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2007 年 9 月 22 日





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RealBasicのアプリが壊れた&メニューエクストラが壊れた

久しぶりのトラブルシューティング。

今日久しぶりにメンテナンスをしようと思い立った。ディスクの空きスペースが減ってきているように思ったので、キャッシュ、ユニバーサルバイナリコード、各国語リソースがまた溜まってきていると感じたからだ。

そこでYoupi Optimizer Monolingual Cache Out TrimTheFat などをかけて再起動した。

そうしたところ以下のようなエラーがでてメニューエクストラが半分ほどしか表示されないということが起こった。







起動時にこういうエラー表示がでるようになってしまった
再起動しても、再ログインを繰り返しても治らない



これは初めて見るエラー表示だ。
この意味が全く分からなかったし、表示されている/Volumes/RBUS/というパスも見つからないのでエラーの意味も見当がつかない。
そこでここに出ているキーワードをいくつかググって見た。
するとRBUS/common/relocentry.cppというエラー表示はREALBASIC関連のフォーラムでいくつか出ていた。
残念ながらrelocentry.cpp3240というエラー表示にぴったり当てはまるエントリはどこにも見つからなかった。

しかしこのREALBASICのフォーラムというのが大きなヒントになった。
ログインの時に起動する項目として指定しているアプリのうちREALBASICで作られたものが、何らかの理由で動かなくなっているということだ。
この時にメニューエクストラがいくつも表示されなくなっているので、ここらの関係のものが壊れていることはすぐ見当がついた。

このエラー表示は大まかには
「REALBASICのruntime(異なるプラットフォームで開発されたコードが動くように用意された環境)にエラーがある。
/Volumes/RBUS/common/relocentry.cpp3240
がコードエラーを起こしている」
ということを言っているようだ。

そこでREALBASICで作られたメニューアプリで起動項目に入れているものということで、すぐにComoが思い浮かんだ。

これはOS9風に重なったウインドウのひとつをクリックして最前面に出すと、同じアプリで開かれたウインドウが全て前面に出てくるという動きをするメニューエクストラで、OSXのGUIの欠点を補うスグレモノメニューエクストラだ。
これのアイコンがメニューバーに表示されていないことに気がついた。

そこでこれをログインアイテムから外してみると、エラー表示が出なくなった。
ビンゴだ。
そこでComoを再インストールすることにした。






不具合の一部でREALBASICベースと思われるComoを再インストールした
方法はComoを削除してディスクイメージから取り出したアプリ本体を入れるだけだ



これでComoはちゃんと起動できるようになり、例のエラー表示は再ログインの時に出なくなった
OS9式のウインドウの重なり方も再度ちゃんと機能するようになった。
上記のメンテナンス動作のどれが問題だったのかよくわからないが、おそらく
Youpi Optimizer
Monolingual
のどちらかがREALBASICのUS版を示すRBUSをUS英語のリソースと看做して削除してしまったせいかと思われる。
普段はUS英語のリソースは削除しないのだが、今回は復帰を焦っていたこともあってミスして削除をかけてしまったのかもしれない。

それでruntime環境を失ったためにREALBASICベースのComoが動かなくなったのだろうと思う。

もうひとつのトラブルのメニューエクストラが半分くらい表示されなくなったというのもよく見ると、
Como以外はSystemUIServer、つまり本物のメニューエクストラばかりだということに気がついた。
ひらめいてクラッシュリポーターを開いてみたところ、やはりSystemUIServerがクラッシュしていることも分かった。
どうやらこのクラッシュが原因でメニューエクストラを表示するという設定が全て失われてしまったらしい。

これはシステム環境設定などを開いて全部ひとつずつ再設定するしかなかったが、それで解決した。

ところでメニューエクストラと大雑把に十把一絡げでいっているが、メニューエクストラには3種類あることに気がついた。
それはOSXの誕生以来メニューエクストラと呼んでいるSystemUIServerによってメニューバーに表示されている本物のメニューエクストラと、SystemUIServerに依存しない擬似的なメニューエクストラ、そしてSystemUIServerにも依存しないし、擬似的メニューエクストラでもないSpotlightアイコン(これをメニューエクストラと呼んでいいのかどうかもよくわからないが)の3種類ということだ。

Appleが非公開にしたSystemUIServerに替わって最新のOSXはSystemUIServerとは無関係にメニューバーにアイコンを表示できるメニューバーに表示できるメニューエクストラのAPIが用意されているようだ。
今回壊れていたのはこのSystemUIServer由来のメニューエクストラだけだった。
だからSystemUIServerのクラッシュが原因だと分かったのだが。
このクラッシュが原因でその設定が全て失われてしまったらしい。
だからSystemUIServer由来の真性メニューエクストラだけが表示されなくなったのだ。

解決法は上記のように全て表示されるように全部再度設定し直すしかない。
しかしそれで機能も含めて全て復活した。
とりあえずはメデタシメデタシ。






私のメニューバーの内訳はこんな感じだ
SystemUIServerとそうでないメニューエクストラの見分け方は
コマンドキーを押しながらドラッグで並び順を変更できるものがSystemUIServerであり、
変更できないものが擬似的なメニューエクストラだということだ
Spotlightはどういう仕組みなのかさっぱり分からないが
どちらにも属さないことは分かるのでこういう分類だと思う
今回はこのSystemUIServerに属するものがほぼ全滅した


2007 年 9 月 25 日





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Freemem Monitor
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

自称「スワップファイル撲滅政策決定会合審議委員」の「うむらうす」の「ハル」さんがまた快挙を成し遂げてくれた。

ここでも紹介しているがSwapの生成を防ぐためにドックを再起動しながら「Locateデータベースなどの再構築」を実行してメモリの空き領域を開放するRelease Memoryや、ドック、メニューエクストラ、Finderを再起動しながら「アクセス権の修復」を実行することでやはりメモリの空き領域を開放するRelease Memory2など面白い、かつ実用的なScriptを次々作っておられるが、これを使うべきタイミングを常駐して監視してくれるScriptを作ってくれた。
それがこのFreemem Monitorだ。

使い方は迷いようがないくらいに簡単なので、キャプチャーを参照してもらいたい。
ところでこの効果だが、「ハル」さんは
「あくまでメモリを開放することが目的で、Swapファイルを減らすことはできない」
と強調しておられる。
Mac系の雑誌に取り上げられた時に「Swapを減らすユーティリティ」と取られるような表現で取り上げられたようで、ここいら誤解が生じそうなところだ。

ところが私の環境で試したところ、このFreemem Monitorを使ってまめにメモリを開放していると、Swapへのページアウトが減って、結果的にSwapがひとつ減ったりすることがある。
といっても3GBのSwapが2GBに減るくらいだからあまり大勢に影響はないのかもしれないが、そういう効果もないこともない。
しかしやはり本来の効果は、「ハル」さんがおっしゃられるようにSwapファイルが生成されないように予防するということだろう。
だからこのワンクリックだけでScriptをほぼ自動実行できるというのはありがたい。

Swapが増える時というのは大体作業に夢中になって、メニューバーのMenu Metersなんか見ていられない時だからだ。






解凍するとFreemem Monitor
Release Memory2という二つのスクリプトが入っている
このうちFreemem Monitorの方を起動する





空きメモリの容量がいくらを切ったら実行タグを表示するかその閾値を最初に聞いてくる
デフォルトは200MBになっているが、しょっちゅう起動すると困るという人は
100MBあたりに減らすのもありかと思われる
Swapができないギリギリのレベルを各自鋭意探ってみて欲しい





メモリの空き容量がその閾値を割り込むとこのような画面を表示する
ここでメモリ開放スクリプトを実行するか、止めとくか、監視そのものを中止するかを選択





プロセスでこのような意味不明のアラートが出るが「ハル」さんによると
「気にするな」ということらしい
近日中に修正されると思われる





プロセスが終了するとこのように「終了」表示が出るのでこれが現れるまではじたばたしないこと





メモリの空き領域は265MBまで回復しているのが見て取れる
起動した時には閾値の200MBを割っていたはずだから有為の効果が見られる






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Freemem Keeper
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

「うむらうす」の「ハル」さんがFreemem Monitorというメモリ開放スクリプトを連動するメモリ空き領域監視スクリプトを作っておられることを上記記事で書いたが、これに対してビジタから
「なんで自動化しないの?」
というという指摘を受けたところ、なんとこれに対して「ハル」さんは即日反応してメモリ開放を自動化したスクリプトを作られた。
それがこのFreemem Keeper
なんと軽快なフットワークだ。

これも使い方は非常に簡単なのでキャプチャーで確認して欲しい。

アプリケーション形式にまとめられ、プロセスが進行していることを知らせるアラートはアプリのタグでも表示できるしGrowlにも対応したので、Growlの側で好みのスキンを選んで表示することもできる。

プロセスが全て自動化されているので、ユーザは起動させたらあとは放ったらかしでいい。
注意点はCDなどの焼き焼き中やディスクのバックアップを取っている時にはこれを終了させることを忘れないことだ。
そういう作業中にこれが作動されると、CDはお釈迦、バックアップも最初からやり直しになる。

またSafariなどドックにしまった状態で、これが作動するとそれ以降Safariが操作不能になる不具合が起きる。
これはこのスクリプトのせいというよりは、Safari3とシステムの相性の問題だと思われる。
Freemem Keeperとは関係無しに、「隠す」動作の後ウインドウそのものが操作不能になる不具合が頻発するからだ。

いずれにしてもこれを動作している時には起動中のアプリをドックにしまったり隠したりしない方がいい。
そうしたことに注意すればこのFreemem Keeperは快適に使えるだろう。
ただ上記のようにバックアップを取っている時にこれを終了するのを忘れたりしそうだから、私の場合はFreemem Monitorの方が安心して使える。






Freemem Keeperを起動するとこのようにアプリの説明とバージョンヒストリが現れる
実行で起動





ここでも最初にメモリ空き容量の閾値を聞かれる
今度は100MBでやってみた





リリースメモリのプロセスがスタートすると
Growl対応バージョンはこのように表示される





メモリ開放のプロセスが完了したらこんな感じの表示


2007 年 9 月 26 日





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Image Folder Browser
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

画像ブラウザアプリ。

これはその機能に特化している。
だから「開く」メニューで開くことができるのはフォルダだけで、個別の画像ファイルは指定することができない。ビュアーではなくあくまでもブラウザであるという割り切り方が潔い。

フォルダを指定するとそのディレクトリにある画像ファイルをサムネイルで表示する。スライダでサムネイルの大きさを変更できる。3段階だが。
面白いのはサムネイルをクリックするとFinder上でオリジナルファイルを表示する機能があることだ。
まさに
「そういえば、ああいう写真持ってたよね・・・あれどこにあったっけ」
なんて探し物をするために作られたブラウザのようだ。






Image Folder Browserでフォルダを指定してサムネイル表示をした様子
カーソルキーを使って次のグループにどんどんスクロールしていく
アスペクト比は固定で表示されるので横長に歪んでいる写真もある
要するに何が映っているか分かれば良いという割り切り方のようだ





下のスライドを動かすとサムネイルの大きさを変更できる
・・・3段階だが





サムネイルをクリックするとFinder上でオリジナルファイルを表示できる
つまりそういう探し物のために作られたアプリということだろう






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『「みくみく」にされちゃうのは音楽産業』って意味分からんぞ?

アマチュア音楽がひとつのムーブメントを作っている。
らばQ - 「みくみく」にされちゃうのはむしろ音楽業界のほうではないかというエントリを発見。

YAMAHAのVOCALOIDという歌声合成ソフトウエアに声優が声を提供した「初声ミク」という製品が発売され、これで歌をDTMで「合成」するのがひとつのムーブメントになっているらしい。
この動きにはもうアンチがいるそうだから立派なムーブメントなのかもしれない。
よくわからんけど。

「どうです? 『みっくみっくにしーてあげるー♪』という意味不明のサビに『萌え』すら感じる人もいるのではないでしょうか? 再生回数はすでに18万を越え、もうすぐ20万に達しようとしています。それほどの中毒性すら秘めたこの曲が、ユーザーの手によって作られてるということに驚きを禁じ得ません。」

なんだそうだ。


「パソコンによる音楽作成はDTM(DeskTop Music)と呼ばれ、20年以上の歴史があります。
往年のパソコンファンなら、雑誌に載っていたMML(Music Macro Language)コードを入力してFM音源やPSG音源の音楽を聞いた覚えがあることでしょう。」


という下りにはうなずいてしまった。
そうか、もう20年以上の歴史があるのか。
そういえば私がRX7(ドラムマシーン)やDX7(FM音源シンセサイザー)を買ったのも80年代の半ばだったから、まさに20年あまりの歴史を身を以て体感してきたわけだ。
DTMは音楽を手軽にした。
しかし音楽を陳腐にした。
これがDTMの功罪だ。
そのことは今は詳しく論じる気力がない。要するにどうでもいいのである。

それよりもこのVOCALOIDから新しい音楽供給者が生まれてきて、音楽産業そのものが本当に「みくみく」されてしまうのだろうか?
このくだり意味がよくわからなかったのだが、結論からいえばそんなことにはならない。
それとこれとは全然別の問題だからだ。

この記事の後半の趣旨はよくわかる。
音楽業界は創造的でもビジネス的でもなくDRMをかけて、音楽利用を禁止することばかり考えている。
そして挙句の果てには国際的な恥だと思われるiPod課金なるものを正当化しようとしている。
こういう漁業補償に群がる利権屋みたいな奴らが形成する音楽の権利団体が、音楽産業をガチガチにしているという閉塞感は誰しも感じるところだろう。

しかし問題は、DRMがかかっているから今の音楽産業はダメなのではない。
CDの値段が高いからダメなのでもない。

「だってそうでしょう。提供できるコンテンツの質は多少上かもしれませんが、買うと致命的に高い。1000円でDVDが買える時代になぜ3000円も出してCDを買うのか。」
という下りはちょっと違うと思った。

70年代に国内版のLPは一枚2800円もした。70年代の2800円は物価換算すると今のいくらになるだろうか。CDの半分も曲数が入らないLPレコードが換算すると7~8千円にもなる値段で売られていたのだが(計算根拠によっては1万円を超えるかも)、それでも我々の世代はLPレコードを買った。
70年代半ばにはレンタルレコード屋なる新商売も登場したが、それでもやっぱりこれというアルバムは買った。
なぜだろう。
すごく高いのに。
何十回も聴いたらすり切れて音が悪くなるのに。

こういうコンテンツを販売するには二通りの考え方がある。
コンテンツの利用をオープンにしてしまい、お金を払う気がある人に効率的に課金するという考え方と、クローズドにしてしまい、無料使用を一切禁止してちょっとでも音源を聴こうという人からは、聴いた量に応じてきっちり課金してお金を集めるという考え方だ。
いうまでもなく日本の音楽産業は後者の考え方になっている。このことは周知だと思う。

この二つの考え方は実はどちらが効率的かということは問題ではない。
なぜなら日本の音楽産業は前者の考え方をとった瞬間に滅亡せざるを得ないからだ。
どんなコンテンツでも前者の考え方でビジネスができるわけではない。
そのコンテンツはお金を出して買いたいソフトか、コピーで済ませられるならコピーでいいかと思わせるような安直でお手軽なソフトなのかということだ。

音楽産業の皆さんは相変わらずファイル共有ソフトにより音楽が盗まれているために、CDの売り上げが落ちているのだと主張している。
だから国際的な恥だろうが、何だろうがiPod課金とDRMは絶対にゆずれない条件だし、できればパソコンやハードディスクレコーダーなど音楽を録音できるもの全てに課金したいと本気で思っているのだ。

こういう人達はCDの売り上げの落ち込みの理由が他にあるとは考えもしないのか、実は気がついているが気がつくとiPod課金の大義名分がたたないから気がつかないフリをしているのか、それは私は知らない。
CDの売り上げが落ちたのはファイル共用ソフトで音楽をタダで手に入れている連中がいるからではない。
それは原因ではなく結果だ。
CDの売り上げが落ちたのは単に中心購買層の購買力が減退しているからだ。
その原因は例えばケータイ電話だ。

音楽の中心購買層の10代から20代の若者はまさに生活が圧迫されるくらいケータイの通信費用を支払っている。
私の世代は今の貨幣価値に換算して一万円に近い音楽LPを何故現金で買うことができたかといえば、他に小遣いの使い道がなかったからだ。少なくとも毎月税金のように高額の通信料がのしかかるなんてことはなかった。

しかし今は違う。
中心購買層はCDなんかにお金を振り分ける余裕はないのだ。
それでも一曲ずつバラで安く買えるなら買いたいとは思っている。
そこに一切の音楽ソフトの無料利用、バラ売り、一次複製を禁止する流通形態が確立される。
彼らはお金を出す気になるだろうか?
他に楽しいこと、興味を魅かれることはたくさんあるのに、何故音楽産業だけ護送船団方式で生き残れると想像するのだろうか。

そしてここにもっぱらファイル共用ソフトだけで音楽を手に入れる輩もいる。
この連中はファイル共用ソフトを失ったら音楽を買うようになるだろうか?
もしこの世からファイル共用ソフトを撲滅することに成功したら、こういう連中は単に音楽を聴かなくなるだけだ。
こういう連中に課金をすることは永久に不可能だろう。
そこにDRMをかけたりあらゆる新しいテクノロジーを使ってコピー禁止をかけて、その設備投資を価格に転嫁するというのは、まさにビジネス的にはムダ以外の何ものでもない。


しかし日本の音楽産業は結局、このコピー禁止に躍起になって高コスト構造を抱え込む方向に行かざるを得ないだろう。
前述のように音楽ソフトをオープンにして緩やかに課金するということができるようなコンテンツの開発をしていないからだ。
そしてこのことは結局自縄自縛になるだろう。


そこでこのエントリを書いた方のいわれるように、アマチュアの作者がwebに広範に現れて、これがやがて音楽産業に取って代わる(これが「みくみく」の意味?)ということが起きるかというとそうはならないだろう。
それは音楽そのもののストリームの話で、音楽ビジネスのあり方の話とは無関係だからだ。

音楽のメインストリームは常にサブカルチャー、カウンターカルチャーから浮上してきてメインストリームに取って替わるということを繰り返してきた。
70年代のニューロックだってそうだし、それ以前にジャズだってまるっきりそれと同じ道筋をたどって来ている。
だからDTMの「みくみく」が音楽のメインストリームに浮上するなんてことはひょっとしたらあるかもしれない。

しかしそれが音楽産業の体質を変えるかといったら、そんなことはない。
web上のDTM作者たちは、音楽産業に「作品を高価で買うよ」といわれれば喜んで売るだろう。
「アーティストとして専属契約を結ぼう」
といわれれば喜んで契約するに違いない。
元々「音楽の閉鎖状況を打破しよう」なんて志があってDTMをやっているわけでもないし、そんな志なんかあってもすぐに変質する。
そして音楽産業はこの新しいストリームになったDTM作者の作品にDRMをかけて販売するだけの話だ。

だからそんなものが流行って音楽史を塗り替えるような大事件になっても、音楽のトレンドが変化するだけの話で、音楽ビジネスのあり方そのものは何ら変わらないだろう。


ところでオープンなソフト流通を指向した瞬間に日本の音楽ビジネスは死滅すると書いたが、違う選択をしたらどうなるかというと、クローズドな禁止ビジネスを指向しても結局は緩慢に死を迎えるだけだ。
結局日本の音楽産業は焦土となって死滅する以外の道は無いと思っている。
しかしそれもいいのじゃないだろうか。
完全に焦土となればそこから新しい志と秩序が生まれるに違いない。
その先にこそむしろ音楽産業の光明がある気がするのだが、私の世代は生きてそういう世界を拝むことはできないかもしれないからやはりどうでもいい。







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web素材のボタンを無料で自動生成してくれる日本語サイト

ButtonMaker webボタン素材 自動生成サイト - 無料というサイトを見つけた。

当節流行の「web2.0風」のテカテカのボタンや、タブボタンやリンクイメージを好みのスキンを選んで自動的に生成してくれるサイトだ。
スキンのテクスチャーや、質感、背景色、背景テクスチャーなどかなり自由に設定ができる。
またボタンに印例する文字は勿論日本語も通る。

これで好みのボタンを作ってサイトに貼付けてみてはどうだろう。
プロバイダーのできあいのスキンに飽き飽きしたという人にはお勧めできる。






ボタンを生成する設定画面
必要な項目をチェックすいていくだけでもっともらしいボタンができてしまう
出力はgifになっている





試しに作ってみたタブ風のボタン
使い方によってはかなり垢抜けしたサイトデザインの素材になりそうだ


2007 年 9 月 27 日





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CopyrightInserter
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

webにアップする画像ファイルにコピーライト(権利)マークをウォーターマークで入れ込む単機能のアプリ。

例えばwebに画像見本を上げて、画像を買いたい人にはお頒けしますというようなことをするとき、画像に何もサインを入れないと見本をダウンロードされておしまいになるかもしれない。
そういうビジネスを考えていない場合でも、画像に自分のサインを入れたいということもあるだろう。

そういう時には自分の権利マークやサインのひな形をjpegなどの画像で作っておけばこういうソフトで簡単にインサートできる。
加工はフォルダ単位でやるので大量の写真を一気に加工できる。
webでフォトアルバムを公開したい時に、自分のサインを入れたい人は試してみると面白いと思う。
使い方は非常に簡単だ。

フォルダ単位で加工する写真が入っているフォルダ、加工した画像の書き出し先、ウォーターマークの画像をドロップして決める。
あとはマークが入る位置、大きさ、透明度を決めて実行するだけでいい。






CopyrightInserterの操作画面は非常に分かりやすい
上の二つの窓は元素材のフォルダと書き出し先のフォルダをドロップする窓
下に入れたいマークの画像をドロップしてその下の項目で位置、大きさ、透明度を決定する





試しに入れてみたのがこんな感じ
自分の撮った写真にサインを入れたい時とかに役に立ちそう






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気になっていること~イノベーションのジレンマ

ちょっと前の話だが、「イノベーションのジレンマ」というクレイトン・クリステンセンという人の著書の話を聞いてそれが気になっていた。
気になっていたのならその本を直接読んでみればいいのだが、最近そういう個人の興味のために本を読む時間が極端に少なくなってきて、今まで放ったらかしになっていた。

ちょっとそのことで調べてみる気になったので、見てみると結構この人とその著書は何年か前に話題になっていて記事はたくさん出てくる。

例えばCNETにはご本人のインタビューが載っていたりする。
イノベーションのジレンマに陥る優良企業たち-インタビュー - CNET Japan

この方の考え方で面白いのは、
「Digital Equipment Corporation(DEC)に代表されるかつての優良企業がトップの座から落ちるのは、競合他社が強くなったためではなく、むしろ一見取るに足らないような、あまり質の高くないソリューションを提供する新規参入企業が現れたためだと結論づける。」
というところだ。
結局ビジネスのメインの需要を構成する「客層」は想定して捉えられるものではなく、3.5インチハードディスクのような際物の登場から、その客筋が雪崩を打って変化していき、かつての王道だった製品は不人気製品に転落していくような流れが起きる。

その流れは「一見取るに足りない」派生商品、亜流技術のようなところから始まり、客にいくらリサーチをかけてもその流れは予想できないというものだ。

分かりにくいのでもう少し続けると、こういうことだ。
この本にもあるしクリステンセンの話でよく引き合いに出される話だが5インチのハードディスクが主流だった当時、ハードディスクを組み込むサーバのベンダーが客にどういう製品が欲しいか訊いてみた。
ところが客はもっと高性能なディスクを搭載したサーバが欲しいというだけで、その意味を「イノベーター」たちはもっとデータアクセススピードが速い、あるいは高速回転の記録密度が高いディスクを搭載した製品が欲しいと理解し、そういう製品の開発を指向する。
要するに技術者はよりハイスペックなものを作りたがる。

ところがここに亜流メーカーが3.5インチディスクなどというものを開発する。

すると客のアンケートリサーチからは「より小さな製品を」なんて要望はひとつもなかったにもかかわらず、いつの間にか客のニーズは3.5インチハードディスクに移ってしまい、5インチハードディスクは全く売れなくなってしまう。

このことは何を表しているかというと、
技術的な高機能、ハイスペックを追求することが必ずしも客のニーズに合致しないこと、
しかしイノベーターたちは常に高機能、ハイスペックへと開発の方向を向けたがりマーケットを失うということを繰り返すこと、
そして客のニーズは往々にして客自身が気がついていないこと、
客は自分が欲しいものを知っているわけではないので、具体的なものを見せられるまでは自分の欲しい物のイメージがわかないこと、
そういうギャップがあるにもかかわらず客にニーズを訊くという間違いは常に繰り返されてきていること・・・
などがこの話が引き合いに出される場合の結論というか落としどころになる。

私自身はこの本を読んでいないので、理解に多少間違いがあるのかもしれないが、このクリステンセンの論を非常に分かりやすく解説した記事も見つけた。

こちらのLife is beautiful- 図解、イノベーションのジレンマという記事では元マイクロソフト社員の筆者が
「Microsoft Office って進化し続ける必要があるの?それよりも、サイボウズやSalesforce.com が提供しているウェブ・アプリケーションを AJAX の技術でも使って進化させた方がよっぽど役に立つんじゃない?」
という問題提議をしている。

ここでいう破壊的テクノロジー(disruptive technology)は5インチハードディスクの市場を破壊した3.5インチハードディスクのようなものをさす。

LP→CD→DVDと進化してきて次にHD-DVDやBlueRayというような進化を続けているところにiTunesやRapsody、On demandTVのようなものが破壊的テクノロジーになるかもしれない。

Nintendo→PS→PS2と進化してPS3やXBox360というような進化を続けているところに「携帯電話とか、ネットに繋がった他のデバイスに提供する新しいデジタル・エンターテイメント」が破壊的テクノロジーになるかもしれない。

Office→Office95→OfficeXPと進化して今まさにOffice2008なんて製品が発表されているが、サイボウズあたりがwebアプリケーションをやる方がずっとインパクトが強い破壊的テクノロジーになるかもしれない。

これらのことは起こってみないと本当にそうかが分からない話だが、でもそうかもしれないと思わされる話ばかりだ。
よく見るとこの記事は2005年の11月の記事だから、この当時はまだ半信半疑だったかもしれないが2年近く経っている今の視点で見れば、かなりそうなりそうな可能性は高い気がする。
(その主体がサイボウズかどうかは置いておくとして)


この話がなぜ気になったかといえば、「ニーズは客に訊くな」というマーケットリサーチの世界ではよく聞く話がここには盛り込まれているからだ。
客のニーズが分からない、どういう開発を進めていったらいいのか方向性が定まらない・・・そういう時に
「じゃあ何が欲しいかお客さんにアンケートをしてみよう」
というのは実はマーケティングリサーチでは最悪の考え方だと思う。
なぜなら顧客は既存客の発想しか持っておらず、そういう人達にアンケート調査をしても「現状肯定」をするデータしか集まらないのは明らかだからだ。
にもかかわらず「客のアンケート結果はこうだから」という理由で現状肯定が繰り返されていく。

そうこうしているうちにまるで見当違いのように見えるサービスが、競合相手から現れていつの間にかこちらは完全に後手に回るということになる・・・こうなりそうな予感は常々感じていて、だから
「客のニーズは客に訊くな」
と思ってきたのだが、なぜかこの考え方は誰にも理解されず歯がゆい思いをしていた。
そこにこのクリステンセンの話を聞いたので、我が意を得たりと思ったのだ。

クリステンセンの話では何故客のニーズは客に聞いても得られないのかが明解に説明されている。
その意味で、この論はとてもクリアだと思う。


ただご他聞に洩れず、この「イノベーションのジレンマ」も一時マーケ屋の間では随分流行したために陳腐化してしまい、今では反論する人も多くなっている。
例えばこういう記事を見つけた。
『イノベーションのジレンマ』に感じた違和感を明らかに (著者に聞く):NBonline(日経ビジネス オンライン)
この方の本の帯では「クリステンセンは間違っていた」と明記されているようだ。
この著者は「私がそういったわけではない」と一応否定しているが「それは私の本意ではない」とはおっしゃっておられないのでやはりクリステンセンは間違っていると考えておられるのだろう。

ここで興味深いのは
「文系の人たちはみんな『書いてあることは正しい』と言う。でも、技術者や研究者といった理系の人たちは、誰もが「違和感を感じる」と言います。」
というくだりだ。
要するにコンサルやマーケ屋、営業畑の連中はみんなクリステンセンは正鵠を得ていると思うし、実際に技術開発をしている人達は「それでは技術屋がみんなバカみたいではないか」という違和感を感じるということなのだろう。

クリステンセンはハーバードのビジネススクールの先生だから、ビジネスの分析は得意だがIT技術のことは意外にご存じないというのもそうなのかもしれない。

そのことで今ちょっと連想したことがあったのだが、このことはいずれ後日に書く。
文系の連中はやはり技術が分かっていないし、技術の連中はやはりマーケットが分かっていないという話の実例を今思い出したのだが、長くなりそうなので続きは後日にゆずって近日中に書く。
とにかくここで書きたかったことは、
「客のニーズは客に訊くな」
というこの一点だけだ。
これが書ければ今日は充分だ。



2007 年 9 月 28 日





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Sunbird
(Freeware)
OS10.4Tiger対応

Mozillaのスケジュール帳プロジェクトから生まれたスケジューラーアプリ。

MozillaCalendarというスケジューラープロジェクトもあるが、こちらはほぼ同じコードを使いながらより独立性が強い単一のプログラムと説明されている。

使い方は意外に取っ付きやすい。iCalを常用しているユーザならそんなに戸惑うことはない。
スキンは日単位の時間管理タイプ、週単位、複数週表示、月単位表示などをサッと切り替えられ、細かいスケジュールも確認できるし、長期のスケジュールを俯瞰することもできる。

気になるiCalとのスケジュール共有だが、インポートをしてみたところ、かなり時間はかかったもののインポートには成功した。
実はこのアプリは以前にもテストしたことがあるのだが、その時はiCalのスケジュールをインポートするとシステムを巻き込んでクラッシュするだの、イベントは長文を入力しても一行目しか表示できないなどかなり使い物にならない感じだったので、結局レビューも書かずにアンインストールしてしまった。

今回再度トライしてみてそこいらの不満点は今回ビルドで改善されているので「どうやら使い物になりそう」というレベルまで来ている。
ただし「不満なく使い物になる」というレベルまではもう一歩という感じで、インポートに関してはまずiCalの方で過去のイベント履歴を自動的に削除する設定にしておいて(デフォルトではチェックを入れると60日過ぎたイベントは削除するようになっている。勿論変更可)、それでスケジュールデータベースをうんと軽くしておいてやらないとまたクラッシュするなど不安定さを感じた。

今回はそういうプロセスを経てデータを軽くしてiCalからのデータ移行には成功したので、とりあえずiCalから乗り換えるという使い方では使えると思う。常時スケジュール共用は現時点では考えない方がいい。

このSunbirdiCalにはない良さもあって、イベントを時間やカテゴリーやタイトル名でソートして探したりできるので、過去の
「あの人と会ったのはいつのことだっけ?」
みたいなことをイベント情報で探す時には便利そうだ。
また一日表示のスケジュールを縦表示も横表示もできるのも面白い。

けど何をスルにしても動作が重いのは厳しいなぁ。
1.3GHzのCPUでもいちいちレインボーボールが回る重さはさすがに常用するにはためらうものがある。
前回のビルドと比べて見違えるように改善されているが、ここいらがもう一歩なところなのでこれからの改善に期待したい。
しかしここまでの開発はなかなか良いテンポで来ているので、近いうちにこれがiCalの対抗軸になる時は来そうだ。
Mozilla謹製のアプリだし、筋は良さそうなデザインなので期待は持てると思う。






Sunbirdの一日のスケジュールを表示した画面
同刻の複数イベントをこのように表示できたりカテゴリーで色分けできるなど
表示上はiCalに機能的には負けていない
左下のペインはToDo、上には祝日や天気などwebのカレンダーイベント読み込みが可能
iCalと同じicsファイルを読み込めるのでiCal向けサービスを利用できる





カレンダー上をクリックすると入力タブが降りてきて内容や時間、場所などの情報を書き込める
ツールバーの「NewEvent」ボタンクリックでもこのタブが出てくるので
とりあえず入力してドラッグで日時、デュレーションなどを動かしてもいい





オンマウスでカレンダーには表示しきれない情報も全部表示できる





こちらは週間スケジュール表示に切り替えたところ





さらに月間スケジュール表示に切り替える
この表示は実用性には疑問を感じるが
「今月も忙しいなぁ」とタメ息をつきたい時にはいいかもしれない





私が便利だと思ったのは過去のイベントも含めて、
時間、タイトル名、カテゴリーなどでイベントをソートできるこのリスト機能
相手先、場所、目的など記入の順番を決めておきカテゴリーも必ず設定すると
この機能は探し物にはなかなか使えるようになると思う





もうひとつ面白いと思ったのは一日表示のスケジュールを横スクロールにも表示できることだ
ファイロファックスとか使い慣れていた人はこの方がいいかもしれない





ところで前回ビルドではiCalのイベントデータベースを読み込もうとすると
こういう表示が出てほぼ間違いなくクラッシュしてしまった
しかもシステムを巻き込んでクラッシュするというかなりいただけないトラブルだった
今回はこれは改善されている





今回のビルドから初めて起動すると「どのスケジューラからインポートするか?」と訊いてくる
iCalしかないのでこの場合はそういう表示なっている





インポートが完了した時にはこういう表示





ただしスムーズに移行したいならiCalのスケージュールデータを軽くしておくことをお勧めする
iCalの環境設定/詳細に入ってここにチェックを入れておく
そうすると次回iCal起動時に60日より古いイベントは自動的に削除される
デフォは60日だが、ここでその日数は変更可能だ








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