化。
CPUというチップの中にCPUのサーキット(core)がふたつとか4つとか複数入っている今のモダンCPUがそれ。
でもこれも限界があって、放熱の問題とか考えると10coreとか40coreとかはとても実現できる望みが薄い。
そこでひとつのCoreの中の処理を多重化して仮想的に複数のCoreがあるかのようにマルチスレッド化する技術をIntelは「ハイパースレッディング」と名付けた。
4Core8スレッドというようなスペックの場合、同時に並行して8つの処理プロセスがデータを処理している。
これは実感でもそうなのだが、このようにマルチスレッド化してCPUの処理速度は速くなるかというと
「速くなる場合もあるしならない場合もあるし、場合によっては遅くなる場合もある」
ということなんじゃないだろうか。
たとえばマルチタスクで多数のファイルを処理するような場合、確かにマルチスレッド、ハイパースレッディングは威力を発揮するようだ。
扱うデータが単調でリニアだから分割しやすいということらしい。
ところがビデオエンコードとか大きなデータが流れてくる処理は逆に遅くなったり、負荷が大きくなったりということがあるようだ。
実際業務用アプリの動きを見てると、最初からCoreの片側しか使わないように調整されているものもある。
実は今本業の方でもこういうケースに遭遇していて、ハイパースレッディングマンセーというわけではないのだなということを実感している。
Macの場合も実はこのマルチCore、ハイパースレッディングというのはコントロールできる。
できるんならやってみようというのがこのアプリ…ということらしい。
CPUSetter は物理的なCoreのうちいくつを使うか、またハイパースレッディングをいくつ使うかをスライドで制御する。
残念ながら私の2009年モデルのMacBook ProはCoreDuoなので、実際試してみるとCoreをふたつ使うかひとつに絞るかしかコントロールできない。
ハイパースレッディングに対応していないから仕方がない。
最近のMacの採用しているCPUならできる筈だ。
ただし上記のような理由で、それで高速化するかどうかは扱うタスクの種類によるし、場合によったらスレッドやCoreをシングル化した方が速いという場合もあると思う。
また今私も直面している問題だが特定のアプリがうまく動かない場合、シングルスレッド化することでうまく動くようになるということだってありうる。
このアプリがどう役立つかはケースバイケースだと思うが、試してみても面白いと思う。
CPUSetter を最初に起動する時にHelperを「インストールするか?」 と聞いてくる
ヘルパーは以下のライブラリフォルダにインストールされるので管理者のパスワードを要求される
/Library/PrivilegedHelperTools/net.whatroute.cpusetter
/Library/LaunchDaemons/net.whatroute.cpusetter.plist
たとえばCoreDuoの私のMacBook Proの場合ふたつのプロセッサが動いている
CPUSetter の南京錠アイコンをクリックして解除すると変更可能になる
このようにシングルCoreにすると片側のプロセッサに
処理が集約されてもうひとつは休止状態になる
元に戻すとこの通り
仮想マシン上ではやっていたがホストのOSの上でもこういうことができる
さらに最近のCPUなら論理CPUも使える筈だから4Core8スレッドが可能になるかも
ただし上記の通りスレッドを増やせば高速化するかというと必ずしもそうではない
ケースによっては逆に遅くなったり動作に不具合が出てくる可能性もある
逆にマルチスレッドが原因で動作がおかしいアプリの
動作テストとしてスレッドを減らすという使い方もできる
むしろこちらの方が用途があるかもしれない
CPUSetter のアンインストールだが本体を削除だけでもいいのだが
ヘルパーが気になるならアンインストールは以下の方法で
Finder の検索で「CPUSetter」 と入れて+ボタンで検索条件を追加
「システムファイル」 を「含む」 を選択する
すると/Library/PrivilegedHelperTools/net.whatroute.cpusetter
/Library/LaunchDaemons/net.whatroute.cpusetter.plist
の2カ所にヘルパーが入っているのが見つかるからこれを削除する
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Groove Racer (Freeware for iPhone, iPad)
昔懐かしいレーシングサーキットゲームアプリ
ケーシングサーキットとかスロットレーシングとかいう名前で、私が子供の頃流行したのは結構大きなコースにレール状のミゾがあり、そこに電極を挿した車を手元のリモコンのボタンを押すとスロットルの操縦になるというゲームだった。
操縦といってもハンドルはなく、レールから脱線しないようにスロットルを加減しながらできるだけ速くコースを走るという競争だった。
当時小学生だった私にはとても手が出るシロモノではなく、大人や金持ちの友達が遊んでいるのを眺めているだけだった思い出がある。
このゲームもハンドルさばきは関係なしで、画面にタッチするとスロットルを押し込んだ状態になる。
当然押しっぱなしだとすぐにコースアウトしてしまうので加減が必要だ。
ゲームはフリーウエアだがコースやレースカーの購入が有償になる。
もう見た目も遊び方も昔のスロットカーそのもの
画面にタッチすると加速するがタッチしっぱなしだとすぐにコースアウトする
タイムアタックでコースレコードをクリアするとこういう表示
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MacAppBlocker (Shareware)
OS10.6SnowLeopard対応
OS10.7Lion対応
OS10.8Mountain Lion対応
Mac上の特定のアプリをブロックして起動しない、あるいは操作できないようにするメニューバーアプリ。
前々からこういうアプリが無いかと思って探していた。
Macには隠しファイルやアクセス権などを使って特定のファイルを隠すとか開くことができなくするとか、そういうところは割と手厚くサポートされているが、特定のアプリだけをブロックする機能というのが欲しいと思っていた。
例えばマルチユーザで運用する時に、当然管理者はシステム設定をいじったりネットワーク設定をいじったり自由にしたいが、ユーザがそういう領域に触ることを禁止したい、それだけじゃなくてメンテナンスアプリを触ることも禁止したいとかそういうケースがあると思う。
それ以外の機能はユーザに自由に公開したいのだから、あまり管理権でガチガチに縛ってしまうのは問題がある。
そういう時に個別のアプリ単位で禁止、許可が設定できればいいのにと思っていた。
このMacAppBlocker がまさにそういう用途で使える。
使い方は以下の通り。
起動すると最初にパスワード設定を要求される。
これがアプリを起動する管理者パスワードになるから、紛失しないこと。
あとはMacAppBlocker の管理画面をメニューバーアイコンから開いて禁止したいアプリを登録していけばいい。
この管理画面を開くのも先ほどのパスワードを要求される。
またこのMacAppBlocker でアクティビティモニタ やTerminal も禁止にできるから、MacAppBlocker 自体を強制終了することもできなくなる。
設定画面にはアクセス失敗の履歴が残るから、誰かがアプリをいじろうとしていたかどうかもわかる。
ディスプレイ用にMacを展示する場合にも客が勝手にいじって変なもの起動しないようにするとか、使い道はあると思う。
シェアウエアだが、15日間はフル機能を利用できるので試してみて使えると思ったら購入すればいい。
最初にMacAppBlocker を起動するとパスワードの設定を求められる
起動時に自動的に開くチェックもあるがこれを設定してしまうと解除が困難になる
「このパスワードを忘れたり他の人に知れたりしないようにしろ、
問題が起きてもリセットできんぞ」 という注意を「読んで理解した」という同意を求められる
同意したら下のチェックを入れてサブミットで進む
こちらは次に出るMacAppBlocker が起動したぞという警告
MacAppBlocker が起動するとメニューバーに南京錠アイコンが現れる
普段は黒だが誰かが禁止項目に触れたら赤くなる
南京錠アイコンをクリックすると設定画面に入れるが
設定画面に入るのもMacAppBlocker を終了するのも
先ほど設定したパスワードを求められる
最初に設定画面に入るとポップアップが出て「Terminal 、
アクティビティモニタ 、システム環境設定 へのアクセス禁止を追加」 をレコメンドされる
これらからMacAppBlocker を止める方法があるのでそれを完全にシャットアウトせよということだ
「Click Here」 をクリックすると一発でそれらの設定ができる
なかなかご念の入った仕様になっている
禁止するアプリの追加と削除はこちらのボタンから
追加ダイアログでアプリケーションフォルダが開くので禁止したいアプリを選ぶ
禁止されたアプリを起動するとパスワードを求めるフォームが現れてアプリ本体は操作できない
パスワードを入れない限りここから先には進めないのだ
パスワードを入れないで回避したらその履歴が管理画面に残るので
誰かがいじろうとしていたというのが管理者にはバレてしまう
ここでひとつ実験した
アプリケーションフォルダに入っているアプリはそのままに
禁止されたアプリを別にネットからダウンロードしてきて
デスクトップに解凍して起動するとMacAppBlocker を回避できるか…
結果はこの通り、そういうズルをしても見事にブロックされた
設定を見ていたらステルスモードというのもあった
メニューバーアイコンも表示しないので任意に設定したショートカットキーを
叩かないと設定画面も呼び出せないし終了もできない
管理者以外のユーザは触れることもできなくなってしまうモードだ
これもショートカットキーの組み合わせを忘れないように使うこと
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Macをログオフすると100%フリーズする2〜やっぱり再発、切り分けた結果解決法はSMART Driver のアンインストールだた…<追記あり>
先日MacBook Proをログオフするとログイン画面が立ち上がってこず、100%フリーズするという問題を取り上げた。
Macをログオフすると100%フリーズする〜その時の対処法と原因は?
この時の解決法で、Preferenceフォルダの中の
com.apple.loginwindow.plist
に関連するゴミファイル削除とByHostフォルダの中を綺麗さっぱりしてしまうことで解決したと書いた。
確かに一時的に解決したし、100%フリーズすることは無くなったが、結局また再発した。
それで、まずこれが起きる条件を整理。
・ログインして普通にログオフ→発生しない
・ログインしてSafari 、Echofon 、VMWare Fusion でWindows7起動→発生しない
・ログインしてSafari 、Echofon 、VMWare Fusion でWindows7起動、さらにMain Menu でキャッシュ削除、メモリクリア、
MacPurge でメモリクリア
→発生しない(以前はこれでも発生)
・ログインしてSafari 、Echofon 、VMWare Fusion でWindows7起動、そのまま外付けハードディスクを接続してTime Machine でバックアップ一晩、さらにMain Menu でキャッシュ削除、メモリクリア、
MacPurge でメモリクリア
→発生←イマココ
さらに発生している時の直前に起きた症状を整理すると、
1)CPUがフルアップしていた
2)Windows7は対策したおかげで1分ほどで落ち着くようになり、VMWare Fusion でWindows7起動してもホストのMacが重くなることは無くなったが、今回はVMWare Fusion の終了がなかなか進まなかった。
3)さらにアクティビティモニタ を起動して何がCPUフルアップさせているか確認したところ、なんと珍しいことにTemperatureMonitor だった。
このアプリはもう10年近くMacに常駐させていてトラブルを起こしたことはなかった。
それでさらに何が問題を起こしているのか、考えたところ最近の変化は
OS X SAT SMART Driver をインストールしたことだった。
これは外付けUSBのハードディスクのSMART情報もチェックするカーネルエクステンションで、これを入れたことでTemperatureMonitor やSMARTReporter は外部のディスクのSMARTもチェックするようになった。
この外部の温度モニターがクラッシュしていて、フルアップしていたらしい。
このOS X SAT SMART Driver 自体は大変有用だと思うし、これ自体が問題を起こしていたわけではない。
今回は当初から何となく感じていた通り、複合的な原因だと思う。
1)VMWare Fusion などのシステムリソースを消費するソフトを起動してキャッシュクリアなどの操作を繰り返す
2)TemperatureMonitor を常駐させている
3)OS X SAT SMART Driver をインストールして外部ディスクを監視している
4)Time Machine を使って日常的にバックアップを取っている
これらの条件が重なった時にこの問題は起きるようだ。
今回は切り分けとして、OS X SAT SMART Driver をアンインストールして様子を見ることにした。
一時期はシステム再インストールかとも思ったが、何となく再インストールしても治らない気がしているので、もう少し粘ってみる。
その過程でPreferenceフォルダに大量のゴミがたまっていたことに気がついた。
今回の問題と関係あるかどうかはわからない。
少なくともcom.apple.loginwindow.plist のゴミはログアオフに失敗するたびに増えるので、関係あると見てこれらをきれいに掃除した。
掃除の手順もキャプチャで説明する。
今回の切り分けの過程で前回もcom.apple.loginwindow.plist のゴミファイルの削除をやったが
~/Library/Preferences 、~/Library/Preferences/ByHost 、/Library/Preferences
の中に「.plist.lockfile」なるゴミが大量にできていることに気がついた
今回問題を起こしているcom.apple.loginwindow.plist にもこのlockfileなるものができている
これはテンポラリファイルの一種でこれ残っているのは正常な状態ではない
今回の問題との関連はわからないが、loginwindow も
この問題を起こしていたのできれいに掃除することにした
方法はTerminal を起動してrmコマンドを使った
ユーザフォルダはrm -rf ~/Library/Preferences/*.plist.lockfile で削除、
キャプチャではライブラリフォルダはシクっているが
アクセス権の問題があるのでsudoを使わないといけない
sudo rm -rf /Library/Preferences/*.plist.lockfile で削除できた
さらにランダムな文字列が.plistの拡張子の前や後にくっついているテンポラリファイルも大量にある
これらがログオフ失敗に関係あるかどうかはわからないが
CPUのフルアップには関係あるようなので全部削除することにした
問題を起こしているのはcom.apple.〜の文字列で始まる設定ファイルなので
この文字列で始まるファイル名のplistを重点的に掃除。
ちなみにMainMenu 等を使って「不正なPrefernceを削除」コマンドで
一網打尽にできないか試してみたが全く反応しない
結局目視+手動で一個ずつ削除しないと仕方がないようだ
結局ユーザフォルダを中心に42個のゴミを捕獲した
ゴミを生成している本体の.plistファイルも破損している可能性があるので削除した
このおかげで後にモニタしてもゴミはほとんど再生されないが
いくつか環境設定が真っ白になってしまった
com.apple.loginitem.plist を削除した結果ログイン項目がきれいに消えた
今回無駄な常駐があることを発見したのでこれはこれでよかったが…
と前向きに物事を捉えてみるテスト
それでもログオフ失敗が再発
再発した時に珍しいことにTemperatureMonitor がフルアップしていた
これは最近OS X SAT SMART Driver を入れたおかげで
外付けハードディスクの温度モニタもできるようになっていた
そしてトラブルは外付けハードディスクに挿したまま
一晩置いてTime Machine のバックアップヲと多後に起きた
これらの複合的な原因が関係あると見てOS X SAT SMART Driver を
アンインストールして様子を見ることにした
方法は/System/Library/Extensions からこのふたつのカーネルエクステンションを削除する
システム領域なのでroot権限が必要で注意して作業する必要がある
これで治るかしばらく様子を見ることにした
<追記>
数日様子を見たがやはりOS X SAT SMART Driver のアンインストールがビンゴだったようだ。
OS X SAT SMART Driver が悪いという意味ではない。
こういう条件が重なると、こういうことが起こるということでカーネルエクステンションの場合はあり得ることだ。
外付けハードディスクの温度管理などができるのはそれはそれで便利な機能だったので、OS X SAT SMART Driver を復活させて何か他の条件を変えることでクリアできるかをその内テストしてみる。
VMWare Fusion やTime Machine とぶつかっているとなるとちょっと苦しいところだが…
anchor
Windowsあるある〜「システムが見当たりません…という警告で冷や汗をかいた時のチェッックポイント
この物語は実際に起きた…実話に基づく物語である。
(登場人物並びに組織名・団体名は一部変更してあります。実在の人物・団体とはほとんど関係ありません)
とある連休中の休日出勤の日。
会社に来てPCを起動。
スタンバイしたところでいつものアップデートがかかってきていることに気がついた。
そこでアップデートをかけながら、前からやらなくちゃと思っていたVB、C#、.NETなどの新しいバージョンインストールを一気に片付けてしまえと思って、USBメモリにインストーラを入れて、ひとしきりインストール作業を完了。
全部問題無くインストールできたようなので、そのまま再起動をかけた。
いつも通りアップデートを適用していますという終了画面とともに、画面が落ちで、続いてWindows7のもや〜っとしたWindowsロゴが…Windowsロゴが…ロゴが…あれ〜!?
Windowsを再起動するとこんな画面になって起動しない
メッセージの意味は「システムがありません」
一瞬冷や汗が流れる…
アップデートとインストールと一緒くたにやったのがまずかったか…システム壊れたか…こんな誰もいない休日に、システムリカバリやらなくちゃいけないのか…
しかしやったのは通常のアップデートで、コンフリクトが起きないように.Netのインストールとか終わってからひとつずつやったから問題無い筈…
ということはハードが逝ったか…
こんな連休中のど真ん中にHPのサポートなんか絶対休んでるだろうし…
ということは連休明けまで仕事にならないのか…
と、想像はどんどん悪い方に駆け巡る…
でもこういう時の大原則…
「エラーメッセージはよく読め」
を思い出した。
「USBデバイスから起動しようとしているが
システムが見つかりません」
あっ
先ほどのインストーラを入れたUSBメモリを挿したまま再起動していたことに気がついた。
USBを抜いて強制再起動したら、正常に起動できましたとさ。
ちゃんちゃん。
BIOSでUSBデバイスを内蔵ディスクに優先するような設定にたまたまなっていたんだろうね。
だからUSBデバイスを見つけたけどシステムなしで止まっちゃったんだろう。
でもこういう時Macだったら、起動ディスク でUSBのシステムを選択して、システムなしのUSBに差し替えて再起動しても普通に内蔵ディスクから起動するのに、どうしてMacとWindowsのふるまいは違うんだろう?
MacとWindowsの違いというよりEFIの違い?
でもEFIは共通だからそこらのふるまいは同じ筈。
やっぱりシステムのBootloader(今でもそういう名称なのかどうかはよく知らん)あたりのふるまいの違いなのかな?
考え出したら謎なのだが、何事もなく起動したからいいや…
ということで教訓
「システムなしの警告が出た時はUSBメモリが刺さってないかチェック」
anchor
Danger Boat (Freeware for iPhone, iPad)
パワーボートを操って岩やミサイルなどの障害物を避けながら金貨を集めていく縦スクロール海洋アドベンチャーゲームアプリ。
ボートを発進させたら筐体を左右に傾けて障害物を避けながら進む。
途中波で結構舵を取られたりするので、障害物をどう避けるかの判断は早めにするのがコツか。
例によってゲームに不調法な私に代わって今このゲームにハマっている次男のレビュー
「おもしろい」
ルールはすぐわかる
岩礁を避けながら金貨を集めていく
途中波が来るとジャンプしている間舵が利かないのがリアル
他にもミサイル、流氷、機雷などいろんなものが飛んでくるので
ステージが上がるごとに難易度は上がる
anchor
BADLAND (Freeware for iPhone, iPad)
2013Appleデザインアワードを受賞した横スクロールアドベンチャーゲーム
このゲームは他にもゲームコネクションヨーロッパ・ベストプロジェクト賞等多数の賞を受賞している。
要は横スクロールゲームで、ピクミンのように増殖する謎の黒い生物を操りながら障害物を乗り越えて右へ右へと進んでいく。
デザインが何ともいえない独特の色目と絵柄で、子供の心をとらえる不思議な魅力がある。
あまり小難しいことを考えないで、感覚的にやるゲームだと思うけど、かといって難易度が低いわけではない。
例によって私はゲームをほとんどやらないので、今これにハマっている次男のレビューを添付する。
「なんかわからんけどおもろい」
この黒い毛玉のような生き物を操って右へ右へと進んでいく
途中の障害物をタイミングを見計らって進む
何かに触れるとこのようにたくさんに分裂する
空を飛ぶ時は画面を上にタップスァイプする
何が面白いのかというのは言葉で表現しにくいが
感覚に訴える何かがあるゲームだと思う
anchor
大辞泉 (Freeware/Shareware for iPhone, iPad)
国語辞典の大辞泉がiOSアプリになっていてしかもフルの機能を無料で使えるオンライン大辞書
26万2500語の語彙を収録した本格的な国語辞典+百科事典アプリ。
これが無料でフルの機能にコンタクト可能。
フル機能利用可能だが1日に使えるAPIの回数に制限があって翌日には制限が回復するのだが、使用頻度が高い人は今は10万ダウンロード記念セールでお安く機能無制限版を購入できる。
リアルな紙媒体の辞書、百科事典を買うことを考えたら安いと思う。
iPad版の表示
検索で前方一致、後方一致、完全一致を選択して
候補を選択し本文へというわかりやすい流れ
本文の表示は禁則など日本語のルールを守っていて読みやすい
さらに下には関連項目の候補も並ぶので次々拾い読みしているだけでも飽きない
こちらはiPhone版の表示
iPhoneの場合フォントや文字の大きさが
問題になるケースがあるがこれも設定で簡単に調整できる
検索はこのように見出しがまず並ぶ
百科事典の要素が入っているのはこういう写真などの
グラフィックの充実した部分
さらにタップして全文と写真拡大して表示
anchor
スロット北斗2011 (Freeware/Shareware for iPhone, iPad)
まだ時々見かける北斗の拳のスロットの正確なゲーム化アプリ
ルールは完全にパチスロ版の北斗の拳と同じ。
ゲームの合間にスクリーンに北斗の拳の登場人物が現れてやり取りしながらポイントを上げていく。
実物と違うのは負けても大金が消えていかないし、いくら勝っても一銭も入ってこない。
フリー版でお試しができるのが面白い。
気に入ったらアドオンを購入するスタイルで、持ち金のコインの制限が無くなる。
私はほとんどゲームをやらないのでよくわからないのだが、iPadをいじっている間はほとんどこのゲームを起動している嫁のレビューも載せておく。
「すごいリアル」
スロットだから操作法の説明は不要かも
左のスロットを叩いて3つのキーを叩いて止めていく斜めと横に同じマークが並べば得点
真剣にスロットやっている人はそれぞれのドラムの絵柄の順番を覚えるそうだ
私にはそこまでの情熱はないが…
anchor
Iron Man 3 (Freeware for iPhone, iPad)
武器をグレードアップしながら障害を避けて映画のキャラを倒していく鉄の男のストーリー、映画アイアンマン3の公式ゲームアプリ
スタークインダストリーでは18体のアイアンマンを製作、街へ飛び立って次々と飛んでくるミサイルを避けながら、エネルギーを収集しながら、行く手を阻むキャラを倒していくという3D飛行ゲーム。
操作はタップだけでも可能だし画面を傾けて飛行の制御もできる。
自分がやりやすい方をやっていけばいい。
映画のプロモート用のフリーウエアなのだが、とても良くできていてそのスピード感はすごい。
特にある程度画面の大きさがあるiPadでやれば堪能できると思う。
私はゲームをほとんどやらないので、ゲームにハマっている次男のレビューも載せておく。
「おもしろい」
18体のアイアンマンがセットアップされ得点によってそれぞれカスタマイズされていく
シチュエーションに合わせたアイアンマンの選択が勝利の秘訣(らしい)
ステージ終了ごとにダメージの修復を求められる
そして出撃
このグラフィックの美しさに注目
しかもきれいなだけでなくスピード感も半端ない
要は3D飛行ゲームなのだが奥からすっ飛んでくる障害を避けながら飛び続けないといけない
キラキラ光っているのはエネルギーの元ということで
飛び交うミサイルを避けながらできるだけ集めて飛行する
そしてこういう飛行ロボットや人型兵器を倒していかないといけない
スピード感がすごいので反射勝負
anchor
意外と知られていないMacBook Pro、MacBook Airの便利なショートカット、トラックパッド操作法7撰
Macを使っていくうえで、私の個人的な感想でこれがないともうMacを使えない…というくらい愛用しているのに、意外に皆さんに知られていない機能、操作法をがある。
時々私がMacを操作しているところを見ている人が
「何をやっているのかさっぱりわからない」
ということがある。
別に変わったことをしているつもりはないのだが、私の場合はできるだけマウスとかトラックパッドに触れないで操作することが多い。
またトラックパッドは単なるマウスの代用品ではなく、Macの場合はマウスにはない便利な機能がたくさんある。
これが手に馴染むと強烈に便利になってくるのだが、皆さん意外にここら基本から出ることがない。
例えばMacには右クリックがないと思っている人は、トラックパッド操作の時もコンテクストメニューを呼び出す時に真面目に
Control+クリック
で操作しているが、せっかくMacBook AirやMacBook Pro、あるいはAppleのMagicPadを使っているならもっと便利な方法がある。
そういうのをいくつか集めてみた。
デスクトップがウインドウで散らかっている…でも
デスクトップのファイルをQuicklookでチェックしたい…
こういう時にExposéが便利なんだけど使い方忘れたなぁ…という時
MacBook ProなどのモバイルはF3にMission Control が割り当てられていたことを思い出してもらいたい
いやMission Control でなくExposé…というなかれ
コマンド(⌘)+F3キー を叩くとExposéになる
Mission Control の別機能だと思えば覚えやすい
こんな便利なキーがなぜかシステム環境設定 のショートカットキー設定に載っていない
余談だがコマンド(⌘)+Shift+F3キー を叩いてみるともっと楽しいことになる
MacのFinder はアイコン表示、リスト表示、カラム表示、Coverflowが用意されている
便利だけどファイル操作している時にメニューバーをクリックしないといけないのはダルい
こういう時リスト表示にしたいときはコマンド(⌘)+2 を叩いてみよう
Coverflowに表示を変えたい時はコマンド(⌘)+4
カラム表示に変えたい時はコマンド(⌘)+3
この番号は別に覚えなくてもいい
メニューバーの表示切り替えボタンの並び順と同じだから
例えばアプリからファイルを開きたい時にファイルメニューから開く…
でもいいのだがコマンド(⌘)+O(オー)キー というショートカットも用意されている
英文ファイル名の場合、ファイルの選択もキー操作でヌーメリック検索ができるので
例えばWで始まるファイルを開きたい時はコマンド(⌘)+O と
打ってリストが出てきたらWと打てばもうWのあたりに一気に飛べる
前に開いた場所はアプリごとに憶えているからこの操作を
一度覚えると「開く」の操作の能率が全く違ってくる
例えばFinder には「移動」 という便利なメニューがある
これもショートカットが割り当てられているのでアプリケーションフォルダに
用がある時はコマンド(⌘)+Shift+A で一気に開ける
このようにいちいちMacintoshHDなんてアイコンから開く必要はない
同じようにユーティリティフォルダ(U)、書類(O)、デスクトップ(D)、
ルート(コンピュータC)ネットワーク(K)ダウンロード (コマンド ⌘+option+L) 等が
用意されていてたいていのところには上記のカラム切り替えショートカットと
カーソルキーとこれらの移動キーの組み合わせで瞬時に移動できる
トラックパッドは単なるマウスの代用品ではない
ここにもマウスとは全く違う実用的で便利な機能が集約されている
例えば右クリックはトラックパッドの右側をタップ…という設定も可能だがそれでは誤操作が多い
システム環境設定 のここにチェックが入っていると…
2本指でタップするだけでコンテクストメニューを呼び出せる
これはトラックパッドの位置を確認しなくていいので右タップより便利だ
複数のデスクトップを使用していたりVMWare Fusion などでWindowsも起動していたりで
その画面の移動はControl+左右カーソルキー でやっている人が多いと思う
でもこれも両手が必要だ
システム環境設定 のトラックパッドのここにチェックが
入っていれば4本指の左右スワイプだけで画面が切り替えられる
Mission Control の複数のデスクトップやフルスクリーンのSafari 等のアプリ画面、
VMWare Fusion のWindows画面がトラックパッドの操作だけでどんどん切り替えられる
IntelMacの初期の頃、仮想マシンでWindowsを起動してスクリーンを
叩くだけでMacとWindowsが切り替わるというYouTube映像が話題になった
今では誰でもスワイプ一発でこれができるようになった
こうしてあなたはますます寝そべってMacを使うことになるだろう
4本指上にスワイプをしてみよう
そのMission Control にもスワイプ一発で入れるのでウインドウの割り振りをどんどん変更できる
Macユーザはこうしてどんどんモノグサになっていくであろう…
anchor
Macをログオフすると100%フリーズする〜その時の対処法と原因は?
最近こういう現象が頻発していた。
Macでひとしきり作業をして、Swapも増えたのでメモリ開放とSwap解消してMacの動きを軽くするためにログオフする。
するとグレー画面のままいつまで待ってもログイン画面が出てこない。
マウスポインタも動かないので完全なフリーズのようだ。
正確にはOSのカーネルは動いているがloginwindow.appというCoreServiceのアプリが起動しないためにログイン画面が表示されない。
Macではこのようにログイン画面もアプリなので、このアプリがフリーズするまたは起動に失敗するとこういうことになる。
それでこの問題の原因と対処法だ。
強制再起動してログインし直せばログオフできるようになることもある。
でも私の場合は再ログイン後、何もしないでログオフするとまたログオフに失敗するということを繰り返していた。
そこでRecoveryVolumeから起動して、起動ボリュームのアクセス権の修復を実施。
これでログオフはまたできるようになる。
MacBook Proをログオフするとこのような画面のままマウスポインタも動かなくなってしまう
キー操作にも何も反応しないので見たところフリーズと同じことになってしまう
こうなると電源ボタン長押しの強制終了しか脱出法が無くなってしまう
毎回ファイルシステムチェックをするのが鬱陶しいので対応することにした
再ログイン後すぐにログオフしても再発する場合復元ボリュームから起動する
optionキーを押しながら起動するとこの画面になるのでカーソルキーで「復旧」を選択してEnter
ディスクユーティリティ を起動して起動ボリュームのアクセス権を修復する
ACLの不正がいくつか見つかるがこの現象との関係は不明
こうした応急処置でログオフはできるようになるが、また再発する。
それで根本的原因解明と対策を模索した。
Console を見たところ問題が起きた時刻にやはりloginwindow.appが問題を起こしていることは明確になった。
それでこれを回避する方法なのだが、PowerPC時代のTipsでloginwindowsのplistファイルを削除するというのがあったことを思い出した。
これを試してみた。
plistファイルは
~/Library/Preferences
にある。
またこの中にある
~/Library/Preferences/ByHost
の中にも
「com.apple.loginwindow.BF862254-BCF3-5E99-BDEB-AF9909B084CB.plist.Tv8xYuS」
のようなテンポラリファイルが大量に生成されている。
これらのファイルを全部削除した。
この際だからこちらのTipsに従ってByHostもフォルダごと削除した。
MacOSX自体を軽量化する〜ByHostフォルダをスッキリ清算してしまう
こちらにも書いたが、これをやるとIMの設定、クリックの設定、スクリーンセーバ、Mission Controlの設定などがいくつかリセットされてしまうが、全体的には大した手間ではない。
ネットワークの設定には影響はない。
アクティビティモニタ で見ているとVMWare Fusion につられて
Echofon や
Safari が反応なしになることが多い
ここらが悪さをしているのかを疑ったが結局関連性がわからなかった
またメモリの開放のためにMainMenu やMacPurge をかけたら
ログオフ失敗が発生するのかと疑ったがこれもこれも切り分けの結果関係なかった
Console を見ると問題が発生した時刻にloginwindow.appという
CoreServiceが問題を起こしていることがわかった
これはログイン画面を表示する一種のアプリでシステムフォルダの中にある
アプリなので当然Macの場合.plistという拡張子を持った設定ファイルを持っている
その場所が~/Library/Preferences と~/Library/Preferences/ByHost となる
ここにあるcom.apple.loginwindow.plist というファイルをデスクトップかゴミ箱に移動
さらにここに「com.apple.loginwindow.plist.Tv8xYuS」
のようなテンポラリファイルができているのでこれも削除する
plistとテンポラリファイルはByHostフォルダの中にもある
ここに大量のテンポラリファイルができていたのでByHostフォルダごと削除することにした
以前にも解説したがここを削除してもいくつかの設定がリセットされるだけで大勢に影響はない
そして問題が起きた手順をまたやって再現するかテストした
VMWare Fusion 上でWindows7にガンガン負荷をかけて
キャッシュとメモリ開放をやってログオフしてみたが症状は再発しなかった
PowerPC時代のTipsがまだ通用するということは今のMacも共通の弱点を持っているということだ
そのことに驚くがとにかくこの方法で回復はする
anchor
VMWare Fusion を起動するとMacが遅くなる(解決編)〜AVGだけの問題ではなくVMWareそのものの問題だった
最近、VMWare Fusion でWindowsを起動するとVMWare Fusion 上のWindowsがフルアップしっぱなしになって、ホストのMacも虹色ボールが回りっぱなしになる、テキストの入力に異常に時間がかかる、変換候補が出てくるのに1分近く待たされる等の問題が起きていた。
このことで以前も対策をした。
こちら参照。
VMWare Fusionを起動するとMacが遅くなる〜Windowsに入れていたAVGが原因との疑いが濃厚になる
それでしばらく様子を見ていたのだが、AVGのアンインストールは確かに効果があったのだが、全体的にいうとほとんど改善されておらず相変わらずVMWare Fusion でWindowsを起動するとMacが全面的に重くなって、VMWare Fusion 終了後も再起動するまで重いのが治らないという症状が続いていた。
特にWindows7がひどい。
それでいろいろお調べしたところ、結論からいうとVMWare Fusion のリジューム機能に問題があることがわかった。
VMWare Fusion ではゲストOSをいちいち終了しなくても、サスペンド状態で保存できる。
次回はサスペンド状態からリジュームできるのでOSの起動が速かった。
実機のWindows機は起動を速く見せる工夫がいろいろされているが、仮想マシンだと結構待たされる。
ところがこの起動したまま保存したものを解凍することで実機以上に早くWindows環境に入れて、これがBootCampに対しても有利なところだったのだが、残念ながらこれをやっているとVMWare Fusion が遅くなるという問題が必ず起きるようだ。
今のところ11の仮想マシンを登録していたのだが、これを全部終了状態にしたところディスクの空き容量が15GBも節約できた。
つまり仮想マシンファイルとは別にVMWare Fusion も別のディレクトリに差分ファイルを保存しているということらしい。
11個終了したら15GBのスペースができたということは相当の差分ファイルをキャッシュしていたことになる。
どうやらこれがホストOSにとっても負荷になっていたようだ。
すべてのOSを終了して、やっとVMWare Fusion がいつまでたっても負荷になる現象が解消した。
前回、AVGをあきらめてMicrosoft Security Essentials をインストールしたが
一時的に動作は解消しても結局リジュームでホストもゲストも
フルアップしてしまうという問題が再発していた
仮想マシンの破損が疑わしかったのでバックアップから上書きして1月の状態に戻した
しかし結論からいうとリジュームするとやはり問題が再発した
もうひとつ最近顕著になっていたのはサスペンド状態から
リジュームする時に異常に時間がかかるという問題
特に3分の2くらいで止まって20分ぐらい待たされることもあった
仮想マシンの破損を疑ったのはこういうことが根拠にあったのだが
比較的新鮮な仮想マシンでも同じ問題が起きることが判明した
一度起動すれば再起動してシステムは落ち着く
Macの再起動もやっておけばCPUも大して食わないし
Windowsのタスクマネージャもこの通り落ち着く
しかし一度Windows7をサスペンドしてVMWare Fusion を終了し
再び起動してリジュームすると30分待ってもフルアップが止まらない
もうこの時点でおかしいとわかるのはこういう表示崩れが起きること
WindowsのUIがまともに動いていない
ただしよく観察してみるとこの謎のフルアップはWindows7だけでなく
MacOSXも含めたすべてのゲストで起きている
そこで11ほど登録していたVMWare Fusion のゲストOSを全部リジュームを解除して終了させた
これは余録なのだがWindows7を終了させるとディスクの空き容量が9GBほど節約された
Win7が一番仮想マシンのファイルサイズがデカくて54GBになる
その分デカいキャッシュを蓄えていたということらしい
他のWindowsXP、MacOSX、SUSELinux、Windows8、仕事用の検証環境の
XP多数を終了すると11個で全部で15GBのディスク容量の節約になった
そして起動後WindowsXPは2〜3分で落ち着くようになった
どうやらリジュームをたくさんやってキャッシュを
溜め込むと動作が重くなるということらしい
vmwareのメモリサイズも半分の2GB程度に落ち着いた
さらに注目なのはその下のSafari のメモリサイズ
ここでは合計1.6GBのメモリを食っているがフルアップして
「反応なし」の赤文字になっているときは4〜6GBになっている
さらにVMWare Fusion 、Safari を止めてまた起動したところSafari のメモリサイズが
同じものを表示しているにもかかわらず500MB程度まで落ち着いている
同じ現象はEchofon でも起きている
つまりVMware Fusion のキャッシュ読み出しがオーバーフローすると
ゲストのWindowsがフルアップするだけでなくなぜかSafari やEchofon 、
ことえり 等を巻き添えにしてループし始めるという現象が起きるらしい
VMware Fusion 5のバグかもしれないが、原因不明だがリジュームをやめることでこの現象は防げる
何回か強制終了しているうちにWindows7のスタートアップが壊れて修復モードに入ってしまった
このまま修復を試してみるのもよかったが時間がかかり過ぎるので再度バックアップから復元した
再度AVGをWeb閲覧や個人情報、メールスキャンなどをオフにして使ってみた
しかしWindows7だけはやはりフルアップして重くなる症状が残った
そこでAVGをアンインストールしてMicrosoft Security Essentials をインストールした
その結果Windows7も起動後2〜3分で落ち着くようになった
前回のTipsのAVGをやめるというのも一応効果があったということだ
この両方を実施してVMWare Fusion フルアップしてMacも使えなくなる事件は解決した
したが、リジューム機能ですぐにWindowsなどを使い始められるというのが
VMWare Fusion のメリットだったのにメリットがひとつ減ってしまったのは残念だ
anchor
Dialogue (Shareware)
OS10.8Mountain Lion対応
iPhoneあるいはAndroidとMacをBluetoothで結びハンズフリーで通話、電話を受けたりかけたりが可能なメニューバーアプリ。
動作条件はOS10.8、64bitプロセッサのMacで、iPhoneとAndroidはBluetooth2.0以上。
MacにはSkype を入れているしFacetime なんかもあるのだが、このWebフォンはやはり制約があってなかなか使う場面が無い。
一番の問題点はチケットがないとこちらから一般の電話にかけられないし、一般の電話を受けられない、通話アプリを起動して常駐させないといけないなど問題がある。
結局電話はiPhoneなどの電話機で受けるということになる。
iPhoneやAndroidなどでSkype を常駐させると電池を消耗するので結局使わなくなる…ということで今でも普通に電話で電話するというのがメインの手段になっている。
でも、Macに向かっている時に誰かからかかってきた時に電話を探してゴソゴソ、不便だなといつも思っている。
iPhoneにかかってきた電話をMacで取れれば便利なのに…という思いを実現するアプリ。
しかも受信しているのはSkype ではなく一般の電話なので勿論ケータイや固定電話からの普通の電話を受けられる。
ケータイも最近はキャリアが固定無料プランを用意してくれているので、これはこれでありがたい。
仕組みとしてはiPhone(またはAndroid)とMacをBluetoothで常時接続しておく。
iPhoneに電話がかかってきたらMacのデスクトップにも入電のポップアップが出て、これをクリックすると音声通話をMacのマイクとスピーカーでできる。
Skype を使ったことがある人ならわかると思うが、あまり音を大きくすると回り込みがあるので、静かなところでないと使えないとか問題はあるが自宅で作業に集中している時にはありがたい機能だと思う。
作者サイトでもヘッドフォンの使用を推奨している。
ヘッドフォンでスピーカーをミュートしていれば、使用環境を選ばないし音を大きくしても問題無い。
接続の手順はキャプチャーで紹介するがとても簡単だ。
この手続きが必要なのは最初だけで、一度ペアリングを完了すると後はDialogue を起動するだけでMacとiPhoneがつながる。
接続は安定している。
両手を開けて通話ができる便利さを一度体験してみるとシェアウエア600円は安いと思えた。
まずMacとiPhoneの設定でBluetoothを有効にしておく
Dialogue を起動したらまずiPhoneとのペアリングをする
「接続する」ボタンをクリックするとその時に
検索できるBluetooth機器のリストが現れる
そこからつなぎたいiPhoneを選択する
するとペアリングの確認用の数字が表示される
相手のiPhoneの画面に確認ポップアップが出る
この数字が一致したら双方のペアリング認証ボタンをクリックする
接続が完了するとiPhoneの方で「接続されました」 という表示になる
Macの方もiPhoneのユーザ名が見える
ところでメニューは日本語化されているがちょっとひどい日本語だ
「約 Dialogue」 とは「About Dialogue」 、「役立つ」 は「To Use」 のことらしい
また「ログイン後に開く」 は機能しない
Macから電話をかけたい場合は検索フォームに入力すると
「連絡先 にアクセスしようとしている」 のタグが最初だけ出てくる
住所録使用を許可する場合OKをクリック
ただし日本語の扱いに問題があるのか日本語の名前は検索できない
使いたい場合は連絡先 アプリで日本語名にあとに
アルファベットを追加すると英文字はヌーメリックに検索にかかるようになる
iPhoneにかかってきた電話はMacのデスクトップではこのように表示される
電話を取るときは「受け入れる」(受信?)
登録がある場合は発信者の名前が出るので「拒む」(拒否?) で着信拒否
通話中に会話を録音したい場合は「記録」 、
電話を切るときは「吊るし上げる」(hang up?)
このように日本語の扱いにかなり問題があるがそれ以外は
安定しているしかなり使えるアプリだと感じた
anchor
Any Send (Freeware)
OS10.6SnowLeopard対応
OS10.7Lion対応
OS10.8Mountain Lion対応
WindowsVista~8対応
Any Send(Freeware)ホームネットワークのLAN内でMac同士、あるいはMac-Windows間、Android間でコピー、クリックだけの操作でファイルを渡すことができるファイル転送メニューバーアプリ。
Mac版はメニューバーからプルダウンで、Windows版はタスクトレイからクリックで転送する相手先のリストを見ることができる。
動作条件は同じネットワーク内にあることと、Macの場合はファイルの共有が開かれていることのようだ。
後は転送したいファイルを選択してコピー、Any Send のリストをクリックするだけで、転送が始まる。
相手は転送が始まると「受け取るか」確認タグが出るのでOKをクリックすれば、受け取れる。
今のところMac版、Windows版、Android版がリリースされているが、作者サイトを見るとiPhone版、iPad版も予定されているようだ。
結局AFP/CIFS/SMBのファイル共有を使っているようなので、その意味ではMacにデフォルトであるパブリックフォルダと同じ機能だともいえる。
DropboxやiCloudのようにネット越しのファイル転送はできない。
既にある機能だし、ネット越しの転送もできないとなるとAny Send にどういうメリットがあるのかということだが、最大のメリットはこの簡単さだろう。
基本は起動してコピー、クリックだけの操作だし、ファイルの共有範囲を選択したい場合は相手からの転送を受信拒否するかしないかだけでいい。それでリストに残るので知らない間に何か挿入されるという心配も無い。
使い方としては、ローカルのメッセンジャーのファイル転送みたいな気楽な感じだと思う。
何よりも転送の時や受信の時に折り畳んで(Mac版のみだが)音が出たりするインターフェイスのチャーミングさが面白いと思う。
Mac版を起動すると初回のみこんなチュートリアルが表示される
シンプルでわかりやすい表示だ
ログイン時に起動する場合はここにチェックを入れる
これでチュートリアルは完了
システム環境設定の共有でファイル共有にチェックを入れたあと起動し
ネットワーク内にAny Send を起動している人がいれば
メニューバーアイコンからのプルダウンにそのリストが見える
ファイルを選択してコピー、リストにマウスオーバーすると
転送しようとしているファイルのプレビューが表示される
相手の共有名をクリックするとプレビューは折り畳まれて効果音とともに転送される
相手のデスクトップには「〇〇があなたにファイルを送ろうとしている。
受け取るか?No/常に受け取る」 という確認タグが表示される
Growl で転送成功をお知らせしてくれる
これはデカいファイルのやり取りが多い場合に便利
プルダウンのここをクリックすると受け取ったファイルをFinder で表示する
受け取ったファイルの保管場所は設定で変更できるが
デフォルトではユーザフォルダの中のダウンロードの中に
Any Sendというフォルダが生成されその中に転送される
また設定のセキュリティのタブには受け取った人のリストが保存される
受け取りを拒否することもできる
複数のファイルをまとめてコピー、転送しようとするとプレビューはこんな表示になる
複数ファイルを一気に転送すると自動的にMultiple Files
というフォルダが生成されその中にファイルが置かれる
大量のファイルを送っても他の転送分と混じらないので
散らかって訳が分からなくなったり勝手に上書きしたりしないのがいい
Windows版はインストーラが32版と64版が入っている
32版といってもXPでは動かないようだ
Mac版はバイナリを置くだけだがWindows版はインストーラを使う
Windowsの方はセキュリティセンターに
「ファイアウォールを開こうとしている。許可するか?」 と聞かれる
Windows版のAny Send はここに常駐している
クリックすると転送の操作画面が開く
使い方はMac版と同じでファイル、または複数のファイルあるいはフォルダを
選択してコピー、ここの宛先リストをクリックすると転送が始まる
受け取る時に確認のポップアップが出るのも同じ
転送中の表示
受信が完了したらフォルダアイコンのボタンをクリック
Windows版の受け取り場所はマイドキュメントの中のAny Send フォルダの中
こちらは送信が成功した場合の表示
Mac版のみの機能だが転送を受け取った場合はメニューバーアイコンが青くライトオンする
Growl の表示を見逃した場合もここをチェックすれば受け取ったことを確認できる
ローカルネットワークの転送なので
当然転送サイズに制限がないから大容量ファイルも送れる
メニューの×マークをクリックして途中でキャンセルすることもできる
キャンセルした場合はこういう表示が出る
転送キャンセルした時の表示
こちらは転送失敗した時、あるいは受け取り拒否されたときの表示
転送失敗のポップアップも出る
anchor
Macが壊れた!〜その時何をする?とかノウハウものに飛びつく前にそもそものトラシューの考え方をまず理解しよう〜以下トラブルシューティング十訓(2)
さて、前半記事はやや心得論中心だったが、後半は具体例をできるだけ織り交ぜてトラブルシューティングの時に何を考えるべきかをまとめてみる。
6)データは活用すべし
トラブルシューティングは手探りのケースが多い。
症状を確認して次に障害原因を想定して切り分けをしなくてはいけないのだが、障害原因が雲をつかむようにわからないケースもある。
そういう時にトラブルの原因を見つける強い味方のツールがある。
MacにはユーティリティフォルダにConsole というアプリがある。
これを開くとシステムやネットワーク、アプリのログを見ることができる。
このConsole というアプリはAppleの純正アプリのうちでも、おそらくもっともユーザーには人気がないアプリだと思う。
これを愛用しているという人は少数派かもしれない。
Macは他のWindowsやDOS、UNIXと違い文字による情報に頼らないでグラフィックなユーザーインターフェイスで操作するOSだという思いも根強くある。
そのMacを使うのになんでグラフィカルでもなんでもないシステムログとか読まなきゃいけないのか…ということで不人気なのかと思う。
しかしトラブルシューティングのプロ達がもっとも頼りにしているのは、システムやアプリが吐き出すログなのだ。
見た目だけでは障害の原因が分からない時に、やはり最後に決め手になるのはログだ。
そしてMacの場合はそのログを見るログビュワアプリがこのConsole ということになる。
Windowsの場合は入り口のログはシステム管理のイベントビューワ で見る
Windowsのイベントビューワ は結構おおざっぱな情報しか
わからないのだがこれだって有力な手がかりにはなる
Windows7ではXP時代よりはかなりログは強化された
WindowsのOSのクラッシュはクラッシュダンプで原因を特定できる
クラッシュダンプのビュワのWindbgはWindowsSDKに含まれているのでインストールが必要
ここではメモリの障害でOSが落ちたとありハード故障と思われる
この他にDr.Watsonのログなどでシステム障害の解析ができる
Macの場合はConsole がある
ログはUNIX的な管理になるのでConsole を起動するとユーザセクション、
システムセクション、アプリケーションセクションのログを一元的に見ることができる
以前はこのCrash Reporterには本当にお世話になった
システムの動きがおかしくなった時にここを見れば
アプリなどが原因でおかしくなった時はかなりの確率で原因が分かった
今のMountain Lionは安定しているのだろうかここを覗いてもログが何も無い
Console でトラブル解決した事例は次項目で紹介する
最近よく見ているのはこのSMARTReporterログ
ディスクの状態を常時監視し故障予兆を警告してくれるSMARTの
ログを過去にさかのぼって見ることができる
OS X SAT SMART Driver があれば外付けハードディスクも監視できるので
これによって初めてトラブルが発生する前に予防する
という攻撃的なトラブルシューティングが実現するかもしれない
このログはユーザライブラリのアプリのセクションにあるがやはりConsole で一元チェックできる
トラブルの時に参考になるのはログだけではない。
システムやアプリが表示する警告タグにも実はトラブルシューティングに有用な情報が盛り込まれている。
警告タグについては常々言っていることだが、読まずにOKボタンをクリックしてしまう人が多い。
しかし警告タグは読むべきだ。
ユーザーに注意喚起をする必要がある問題があるから警告タグを出すわけで、読んでも読まなくてもどうでもいいタグならわざわざ表示してユーザーを煩わせる必要は無い。
これはOSのメーカーにも責任の一端がある問題で、一時期のOSベンダーは
「不正な操作が行われたためにシステムを強制終了する
保存されていないファイルは失われる」
という全く無意味な警告を出してOSが落ちるということを繰り返していた。
OSそのものの問題で落ちるにもかかわらず「不正な操作が行われた」と責任をユーザーになすり付け、これによって起きる損害の責任回避をすることだけが目的の警告タグを出すのを見て、ユーザーに
「タグなんか読まなくてもOKボタン押しときゃオッケー」
という刷り込みを与えてしまった。
しかしこのOSベンダーも反省したのか、今ではもっと有用な情報を出すようになったし、例えばMacなんかでも注意して見ていれば問題を特定できるヒントをたくさん表示していることに気がつく筈だ。
以前セキュリティの専門家と話していた時に、彼が言ったのは
「今のシステムはフールプルーフの考え方が普及してきているので、素人がでたらめな操作をしてもシステム全体が崩壊するようなクリティカルな事態にならないようにインターフェイスも工夫されている。
しかし警告を読まないで何でもかんでもOKをクリックするユーザーは、セキュリティ的見地からいってもシステムを破壊しようという意図がある悪意あるユーザーと同じぐらい質が悪い」
ということだった。
ウイルスへの有効な対策という見地からも「警告タグは読め」 ということは常々心しておいた方がいいと思う。
あまり当てにならないかもしれないがMacの警告タグが
表示するエラーコードの情報は実は公開されている
これが問題の解決につながるケースもある
Terminal にmacerror -(エラーコードの数字) を入力するとエラーコードの意味を教えてくれる
例えばこれは「SOM(開始点)より前から再生しようとした」 というエラーで
ビデオファイルのプレビューでちゃんと頭に合わせているのにこれが出る場合は
タイムコードなどのストリーム情報が破損している可能性がある
「不明なエラー」という結果が多いのが難だがこれはこれで使える
ディスクユーティリティ などのアプリが表示する警告もよく読んだ方がいい
なんか赤いのが出てるからもう一度実行…でも大体問題無いのだがメッセージを読めば
そのディスクがどういう問題を抱えているのかを把握することができる
キャプチャーはボリューム内に不正ブロックが見つかった場合の表示
Growl 等の各種アプリを使っていればいろいろな警告をシステムは表示してくれる
めんどくさがって機械的にOKボタンをクリックするのではなく必ずメッセージを読むこと
それを励行するだけでもシステムのコンディションが常時頭に入っていざという時対処しやすい
(キャプチャはウイルス検出テストをした時の参考画面)
これはWindowsの青画面だがここで表示されるエラーコードも原因解明に役に立つ
青画面の中にSTP:0×00000000Aというエラーコードが見える
これは許可されないメモリ領域にアクセスしようとした…という意味合いで
ドライバーとハードウエアの互換性に問題を抱えている可能性があるというメッセージだ
ログや警告タグからどういう情報を読み取れるか具体例をいくつか挙げた。
これを見てもらえばわかると思う。
教訓としては以下の通り。
ログは読むべし
タグは読むべし
7)同じ時間、同じ系統、同じファイルに着目せよ
トラブルには前兆があるものが多いということを書いた。
しかしここで同時性ということにも注目するとログを読むヒントになる。
ログの読み方だが、ログには
「〇〇が■■したのでそれが原因で△△がクラッシュした」
というようにわかりやすく書かれているわけではない。
以前にも書いたと思うがコンピュータというのは非常におおざっぱな理解をするなら、巨大で超多機能な目覚まし時計のような構造の機械なのだ。
目覚まし時計の第一の機能は正確な時間を刻むことだ。
これによって正確に時刻情報を得ることができる。
そしてもうひとつの機能はその時刻情報を元にセットした時間に「目覚まし」という出力をするということ。
この目覚まし時計は「目覚ましを鳴らす」という単機能だが、コンピュータはさらにこれに多くの機能を足していって高速化することであたかも複数の機能を同時処理しているかのように見せている。
しかし実態は内部に非常に精密な時計を持っていて、その時計に合わせてセットされたプロセスを実行し、その時刻情報とともにその時に何をしたのか、あるいは何ができなかったのかという情報を逐一ログに記録していく…
これがコンピュータの基本動作なのだ。
だからログが書き出す時刻情報というのは非常に重要だ。
何か問題が起きたら、トラブルシューティングで最初にやるべきことは
問題が起きた正確な時刻を把握すること
これが極めて重要になる。
その時刻を正確に把握する方法は前項に上げたログなどが使える。
ログは必ずコンピュータの内部時計を基準にした正確な時刻情報とともにイベントを記録している。
Windowsの場合はイベントビューワログ、クラッシュダンプ、Dr.Watson、Macの場合はConsole ログなどが役に立つ。
そして問題発生の正確な時刻を把握したら、次はその発生時刻と同時に、あるいは少し前に何が起こったか を探していく。
この時に関連がありそうなプロセスのクラッシュが見つかればそれが怪しいし、怪しいものがいくつも見つかった場合は項目2) の手順に従って切り分けをしていく。
この方法で大部分の問題の原因は特定できる。
例えばこれはSystemUIServerがクラッシュしてメニューバーが
真っ白になってしまったという障害が起こった時のログ
障害が起こった時間を見るとClamXav Sentry がクラッシュしているのがわかる
この常駐アプリのクラッシュがシステムのサービスの
SystemUIServerを巻き込んでクラッシュした事が判明した
連発していたUIのトラブルはClamXav Sentry を止めることで回避できた
このあとClamXav Sentry は改善されこの問題は解消された
このようにログの同時性に着目すれば原因を探り出す大きなヒントになる
このように同じ時刻に起こった何かに着目してログを探すと原因に行き当たるケースがある。
同じように同じ系統、同じファイル に着目するという手法がある。
ある放送専用機でいつも起きる謎のクラッシュ…
ログを見てもその専用機ソフトがランダムな時刻にクラッシュしているという情報しか見つからない…
この時にその専用機が送出しているファイルのファイル名に着目すると…
いつも同じファイルを送出している時にクラッシュが起きていた…
つまりこのファイルの破損がクラッシュの原因だった。
これも実際にあったケースだが、同系統、同じファイルというのも大きなヒントになるという実例だ。
8)ネットワークエラーの切り分け方
ネットワークというのはネットワーク技術者という新しい職種が成立するくらいコンピュータの新しい領域として確立している。
コードにいくら精通していてもネットワークはまた別のジャンルの話なのだ。
そして今のコンピュータはその用途から考えても、もうネットワークなんかどうでもいいという機種はほぼあり得なくなった。
そのネットワークのトラブルは、またコンピュータの内部のコードのトラブルシューティングとは違う手法で実施する。
とは言っても、その考え方はこれまで解説してきたのと同じだ。
症状を観察し、切り分けをし、障害を特定する
端末があるネットワークにつながらない…これが大部分のネットワークのトラブルのケースだが、そのトラブルシューティングの手順は
まず経路を確認せよ
ということになる。
そこでここではこういう教訓を
ping/tracerouteは切り分けの王道
VPNネットワーク越しでファイル操作をするアプリを起動
ファイル共有に接続しようとするが正常なら
どのボリュームに接続したいか、パスワードは?などと聞いてくる
ところが接続がおかしいと問題が起きましたという表示になる
ここでは明確にネットワークがおかしいというメッセージを表示しているが
ファイルを操作するアプリによっては単純に「接続に失敗しました」 という表示しかしないこともある
Terminal を起動してtraceroute コマンドを打ってみる
Windowsでいうところのtracertコマンドとほぼ同じでいくつか経路がある場合は
どの経路を通ろうとして失敗しているかを探ることができる
まず手始めに接続の失敗はアプリが原因なのかネットワークが原因かを切り分ける
アプリのエラーででつながっていないケースも考えられるので
ping コマンドを打ってネットワークそのものの接続を確認する
この場合12パケットすべてロストしているのでアプリの問題ではなく
ネットワークの問題であることがわかる
UNIXのping コマンドはWindowsのそれとほぼ同じだがオプションで
回数を設定しない場合Contrl+C で止めるまで永遠にpingを打ち続ける
ネットワークの障害を確認したら故障箇所の切り分けに入る
こういうネットワークがあってAからGにつながらない場合どうするか
いくつか機器を飛ばして途中に接続した端末からAとGにping を打ってみる
この場合Aには飛ぶがGには飛ばないので障害はCからGの間で起こっていることがわかる
さらに別の端末をEにつないでAとGにpingを飛ばせば今度はGには飛ぶがAには飛ばない
これで問題はEとCの間と特定できる
この手順を繰り返していけばどんなに複雑な経路でも障害箇所を特定できる
最後にDにつないでどこにもpingが飛ばないことを確認したらこいつがビンゴだ
実際の現場ではAからBに、AからCに、AからDにという順番で
pingを飛ばしてどこで引っかかるかを見る手法が多い
traceroute IPアドレスB 、traceroute IPアドレスC …というように途中の端末までの経路を確認できる
traceroute コマンドの結果、このキュプチャーはWANから
VPNルータを通ってターゲットのサーバまで経路確認が成功している様を示す
これができるなら問題はこの経路以外のところで起きていることがわかる
複雑な経路がある場合妙な遠回りをしようとしている場合は途中の経路のどこかがおかしいとわかる
問題が解決したらping コマンドのエコーはすぐに帰ってくる
ネットワークの切り分けの考え方は、規模の大小でいろいろ方法もあるが基本的な考え方はこれの応用だ。
実際に通信を飛ばしてみて故障箇所を特定したら問題箇所を切り離して切り分けをする。
ネットワークのトラブルに関してはこういうことがあった。
構内の独立したセグメントにしていたネットワークで、つながっている端末が一斉にネット接続できなくなった。
何かしていたわけでもないのに急に壊れた…というお決まりの文句を一通り言って切り分けに入ったが、本当に直前までは普通につながっていたのに、突然つながらなくなった。
雰囲気的にはルータが故障した時に似ている。
それでルータをチェックすると、やはりルータが反応していない。
ルータの再起動をかけた結果復活。
しかしこのネット障害は数日後また再発した。
そこでネットワークにぶら下がっているものをチェックしたところ、なんとハブに挿してあったLANケーブルのうち先が余っていたものが元のハブに戻してさされていた。
つまりループになっていた。
これも実際にあったケース
ルータ直下のハブからLANケーブルが何本か出ていたが、
1本口が余っていたので余ったLANケーブルは元のハブに差されていた
そのためにループになっていたが電源ケーブルの場合ショートすれば
すぐに火花が散ってブレーカーが落ちるからわかるが
LANの場合こういうショートが起きてもしばらくは正常に接続できる
だがその内ルータからの信号が段々雪だるまみたいに膨らんでいって
突然ネットワーク全体が落ちる
ネットワーク管理者泣かせというか、素人は
「口を余らせておくとジャックが破損したりするから余ったケーブルはハブに差しておこう」
なんて余計なことを考えるらしい。
ところがイーサケーブルというのは何もしていない時でも、常にルータからの死活監視やタイミングの信号が出ている。
ループにしているとルータが自分で自分の出した死活監視やタイミング信号に返信することになって、雪だるま式にどんどん信号の量が増えていき最後にルータが落ちる。
考えられないようなことを、素人はするものだという実例でもあるのだが、教訓として
ルータのふるまいがおかしい時にはネットワーク全体の経路構成と何がぶら下がっているかもチェックしろ
という教訓と
ネットワークには余計なケーブルを挿しておかない
ということが考えられる実例だった。
この問題が起きた時に、上司から
「なんでこんな初歩的なこともわからなかったのか?」
となじられたが、こっちだって
「こんなバカなことする奴がいるなんて想像もしていなかったんだよぉ〜」
という言い分があったのだが…知らんがな(´・ω・`)
とにかく素人が触る可能性がある場所は「狂人が触っても大丈夫」という対策をしておくべきだと感じた事件だった。
9)Google先生はやはり強い味方
ここで少し矛盾した話をする。
トラブルシューティングというのはググってすぐに答えが出るというものではない。
それぞれの使っている環境、何をインストールしているか、どんなネットワークにつながっているか、どんな稼働条件なのかで同じようなトラブルでもトラブルの原因が違う。
条件が違うのに
「動作が遅い」
でググってみて
「キャッシュが溜まって動作が遅い時にはOnyX がオススメ」
という記事を見つけてきて、切り分けも条件のチェックも何もしないでOnyX を機械的に全部チェックを入れてかけるとどうなるか?
OnyX だって使い方をちゃんと理解して使わないと、中には動作が意図しない動きに変わってしまったとなるような設定もある。
ネットで検索してその情報を安直に試すというのは、一番やってはいけない ことだと思う。
しかし、じゃネットなんか一切見ないで四六の蝦蟇のようにMacと向き合って脂汗を流し続けた方がいいのかというと、そうではない。
これはそのひとつの実例
ディスク交換したMacBook Proが全面的不調に〜everyoneのアクセス権が二つになって「カスタム」が出る場合の(ACLの)解除法
ある日MacBook Proの内蔵ディスクを交換した。
交換した後バックアップから、前の環境を復元した。
ディスク交換、環境復元まで数時間もかからない…とても快調…
と思っていたらユーザー領域の全域でファイルにeveryone/読み書きとeveryone/カスタムという見慣れない表示ができてしまい、段々おかしくなってアプリが起動できない…あるいはアプリがなぜか初期化されて新規ユーザで起動してしまう…などシステム全体がおかしくなってきた。
アクセス権の問題であることはすぐにわかったのだが、その対処法がわからない。
ディスクユーティリティ のアクセス権修復はこの問題を解決してくれない。
その後どういう奮闘をしたかはリンク先の記事を参照してもらえばわかるのだが、結局解決の決め手になったのはGoogle検索だった。
Googleで検索しているといろいろな情報が見つかるのだが、そのうちACLというキーワードが引っかかってくる。
該当する症状がACLが入っている時と酷似している。
ACLはMac OS X Serverで標準とされるアクセス権でクライアント版のOS Xに関してはACLはユーザ領域に関しては無効にしてあるのだが、なぜかこれが有効になってしまったらしいというところまで突き止めた。
everyone/カスタムというのがACLが入っている時の特徴的な表示だ…というのはこれ以前にAppleからもさんざん告知され、Macファンには周知の事実だったにもかかわらず私は知らなかった。
これが今回のトラブルの原因だと気がつかせてくれたのはまさにGoogle先生だった。
ある日MacBook Proの内蔵ディスクを交換してTime Machine から環境を復元
作業は順調だったのに突然あらゆるアプリが起動できない…
あるいは起動しても前の設定を一切引き継いでいない
という現象が起きてDropboxやiTunes のライブラリも共有できないなど
要するに「システムぶっ壊れた」 状態になってしまった
この時の手がかりになったのが「情報を見る」 の
「everione/カスタム」 という見たこともないアクセス権
これをググったところ「ACL」というキーワードにたどり着いた
どうやらサーバーOSのみに有効になる筈のこのアクセス権が
なぜか有効になってしまっているらしいという結論に至ったのはググったおかげだ
私にそういう知識があったわけではない
原因が分かればchmodというコマンドで対処するという解決法に至るのは早かった
10)視点を変える
これは抽象的な意味ではなくまさに自分の立ち位置を替えてトラブルの解決法を考えてみようという意味だ。
どういうことかというと、我々は今操作しているMacのデスクトップから世界を発想している。
このデスクトップから内蔵ディスクやCPUを通じて、ネットワークを見上げている。
そしてその先の広大なインターネットの世界を眺望している。
トラブルシューティングもデスクトップから発想して、ここに手を入れてどこを触ったらいいかという風に発想している。
普段は意識していないが無意識のうちのその発想はこのMacのウチなる世界に縛られている。
それでもおおかた問題は無いのだが、トラブルシューティングの時にはちょっと困った問題が起きる時もある。
例えばこういう実例があった。
ある日
「MacのUSB機能を拡張するカーネルエクステンション」
というパッケージをインストールした。
USBを便利にする、すばらしい!…だがその時に私は「IntelMacに限る」という注意書きが作者サイトに書いてあるのを見落としていた。
この当時私はまだG4/PowerPCのMacを使っていた。
その結果どうなったか…
G4Macにはエクステンションの不適合を警告する機能がなかったので、インストールは成功してしまった。
そして起動したところ、USBマウスは勿論、キーボードもトラックパッドも何もかも一切操作不能になってしまった。
起動はできるし画面は出るが、何も操作できない。
だから問題のカーネルエクステンションの場所は分かっているのだが、それを削除することができない。
キーボードが利かないからCUIのコマンドは使えないし、マウスが使えないからFinder で削除することもできない…
操作できるのは強制終了の電源ボタンだけ…
あなたならどうする?
この場合いくつか解はあるのだが、Mac的な方法はこのMacをターゲットモードで起動して別のMacにマウントして、そちらから問題のカーネルエクステンションを手動削除して再起動という手を使った。
この時は思い至らなかったが、セーフブートという手もある。
いずれにしてもこういうシステムの重篤な場所をいじるなら中からの発想だけでなく、外から手を突っ込むという発想も必要になると思う。
Macはたまたまこういう柔軟性が高いOSなんだから、自分の発想しやすい立ち位置を実現できる手段をできるだけ多く持っているべきだ。
例えばネットワーク上からVNC やリモートデスクトップ 等で接続する方法とか、できるだけこういう視点はたくさん持っている方が、問題解決の手段をたくさん持つことになる。
(不幸なことにこの当時私は自分のMacのファイル共有もリモートも開いていなかった。このためにエラい冷や汗をかく羽目になったことは言うまでもない)
ディスクターゲットモードはTキーを押しながらシステム起動で入れる
この表示になるとMac自体を外付けハードディスクのように別のMacにマウントすることができる
ファームウエアレベルで起動するのでキーが操作できないカーネルエクステンションの問題もこれで修復可能だ
11)余録〜ディスクの話
十訓と言いながらいつものように11番目の余談に走る私…
トラブルの解決法ではなく個人的な愚痴かも
今はトラブルシューティング受難の時代だと思う。
といっても初心者ユーザーの受難ではない。
初心者ユーザーはむしろ今ほど情報が豊富な時代は無かったと思うので、これほど幸せな時代は無い。
誰でも手軽にトラブルシューティングの情報をネットを通じてゲットできる。
しかしこの初心者を見かねて親切心で、トラブルシューティングのコツを教えてあげようなんて奇特なことを思う上級者にとって受難の時代だと思う。
昔は、少なくとも情報が全くなかった昔は、先輩ユーザーの言うことは絶対だった。
「PRAMクリアをすればたちどころにMacは治るであろう!!!」
と先輩ユーザーがいえば、初心者は
「ははーーーーーっ」
とひれ伏すしか無かった。
ところが今は初心者といえども耳も目も大年増になっている。
半年目の初心者ユーザでも妙なところで知識を持っていたりする。
いろいろトラシューをしたが不幸なことに原因がつかめず、時間切れで症状だけは改善させなきゃいけない。
どうしましょ?
「じゃ、とりあえず再起動だけやっとこうか」
「あれ?再起動は安易にやっちゃいけないんじゃなかったの?
再起動なんておまじないみたいなものでしょ?」
(うるさい奴だな…なんて思ったことはおくびにも出さず…)
「あっ、再起動といってもコールドブートね。
リンゴマークから「再起動」を選ぶんじゃなく「終了」を選んでいちど完全にシステムを終了して冷やしてから起動してみよう!」
「あれ?いまなんかごまかしませんでした?
さっきは単に『再起動』といったよ?
それに冷やしてからって、大して熱もってないのに『冷やして起動』って意味あんの?
なんかおまじないで適当に済まそうとしてない?」
(うざいなコイツ、こんな奴の相談受けるんじゃなかったな…なんてことはおくびにも出さず)
「これこれ、なにをいう…コールドブートも再起動も決しておまじないではないぞ。
一度システムを終了することによってメモリや仮想メモリに残っていたプロセスが全部リセットされるだけでなく、ハードウエアの読み込みも一旦リセットされるので、そこに原因があった場合は改善されるとググったら書いてある…」
「あっ、Google先生のお言葉なら確かですね…」
(オレの言うことは当てにならんのかよ、むかつくなコイツ)
不幸である。
例えば今はみんな「パソコンに詳しい人」になってしまった。
するとハードディスクなんて秋葉原に行けば1TBのバルク品が1万円を切る値段で平積みにされている… なんてことは皆知っている。
ところが業務用の専用機サーバーの内蔵ハードディスクの交換部品は250GBで十数万円からメーカーによっては20万円を超えることもある。
1TBが9000円で250GBが20万円…あまりにも差があり過ぎるではないか?
いくら最高級品のハードディスクといっても純金で作られているわけではないのにこの差はおかしいんでないか?…なんて疑問がある。
実は純正品というのは、メーカーの規格に完全に合致した工場で合致したロットで生産されたもので、それ以外は
「動作保証外品」
ということになる。
専用機はバルクに合わせる必要は無いので、生産時に採用されたハードディスクでしか動作テストしていない。
故障した時に交換ディスクとして部品支給されるのはすべてその専用機が新品だった当時に作り置きされた在庫品だ。
なんせそれ以外のものは動作テストしていないんだから、
「秋葉で数千円のバルク品のディスク買ってきて入れて壊れても修理しませんでぇ」
ということなのだ。
だから10年前に生産された250GBのディスクは当時の価格で在庫納品されている。
それ以外はメーカーが認めないのだから当時の価格の20万円で買わないと仕方が無い。
ところがユーザーが変にアキバの情報に詳しい人物だと
「これと同じディスクメーカーのバルクをこの前8480円で買ったんだけどなぁ…本当にこの値段するの?このディスク?なんか変なマージンとってんじゃないの?」
とか言い出す始末…。
パソコンが民生機として普及しすぎたせいなんだろうなぁ。
WindowsもMacも民生機も業務用機も同じOSで動いているし…
Macなんて
「Macかあいい!iPhoneとおそろ!」
とかいっているにわかユーザも、専用機として運用している業務用ユーザーも同じ機種を使っていたりする。
トラブルシューティングもそういう人たちに「先輩の威厳」を保ちながら智恵を授けなきゃいけないので大変だわw…
困った時にヒントを上げることができるけど、結局は自分で「冷静になって」 、「原因を想定」 して「切り分け」 てログデータなど見るとか「手順を自分で考え」 て解決しないといけない。
ネットに落ちている情報をそのまま持ってきて、とりあえず試してみる…というのは大体いい結果にならない。
トラシューの最大の心得は「自助努力せよ」 しかないと思う。
そして例によって決まり文句だけど、「トラブルシューティングは自己責任で実行してください」 ということになるので、そこはよろしく。
anchor
Macが壊れた!〜その時何をする?とかノウハウものに飛びつく前にそもそものトラシューの考え方をまず理解しよう〜以下トラブルシューティング十訓(1)
Macを使っていて快調に動いているうちはいいのだが、長く使っていると必ずトラブルには遭遇する。
そういうものには遇わないのがいいのだが、これは確率というか歩留まりの問題なのでトラブルシューティングをするというのはパソコンユーザの誰にとっても他人事ではない。
かくいう弊サイト「MacOSXの新着アプリテスト記録とトラブルシューティング」は、本来そのタイトルの通りトラブルシューティングの事例紹介サイトとしてスタートしている。
残念ながら(?)OS XになってからMacはトラブルが少なくなったために、トラブルシューティングサイトという看板では頻繁な更新は困難になってきた。
それでアプリ紹介サイトのようなことをやっていた。
でも、トラブルシューティングこそ普段からの積み重ねが物言うし、トラブルが起きてから途方に暮れてもどうにもならない…そしてうまくいった時に醍醐味を感じられるのもトラブルシューティングの時なのだ。
そのトラブルシューティングだが、むやみやたらと知ってる方法を試してみるというだけではまずうまくいかない。
掲示板のMacのスレッドなどでよく見かけるやり取りだが
「Macの調子が悪くなりました。どうしたらいいでしょうか?」
「fsckをやりなさい」
というのがある。
相談する方も「調子が悪くなりました」じゃ何がおかしいのか全く伝えられないし、答える方も何もわからないのに機械的に「fsckをやりなさい」と答えて聞く努力を放棄している。
答える側は真面目に答える気がないし、質問する方はカッカしていて誰かが助けてくれるだろうとトラブルを自分で直すという発想がない。
これでは何もトラブルシューティングになっていないし、治るものも治らない。
そこでトラブルが起きた時にどういうツールを使うとか、コマンドを使うとかいうノウハウものではなく、まずどういう考え方をするべきかをまとめてみた。
この考え方を理解して、手順を踏んでいけば解決するトラブルが大部分なのだ。
考え方を理解すれば、どういうツールが必要になるかも自ずとわかってくる。
いきなり葛根湯医者のように「fsckをやりなさい」ではなく、何をするべきか、その考え方をまとめてみた。
1)頭を冷やせ
まずトラブルシューティングの時に一番大事なことは、これだと思う。
トラブルというのは大体起きてほしくない時に起きるように思えてしまう。
口をぽかんと開いてYouTubeの動画を眺めている時にはトラブルは起きない。
締め切り迫ったレポートを書き上げる直前フリーズとか、急ぎのメールを飛ばさなきゃいけない時にネットワークトラブルとか、9時間かけてエンコードしたビデオがようやくあと5分で完了という時に虹色ボールが回り始めて操作できなくなるとか…
トラブルというのは、大体そういうタイミングで起きるように感じられる。
こういう時に一番してはいけない考え方が、以下の通り。
「かああああ、なんで こんな時 によりによってオレだけ が問題に遇うのか?
今日はMacが機嫌悪い のか?
このMacは不良品 なのか?」
「だいたい買った時から何となく調子悪い んだよな、このMac。
勝手に壊れる なんて、本当に信頼できないんだよなMac って。」
「これを買った時の電気店の店員の態度 も気に食わなかったし、Appleなんてお高く止まっているけど所詮この程度の技術力 じゃん。」
「ネットの質問コーナーで質問しても、回答者が「機種は何ですか?OSのバージョンは何ですか?」とかいちいち聞いてきてエラそう で、めんどくさいんだよな、あの手の連中とやり取りするのって。」
「ネットでOnyX とかお勧めされてたから、適当に全部の項目にチェック入れてかけたら治る かな?
やってみよう」
「それか、昔からの黄金律 だな。
とりあえず再起動 してみよう。
それで症状は治るだろう。ファイルは諦めになるが…」
何が問題か分かるだろうか?
それぞれの内容はこのあとの項目とも関連してくるのだが、まず大前提はこの項目のお題の通り
「頭冷やせ」
ということに尽きる。
順番に見ていくと
「こんな時」ってどんな時だよということだ。
パソコンは別にあなたの都合なんか見てやしないし、トラブルは時を選ばずに起きる。
のんびり休日のYouTube鑑賞の時のトラブルなんて印象にも残っていないだろう。
しかし実はトラブルが起きる確率は、よだれ流してネット動画見ている時も切羽詰まった仕事してる時も同じ。
それは切羽詰まった時に食らったトラブルがやはり印象に残るからそう思うのだ。
こういうパソコンあるあるは印象に過ぎない。
そしてそれがオオゴトになるのはまさにあなたの都合。
「こんな時」というのはまさにあなたの都合なのだ。
でもMacなどのパソコンは誰の都合も知ったこっちゃない。
ただの機械だ。
相手が機械なら、機械にふさわしい対応をすればいい。
こんな時もどんな時もないし「よりによってオレ様」も誰様も関係ないということだ。
それに「よりによってこんな時に」「よりによってオレのMacが」というのは、自分では冷静なつもりでもトラブルに会っている俺カワイソウ…という自己憐憫にとらわれている。
「俺は不幸だ。オレのMacは不良だ」
これも冷静な態度ではない。
もしあなたのMacが本当に不良品ならAppleの「交換プログラムの告知」ページに自分のMacのロットナンバーが掲載されている筈だ。
そういうことも調べないで「不良だ」とか決めつけても何も改善しない。
そしてこういうユーザは基本的にパソコンを擬人化する傾向がある。
「今日は機嫌が悪い。」
「すねてる、仕事したくないらしい」
「パソコンのくせに職場放棄とか生意気な」
繰り返すが、相手はただの機械なのだ。
ただの機械にはただの機械にふさわしい対応がある。
パソコンには機嫌なんて存在しないし、大体あなたを嫌ったりもしない。
パソコンを擬人化するユーザは大体トラブルに遭遇するとこじらすタイプが多い。
コーヒーミルが壊れたら「生意気な、コーヒーミルの分際で」とか言う人はいないと思う。
部品構成が多少コーヒーミルより複雑なだけでパソコンはコーヒーミルと同じ。
コーヒーミルに機嫌なんかない。
まずは自己憐憫とか、擬人化、八つ当たりとかはやめて冷静になること。
これがすべての始まりだと思う。
2)症状を観察せよ
また
「何となく調子が悪い」
というトラブルは存在しない。
トラブルには必ず原因があって、その原因の種類、発生部位によって特徴的な症状というものが必ずある。
ならばその症状を観察してトラブルの原因を突き止めることができる。
まずは、「何が、どんなふうに、いつから」調子悪いかを自分の中で整理してみること。
頭が整理できるなら紙に箇条書きするのも有効だ。
動作が遅いのはどういう時に、つまりファイルを保存する時に遅くなるとか、特定のアプリを起動している時に遅くなるとか、遅い時に虹色ボールは出るのかとか、マウスポインタは正常に動くのか、ボタンクリックは正常に反応するのか、その症状は何日前から始まっているのか、その時にインストールしたアプリは何か、遅くなる時に画面が乱れるなどの他の症状は併発しないのか…
という調子で「何となく動きが遅い」というだけでもざっと考えてもいくらでもチェック項目が浮かんでくる。
そしてこれらの質問は、実はそれぞれ問題のある箇所を想定した具体的な質問なのだ。
わかっただろうか?
だからあなたが「Macの調子が何となく悪いんですけど」と相談した相手が、もし「fsckを実行しなさい」とかいきなり言う類いのエスパーではなく、それなりに経験とスキルのある先輩なら
「Macの機種は何か?」「OSのバージョンは?」「電源ランプはどうなっている?」「何かのポップアップを見なかったか?」「ポインタはどうなっている?」
と次々と質問をすることになると思う。
それを「うざい」とか「エラそう」とか「詰問されてる気分になって嫌」とか思ってはいけない。
これは実際にあった話だが、昔トラシュー系のBBSで
「Macの調子が悪いんですけど誰か直せませんか?」
という質問があった。
「調子が悪い」じゃあまりにもざっくりしているので、どこがどうおかしいのか、機種は何か?バージョンは何か?と常連が質問していたら
「結局あんた達にもわからないんでしょ?
わからないならわからないと素直にいえばいいのに、エラそうに質問してごまかして。
故障なのにバージョンなんか関係ないじゃないですか。
気分悪い人たちだな」
とキレてしまった。
当然親切心で質問していた常連さん達は鼻白んで
「いや、別にバージョンなんかどうでも良いんでfsckやれば治るんじゃない?」
でスルーされてしまった。
当然、そういうトラブルではないことは私にもわかったので、この人物のトラブルは解決しなかったに違いない。
このあとカッカしてこの人物は、お店にMacを持ち込んだかもしれないけど、あの態度じゃまともに修理なんかできないだろうなぁ。
なんせ症状を正確に表現できないんだから。
そしてこういう人物が
「Macなんて大したことないじゃん、すぐ壊れるし壊れたら誰も直せないし、
修理も利かないし。
だからWindowsにするべきなんだよな」
なんて自分のせいではなくMacのせいにしたりするのかもしれない。
しかしこの調子では今度はWindowsパソコンが壊れた時に
「マイクロソフトなんて大したことないじゃん、パソコン壊れても直せないし…」
となるんだろうなあ。
こういうのは本当に損な人だと思う。
症状は冷静に観察すべし。
そしてもうひとつの教訓は
調子が悪い時には
先輩の言は素直に聞くべし
なんだよな。
3)切り分けせよ
もうひとつ、問題を解決するプロセスに進む前にやるべきことがある。
それはこの切り分けとなる。
切り分け(isotation)とは何か。
アポロ13という映画がある。
この映画は史実に基づいた、大部分が実話で実際に月着陸を目指した有人飛行で起こった事故を描いた映画だ。
この映画はスペクタクルとして観ても、史実劇として観ても面白いのだが、トラブルシューティングの実践例の教科書として観ても大変面白い映画だと思う。
少し長くなるがストーリーを紹介する。
月着陸有人飛行の3番手として打ち上げられたアポロ13号は順調に地球周回軌道を離れ、月遷移軌道に乗った。
静かに進行するミッションが月軌道まで3分の1のところに進んだ時に、アポロ司令船が信じられないデータを突然送ってきた。
「酸素タンク2番圧力喪失、1番も圧力が降下中
燃料電池1番から3番電力低下
主配電盤Bは電圧喪失、主配電盤Aも電圧低下」
と同時に飛行士達から
「爆発音と激しい振動が起きている。
計器盤には何十もの『緊急事態』を示す警報ランプが点灯している」
という無線連絡も入ってきた。
宇宙船というのは電気で動いている。
地球と通信するテレメトリーデータ通信も、軌道の計算をするコンピュータも、室内の明かりや温度管理する空調も、噴射をコントロールする自動操縦も、生命維持装置も全部電気で動いている。
そして電気を供給しているのが、液体酸素と液体水素を触媒反応させて電気を作る燃料電池だ。
燃料電池は宇宙船の生命線だからリダンダンシーを確保するために全部の系統が複数、つまり予備系統が設置されている。
酸素タンクはふたつあるし、燃料反応炉は3系統ある。
その電気を集めて船内のあらゆる装置に電気を渡す配電盤も2系統ある。
全部の段階で一系統ずつ同時に故障しても、宇宙船は安全に飛行することができるように考えられている。
ところが突然送られてきたデータを信じるなら、酸素タンク、燃料反応炉、配電盤の全部の段階の予備系を含む全部の系統で異常が起きているとなっている。
当然データを見ている技術者達は
「予備系も全部、しかも同時に故障するなんてあり得ない、計器の故障ではないだろうか?」
と報告した。
しかし飛行主任は納得しない。
「飛行士達は『爆発音がして激しい振動が起こっている』と言っているぞ。計器の故障なら爆発音や振動は起きない筈だ」
しかしいくらデータを洗っても、一向に何が起こっているのかわからない。
その混乱の中さらに飛行士から信じられない通信が舞い込んでくる。
「窓から目視で確認しているが何かが洩れているのが見える。
あれは多分酸素だ」
ここで船内環境全体をコントロールする責任者に飛行主任が問いかける
「事態を好転させる手段はないか?」
責任者はこう答えた。
「燃料反応炉の1番と3番の酸素弁を閉じよう」
「その効果は?」
「酸素タンクの酸素漏れがどこで起きているかを切り分け(isolate)ることができるよ」
「しかし、酸素弁を閉じると月着陸は諦めざるをえないが?」
「今は生死の問題だよ、月着陸を論じている時ではない」
ここで重要なのは、問題のありそうな部位を切り離すことで問題が起きている場所を特定することができるという考え方だ。
宇宙船はすでに地上から数万キロの彼方まで飛んで行ってしまっている。
誰も故障の部位を肉眼で見ることはできない。
宇宙服を積んでいるんだから飛行士に修理させたらどうかという素人考えがあるが、船外活動に回せる酸素の量は数十時間分、しかも船内の圧力を下げるたびに大量の空気を捨てることになる。
被害の状況がわからない時点で、飛行士に船外活動をさせるなんてあり得ない選択ということになる。
地上からも見えない、飛行士からも見えない、しかも計器盤は訳が分からないデータを吐き続けている…こういう状況ですべきことは、まずどこが故障しているのかを特定すること。
これはトラシューの教科書にしたいくらいの模範解答だ。
もちろんなんとかしないと飛行士の生命が危険な事態であることは、彼らもこの時点で薄々分かっているのだが、いきなり「なんとかしなきゃ!」とでたらめな対策を無意味に連発しても却って事態を悪くするだけだ。
このあとどうなったかというと、切り分け実施後も酸素タンクの圧力下降が止まらなかった。
つまり酸素漏れは燃料電池の酸素弁で起きているのではなく、タンクそのものから洩れていることが判明した。
予想した最悪の事態ということだ。
ここでこの飛行主任のジーン・クランツの有名な台詞が流れる。
「さぁ、みんな冷静になって問題を解決しよう。
当て推量で事態を却って悪くするな。」
トラシュー的にはこの映画から学ぶことができる教訓は多い。
1)冷静になれ(既述)
2)当て推量で何かやる前に切り分けをしろ
他にも
3)数値の読みがはっきりわからない時は、最悪の方を想定しろ
4)何か思いついたら実機を使って実際にやって検証しろ
5)経験則に頼り過ぎずに柔軟に考えろ
ということになるか。
6)最後に本当に施す術が無くなった時は、問題を切り捨てて祈れ
というのもあるのだが…
クルーが撮影した13号の支援船の写真(Wikipediaより)
トラブルというのは想定外のところで起きるという実例
支援船の燃料電池は酸素タンクも反応炉も配電盤も複数の系統が
用意されていてあらゆる故障に耐えるように設計されていたが
酸素タンクが爆発して支援船の片側が吹っ飛んでしまい
すべての系統が機能しなくなるほどの事故は想定されていなかった
このストーリーにはトラブルシューティングのヒントがたくさん詰まっている
問題が起きた時に何をするか…
やはり原因の特定ということになるのは酸素を消失した宇宙船も、動きがおかしいパソコンも同じだ。
切り分けをしないでいきなり再起動という手も勿論無いわけではない。
多くのパソコンと同じくMacの場合もたいていのトラブルは再起動で治る。
だから「調子が悪くなったらとりあえず再起動」というのはあながち間違ってはいない。
でも、いつもこれでやっていると問題が起きてくる。
ひとつは再起動してしまうと問題の所在がわからなくなってしまうという点。
原因が分からないので、改善されていない。
改善されていないから再発することは当然あり得る。
さらにこういう習慣をつけていると、再起動しても同じ問題が起こった時にパニックになる。
これは実際にあったケース。
「パソコンがフリーズしたようだ」
という。
どこもクリックできない。マウスポインタも動かない。
ポインタが動かない場合は、多くはOSレベルでフリーズが起こっているので、まず再起動ということになる。
ポインタが動かないので、当然電源ボタン長押しで再起動する。
そして起動したら普通は治っている筈だ。
ところがやはりフリーズしている。
普通どのOSでも起動直後はメモリもCPUもリフレッシュされているので、その時点でフリーズが起きるというのはあまり考えられない。
これはロジックボードがやられたか…と騒ぎになった。
ところがマウスを他のものにつなぎ替えたら、あっさり治った。
ここで切り分けのために問題のマウスを他のパソコンに挿してみた。
すると今度はそのパソコンがフリーズしたように操作できなくなった。
これでマウスの故障と特定できたわけだが、もう一段進めて考えるなら、再起動する前にキーボードには反応しているかどうかを確かめるべきだった。
そうすればマウスの単体の故障とまで切り分けができたのに…
切り分けせずにいきなり再起動すると問題がこじれるという一例だった。
さらにこれはひとつの経験則なのだが、
「操作できなくなった」
というトラブルの時のマウス故障、マウス抜けは意外に多いので、心に留めておいた方がよい。
「起動できなくなった」
という時の電源ケーブル抜けも同じように多い。
これも実話。
サポートには
「パソコンが起動できない」
という問い合わせは結構多い。
その時に「電源ケーブルは刺さっていますか?」というチェック項目を伝えるそうだ。
たいてい相手は「素人だと思って馬鹿にするな」という反応をする。
昨日まで動いていたんだから、電源ケーブルなわけないだろ。
すぐに修理にきてくれ…
電源ケーブルはがっちり刺さっていると思う人も多いのだが、ちょっと本体を動かしただけで緩むとか実は多いケースなのだ。
だからサポートもまず「電源ケーブルをお確かめください」というところから入らないといけない。
教訓
動かない時は
マウス故障、電源抜けは常に疑え
こういう事があるから、切り分けは大事。
マウスケーブル、電源ケーブルはチェックする…画面が動かない時はフリーズを疑うだけじゃなく、ハード故障も疑う…マウスの抜き差し、予備マウスのテストなど小さなトラブルで切り分けは大事なのだ。
これはITパスポートとかの試験によく出てくる応用問題の例
このネットワークで端末Aから端末Dまでつながらない
直接AとDをつなぐとつながった場合どういう手順で切り分けをするべきか
答えCはバイパスしているので故障原因に関与している可能性は低い
なのでBを飛ばしてACDとつないでテスト、接続を確認したら
次にABDとつないでテストでBの故障を特定できる
このように切り分けとは故障箇所を想定して
そこを切り離してテストするという手順で行われる
(自慢させてください、一応資格者なもんでw)
4)予感・予兆を軽視するな
トラブルというのは何の予兆もなしに突然起こるということは実は少ない。
「後から考えたらあの時から調子がおかしかったんだなぁ」
という予兆のようなものに気がつくことが多い。
後から考えたら気がつくというのがこの予兆の残念なところで、もし予兆についての経験則が豊富にあればトラブルが発生する前に事前に予防することができる筈だ。
いや、できる筈であってほしい…
実際には相当な熟練者でも予兆にはなかなか事前に気がつかない。
しかし予兆に気がついたら、事が発生したあとに原因の特定・切り分けの判断材料としては大いに役に立つ。
そして予兆というものは実は経験豊富な熟練者でなくても、「後から」ならば経験が浅い人でも気がつくものだ。
例えばこれも非常によくいうジョークなのだが、何かトラブルが発生した時にユーザーに事情を聞くと、
「何もしてないのに壊れた」
ということをいう。
そこでユーザーを責めても仕方が無いから直接本人には言わないが、サポート仲間で
「何もしていないなら壊れない、何かしたから壊れたんだろ?」
というジョークはほぼ共通語のように通じる。
それくらいこの言い訳は世界中のどこでも、少なくとも47都道府県の津々浦々でされている。
そして、こういう「何もしてないのに壊れた」 という本人は、実は何をしたから壊れたのかよく分かっている。
分かっているから「何もしていないのに…」とこちらが聞いてもいないのに一言付け加えたくなるのだ。
本当はトラブルシューティングをスムーズに進めるためには「何もしていないのに…」とか言うんではなく何をしたのかをフランクに話してほしいという時がある。
問題が発生した直前に何をやったかを知っていれば、原因に到達する時間を短縮できる。
ところがこちらが「何をしましたか?」と聞くと
「まるで使い方が悪いと決めつけるような質問をする」
と感じる人もいるようだ。
「こちらが悪いような言い方をするが、余計な事を言っていないでさっさと直せばいいんだ」
というキレ方をする人もいるが、これも1番目の「冷静であれ」という話に通じるのだが、トラブルシューティングをしている方は、ユーザーを責めるために調査しているのではなく原因を特定するために調査しているのだ。
思い当たる節があるのならフランクに話した方が結局お互いにメリットがある筈なのに
「責められている」
という不快感から質問を拒絶する人がいる。
しかし言わせてもらえば「何もしてないのに壊れた」 と言う人は
「実は私は原因を知っているかもしれない」 と白状しているようなものだ。
そういう人が感じている「故障の予兆」は、実は結構当たっている。
予兆だの予感だの迷信みたいなことを言うな…というのではなく、そういうものを感じたら「後から思えば」というような予兆でもかまわないから思い返すといいと思う。
意外にそういうものが役に立つ。
5)思い込みを排除すべし
トラブルシューティングをする上で経験は大事だ。
やはり場数を踏んでいる人は強い。
過去の経験に照らして、こういう症状はここが原因になっている事が多いという知識が豊富ならばやはり原因の特定は早いし、切り分けの方針も立てやすい。
経験があれば似た事象の特定はスムーズなのだが、経験則に頼り過ぎるとツボにハマることがある。
経験は強い味方なのだが、時に思い込みになって厄介な敵になることもある。
例えばこんなことがあった。
FTPの転送に失敗するケース。
失敗の原因を調べていると
120sec time out
というFTPログが見つかった。
相手はWindowsServerでMicrosoftのIISの設定はデフォルトで120秒になっている。
IISを有効にして何も設定を触らないと、普通はタイムアウト値は120秒になる。
どういうことかというと転送中の後処理のファイルのリネームとか何かの作業が手間取ったら、120秒で
「転送失敗」
とFTPサービスが判断してしまうという設定値だ。
実際には転送に成功していても120秒を超えたらその時点で失敗とみなす。
ところが動画ファイルなどの大きめのファイルの転送の場合120秒のデフォルト設定は短すぎるのだ。
900秒の設定を推奨しているサイトも見かけた。
これは非常によくあるトラブルでFTP転送失敗の原因の半分はこれかもしれない。
ところが、これが固定観念になってFTP転送に失敗するとタイムアウト値をのばすというケースがあった。
そしてついにタイムアウト値は86400秒までのばされた。
24時間ということだ。
この場合の問題点はもし本当にFTPのセッションに問題があって転送に失敗している場合でも、24時間はずっと「転送中」の表示が続いて、転送失敗の表示に変わらないということになる。
これでは逆に実用上問題が出てくる。
このケースの教訓は「経験則に頼り過ぎるな」 ということだ。
FTP転送失敗の原因が毎回タイムアウトだから、今回もそうに違いないと決めつけてタイムアウトを600秒、900秒、1200秒…とだんだんのばしていって最後には24時間になってしまったという笑い話のような、でも笑えない実話だ。
本当は1200秒あたりまでのばしても転送失敗が続く時点で、他の原因にも思い至らないといけない。
WindowsのFTPdaemonであるIISはデフォルトでは
タイムアウト値は120秒にセットされている
いろいろな見解があると思うがこの設定は短すぎると私は思っている
それでコントロールセッション値を900秒に変更する設定を施している
しかし転送失敗のたびにタイムアウトをのばして
24時間…まで行く前におかしいと考えないといけない
コンピュータの、少なくとも今のノイマン型コンピュータの基本動作の要件には
「同じ入力に対しては同じ出力を得られる」
というのがある。
つまり平たくいうと、同じ事を何回やっても結果は同じというこだ。
コンピュータに限っていうなら、何回かやって失敗したけど今度はうまくいくかもしれない…というのは普通はあり得ない。
一度失敗したら何度やっても失敗する。
だから失敗したらその要因を探って何らかの条件を変えてやらないと、同じ事を何度やっても事態は好転しない。
ところがFTP転送というのはパソコンが扱うプロトコルの中でも結構いい加減な部分が多く、また外部要因が絡んでくるケースも多いので、一度失敗しても何度かやっているうちに成功するケースもある。
これが経験則になって、サルのようにFTP転送を繰り返したりタイムアウトをのばしたりを繰り返す羽目になる。
コンピュータの動作はしかし、こういうケースを除けばやはり結構確定的で、
ないものはない/あるものはある
一度失敗したものは何度やっても失敗する
という原則で動いている。
よくトラブルシューティングの時に、
「これでできないはずはない、前はこれでうまくいったんだからできる筈だ」
といって顔を真っ赤にしてEnterキーを連打している人を見かけるが、これも「前はうまくいった」という経験則が邪魔している。
失敗したなら失敗する原因がある筈で、その原因を取り除かない限り何度Enterキーを叩いても問題は解決しない。
(除くFTP転送のケースw)
とりあえず、トラブルシューティング十訓のうち前半の5つをまとめた。
後半はまた次回。
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