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2015 年 6 月 28 日




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Flavours 2
(Shareware)
OS10.10Yosemite対応

Yosemiteのデスクトップのアピアランスを劇的に変更できる128のテーマを持ったメニューバーアプリ。

Mac OSはデスクトップのアピアランスの変更に関しては代を重ねるごとに自由度がなくってきている。
今ではせいぜいYosemiteをMavericks以前のアピアランスのイメージに戻すとかそんな程度だと思う。

しかしOS9でKaleidoscopeとかを使っていた人たちには、あの見た目が劇的に変わるアピアランスコントロールパネルを懐かしむ人がいる。
そういう人たちの声に応えるYosemiteのアピアランスを劇的に変えるアプリ。

試用版でも数種類のかなりイメージが違うアピアランスを試すことはできる。
シェアウエア登録をすると128ものプリセットをダウンロードして利用できるし自分でカスタマイズも可能。
さらにスケジューリングで時刻に合わせてデスクトップのデザインを変えたりデフォルトに戻したりもできる。

インストールにはユーザ領域だけでなくシステムライブラリやUNIXのバイナリ領域にもモジュールを挿入することが必要になるためややリスキーでもあるので、試用版で調子を見ながら問題がなければ登録するということでいいと思う。

またそういうアプリであるためアンインストールには多少のコツが必要で、アンインストール時に付属ファイルを削除してくれるAppTrapのようなアプリを使用しても完全にアンインストールすることはできない。
その手順は下記に詳述する。

さらに作者サイトでも告知があるが、この構造のためYosemiteの次の次期OS XのEl Capitanはサポートしない予定だという。
El CapitanからまたAppleのセキュリティポリシーが一段と厳しくなって、サードパーティがシステムファイルやファイルシステム、ランタイムの変更を禁止する仕様になったため、それらの行為をするFlavoursは対応することができず、El Capitanのサポートは断念したとのこと。
Yosemiteの間だけ有効だが、それでも違うアピアランスを使いたい人には薦められる。





Flavours 2を起動するとネットワーク受信の許可を求めてくる
アピアランス情報などを受け取るなら許可する




次に使用に関する同意を求められる
例によって不具合があっても自己責任で使用しますという内容だ
使うならAcceptをクリックしないと進めない




次が一番大事なのだがパス管理の都合によりこのアプリは
アプリケーションフォルダの第1階層にないといけない
なのでデスクトップなどで起動すると
「アプリケーションフォルダに移動するよ」と許可を求めてくる




起動したFlavours 2
Storeデモのところでスクロールして好みのアピアランスを選択する
デモでは数種類だがシェアウエア登録すると膨大な数のアピアランスが選択できる




これを適用したい場合はチェックボタンをクリック




このアピアランスの場合色目の選択ができるので次で
プルダウンでアピアランスの色を選択する
これはデフォルトの液晶っぽいイメージ




適用すると再起動の必要はない
すぐにFinderが再起動してアピアランスが変更される
こうしてFinderシステム環境設定は液晶イメージのメカニックな雰囲気に変わった
背景やメニューバーもアピアランスに合わせて変更されている




チョコレートというアピアランスを選択する
するとウインドウのタイトル・ツールバー、メニューバーはチョコレート色に…
それに合わせた背景に変更される
変更を無効化して元に戻したい場合は緑のスライドボタンを左に戻す
システムデフォルトではなく元の自分がカスタマイズしたデスクトップに戻る




お気に入りのアピアランスを登録したり人気のものを調べたりなどの機能は…
シェアウエア登録したら使えるようになりますとのこと




このFlavours 2はメニューバーアプリでもある
本体を終了してもメニューバーアイコンは常駐する
ここからアピアランス変更のオンオフをワンクリックでも操作できる
またここから設定画面も呼び出せるがなぜか終了メニューだけはない




その設定画面はこんな内容
一般ではメニューバーアイコンの表示・非表示、
変更時の音の有無、アップデーチェックなどが設定できる




スケジューリングでアピアランス変更もできるみたいだが
この機能もシェアウエア登録以降有効になる




テーマ変更時にデスクトップはカラーバックになるが
デスクトップピクチャーを変更しない設定も可能
また特定のアプリを除外して変更を適用しない設定も可能だ




さて残念ながらこのアプリがお気に召さなくてアンインストールしたい時
アプリ本体をゴミ箱に入れるだけでは不完全だ
私はAppTrapを使っているがこれを含む幾つかの関連ファイル自動削除アプリは
すべてのモジュールを完全に削除してくれない
特にシステムファイルに何かを挿入するタイプのユーティリティーは自分で手動で
削除しないと自動アプリでのアンインストールは不可能だという理解のほうが正しい




AppTrapでアプリを削除するとユーザ領域のライブラリーの
中のフォルダや設定ファイルを自動削除してくれる
しかし…




現にAppTrapFlavours 2削除後もActivity Monitorで見ると
Flavours2AgentFlavours2AGeneratorというプロセスが起動しっぱなしだ
特に前者はActivity Monitorで強制終了してもまたすぐに復活してくる




こういうアプリを完全にアンインストールする場合は検索ウインドウで
アプリ名を入れて検索条件に「システムファイルを含む」と入れる
これで幾つか関連ファイル・モジュールが出てくる
例えばこれは/usr/binというシステム領域の中にflavour2agentignitor
というシステムファイルが挿入されたのを検出した様子
これが先ほどの強制終了してもまたすぐ復活してくるプロセスの実体だ
El CapitanのセキュリティポリシーでAppleから締め出しを食らった理由がこのあたりらしい




こうしたUNIX領域にバイナリをインストールするだけでなくシステムライブラリの中にも
LaunchAgentsなどのフォルダにエージェント呼び出しの設定ファイルもいくつか挿入している
こういうものも手動で削除する








2015 年 6 月 27 日




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21世紀ボヤージ
(Freeware)
OS10.10Yosemite対応

20世紀の年表を綴るスクリーンセーバ、20世紀ボヤージが21世紀の現代のコンテンツ・ビジュアルなコンテンツが追加されてアプリ化。

洒落たスクリーンセーバを作っておられる作者さんが、NHKの「映像の世紀」にインスパイアされて作成した20世紀ボヤージをアプリ化されたとのこ。
スクリーンセーバ同様にフルスクリーン表示が可能で、LIFEなどの歴史を感じさせる写真などもコンテンツに追加された。
そのほか年表と箴言の表示は今までどおりだが20世紀だけでなく21世紀のコンテンツも追加された。
そのため名前も21世紀ボヤージと変更されたらしい。

起動するといろいろ見入ってしまう。
とりとめもなく歴史が流れていくので、作業で疲れた時に頭を休めたい時にオススメ。





フルスクリーン表示にした21世紀ボヤージ
旧作のスクリーンセーバ版と比べて淡い色合いの印象の背景に変わっている
そして2015年の21世紀最新の出来事も表示されるようになった




今回追加されたコンテンツの一つ
歴史上のイベント、インシデントから何年経過したかのカウンターが表示される




背景の色はデフォルトの青空のほかにこんな夕焼けが選択できる




そしてこれは深夜の背景
これなら長く見ていても目が疲れないかもしれない




メニューからあるいはコマンド+Tキーで設定画面が呼び出せる
ここではフルスクリーン表示かウインドウ表示か、表示速度などが変更できる




ビジュアルのタブでは背景の色の切り替え、画面隅の時計の表示などが設定可能




4つのコンテンツの取捨選択もできる




こちらは箴言の表示




そしてこちらはLIFEの歴代の写真の表示




システム環境設定のスクリーンセーバーには今でも旧作の20世紀ボヤージも残っている
20世紀のセーバ画面が21世紀の本画面に切り替わる光景も見られる

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ClamXav2.8
(Shareware)
OS10.6SnowLeopard対応 OS10.7Lion対応 OS10.8Mountain Lion対応
OS10.9Mavericks対応 OS10.10Yosemite対応

軽量かつ定義ファイルの更新も活発なMacの定番ウイルス対策アプリ、ClamXavの今回アップデートからいくつか重要な変更点

ウイルス対策ソフトは何を使ったらいいかという質問をされたら、私は大抵はこのClamXavを勧めている。
いくつか理由があって、最大の理由はこのclamエンジンの軽さだ。

Macにウイルス対策ソフトを入れて動きが目に見えて遅くなり、気がついたらリソースの半分以上をウイルス対策ソフトソフトが占めていて、対策ソフト自体がウイルスみたいな動きをしているという笑えない状況がOS9あたりの時代にはかなりあった。
今では各ウイルス対策ソフトメーカーとも研究は進んでいてMacがどうしようもないくらい重くなるなんてソフトはめずらしくなったが、それでもやはり重い。

最近のウイルス対策ソフトはパターンマッチだけでなく振る舞い検知、つまり隔離された環境で実行ファイルを起動してみて怪しい動きをしないかチェックするスキャン方法も併用するのが標準になってきている。
このメリットはウイルス定義ファイルにまだ登録されていない未知のウイルスやゼロデイ攻撃からもコンピュータを守れる可能性があることだ。
ただしこの説明を見ればわかるが、単にファイル名、ファイルサイズ、バイナリの中の特定の文字列などのパターンをデータベースと照合してウイルスを特定するパターンマッチ方式と比べるとシステムのリソースをかなり食う。
それぞれのアルゴリズムにノウハウがあるので当然高価な製品版アプリの機能に限られるということもある。

ClamXavはオープンソースのclamavのGUIフロントエンドとして、個人のプロジェクトでスタートしているのでこれまでフリーウエアだった。
スキャン方式もパターンマッチを採用している。
そのおかげでこれまでフリーだったし、非常に軽く常駐させていても普段はほぼ気がつかないくらいだ。

パターンマッチだけで十分なウイルス対策になるのか…という疑問を持つ人がいるかもしれないが、このclamavのパターンの更新頻度と最新のマルウエアへの対応状況を見ると十分なスピード感を持って対応していると言える。
このパターンファイルを作成しているフォーラムはセキュリティに関する世界で最も活発なグループだとも言える。
それでももっと厳密なセキュリティが必要だと考えるなら、有償の製品版アプリを使えばいいと思う。

セキュリティは支払うコストやシステムのリソースなどの負荷に対して得られる安全性が見合ったものか、必要なものかの兼ね合いだからそこは必要に応じて選択すればいいと思うが、通常の個人使用なら十分と言えると思う。
逆に言えばどんな高価なソフトを使おうが、どうせウイルス対策ソフトだけですべての安全を確保することなんて不可能なんだし他にも施すべき安全対策はたくさんあってウイルス対策ソフトはその内の一部にすぎないと考えている。

どうせ一部にすぎないなら軽くてコストもかからないほうがいい。


そのコストの問題だが、今回のバージョンアップからこのClamXavはフリーウエアからシェアウエアに移行する。
その理由は日本語ローカライズを「ボランティア」で担当しているE-WAさんのブログやTogetterに詳細があるので請参照。
ClamXav v2.8有償化に関して | E-WA’S BLOG
Mac用定番ウイルスチェッカーアプリClamXavがv2.8で有償化 - Togetterまとめ

要はGUIフロントエンドのバイナリに関しては個人プロジェクトで開発されていたが、これからは企業からの製品版ソフトになるということ。
シェアウエア料金はソフトの開発のために投資されるという趣旨。
ここまでのソフトを個人の手弁当で整備してくれたのだから、作者さんには感謝の拍手を送りたいし有償化はさらなるソフトの発展の過程と歓迎したい。

なおシェアウエア料金は3834円(2015年6月27日為替相場時点)だがローンチプロモということで現在25%引きの2876円に値引きされている。
教育機関向けクーポンも用意されている。
その価値は十分あるのでシェアウエア移行をお勧めしたい。
旧バージョン(v.2.7)のままでフリーウエアで使用し続けることは可能だが、clamエンジンが更新されないと最新のデータベースをすべて活用できない可能性がある。





ClamXavのメイン操作パネル
見た目がYosemite風、iOS風のフラットデザインに変更されている
操作は依然とほとんど変わらない




特定のフォルダを左ペインで選択する、あるいは右クリックの
サービスでファイルをスキャンなどの方法でウイルスチェックが可能
その結果はこんな風に表示される
これは感染ファイルが見つからなかった場合の表示




こちらはウイルスを発見した時の表示
感染ファイル数が下のペインに表示され右上のペインには
感染ファイル名とウイルスの種類が表示される
環境設定で隔離・削除などの設定をしていれば
感染ファイルを移動・消去まで自動化できる




ClamXavの強力さは付属のメニューバー常駐ソフトの ClamXav Sentryに負うところが大きい
設定でこれを有効にしておくだけで自動的に常駐しFinderなどで
選択したファイルや新規に置かれたファイルを自動スキャンし
感染を発見したらこのように通知センター で知らせてくれる
もちろん、発見後隔離・削除の自動プロセスも設定できる




隔離フォルダに移動された感染ファイルは拡張子の前に検出時間を追加してリネームされる
以前は拡張子を無効化する機能もあったが今はこの形に落ち着いたようだ
v2.8からこの隔離フォルダもスキャン対象から外された
隔離しては検出しての無限ループを防ぐということらしい




個別のファイルをスキャンしたい時は右クリックで
サービスの中に「ClamXavでスキャン」というメニューでスキャンできる
これが見当たらない時にはシステム環境設定キーボードの中の
サービスの項目で「ClamXavでスキャン」にチェックを入れると見えるようになる


2015 年 6 月 24 日




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Brightness
(Freeware)
OS10.10Yosemite対応

スクリーンの明るさをメニューバーアイコンからのプルダウンのスライドで調整できるメニューバーアプリ。

メニューバーからスライドで大小を調整できるのはスピーカーなどの音声出力のUIがそうなのだが、こういうのが好きな人、こういうUIが扱いやすいという人にはオススメ。

MacBook Proなどのモバイルの場合はF1・2キーなどが画面の明るさ調整になっているのがデフォルトだが、逆にMac ProやMac miniなどのデスクトップを部屋の明るさに合わせてこまめに調整したい時に便利かもしれない。





メニューバーアイコンからプルダウンでスライドが現れるので
これの調整でスクリーンの明るさを変えられる
一番下のコマンドQをクリックするとBrightnessの終了ができる

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「不正アクセスを防ぐため…」といって逆にパスワードを抜き取るパスワード再発行詐欺の手口がかなり巧妙なので日本語版攻撃には要注意だ

先日シマンテックのリリースできたSMSの認証コード抜き取り詐欺の手口が巧妙なので、これをよく知って警戒しといたほうがいい。


このパスワード抜き取り詐欺、アカウント乗っ取りの手口の解説ブログはこちら。
ユーザーを欺いてメールアカウントにアクセスする、パスワード再発行詐欺 | Symantec Connect Community

Gmailに携帯番号を登録しているユーザは、パスワードを忘れても「パスワードを忘れた」リンクから再発行パスワードをSMS(携帯ショートメッセージサービス)に送ってもらえる認証確認サービスがある。
この詐欺の手口はこれを悪用している。
これはやられるかもしれないので、この手口パスワード再発行詐欺に注意。
以下にその手口を簡単にまとめる。

1)正規ユーザのパスワードを知らない悪意の第三者がGmailのメールアドレスと携帯番号の流出リストを入手した。
ユーザ情報の流出としては、パスワードは含まない携帯番号とメールアドレスだけのリスト流出は比較的深刻度が低いと考えられているので、流出した業者もユーザも警戒度は低いかもしれない。

2)しかしこの悪意の第三者は、そのメールアドレスでGmailログインページにアクセスする。

3)パスワードを知らないのでもちろんログインはできないが、ログイン画面の「お困りの場合」リンクから再発行パスワードを送るよう依頼する。
この時に携帯番号で登録しているユーザはSMS向け6桁認証コードも選べるのでこれを選択する
ただし認証コードはもちろん本当のユーザのSMSにしか送られないので、それは第三者には見えない





悪意ある第三者はパスワードを知らない場合ログインはできないが
その下の「Need Help?」のリンクに入ることはできる




そして6桁認証コードをコードをSMSに送らせることはできる


4)この悪意ある第三者はこの本当のユーザの携帯番号を知っているので、この後すぐタイミングを合わせて、このユーザのSMSに偽のGoogleサポートメッセージを送る。

そのサポートメッセージの内容は
「Googleはあなたのアカウントで不正なアクセスを検知した。不正アクセスを防ぐために送信された認証コードを返信してください」
というような内容。

5)これを正規ユーザはGoogleのサポートからのメッセージと勘違いして6桁認証コードを送り返してしまう。

6)認証コードを受け取った第三者はすかさずアカウントのログインページにアクセスして、6桁の認証コードを使って仮パスワードを作成し、Gmailアカウントを乗っ取ってしまう。


あとはスパムメールも送り放題だし、Gmailアカウントを認証に使うGoogleのサービスは全部アクセスできるのでアドセンスの振り込み先を捨て口座にこっそり変更したり、なんでもありだ。

この手口の悪質なところは、アドレスを確認しやすいメールではなくアドレスの確認がしにくいSMSを使用すること。
SMSに返信しないで放置しておくと
「このままではアカウントの安全が維持できないので認証コードを至急返信せよ」
と繰り返しメッセージを送ってくること。
認証コードを送り返すと、この偽サポートからちゃんと有効な仮パスワードを送り返してくるので、それでログインできることを確認してしまうと騙されていることに気づかないで安心してしまうかもしれない。

これでアカウントを乗っ取られたことに気がつくのに時間がかかってしまい、その間に好き放題やられてしまうかもしれない。





日本語ユーザの場合もこの下の「お困りの場合」から全く同じ操作ができる




Googleの場合携帯ユーザのためにSMSへの認証確認メールサービスを
用意しているがこの親切心が裏目に出ているようだ
この設定をしている人は直ちに無効化したほうが安全かもしれない


この認証詐欺は英語での攻撃が確認されているが、同じ仕組みを持っている日本語版でもすぐに同じ攻撃が可能だ。
Googleのサポートらしいちゃんとした日本語を使える第三者が携帯番号、Gmailアドレスのリストをどこかから取得すればすぐに同じことができる。

またSMSを使用しないでメールアドレスに偽サポートメールを送るという手口なら、発覚する可能性は高いがGoogle以外のあらゆるサービスでも応用で同じ詐欺の手口は可能だ。

これを防ぐ方法として有効なのは…
1)SMSでの認証は設定しないこと
2)メール・SMSなどで「パスワードの確認をせよ」というサポートメールは信用するな
またメールなどに記載されているサポートサイトへのリンクはクリックするな
3)ブラウザのブックマークから直接自分のページにログオンして直ちにパスワードを変更すること
4)パスワードが勝手に変更されていたらアカウントを乗っ取られているので直ちに正規サイトからサポートにコンタクトしてアカウントを無効化・パスワード再発行してもらう



2015 年 6 月 23 日




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Revisions
(Freeware)
OS10.8Mountain Lion対応 OS10.9Mavericks対応 OS10.10Yosemite対応

Dropboxの更新履歴をオンラインで管理でき、更新前、削除済みファイルを救済したり旧バージョンに戻したりプロジェクトで共有もできるクライアントのメニュバーアプリ。

共有ファイルを同期した時に、更新前の古いバージョンに戻したいとか、削除してしまったファイルを救出したいとかなった時に更新履歴から復元できる機能はかなり前にDropboxにも導入されたが、WebサービスのDropboxのページがいまひとつ使いやすいとはいえないので、活用していない人も多いかもしれない。

以前ここでプロジェクトでコードなどを共有して、それを管理者が更新リビジョンを戻したりなどができるWebサービスを紹介したが、考えてみればDropboxでもそれをやろうとすればできないことはない。
使いにくささえ克服すれば…

その問題はこのRevisionsが解決してくれる。
メニューバーからプルダウンするだ毛で、いつの時点で何が更新されたかがリスト表示されるし、そのファイルの右のアイコンボタンをクリックすれば、削除済みあるいは旧バージョンのプレビュー、ダウンロード、復元、新旧比較が可能だ。

アノニマス接続の許可というような項目も設定にあり、ある程度の範囲で公開して個人的な開発プロジェクトみたいなこともできる。
これがフリーウエアというのは驚きだ。





Revisionsを起動するとメニューバーアイコンとして常駐する
プルダウンすると初回のみ開設ウイザードが表示される
右下三角ボタンで次へ…




まずDropboxサービスへのクライアント認証を求められる
中央接続ボタンをクリック




デフォルトブラウザが起動してDropboxのサイトに接続するとログインIDとパスワードを求められる
入力するとRevisionsを認証するか聞かれる




認証が完了したらこの表示になるのでブラウザを閉じてRevisionsに戻る




過去30日の履歴のみ表示するか1年分の表示にするかの設定が最後に表示されるが
これは後から変更可能なのでデフォルトのままでいいと思う
右下三角ボタンでウイザードが終了する




これが標準のプルダウン画面で上から
Dropboxのディレクトリの絞り込み、期間の絞り込みなど表示の範囲の設定
更新のリストの表示、一番下が読み込み状況で1時間半かかると表示されているが
実際は30分ほどで完了した




右下のギヤアイコンボタンで設定画面の呼び出し、アプリの終了などが選択できる




設定画面の内容はログオン時起動する、比較で使用するテキストエディタの選択
起動時に前回使用したディレクトリ・期間のフィルタリングを記憶する
履歴の範囲の30日か1年かの選択、アノニマス接続を許可するか
などの設定が用意されている




読み込みが完了すると更新履歴のブランチがアクティブになってそれぞれ選択できるようになる
Modifiedは更新、Deletedは削除、Createdは追加されたファイル




ファイル名の右の3つのボタンでプレビュー・ダウンロード・復元が可能




jpegファイルをプレビューするとプレビューが起動して画像を開く
更新・削除前の画像を確認することができる




さらに4つ目のボタンが表示されるファイルもある
これは比較ボタンで更新前のバージョンと現行バージョンの比較が可能




例えばコードなどのテキストデータの比較ボタンを
クリックするとデフォルトではTextWranglerが起動する
自動的に3ペイン表示になり上に新旧バージョンの表示、
下に何行目から何行目までが改変されているかの比較が表示されている
これは至れり尽くせりだ


2015 年 6 月 22 日




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Peek
(Freeware)
OS10.5Leopard対応 OS10.6SnowLeopard対応 OS10.7Lion対応
OS10.8Mountain Lion対応 OS10.9Mavericks対応 OS10.10Yosemite対応

Macのデスクトップで読書すると目がギラギラして疲れるという人のために余計な領域は表示しない・色をつけて光を抑える・拡大等の機能があるマスクアプリ。

目が強い光に弱い、過敏な人は夜のMacでの読書で真っ白い背景の文字を読むにはきついかもしれない。
その時に読みたい部分数行だけを表示してその周りは真っ黒でいいと思う。
表示してる部分も赤みがかった色のシルクスクリーンがかかっていたら目に優しいに違いない。

このアプリはそうした表示ができるほか、小さい文字が苦手な人向けに拡大機能、その表示のままクリックをすることもあるだろうからクロスヘアも表示できる。
さらにシルクスクリーンの色もグレー、青、ピンク、イエローが選択できるし、自分でカスタマイズした専用の色に設定することもできる。

夜間Macを長時間使うには視力に問題を抱えている人向けだ。





Peelで読みたい部分だけを表示する
デスクトップが散らかっていても気が散らないし周囲が黒バックなので目が疲れない
さらにグレー、青、ピンク、イエロー、カスタムカラーの
スクリーンもかぶせて白い部分も目にギラギラしない




操作パネルにはほかに拡大のスライドが左に、マウスポインタの位置を示すクロスヘアの
入り切りチェックが左下に、スクリーンの色、明るさの調整も可能だ
表示領域の大きさはタイトルバーをドラッグして調整する

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Zoommy
(Freeware)
OS10.8Mountain Lion対応 OS10.9Mavericks対応 OS10.10Yosemite対応

フリー素材写真配布サイトをいくつかまとめてブラウズできるアプリ

合わせて18の個性的なフリーストック写真サイトをまとめて、あるいは一つずつブラウズして最近アップされた写真を見ることができる。
また写真を選択してダウンロード、フラッグ立て、元サイトの表示も可能。
シンプルだが、魅力的なサイトが多いので見ていて飽きないと思う。

ただアート写真が多いのでブログのアイキャッチ素材には向かないかもしれない。





写真のサムネール表示
左ペインですべて・あるいは各サイトを選択できる
気に入った写真があったらサムネールをクリック




写真をフルサイズ表示したら下の操作ボタンで
ダウンロード、フラッグ立て、元サイト表示が可能
ダウンロード先はユーザフォルダのダウンロードフォルダ

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Terminalの履歴をリセットする〜キャッシュを削除する、履歴を復元する〜.bash_historyを削除するhistryコマンドの使用法

Terminalの履歴キャッシュをリセットする方法を探していたら、こちらの記事を見つけた。
コマンド履歴の達人を目指してみる-ザリガニが見ていた...。

ザリガニさんの解説では起動中のTerminalのセッションの間のキャッシュだけを削除できるコマンドがこちら。
history -c

まさにこれを探していたので喜び勇んで実行したところ、キャッシュだけでなく過去の履歴が全部消えてしまった。
そのままTerminalを終了すると削除されたキャッシュで履歴ファイルを上書きしてしまうらしい。
そう書いてあるかw

Terminalの履歴の実体はユーザフォルダの最初の階層の中にある不可視ファイル
~/.bash_history
がその実体だから、これをTime Machineなどのバックアップから復元すれば元の履歴を復元できる。

上書きされても履歴が残るようにするには
history -n
のコマンドを2回実行すればいい。
なぜ2回なのかはよくわからないが、とにかく履歴を残して今のセッションのキャッシュだけを削除できる。





bashのTerminalはカーソルキーの上キーを叩くだけで過去のコマンドを呼び出せる
この機能がめちゃくちゃ便利なのだが最近困ったことがあった
最近ファイル転送でcpコマンドを使って200とか300とかいう数の
ファイルを一気にコピーするコマンドをよく使うようになった
履歴にこれが残ってしまうとそれより前のコマンドが正常に呼び出せない




このTerminalのコマンド履歴の実体はここにある
ユーザフォルダの最初の階層にある不可視ファイル、
.bash_historyに履歴はテキストスタイルで保存されている




これをテキストエディタで開いてこの300のファイルをアップロードするcpコマンドを削除すればいい
いいのだがもうちょっとスマートな方法はないのかなと思っていた
それで最近の履歴を削除するコマンドを探していた




サリガニさんのブログの記事を見て喜び勇んでhistory -cコマンドを試してみた
現在のセッションで実行したキャッシュだけが消えるということだ
ただしこのままTerminalを終了すると削除されたキャッシュで
履歴ファイルが上書きされてしまいすべての履歴が消えてしまう




.bash_historyファイルを見るとサイズが0バイトになって中は完全に真っ白になってしまった




.bash_historyをデスクトップかどこかにコピーしてこうなったら上書きすればいい
不可視ファイルだから普段は不可視ファイルが見えないデフォルト設定にしておけば邪魔にもならない
テキストエディタで編集するよりさらに簡単だがやっぱり泥臭い方法だなぁ…




history -n.bash_historyを再読み込みするということだったので試してみたが
最近のコマンドだけしか読み込まない




もう一回-nのオプションのコマンドを実行したら全部の履歴を読み込んだ
なんでこうなるのかよくわからないけどとりあえず動いた
すっきりと解決とは言えないかもしれないが
とりあえずコマンドだけで履歴のリセット・復元はできた


2015 年 6 月 21 日




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Appleのりんごマークは何故齧られているか?〜Mac、ジョブズ黒Tシャツの由来など〜初めてのことだけど改めてりんごマークを愛でてみる<追記あり>

世間のMacユーザは自分のMacに名前をつけて名前で呼んだり(「今日のゲイリーは機嫌が悪い」とかいうコアなMacユーザは最近希少になったが…)、MacBook Proのりんごアイコンマークに虹色シールを貼ってみたりとかするらしい。

またMac系ブログを運営する人は一度は必ずAppleの由来、ジョブズ礼賛とかのエントリを上げるみたいだ。


私はそのどれもしない。

Macはマックと呼ぶし、MacBook Proはマックブックプロと呼ぶ。
デスクトップのカスタマイズはいろいろやるが、シールを貼るとかの外観のカスタマイズは全くしない。
最近流石にMacBook Proの足が取れてしまったので、ホームセンターで買ってきたストッパーを足がわりにして取り付けた。
外観のカスタマイズといえばこれぐらいか…こういうのはカスタマイズとは言わず「修理」というのかもしれないが…
詳細こちら。
MacBook Proの足が破損した〜おみ足を自分で修理してみた〜純正品を諦めたわけと意外にハマった代用品が具合がいい<追記あり>


でも最近他に目的があって調べ物をしている時に、「Appleのりんごは何故齧られているのか」という理由を知って面白いなと思ったので、Appleのロゴについて取り上げたくなった。
弊サイト開闢以来12年目で初めての快挙だ(なのか?そうなのか?)


最初の疑問「なぜAppleのりんごは齧られているのか?」

これについては世間では
「りんごは知恵の木の実の象徴でそれをかじるのがApple製品を使うというシンボルなのだ」
とか、
「データサイズを表す単位のbyte(バイト)とbite(噛み付く)をかけているのだ」
とか、
「最初期のころのりんごマークに『apple computer』というロゴがかかっていたのを創設者の一人スティーブ・ウォズニアックが齧られたりんごと勘違いしたのが起こり」
という説がもっともらしく語られている。
知恵袋とか教えてのたぐいのサイトの回答はこういうものばかりだ。





最初期のころのAppleのロゴでこのりんごの右に『apple computer』というロゴがかかっているものがある
これが齧られたりんごに見えたウォズニアックの勘違いが齧ったりんごのマークの起こりという説がある


結論から言うとこれらの説は全て都市伝説・ウソ・デマ・後付けの理屈ということになる。


Appleのりんごマークのデザインの由来についてApple社からは公式のステートメントはないそうだが、このデザインを描いたロブ・ヤノフさんからは公式のコメントがあった。
詳細はこちら
Worlds Best Logo Designer

英語のサイトなので該当部分を抄訳すると

At the time of his initial meeting with Steve Jobs in early 1977, Apple Computer was still very much in its infancy, having been incorporated for less than a year. Apple’s offices were in a local strip mall, and consisted of just the three partners – Steve Jobs, Steve Wozniak and Mike Markkula.

1977年初旬の最初の会議の当時、アップルコンピューター社は法人化1年未満のまだ創設まもない企業だった。
オフィスも郊外の道端にあり3人の創業者、ジョブズ、ウォズニアック、マーキラのみがいた。


The entire design process only took two weeks from initial meeting to final design presentation.

(Appleのロゴの)デザインは最初の会議から最終のプレゼンまで2週間で仕上げられた。


The original Apple logo was designed with a bite in it for scale. Imagine… without the bite, it could have looked like a cherry. Rob was interested in making it instantly identifiable as an apple. And what’s the first thing you want to do with a juicy, red apple? Take a bite, of course! The bite has come to have many different symbolic meanings for many different people.

オリジナルのAppleのロゴは齧られた状態で大小作成された…考えてみてほしいが齧られていないものはさくらんぼのように見えてしまう。誰もが最初に見た瞬間に「りんごだ」と認識できるデザインにしたかった。果汁たっぷりの真っ赤なりんごを見たら最初に何をしたい?もちろん齧ることでしょ。
この齧ったあとはのちに他の人々には別の象徴的な意味になっていったようだ。


The reason for the rainbow stripes was three-fold:
– to humanize and make the products more user-friendly
– to emphasize Apple II’s unique ability to show images in color
– Steve Jobs’ desire to make these computers more attractive to school children

(Appleのりんごが)虹色の3つの理由
1)製品を親しみやすく、人間的なイメージにしたかった
2)Apple IIの画期的な可能性を色で表現したかった
3)スティーブ・ジョブズが学校の子供達に人気が出そうなデザインを望んだ





Logo Designerのサイトより〜ヤノフ氏がAppleのロゴデザインを手がけた当時
一番左のりんごの木の下で読書するニュートンのロゴが使われていた
これを子供達にも親しみやすいデザインにしたいという意図から
りんごのデザインが発案されたが最初から齧られたりんごとしてデザインされた
ジョブズの意向により6色りんごとして出発したりんごロゴは時代を経て単色になったり
透き通ったりの変遷を遂げたが形は最初のヤノフのものがそのまま継承されている




今現在使用されているものはこのグレーのものだと思う
やはり形はヤノフデザインの齧られたりんごがそのまま継承されている




ヤノフは齧られたりんごの形をデザインしたがこれを6色のりんごにしたのはジョブズの意向だったらしい
その3つの理由は上記のように人間的で親しみやすい、いろいろなことができるApple IIの可能性の象徴
子供達にも人気が出る…という意味らしい
これが単色になったのは1998年、ジョブズのCEO復帰は1997年でそれまでは経営に全く関与せずだったから
ロゴデザインを6色から単色に変えさせたのがジョブズ本人なのかどうかは不明
ジョブズ復帰前にすでに単色デザインは使用されていたという記述もどこかで読んだが根拠がはっきりしない
ジョブズの方法論はベースのコンセプトは全く変えないが見た目はどんどん変えていく…というスタイルだから
変えさせたのはやりジョブズ本人なのかもしれない…これについて何か知っている人いたら情報をくだしいw


りんごが何故齧られていたか、何故6色だったのかという理由は上記の通りらしい。
6色りんごロゴが採用された当時のアップルコンピューターの主力商品はApple IIというコンパクトコンピューターだったから、このりんごのマークは企業アイデンティティというよりは商品イメージロゴそのものだった。
だからいろいろなことができるApple IIというイメージで6色にしたのだろうし、虹の7色とかのシンボルを使わなかったのがまたAppleらしい。
(単純化というのも創業以来のAppleのコンセプトの一つだったと思う。おそらく虹っぽく見える色数の最小単位は6色というような決め方をされたと想像している。このことはテレビカラー化時代のシンボルだったNBCなどのカラーロゴが6色を採用しているのに通じる)


りんごマークは主力商品のApple IIのシンボルでもあったから、モデルは一般的なりんごだ。
ヤノフさんもジューシーな真っ赤なりんごをイメージして…とコメントしている。

この色が単色になった理由は…不明だが単色ロゴが登場したのが1998年。
ジョブズが暫定CEOに復帰した1997年から19998年にかけてはアップルコンピューターの経営状態はどん底で、Coplandの開発失敗、互換機ビジネスのジリ貧、Windows95発売以来急降下する商品シェア・売上…という時代だったのですべてを変えたいという意味があったのかもしれない。
このあたりの詳細はここに書いた。
『アップル』は当時を知る人達にちゃんと取材してまとめられた久しぶりに読んだ良書だった
賢者は歴史から学ぶ?

ジョブズがCEOに復帰した時の最初の仕事は気力を失った役員を全員解雇することと、「定時に出社しない、終業前に帰ってしまう社員は解雇する」というルールを徹底することだったというから、当時の社内に蔓延していた退廃的空気は絶望的なレベルだったようだ。

だからジョブズ体制になったAppleは、あらゆる意味でこれまでの慣習を踏襲するということを拒否した。
その中には経営的に大失敗の要因になったものもいくつかあったから、無邪気なジョブズ無謬論をここで支持するつもりはない。
でもとにかく変えられるものは何もかも変えないと、同じことやっていると明日にでも倒産するかもしれない…というのが98年頃のAppleの状態だったからその変えられるものの中にはロゴデザインのイメージも含まれていたかもしれない。

この時代に黒単色になったりんごデザインはその後、赤くなったり青くなったりOS Xのアクアインターフェイスのデザインと統一して透き通った水色のデザインになったり、モダンUIのデザイン変更でメタリックになったりと色合い・質感は時代に合わせてどんどん変化している。

最新のAppleのロゴはまたグレー単色になっている。

MacやiPhoneのUIが影のないフラットデザインに移行している。
それに合わせてのイメージ変更なのかもしれない。


Macというコンピュータの名前の由来とシンボルの関係についても少々

MacというのはもちろんMacintoshというコンピュータの商品名を縮めた愛称だ。
ただし最近ではApple自身もMacintoshという商品名をほぼ全く使わない。
Macのユーザマニュアルにも「Mac」と書いてある。

Macintoshという名前も変えて消したかった古いイメージの一つだったのかもしれない。

そのMacintoshなのだがマッキントッシュというりんごの品種の名前が由来なのは有名な話だ。
りんごの品種の場合はMcIntoshと綴るのが正しい。
この品種名は発見者のスコットランド系カナダ人農夫のジョン・マッキントッシュさんの名前からきている。
(参考:McIntosh (apple)-Wikipedia





英文Wikipediaより〜マッキントッシュ品種の1901年のスケッチ
北海道を中心に旭という品種名で日本でも栽培される赤みの強いりんご
これがMacの名前の由来でもある


このマッキントッシュが日本に来て旭という品種名になるが、これはアメリカのオーディオメーカーのマッキントッシュ・ラボの社名、商品名でも同一名称が使用されている。
オーディオのマッキントッシュは管球アンプのファンには忘れられない憧れの名前なのだが、今はそのことは関係ない。

本当はMcIntoshと綴るマッキントッシュだが、AppleがMacintoshと綴るのはマッキントッシュ・ラボの商標権の兼ね合いらしい。


Appleのシンボルマークのりんごがマッキントッシュという品種のりんごだと勘違いした解説もどこかで読んだが、Appleが齧ったりんごのマークを採用したのが創業1年目の1977年、Macintoshの発売が1984年だからこのロゴとMacには特に関係はない。

上述のようにAppleは企業再生後はこのMacintoshという商品名を極力使わないという方針らしい。
廃止したわけではないのは時々サポート情報などにMacintoshの名称が使われているのでわかるが、とにかくAppleは主力コンピューターの名前がMacintoshだったという記憶を消し去ろうとしているようだ。
それどころかMavericksから使用されるOSの名前から
「Mac OS」
という名称が消えてただのOS Xになってしまった。

最終的にはMacという名称も消去して、iOSデバイスとの統合を目論んでいるように思える。


ジョブズの黒Tシャツの由来になったというイッセイミヤケデザインのソニーの制服とは…

ジョブズは若い頃はヒッピーみたいな服装をしたり、アップルコンピューター創業後は似合わないジャケットに蝶ネクタイ姿で仕事している写真が多く残っている。
しかしAppleに復帰後のスティーブ・ジョブズはほぼ黒のTシャツに洗いざらしのGパンという姿で人前に現れている。

このジョブズの黒Tシャツについてはジョブズの個人の制服だとか、イッセイミヤケデザインで同じものを何十着も持っているとか、リスペクトする日本のソニーの社内制服に感激して導入したという逸話が伝えられている。
ここらはりんごマークの間違った定説と違ってほぼ事実らしい。

ジョブズが感激したという三宅一生デザインの制服は、赤のラインで縁取りされたやや赤みのある作業服。
今のソニーの作業服は一般的な工場で採用されている明るいグリーンがかかったベージュカラーの工場服だが、今でも古株の社員の中にはこの作業服を着ている人がいる。





まねきねこ商事さんブログより〜ジョブズが感激したというイッセイミヤケデザインのソニーの作業服
もとの写真はやや青みが強すぎて少し色味が変だったので赤みを強調して実際の色合いに近づけた
ジャケットとベストにセパレートできるデザインで作業服っぽくないのが
ジョブズには「かっこよく」見えたのかもしれない


この作業服のどこにジョブズが惹かれたのかは不明だけど、デザイナーブランドにもかかわらず動きやすくポケットも多く社員の評判は良いとか、日本のメーカーの一般的なペイルグリーンのナッパ服と違ってユニークなデザインとかそういう見た目が気に入ったのかもしれない。

ジョブズの憧れのプロダクトの一つがウォークマンだったから、ウォークマンを生み出したソニーへのリスペクトから何かソニー由来のものを学びたいということもあったのかもしれない。
(ソニーから学べることは制服しかなかった?)
社員が同じ格好をすることで会社への求心性、一致団結の精神を育てたいとジョブズが言ったという話はジョブズっぽくない気はするが、自分はスタンドプレーをするがスタッフのスタンドプレーをひどく嫌うというジョブズらしいとも言えるかもしれない。

そして結局Apple幹部の猛反対にあってApple社制服の採用は見送らざるを得なくなったが、それでも諦めきれずソニーの制服を手がけた三宅一生氏に依頼してあの黒Tシャツをデザインしてもらったというのは有名な話。

今のAppleStoreのスタッフの黒Tシャツはなんとなくそこらが由来になっているだろうから、その思いの半分くらいは実現したのかもしれない。

<追記>

ヤノフのりんごデザインについて「黄金比で構成された…」とかいう記事もどこかで見かけたが、これも後付けの理屈だと思う。
手書きのりんごの図をそのまま企業ロゴにするわけがなく円を補助線にこのカーブを構成するのは大抵の工業デザイナーなら誰でもやることだし、黄金比かどうかということをいうなら1998年当時のりんごマークと今のりんごマークでは若干プロポーションが変わっている理由が説明できない。
黄金比というのは酵素が健康にいいとかの宗教の話ではなく、数学的に厳密に比率が決まっているのでそれだとプロポーションが変化した理由が説明できない。
一種の都市伝説だと思う。

OSの名称からMacの文字が消えたのはOS10.8 Mountain Lionからでした。
ツッコミが入る前に訂正してお詫びしときますww



2015 年 6 月 20 日




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もうじきこいつが来るので…


Appleベータソフトウエアプログラム…登録した。
Apple Beta Software Program

OS X v10.11 El Capitanのリリースは秋になるそうで今回も無料配布になるとか。

そして新しい日本語変換だの検索予測だののビッグデータを取るためにも先行ユーザの協力が呼びかけられているので参加せざるを得ないと…と早速登録。
近日開始なんだそうな。

これまでWindowsのテクニカルプレビューは毎回ダウンロードしているがMacの先行ベータを入れるのは初めてかもしれない。
いろいろ期待はあるのでちょっと楽しみ。
7月にはWindows10の配布も始まるし、なにかと忙しくなりそう。

ところでこの名前、スペイン語式にエルカピタンとよむのかな?それとも英語式でエルキャピタン?

そういえばかつてのG3ポリタンクのPowerMacのロジボの名前がYosemite、筐体のコードネームがEl Capitanだったという話をどこかで読んだ気がする。
この時代のハードの情報を漁っていたら次のネーミングの予想ができるかもしれない。


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Digital Sentry
(Shareware)
OS10.7Lion対応 OS10.8Mountain Lion対応 OS10.9Mavericks対応
OS10.10Yosemite対応

特定のアプリを起動したらログを残す、キー操作・マウスクリックすると偽セキュリティ警告画面を出すなど、特定のシステムイベントを監視しそれに対してバリエーション豊かな反応を返す設定ができるメニューバーアプリ。

監視するイベントは
一定の時間の経過、アプリを前面にする・終了する・起動する、Digital Sentryを終了する・起動状態にする、ファイル・フォルダの更新、IPアドレスの変更、キー操作、マウスクリック・操作、電源ソース変化、ユーザアカウントログオン・ログオフ・不正なパスワード入力、ボリュームマウント・アンマウント…など

それに対する出力は
ちょっとしたポップアップでの警告から、派手な全画面セキュリティ警告画面の表示、ブラウザの履歴削除、特定のファイルの削除・破壊、シェルスクリプトの実行、ログオフ、特定のファイルを指定のアプリで開く、再起動・シャットダウン、メール発信、指定テキストを読み上げる、スクリーンショットをとる、webcam画像を保存…
などのアクションが可能。

これらの組み合わせで、ちょっとしたお知らせタイマーから、誰かが勝手に触ったら派手なサイレンが鳴るセキュリティまでが設定可能。

他にオプションの設定としてキーロガー、Digital Sentry自体のイベントモニターを開いたりした操作の監視などもできる。

いろいろな使い方ができると思うが特定の時間になったらアプリを起動したり、音楽を鳴らしたりの目覚ましタイマーみたいなこともできるし、やはり席を外している間に誰かが勝手にMacを開いて操作していないかを記録するとか、そういう相手を脅かして触らせないとかの使い方が充実していると思う。

シェアウエアだが15日間フル機能で試用できる。

なお、セントリーとは「歩哨」つまり見張りの兵士のことでやはりそういう使い方には便利なアプリだと思う。





最初に起動するとDigital Sentryの一部の機能は国によっては法に触れる可能性がある
その場合は使用しないでね、なんかあっても自己責任でね」
という警告が表示される
キーロガー機能も含まれるためその想定と思われる




Digital Sentryを起動するとメニューバーアイコンとして常駐する
そこからプルダウンで設定画面呼び出し、シェアウエアレジストキー入力、
s アップデート、モニター画面・ログ画面呼び出し、終了
などが実施可能




まずモニターを開くとこういうウインドウが開く
ツールバーのアイコンボタンと下の追加・削除ボタンが
ほぼ同じ機能なのだがこれで新しいルールを追加していく




そうするとイベントモニターアシスタントが起動するのでその指示に従ってイベントを選択する
例えば特定のアプリが起動した時に何かしたい場合はこれを選択してセットアップをクリック




ここに監視したいアプリの名前をバンドルIDを入力して指定する
バンドルIDを調べるのが面倒という人も簡単な方法がある
右のVボタンをクリックすると…




現在使用できるアプリのリストがプルダウンで出てくるのでここで選択するだけでもOK




Continueボタンを押して次にアクションを選択する
左のリストから何をやらせたいか選択して右にドロップする
複数のことを一度にやらせてもいい
そしてセットアップボタンを押す




するとアクションのパラメーターを設定するドロワーが出てくる
先ほどブラウザの履歴の削除を選択したのでどのブラウザの何を消すのかを聞いてきている




履歴の削除ではなくシステムアラートを表示したい場合はこれを右にドロップ
セットアップボタンをクリック…




ポップアップにどんなメッセージを出すか、ビープ音を鳴らすかなどの設定が現れる




Safariを起動しようとするとこんな警告が表示される




もっと厳しく警告したい場合はフェイクセキュリティアラートを右にドロップしてセットアップ…




マウスクリックやキーで警告画面の解除を許可しない場合上二つのチェックを外す
3つ目の強制終了は管理者パスワードを要求される
サウンドを付ける、ボリューム最大の場合は下二つのチェックを入れる




誰かがこの操作をやるとフルスクリーンで「不正アクセス!」という表示になって
けたたましい警告音とメッセージが読み上げられる
こっそり他人のMacをいじろうとしてこれが出たらビビるに違いない
他にスクリーンショットを撮る・Webカメラを録画するなどのアクションもあるので
誰が何をしようとしたのかも突き止めることができるかもしれない




この時にDigital Sentryを止めようとしてモニターを表示したらログを残すという設定がある
またキーロガーで全てのキー操作を記録しておくこともできる




ただしこれらの設定を有効にするにはシステム環境設定セキュリティとプライバシー
アクセシビリティDigital Sentryを許可しないといけない




こうして色々ログを作ってリスト化する
チェックが入っているものはアクティブ、入っていないものは休眠状態になっている




席を外している間に誰かがMacを操作しようとしたらログが残るアクションにすると
表面は静かだがメニューバーにコーションマークのアイコンが表示される




セントリーのツールバーからプログラムアクティビティログを開くとアプリを起動したログが残っている
身に覚えがない時間帯にログが残っていたら誰かがMacを勝手にいじっているということになる




非常に多機能なのでそんなギスギスした使い道以外にも工夫次第で様々な使い方が可能だ
例えば特定の時間が経てばアクションを起こすこちらのイベントを設定




ここでどれくらいの時間が経過したらアクションをするかを設定できる
例えばこれは1時間ごとに繰り返しアクションを起こすという設定
これをシステムビープ音と組み合わせるとシンプルなクッキングタイマーも実現
このアプリを何に使うかはユーザのそういう工夫にかかっている

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ツイッターで誰にリム(フォロー解除)られたかを通知してくれて落ち込ませてくれるWebサービス

ツイッターの公式の機能で誰をフォローしているとか、何をお気に入りにしているとかいうのはリストで表示される。
ただ相互フォローしている相手のうち誰が自分をフォロー解除したか…というのはお知らせの機能もリスト表示の機能もツイッターにはない。

気にしなきゃいい。

気にしなきゃいいのだが、気になる場合もある。
以前はWindowsを起動してPochitterのようなアプリを使って監視していた時期もあった。

被フォロー数を増やすことだけを目的に無作為にフォローしてきて相手がフォロー返ししたらフォロー解除することで、フォロー数の何倍も被フォロー数を稼ぐフォロー乞食のようなアカウントに大量にフォローされていたからだ。

そういう時にこういうサービスがあったら便利だったろうと思う。
TUNS-Twitter Unfollower Notification Service

これはローカルアプリではなくWebサービスで、登録後のフォロー解除されたアカウントを表示、リムられた時にメールでも知らせてくれるというもの。

考えたらこういうのってアプリでやるよりWebサービス向けだと思う。
使い方は簡単でツイッターの認証をするだけ。

不人気アカウントなら登録後数日で自分を削除しているアカウントのリストを拝めるに違いない。
でもそれで得られるのは気分が落ち込むことだけだ。

私も最近は滅多にフォロー返しをしなくなった…というよりツイッターのフォロー、フォローバックとかフォロー数とかどうでもよくなったのでもう気にもしていない。

結局気にしないのが一番の対策なのだが…





TUNSの使い方は簡単
トップページのツイッター連携のボタンをクリック




そこで監視したいツイッターアカウント名とパスワードを入力するだけ




数日もしたらあなたをリムったアカウントのリストを表示してくれるだろう
バンバンリムられている評判悪いアカウントならリストも充実するに違いない




そして誰かにリムられるたびにメールでも通知してくれる至れり尽くせりの機能
充実の機能であなたも落ち込もう!


2015 年 6 月 15 日




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BetterTouchTool
(Freeware)
OS10.7Lion対応 OS10.8Mountain Lion対応 OS10.9Mavericks対応
OS10.10Yosemite対応

トラックパッド、Magic Mouseのジェスチャー、キーボードショートカットの追加、その他のデバイス追加でMacの操作を超便利にするメニューバーアプリ。

これもMacの定番中の定番アプリなのだが、今までここでは取り上げてこなかった。
なんとなくトラックパッド、Magic Mouseのジェスチャー追加アプリというイメージがあって、あまりジェスチャーを使わない私は遠巻きにしていたのだが、定番アプリの落ちを少しでもなくすために試してみたところあまりの多機能に「なんで今まで敬遠していたんだろう」と思ったアプリ。

何ができるかを書き出すと膨大な量になるが、例えば気に入った機能を幾つか列挙してみる。

3フィンガータップ、4フィンガータップなどに特定のアプリの呼び出しを割り当てる…例えばTerminalを割り当てるといつでもどこでもタップ一発でTerminalを起動できて便利。
私はFnキーを割り当てているが、タップ一発というのも便利だ。

呼び出せるのはアプリやファイルだけでなく、スリープやログオフ、スイッチユーザ、通知センター、DashboardやMission Control、Launchpadの呼び出しやURLを開く、Googleで検索、不可視ファイルの表示・非表示…いろいろなことができる。
どんな便利な機能があるか探すのも楽しみだと思う。

また入力はMagic Mouse、トラックパッドだけでなくキーボードショートカットの設定が可能でキーボードショートカットでマウスのアクションを割り当てたり逆にトラックパッドのジェスチャーにキーボードショートカットを割り当てたり拡張性は広大だ。
さらにApple Remote Controlのキーにも振る舞いを割り当てたり、別売りのアプリをiPhone、iPadにインストールすればiPhone、iPadでMacをリモートコントロールできる。

Macの操作の方法が画期的に変わることは請け合いだ。

面白いところではウインドウの赤、黄色、グリーンボタンをクリックした時の振る舞いを変更できるなどの設定もある。
ウインドウフルサイズ化は他のジェスチャーに任せて不可視ファイルのの表示に使うとかの役割変更ができる。





BetterTouchToolを初回起動する時にウインドウスナップを有効にするか聞いてくる
これは面白い機能だから有効にすればいいと思う
特にWindowsからのスイッチャーは気にいる筈だ
もちろん後で設定の解除もできる




起動するとメニューバーアイコンとして常駐する
ここから設定画面呼び出し、ステイブルバージョンか最新アルファバージョンかへのアップデート、
サポートページ呼び出し、バグ報告、BetterTouchToolの一時完全停止、このアプリだけの停止などが選択できる




BetterTouchToolを起動するとアクセシビリティ機能へのアクセス許可を求められる
大部分の機能はアクセシビリティに依存しているので
BetterTouchToolを使うのなら許可をせざるを得ない




システム環境設定セキュリティとプライバシープライバシータブに誘導される
ここでアクセシビリティの中のBetterTouchToolに許可のチェックを入れる




あらましの操作法を整理するとこんな感じ
上のバーで入力のデバイスを選択できる
左のペインでジェスチャー、ショートカットキーなどを有効にする環境を選択
すべてのアプリで有効にしたい時にはGlobalを選択する
右のペインはアクションの登録リストで追加は下の操作ボタンで追加して機能を選択する




下のAddボタンで追加すると左のプルダウンで何をしたら動作が起こるかの入力を選択
右のフォームでホットキーを登録するとキーを叩いた時と同じ動きをする
またプルダウンで出力のアクションを選択することができる
基本この繰り返して機能を追加していくという考え方




例えばトラックパッドを上で選択、下のAdd NewGestureボタンで新規アクションを作成
左のぷダウンでトラックパッドのジェスチャーを選択する
システム環境設定トラックパッドの設定にも同じ機能があるが
もっと細かく設定できるしデフォにない操作も追加できる




ジェスチャーを選んだら次になるをするかを右のプルダウンから選択する
例えば不可視ファイルのの表示・非表示を選択すると…




4フィンガータップ一発で不可視ファイルの表示ができるようになった




もう一回4フィンガータップをすると元の表示に戻る
これは便利!




右プルダウンで指定のアプリ、ファイル、スクリプトの呼び出しも選択できる




例えばユーティリティフォルダのTerminalを選択すると…
4フィンガータップ一発でTerminalが呼び出せるようになった
これもめちゃめちゃ便利!




他にMission Control、Dashboard、Launchpad、通知センターの呼び出し、
Spaceの移動などのシステムの機能の呼び出しも可能




例えばShow Desktopを選択するとこんなウインドウが散らかった状態でも…




タップ一発でウインドウを四方に寄せてデスクトップのファイルを操作することができる
ウインドウ散らかり傾向がある人にはこの操作はできるだけ簡単な入力を割り当てたいはずだ




面白いのはウインドウスイッチャーの表示
アクティブなアプリだけのウインドウかすべてのアプリのウインドウかも選択できる




タップ一発でウインドウのリストが出てきてオンマウスで移動したいウインドウに移れる




すべてのアプリのウインドウを選択するとリストも全ウインドウになる
好みで選択あるいは違うジェスチャーを割り当てて両方使うのも便利




BetterTouchToolのUIの優れているところは操作がMac的というかiTunes的だという点
設定したアクションをグローバルからアプリに移して
グローバルの設定を削除すると機能を特定のアプリに限定できる
逆に特定のアプリ用に作成したアクションが便利なのでグローバルに移すとかもできる
その操作はドラッグアンドドロップでできるのがiTunes的で秀逸




キーボードにショートカットキーを追加するのは上でキーボードを選択
下のフォームでショートカットキーの組み合わせを入力してアクションを割り当てる




面白いところでAppleのリモコンデバイスのApple Remoteのキーにもアクションを割り当てることができる




別売りのBTT RemoteをiTunes Storeから購入してiPhoneやiPadにインストールすれば
それらのiOSデバイスからも様々なアクションがコントロールすることができる




冒頭でちょっと触れたウインドウスナップの設定はBasic Settingのところで有効・無効を選択できる
最初にNoを選択した人も後からここで有効にできる




左上のAdvancedを選択するとさらに詳細な設定が可能になる
Windows7っぽいウインドウスナッピングをする設定だが
ここのチェックを外すと特定のアクションだけ無効という選択も可能
ウインドウを元の位置に戻すと最初の大きさに戻すのがデフォルトだが戻さない設定も可能だ




ウインドウスナッピングとはこういうこと ウインドウを左右の端に近づけるとスモークパネルが出てきて…




あるいはスクリーン上端に近づけると全画面に近いスモークパネルが出てきて…




そのサイズにウインドウサイズが変更される
この機能でマウス一発で簡単に左右2分割ウインドウもセットできる




さらに装飾キーとマウスポインタの移動だけでその下のウインドウを移動する、
あるいはリサイズするなどの設定が面白い
ウインドウをドラッグして移動したりウインドウサイズを変更するのは
結構ストレスフルな操作なのでこの装飾キー一発で移動できるのは楽だ




さらに至れり尽くせりだなと思ったのはこれだけの多機能なアプリなので
いろいろ設定すると何かのデフォルトのアクションと衝突することがある
その時にここで設定した装飾キーを押している間はBetterTouchToolを無効にする設定が可能だ
ここではfnキーを設定した
例えば私の場合アプリの切り替えでコマンド+tabキーを割り当てているが
コマンドを押したままマウスポインタの移動で
移動先アプリの選択をするとデスクトップのウインドウも一緒に移動してしまう
コマンド+tabで選択画面を呼び出してコマンドを押したまま
fnキーを押すとウインドウが一緒についてくる笑える操作ミスを防げる


2015 年 6 月 14 日




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久しぶりのウイルス騒ぎ〜昔の名前が出てきましたConficker〜ネットから切り離されたPCの駆除の切り札Microsoft Safety ScannerClamWin Portableの使い方

お仕事先のサーバーから久しぶりにウイルス騒ぎが出て、遠隔で接続している端末の健康チェックをしなくてはいけなくなった。

遠隔端末ではMicrosoft Security Essentialsを使っているのでこれを観察したところ履歴にバッチリ検疫の履歴が残っていた。

見つかったのはMS名はConficker.B、ClamのフォーラムではWorm.Kidoという名前を与えられていた、自律的に自分のコピーをネットワーク内の全端末にばらまくタイプのスパイウエアエクスプロイトだった。
これ自体は感染力が脅威だという以外に特に重大なリスクがあるわけでもないが、今時こういうものが流行るんだから何か危険なペイロードを持っているかもしれない。
それこそ年金機構がやられたようなIDパスワードを抜いてアップするようなトロイと組み合わせて使われる可能性はある。





遠隔端末に仕込んでおいたMicrosoft Security Essentials
このウイルスの攻撃をちゃんと検知して検疫していた
それでウイルスの種類がCofickerだと判明した
2年ぐらい前に流行したネットワークに入り込まれると端末が全滅する感染力最強な悪質な奴だが
Windows7以降には感染しない(実際テストしたらそうだった)し、すっかり下火になったウイルスのはずだった
しかも今回発覚したのはインターネットにも事務系LANにもつながっていない閉鎖ネットワークの専用機だ
誰かがノートパソコンか何かにこれを飼っていてUSBメモリとかで注入している…としか思えない




このウイルスは実は目視でもチェックできる
コンパネフォルダーオプションを開いて表示タブで一番下の
「保護されたオペレーティングシステムを表示しない(推奨)」という推奨されない設定のチェックを外す




するとC:¥Windows¥System32の直下にykhxtd.ypという不可視ファイルが見える
これがいたらウイルスをもらっている
7以降はこれの削除だけで問題ないがXP以下はタスクスケジューラーなど
あちこちに入り込まれているので全域のウイルススキャンが必要になる



さてMicrosoftから腐ったミルク呼ばわりされているWindowsXPがこれの宿主になるわけだが、このOSを普通にオンラインの事務用端末で使用している勇気ある会社や役所が世の中にはたくさんあるそうだ。
が、今回はインターネットや事務系のLANからも切り離された閉鎖ネットワークの専用機・サーバーからこのウイルスが見つかっている。
インターネットから切り離されているところに勝手に入ってくるわけはないので、誰かがせっせと運んでいるとしか思えないのだが、そういう閉鎖ネットワークで使っている専用機だから「ウイルス対策ソフトインストール禁止」という仕様の機器ばかりだった。

「ウイルス対策ソフトインストール禁止」だから閉鎖ネットワークの中に閉じ込めてあるのだとも言えるが、そういうところでウイルス対策ソフトをインストールしないでウイルス駆除をするソフトがいくつかある。
今回仕様したのは以下の二つ。


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Microsoft Safety Scanner
(Freeware)
Windows7~8.1対応

Microsoftが提供するウイルス対策ソフトのMicrosoft Security Essentialsの使い捨て版というかポータブルで仕込んですぐに捨てられるようにパッケージ化されたウイルス対策ソフト。

使い方は簡単でこれをメディアか何かで内部ディスクのデスクトップかどこか適当なところに置いて、スキャンをかけるだけ。
スキャンの種類はクイック、フル、カスタムが選択できるのはMicrosoft Security Essentialsと同じで、仕様しているスキャンエンジンもウイルス定義ファイルも同じ。
だからMicrosoft Security Essentialsがインストールされている端末でこれを実行するのはあまり意味がない。

これを使うのはウイルス対策ソフトのインストールが禁止されているような専用機・サーバーの駆除の場合だと思う。
スキャンが完了して「望ましくないソフトウエア」が発見されたら自動的に削除してくれる。
あまり望ましくない場合は削除するかどうか聞いてくる。

駆除が完了したらアプリ本体を削除すればアンインストールは完了だ。
使用法はとても簡単だが、駆除したウイルスの種類もちゃんと表示してくれる。





Microsoft Safety Scannerを起動すると許諾契約書の同意するか聞かれる
使用する場合はチェックを入れて次へ




ウイルススキャンのグレードがクイック、フル、カスタムが
選択できるのはMicrosoft Security Essentialsと同じ
内容も同じで初回のスキャンはフルを選択すればいい
外付けボリュームなども気になる場合はそのディレクトリをカスタムで追加する




スキャン進行中の画面




ウイルスなどが特に見つからなかった場合はこんな表示になる




なおこのアプリは10日間の使い捨てアプリなのでダウンロード後10日経つと起動できなくなる
オンラインで定義ファイルをアップデートできないので
これが表示されたら新しいのをMSのサイトからダウンロードしろということ
無料なんだから遠慮しないで毎回ダウンロードしよう
その方がゼロデイ攻撃に遭う確率を下げられる




さて今回も手持ちのウイルスのサンプルをWindowsに置いてスキャンテストしてみた
よい子の皆さんはマネしないでね!




こうして悪質度の高いウイルスは問答無用でいきなり削除してしまう
その場合の表示がこれ




詳細のところをクリックすると削除したウイルスの種類を教えてくれる
数年前に猛威を振るったAutorun系の本体を検知




もう一発今回捕獲したワームの拡張子を書き換えて無効化しWindowsに置いてみた
くれぐれもよい子の皆さんはマネしないでね!




ということでConficker.Bを特定した
このウイルスは表向きWindows7に移行したところでは脅威度はゼロの筈なのだが
未だに実効力を持っているということだ

anchor

ClamWin Portable
(Freeware)
WindowsXP~8対応

UNIXやMacでおなじみのclamウイルス対策ソフトをWindows向けに移植し、USBメモリに入れたままでウイルススキャンができるインストールレスのウイルス対策ソフト。

clamはUNIXやLinuxのリポジトリにもあるし、Mac OS X向けにはClamXavとして使用している人も多いおなじみのアプリ。
clam自体は振る舞い検知はしないでパターンファイルだけでウイルスを特定する簡易なエンジンだが、その裏打ちになる定義ファイルの更新フォーラムはおそらくウイルスSIGの中では一番活発なフォーラムだと思う。

ウイルス定義ファイルはほぼ毎日更新されているし、日に数回更新されることもある。

この定義ファイルが強力なフリーのウイルス対策ソフトがWindowsにも移植されている。
このClamWin PortableはさらにそのClam Windowsをポータブルアプリにしたもので、USBを挿すだけでこれもインストールレスで使える。

ウイルス対策ソフトをインストールできない専用機の環境では有用なアプリだ。





ClamWin PortableはUSBメモリの中に適当なフォルダを作りそこにインストールするだけでいい
ウイルス定義ファイルはインターネットからダウンロードして更新するので
インターネットから隔離されている端末をスキャンする場合はあらかじめ
ネット接続ができる端末で定義ファイルの更新が必要




あとはスキャンしたいドライブ、あるいはディレクトリを指定してスキャンボタンを押すだけ
今回の検体をWorm.Kido-52という名前で検知した
このアプリはデフォルトではウイルスを発見したらその場所とウイルスの種類を表示するだけだが
設定でファイルの隔離、削除も可能になる


2015 年 6 月 10 日




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FreeFileSync
(Freeware)
OS10.7Lion対応 OS10.8Mountain Lion対応 OS10.9Mavericks対応
OS10.10Yosemite対応 WindowsXP~7対応 Linux対応

OS X、Windows、Linuxで動くシンプルかつ強力なフォルダ同期アプリ。

これはなかなか面白い。
UIが整理されていてわかりやすいし、Mac、Windows、LinuxそれぞれのUIがほぼ共通なので色々な組み合わせで使っても混乱することがない。

これでできることは双方向の同期、片方向のミラーリングなどで追加のみ反映とか更新も反映とか、削除しない、削除したものはゴミ箱に移動・完全に削除、特定のファイルは同期しないなど色々カスタマイズが可能だ。

そういう多機能なアプリって大体わかりにくいUIになりがちだが、このアプリはタスクのリストが左にあって、それぞれの指定ディレクトリやファイルの状況が右ペインに表示されるというシンプルな表示。
ファイルのリストも全て表示、更新されたもののみ表示、追加されたもののみ表示と細かく選択できるので確認の時間が短縮できる。
さらに比較ボタンを押して更新すべきファイルのリストを見てから更新という手順になっているので、いきなり残すべきものが消えているとかの失敗も防げる。

同梱のRealtimeSyncを使えば自動同期も可能なようだが、コマンドの使い方が今のところよくわからないのでこれの使い方は研究中。





FreeFileSyncはシンプルな左右ペイン構成の表示
右が同期するフォルダの中身を表示している
まずドラッグアンドドロップと書いてあるプルダウン
のところに同期したいフォルダをドロップ
プルダウンでUNIX・Windowsタイプのパスを確認できる
参照ボタンでダイヤログからフォルダの指定もできる




同期先のフォルダも同じ要領で指定したら「比較」ボタンで両フォルダの中を比較
デフォルトだとお互いの相手にないものだけを表示する




同期する場合は右上の「同期処理」ボタン
確認タグが出てくるので「開始」で作業を開始する




作業が完了したら項目をどれくらいの時間で転送したかの記録が出る




こうして相手のフォルダにもコピーされた




このタスクを保存するのは左のペインで
新規を作る、既存のタスクに上書きする、別名で保存などの操作ボタンが用意されている




双方向の同期の時に相手フォルダから削除されたファイルはこんな表示になる
同期ボタンを押すと左のリストからこれらのファイルが削除される




比較ボタンを押すとデフォルトでは更新ファイル、追加ファイル、削除ファイルだけ表示されるが
全て表示したい時は「=」ボタンで全てのファイルが表示できる
当然同期済みファイル、追加ファイルを表示しないで更新ファイルだけチェックしたいとかも可能
また同期の仕方の設定変更は上のバーのギア・ジョウゴボタンから変更・カスタマイズができる




赤いジョウゴボタンは同期のフィルタリングの設定になる
上はデフォルトではワイルドカード「*」になっているので全てのファイル名を同期する設定
下は同期の例外指定でFSイベント履歴、Spotlightメタデータ、
ゴミ箱、.DS_Storeファイルなどが指定されている
意図的に特定のファイルを同期しない、あるいは特定のファイルだけ同期するなどの設定も可能




緑のギヤアイコンボタンで同期の種類を設定できる
デフォルトでは双方向同期だが一方向だけのミラーリングも可能だ
それも追加のみとか更新のみ反映とか削除したファイルはゴミ箱に移動か完全削除かを選べる
ゴミ箱移動の方がうっかり消したファイルを救出できるが削除ファイルが
たまりすぎてディスク容量を圧迫する可能性は考慮しないといけない




青のギヤアイコンボタンは同期の基準を選択できる
一般的にはファイルサイズとタイムスタンプを比較して
同一ファイルか更新されているかを判断するが
シビアになるならファイルの中身を全部チェックする選択肢もある
当然処理には時間がかかる


2015 年 6 月 7 日




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Mocha Keyboard
(Shareware)
OS10.9Mavericks対応 OS10.10Yosemite対応

Bluetooth搭載のMacをiPhone、iPad、Androidのワイヤレスキーボードに変えてしまうMacワイヤレスキーボードクライアントアプリ。

使い方はとても簡単でMac、iPhoneなど制御したい端末それぞれのBluetoothがオンになっているのを確認して、マッチングを許可するだけでいい。

iPhoneやiPadのフリック入力もいいが、文字を打ちたいだけだったらやはりMacのフルサイズキーボードの方が単純に速い。
そこでメールやツイッターなどのSNSでどんどん文字を打ちたい時にちまちまフリック入力するよりもMacのキーボードでバシバシ入力した方が疲れないしやはり慣れたキーボード環境は速い。

そんなに速いならメールもSNSも全部Macでやればいいのに…ということなのだが、やはり表示の問題でiPhoneのクライアントの方が好き、見やすい、でも入力はMacの方が速いというケースはあると思う。

何よりもMacBook ProやMac miniのキーボードがiPadのキーボードになってしまうって、意味がなくてもなかなか楽しいと思う。

シェアウエアだが30日無用試用できる。
その間機能制限はバックスペースキーなど一部機能が使えないだけだ。





初回起動するとペアリングをするよう求められる
iPhone、iPadとペアリングしたい場合は左のボタン、Androidとしたい場合は右のボタン




2回目以降からはメニューバーアイコンからも接続ウインドウの呼び出しができる




出てきたウインドウのコネクトボタンで接続するが…




まず最初にBluetoothが「入」になっているか確認しないといけない




iPhone側のBluetoothも確認
両方のBluetoothが入っていればもうホストとして見えているはずだ




ペアリング…つまりデバイスとして接続許可認証が表示される
ペアリングボタンをクリックすれば後は自動接続




接続が完了すると相手のデバイス名が表示される




後はMacの方でキーボードを叩けばiPhoneの方でどんどん文字が入力される
スクリーンロックの解除の暗証番号もキーボードで
入力できるのでなかなか病みつきになりそう




入力を取り消そうとしてdeleteキーを叩くとこのキーは
シェアウエア登録後に有効になるという警告が出てくる




面白いのはMacからiPhoneへのペーストをサポートしていること
ペーストは一つだけであらかじめコピーしておく必要がある
メニューバーからのチェックまたは設定でペースト、キー入力履歴が下に表示される




接続の時とか文字入力の時にMacからiPhoneに
向かって文字などが飛んでいくアニメーションが楽しい




設定項目はこんな感じ
先ほどのペースト、ドラフトの設定、入力できるプログラムを
開くと自動接続、閉じると自動切断などの項目も面白い

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ネットワークトラブル診断について〜スパニングツリープロトコルって何ですか?〜超カンタンに解説を試みる

最近は「とても難しい問題を誰にでもわかるように簡単に解説する」とか言って「説明が全て間違っている」と専門家に突っ込まれて炎上するような案件が流行しているが、あえて難しい用語で綴られた技術解説をアンペアの意味もわからない女性にもわかるように解説する…とかにチャレンジしてみたくなった。


思い出話ひとつさせてほしい。

以前いた職場で本線とは独立の簡易ネットワークを組んでいた。
出入りするスタッフが自由にネットを使ったりプリンタ使ったりできるようにWANからルータ経由で、ハブからLANケーブルを幾つか作業机の下に這わせて、臨時に来た人でも自由にWebを使ったりできる環境を構築していた。
メインの事務系ネットワークと物理的に切り離すことで、セキュリティも問題なかった。

ところがある日突然ネットに繋がらなくなった。
私のMacだけでなくスタッフ全員のWindowsもネットに接続できなくなり、プリンタも見えなくなってしまった。

すったもんだした挙句、結局スタッフの女の子がLANケーブルの口を余らせるのは良くないかもと思って作業が終わったケーブルを自分のノートパソコンから抜いてハブに刺したのが原因だったと判明した。


通常ハブはユーザが触れるところには置かないのがネットワーク管理者の心得だが、なんせ簡易ネットワークだし仮設だからと油断したのがいけなかった。
結局このためにループができてネットワークを流れるパケットが雪だるま式に増えてルータが落ちてしまった…のが原因だった。
スタッフがそんなことするなんて想像すらできなかった私のミスなのだが、このようにネットワークはループができると問題を起こす…ということを念頭に入れて以下を読み進めてもらいたい。


先日ある仕事先の環境で大規模なネットワーク障害が起こった。
そこでログ調査をしていて以下のようなログを見つけた。





ネットワーク内のWindows端末のイベントビューアから出たシステムウォーニングログ
「ネットワーク内のデバイスからスパニングツリープロトコルが検出されました」とある



これが障害の原因を突き止めるヒントになった。

問題はまずこのスパニングツリープロトコルなるものはいったい何かということだ。

これについてはシスコのサイトからすぐに解説を見つけた。
Cisco IOS システム ソフトウェアが稼働する Catalyst スイッチでの STP に関するトラブルシューティング - Cisco Systems

ただしこのタイトルからして一般の人には翻訳が必要な感じだ。
翻訳すると
「シスコのルータ専用OSのIOSをつかったCatalystという商品名の業務用のルータのスパニングツリープロトコルのトラシュー」
ということだ。

そしてその内容がこんな感じ。

ある特定のパケットが複数回転送されているかどうかをトラッキングする(たとえば、IP Time to Live(TTL; 存続可能時間)を使用してネットワーク内を長時間循環しているトラフィックを廃棄する)メカニズムがブリッジングにはないので、同一レイヤ 2(L2)ドメイン内にある 2 つのデバイス間には、1 つのパスしか存在できません。

STP の目的は、STP アルゴリズムに基づいて冗長ポートをブロックして、冗長な物理トポロジをツリー型のトポロジに変えることです。 フォワーディング ループ(STP ループなど)は、冗長トポロジ内にブロックされるポートがない場合に発生します。フォワーディング ループが発生すると、トラフィックは際限なくネットワーク内を循環します。

いったん、フォワーディング ループが発生すると、そのフォワーディング ループのパスに沿って、最も低い帯域幅のリンクで輻輳が起こりやすくなります(リンクがすべて同じ帯域幅である場合、そのすべてのリンクで輻輳が起こります)。 この輻輳によりパケットの損失が発生し、さらに、影響を受ける L2 ドメイン内でのネットワークのダウンという状況につながります。

抜粋以上


この説明はかなりこの手の技術資料を読みこなしている人でないと何のことかわからないに違いない。
ありていに言えばフィールドエンジニアやっている現場の人でもわからない人がいると思う。

すると急にやる気が出てきた…というかこれをネットワークの知識が全くない素人でも理解できるように解説したい…という欲求がムラムラ湧いてきた。


そこでまず前提の確認を…ネットワークに繋がっているルータ、パソコンはユーザが何もしていないときでもお互いにパケットを交換している。
お互いに「生きているか?」「おまえは誰だ?」「転送通信は可能か?」という呼びかけを常にお互いに投げ合って、それに対して返事を投げ返している。
事務机の上でぼんやりスクリーンセーバを表示しているだけのように見えるパソコンも、無線LAN経由で繋がっているスマホやタブレットも実はバックグラウンドで全て同じことをやっている。

ルータもかましていないパソコン1個を直接モデムにつないでいるだけみたいな超シンプルなネットワークでも(ちょっとセキュリティに問題はあるが)、WANの向こうの最初のルーティングサーバーとの間でやはり同じことをやっている。
ネットワークというのは常にこうした通信をすることで、ホットプラグでケーブルをつなぎ替えてもすぐにネットワークを認識するような…いちいち再起動をしなくても良いという便利さを獲得している。





シンプルなネットワークの概念図を説明する
WAN(インターネット)からモデムやターミナルを通じて
イーサ規格に変換されたネット接続線はまずルータに入る
ルータはセグメント(そのネットワークのグループ)内の
道筋を決定する通信コントローラーだ
ルータには通常イーサケーブルの口は1〜2個ぐらいしか
ないので3個以上のパソコンをつなぐときにはハブを使う
これで1本のイーサケーブルを5本にも10本にも
20本にも分岐させることができる




この形をトポロジー的に展開する…つまり連続性だけに注目して展開し単純化するとこういう形になる
ネットからルータにつながりルータから先は枝分かれしてそれぞれの端末につながり
端末は常に行き止まり…これが逆さまにした木のような形をしていることからこれをスパニングツリー構造という
言葉の意味はまさに枝を広げた木ということだ
スパニングツリー構造の特徴はルータとデバイスの関係が
常に1対1でデバイスは行き止まり…つまりループになる部分がどこにもない
またループがないからどのデバイスからも他のデバイスまでの道筋は一つしかない




ところがここで「ケーブルも垂れ下がらせないでちゃんと差し込み口に挿しとかなきゃ」と考える妙に
几帳面なスタッフさんがケーブルの両端をハブに挿すようなことをついうっかりやってしまうとどうなるか
ここに輪っかが一つできてしまう…これをフォワーディングループという
意味は向かう先がない閉じた輪っかという意味だ




デバイスはお互いのMACアドレスを頼りに相手のポート番号、IPなどを常に確認している
お前は誰だ?私は2番、そういうお前は誰?私は1番という調子でお互いに投げ合って返事し合っている
ところがループがあるせいでそのループの向こうに自分自身が見えてしまう
自分で自分に向かって「お前誰?」というパケットを投げる…それに「私は1番」と返す…それをまた自分で受け取って
「それおかしい、1番は私、もう一度確認する、お前誰?」と無駄なパケットをどんどん増やしながら循環させることになる




さらにこのループがある構造をよく見ると左のデバイスから
右のデバイスに行く道筋が1つではなく2つあることがわかる




これをまたトポロジカルに展開するとこんな感じで2つのルートに
同じ誰何の確認パケットを投げるからパケットの量はここでも倍になる
しかもルートによってポート番号が変わるからどっちが正しいのか
確認のためにまた余計なパケットを投げなければいけない




こうしてネットワーク内を流れる普段は静かなはずのルート確認のパケットは
どんどん雪だるま式に増えていきやがてはネットワークの帯域を超えてしまう
帯域を越えるとどうなるかというと送りきれないデータは
一時的にルータやネットワークカードの中のメモリに保存される
そしてネットワークの混雑が解消したらまた流せるように備えるのだが雪だるまは膨れる一方なので
結局メモリも足りなくなり保存されていたデータは後からどんどんくるデータで上書きされる
そしてネットワークを流れるすべてのデータが歯抜けになってしまい意味をなさなくなってしまう
このネットワークが帯域越えで混雑する状態を輻輳と呼ぶ…意味はまさに渋滞という意味だ
そして輻輳が限界を超えてネットワークデータが破損し始めたら輻輳崩壊と呼ばれる
流れているデータがすべて意味をなさなくなるので何も流れていないのと同じように見える
これが俗に言う「ネットワークが落ちた」という状態だ




そこでこの失われた木の形の構造を取り戻すことが必要になってくる
これを物理的に経路を切るのではなくパケットのチェックで行うのが
スパニングツリープロトコルということになる
その方法はループになって2つある2点間のルートの片方を通るパケットを
すべてブロックしてそのルートがあたかも存在しないように通信するというもの
こうすることでまた木構造を取り戻せるだけでなくメリットもある
もう一方の経路が切れてしまった時に今までブロックしていた経路を開いて通信を続けることができる
通信経路の冗長性を持たせるためにこの技術が利用されることがある



そこで例のシスコの技術説明なのだが、こういうものは用語の意味がわかれば大部分の意味は解決する。
この文章は何を言っているのかというと
「ネットワーク内を無駄に回遊するパケットに対して回遊してもいい制限時間を設定できる仕組み(IPTTL)のようなものがない場合、一つの物理的に切られたネットワークの中の一つのデバイスから別のデバイスへの道筋は常に一つでなければいけません。

スパニングツリープロトコルの目的は木の形構造をそこなう余計な輪っかをブロックして、物理的にはループ型の経路を木の形の経路に変えることです。
余計な輪っかは物理的に予備の経路を持っているようなネットワークでその片方をブロックできない場合に発生し、雪だるまのように際限なくネットワーク内を流れるデータを増やします。

この余計な輪っかが一度発生すると、ネットワーク内の帯域が低いリンクで輻輳(渋滞)が起こりやすくなります。
リンクがすべて同じ帯域の場合全体で渋滞が起こります。この渋滞でパケットが損失し始めるとネットワークが落ちるという状況が起こります。」

さて上記のWindowsのイベントビューアのログにあった「スパニングツリープロトコルを検出しました」の意味はネットワーク内にどこかにループがあるという意味だ。
それが本来意図してわざと作っているループであるなら問題ないのだが、ループがあるはずのないセグメントでこれを検出した場合、どこかでネットワークがスパゲッティのようにおかしなことになっていると考えるべきだ。

出入りのスタッフさんがイーサケーブルをうっかり輪っか状にハブに挿しているかもしれない。


あのログでそういうことがわかるし、今回は出る場所でそれが問題のあぶり出しのヒントになったというお話。

なおルータがSTPに対応していない場合、電気と違ってループができた瞬間にネットワークが落ちるわけではない。
最終的に輻輳崩壊が起こるまで数日から、どうかすると数十日かかる場合があるので原因がわかりにくいケースがある。
だからこういうことを知っていると役に立つ場面もあると思う。





スパニングツリープロトコルはこういう利用のされ方をしている
複数セグメント間の経路を冗長化して片方の経路が切れても
もう片方の経路を復活させて全体として問題なく通信ができるという構造が構築できる
こういうネットワークではSTP対応のルータを使っていればそれが検出されるが
冗長経路を作っているはずがないのにSTPを検出する場合は
どこかで結線がこんがらがっている可能性がある


2015 年 6 月 6 日




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Windows10無償アップデート予約開始〜早速バーチャルは予約したが実機はWin7かな〜予約しても消えない予約ボタンの消し方

OSは無償の時代が来るらしい。

らしいというよりもMicrosoftがWindows7、8.1からのアップデート者に限りWindows10を無償配布すると発表し、これは結構インパクトがあったようだ。

もちろんまだWindowsXPを使っている人はダメ。

条件はWindows7、8のライセンス(実機プリインストールも含め)を持っている人だけで期間は1年間と限定なのでMac OS XやUbuntuのように完全無償というわけではないのだが、これまではWindowsOSとOfficeのライセンスがMicrosoftの利益の中核という構造だっただけにMSさんも大転換点に来ているのかもしれない。
(Windowsのオープンソース化についても、可能性があるとMSの幹部が言及したそうだ。Windowsも将来的にはMozillaやLinuxのようになっていくのかもしれない)

そのWindows10の発売は7/29と先日発表され、それに向けて無償アップデート対象者にはオンライン予約も開始された。
オンライン予約の方法はキャプチャで紹介しているが、現在のWindowsのタスクトレイに(Windows Updateを怠っていなければ)Windows10アイコンが現れているはずなのでそれをクリックして指示に従うだけ。
簡単だ。

アップデートしたくない人は…ちょっとウザいことになってる。
実際今回私はVMWare Fusion上で動かす仮想マシンだけアップデートして、仕事で使っている事務機、検証機、治具用VAIOはWindows7のままで使用しようと思っているが、それらにも予約アイコンが現れていて、消す方法も紹介するが完全に消えるわけではない。

なおWindows10のテクニカルプレビュー版はブラウザはIE11が入っていたが、7/29からのホンチャンWin10からはSpartanという新ブラウザが搭載されるとのことだ。

どう違うのか…一言で言うとMicrosoft版Google Chromeというようなブラウザらしい。
Mozaicの流れをくむIEのレンダリングエンジンをとうとう捨て、Microsoft独自ルールてんこ盛りだったTridentはオプションになる。
このためインターネット対応イコールインターネットエクスプローラー対応だった企業サイト、お役所サイトはW3C準拠エンジンのSpartanデフォではサポートされなくなり阿鼻叫喚が予想される。
(オプションでTridentエンジンを選択できるのでSpartanでもお役所サイトを表示できるのだが、例によってユーザはそんなことしてくれない。いきなり「バグってる」とクレームを入れてくるはずだ)

バージョンもナイトリーバージョンのように細かくアップデートされ、しかもバックグラウンドで自動アップデートというまさにGoogle Chrome的なブラウザになるらしい。
JavaScript開発者、ActiveX開発者の阿鼻叫喚が予想される。

しかしMacがことえりを捨て、WindowsがIEを捨てる…いろいろ時代を感じる今日この頃ではある。





Windows7、8.1ユーザはタスクトレイにWindows10の
フラットデザインなアイコンが現れていることに気がついているはずだ
ここからWindows10の無償アップデートの予約ができる




ここから無料アップグレードを予約するのはとても簡単
申し込みアプリのこの部分をクリックするだけだ




以上で予約完了
予約できたかの確認メールとアップデートが近づいたらお知らせメールを
送って欲しい人は次のページでメールアドレスを入力する
これは単なるお知らせメール確認なのでスキップしても問題ない




以上で完了
実に簡単なのだが問題はアップデートがどういう形でくるのかだ
保存できるインストーラで来るならいいがインストールしたら自動的に
消滅するようなインストーラだったら1年後にシステムがぶっ壊れた時に
有償でWindows10のライセンスを買わないといけなくなるのかもしれない
追加インストールも有償になる可能性がある
ここらWindows7からのアップには慎重になる所以だ




この通りメールにコングラチュレーションメッセージが届く




そしてWindows7などで10にアップグレードする気がない人…はこのアイコンは邪魔なだけ
アイコンを消すのはここのタスクトレイボタンからカスタマイズ…をクリックする




起動してくるコンパネでGWXという項目のプルダウンで「アイコンと通知を非表示」を選択




するとWindows10アイコンはバーからは消えてこの中に移動する
移動するが消えるわけではないし、なんと再起動すると
元に戻ってしまいWin10アップグレードを求めてくる
Microsoftもスパム化している気がしないでもない
おまえはMacKeeperかw
これを完全に消すにはWindows UpdateのKB3035583を削除すればいいらしい
完全に消せていいがしかしシステムパッチに同梱してくんなよと思う
削除するとまたWindows Updateが「未完了のアップデートがある」
とうるさく言ってくるじゃないか…






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